IS インフィニット・ストラトス 〜転入生は女嫌い!?〜 第十四話  〜強襲〜
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〜一週間後・アリーナ・ピット〜

 

 

 

クロウ、箒、セシリアはISを展開した一夏と共に、作戦会議をしていた。

 

「いいか一夏、鳳のISは((甲龍|シェンロン))。近接格闘型のISだ。お前の白式と似たコンセプトの機体、というわけだな」

 

「遠距離からの武装があるかもしれませんわ。十分に気を付けて」

 

クロウが解説、セシリアが技術面での忠告をする。

 

「まあ、遠距離はともかく、近距離は大丈夫だろう。特訓でショートレンジの戦い方はある程度様になってきているからな」

 

「ああ、でも射撃武器を持っていたらどうする?」

 

「そん時はそんときだ。射撃武器は弾数が無限じゃない。弾切れを狙うか、接近しての近距離戦を仕掛けてみるんだな」

 

「分かった」

 

「頑張るのだぞ一夏、私との特訓を思い出せ!」

 

「ああ、頑張ってくるぜ」

 

その時スピーカーから声が聞こえてきた。

 

≪そろそろ試合開始だ。織斑以外はこちらの管制室に上がって来い≫

 

「じゃあな、一夏。勝ってこいよ」

 

「いい試合してくるよ。あれだけ練習して、簡単には負けられないしな」

 

「いい返事だ。行ってこい!」

 

その言葉を残し、クロウたちは管制室へとむかう。

 

〜ピット内・管制室〜

 

目の前のモニターには、試合の風景が映し出されており、一夏が何かの射撃武器によって大きくバランスを崩したところだった。

 

「何だありゃ!?」

 

「あれは第三世代型の兵器、((龍咆|りゅうほう))ですわね」

 

目を剥くクロウの横で、説明を始めるセシリア。モニターでは、鈴が一夏に向かって、何かを連続で発射していた。

 

「だが見たところ、鳳は遠距離用の兵器なんて持っていないぞ?」

 

「クロウさん、鈴さんの肩に付いている球体こそが、龍砲ですわ」

 

「あの丸い奴か?だが銃弾はおろか砲身も見えやしねえぞ」

 

「その通りですわ。龍砲は、空間に圧力をかけて、衝撃を打ち出す武器です。」

 

「つまり、砲弾と砲身がいらないと?」

 

「ええ、しかもあの形では射角の限界もおそらくないでしょう」

 

二人が話している間にも、一夏は鈴の龍砲による攻撃にさらされており、苦戦を強いられている。

 

「まずいな・・・」

 

「あの龍砲を止める事が出来れば、何とかなるかもしれないのですが・・・」

 

クロウの呟きに応える様に麻耶が解決策を静かに言う。しかし、それが出来るなら苦労はしない。

 

「現状では、龍砲の弾切れは望めないですね。そもそも弾があるのかどうかすら怪しいので、となると」

 

クロウが次の言葉を言う前に、箒が問題に対する解答を言う。

 

「近距離での打ち合い・・・」

 

「で、でもその方法がないんじゃどうしようも!」

 

「いや、方法ならある」

 

驚いて全員が千冬の方を向く。

 

「その方法っていうのはなんですか?」

 

「((瞬時加速|イグニッションブースト))だ。私がこの間教えた。一瞬でトップスピードをだし、相手を攻撃する奇襲攻撃だ。出しどころさえ間違えなければ、勝機は十分にある」

 

「な、ならそれを使えば勝てるのですか!」

 

「それでも難しいだろうな」

 

あくまで現実的な物言いをするクロウ。そんなクロウにセシリアは問いかける。

 

「なぜですの?」

 

「戦いってのは情報戦でもある。奇襲攻撃は、一回しか通用しないっていうのが当たり前だ」

 

「そう。つまり、最初の一回を外したら、あいつは打つ手がなくなる」

 

その内、一夏の動きが明らかに変わった。

 

「やる気だな、((瞬時加速|イグニッションブースト))を」

 

「一夏・・・」

 

次の瞬間、一夏がトップスピードに乗った。

 

「行けるか!?」

 

その時、上空から光の柱が落ちてきた。

 

〜一夏side〜

 

一夏は先程から回避に専念している。((瞬時加速|イグニッションブースト))を使うタイミングを見極めるためだった。

 

「(これは一回しか使えない。勝負は一瞬!)」

 

その内、鈴の動きが明らかに鈍ってきた。

 

「!ここだっ!!」

 

((瞬時加速|イグニッションブースト))を使用し、一気に距離を詰める。いきなりの加速に鈴も驚いている様で一瞬、動きが止まる。

 

「嘘っ!!」

 

「うおおおおおおお!!!」

 

その時、上空から光の柱が落ちてきた。

 

〜クロウside〜

 

管制室内は、騒然となっていた。

 

「な、なんですの!?」

 

「い、一夏!」

 

箒とセシリアはいきなりの出来事に慌てるが、大人達は至極冷静だった。

 

「山田先生、状況は!?」

 

「システムにエラー発生!何かがアリーナ上空の遮断シールドを、突破してきたようです!!」

 

その言葉を聞くな否や、

 

≪試合中止!一般生徒及び、織斑、鳳は直ちに退避しろ!!≫

 

とスピーカーでアリーナ全域に告げる。それと同時に観客席に防御用のシールドが貼られた。

 

「何が起こってんだ!?」

 

煙が晴れた後、そこにはひとつの物体が立っていた。人型をしていて、両手が以上に長く、全身を装甲で被っているISの様な兵器。体の各所にスラスターの様な排気口があった。

 

≪千冬姉、なんだこいつは!?≫

 

「いいからお前らはさっさと退避しろ!もうじき教師部隊が到着する!!」

 

≪なあ、千冬姉。その部隊はどの位でくるんだ?≫

 

「・・・何が言いたい?」

 

≪俺と鈴で時間を稼ぐ≫

 

「い、いけません!そんな危険な事させる訳には!」

 

麻耶が教師の立場から一夏達に通信を送っている所に、クロウが割り込む。

 

「いいか一夏、俺が行くまで時間を稼げ」

 

「ちょ、ブルーストさん!?」

 

「決して近接攻撃は行うな。鳳との連携で囮として動け。鳳、衝撃砲のエネルギーはまだ残っているか?」

 

≪え、ええ。まだいけるわ≫

 

「それなら、遠距離からの衝撃砲で牽制し続けろ。積極的な攻撃は一切するな。二人ともあくまで回避に専念するんだ。いいな」

 

≪≪分かった!≫≫

 

「・・・」

 

箒とセシリアはあっけに取られていた。今までの飄々としたクロウの面影は一切無く、そこには軍人の様な張り詰めた雰囲気を持ったひとりの男がいた。千冬は慌ててクロウを止める。

 

「待て、ブルースト!勝手に指示を出すな!!」

 

「その意見は却下だ、織斑。さっきのビームの一撃を見ただろ?あれじゃアリーナのシールドとやらもそんなに持ちはしない。生徒に死傷者が出たらどうする?」

 

「・・・」

 

「今動けるのは専用機を持っている俺とセシリアしかいない。俺たちが援軍に行けば、戦況は変わる」

 

「で、でもブルーストさん!あなたは!!・・・それに現在アリーナのシールドはロックされています!入ることはできません!!」

 

「出し惜しみ何てしてる場合じゃねえだろ。シールドは俺がぶち破ればいいだけだ。俺は目の前で人が死ぬのは見たくない」

 

クロウがそこまで言うと、千冬は渋々と言った様子で許可を出した。

 

「・・・分かった。任せるぞ」

 

「了解だ。さて、セシリアは俺と来い。篠ノ之は早く退避だ。」

 

「は、はい」

 

「・・・一夏を頼む」

 

「分かっている。弟分を助けるのは兄貴分の務めだ」

 

その言葉を残し、クロウとセシリアは管制室から出ていく。箒は訳がわからない、と言った顔で千冬に問いかける。

 

「織斑先生、あいつは一体何者ですか?」

 

「篠ノ之、お前も早く退避しろ。あいつに言われただろう?」

 

「・・分かりました」

 

箒も管制室から出ていく。後に残されるのは、千冬と麻耶の二人だけ。

 

「・・・」

 

「で、でもブルーストさんとオルコットさんだけでいいのでしょうか?」

 

「あいつなら問題ないだろう。全く生徒の前で普段の口調とはな。後でどうやって説明するつもりだ?」

 

〜ピット内〜

 

クロウとセシリアはピット内を駆け足で進んでいた。セシリアはクロウの発する空気に押されているのかさっきから一言も言葉を発しない。そのうち、シールドでロックされているピットの出入口にたどり着いた。

 

「さて、こいつを破るには・・・力技でいいか。織斑、一夏と鳳にピットの出入口の延長線上に近づくなと言ってくれ」

 

とクロウが管制室にいる千冬に向けて通信を送ると、今まで無言で付いてきたセシリアが口を開いた。

 

「ク、クロウさん。一体何を」

 

「セシリア、これから作戦を話す。よく聞いてくれ」

 

〜一夏side〜

 

一夏と鳳はクロウに言われた通り、遠距離からの牽制に徹していた。

 

「全くいつまでこうしていればいいの!?」

 

そういいながら衝撃砲を発射する鈴。

 

「クロウがああ言ったんだ!何とかしてくれる!!」

 

敵ISの周りを飛び回り、囮役をする一夏。その間にも敵ISによるビーム攻撃は続いている。その時、二人の元に千冬から通信が入った。

 

≪織斑、鳳、聞こえるか?今からピットの出口の延長線上に決して近づくな≫

 

「どうしたんだ千冬姉!?」

 

≪ブルーストがそちらに向かう。あと少し持ちこたえろ≫

 

「分かった。聞こえたか、鈴!」

 

「聞こえてるわよ!でもあのシールドをどうやって突破して」

 

その瞬間、ピットの出口からISの全長程の太さのビームが飛び出し、シールドが木っ端微塵になった。粉塵が上がる中、その中から出てきたのは、

 

「待たせたな、一夏」

 

「クロウ!!」

 

銀と黒で構成されたISに身を包んだ、クロウ・ブルーストだった。

 

〜クロウside〜

 

「・・・分かったか、セシリア?」

 

「わかりましたわ。ひとつ聞いても宜しくて?」

 

「何だ?」

 

「クロウさん、貴方は一体何者ですの?」

 

「・・それはあとで話す。他には?」

 

「ありませんわ。でもどうやってこのシールドを突破するのです?」

 

セシリアが至極当然の疑問を言う。目の前のシールドには相当の厚さがあり、ここからアリーナに行くには、普通の方法では無理だった。

 

「見ればわかる。ISを展開してくれ」

 

二人はISを展開し、戦闘体勢に入る。

 

「さて、行くか!!」

 

その言葉と共に、ブラスタの胸のクリスタルから光が発せられる。

 

「ぶち抜け、VXブレイザー!!」

 

次の瞬間、胸のクリスタルから高出力のレーザーが発射され、シールドを跡形もなく、消し飛ばした。

 

「行くぞ、セシリア!!」

 

「はい!!」

 

その言葉と共に、二人は戦場へと赴く。

説明
第十四話です。
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タグ
インフィニット・ストラトス SF 恋愛 クロウ・ブルースト スーパーロボット大戦 クロスオーバー ちょっと原作ブレイク 主人公が若干チート ハーレム だけどヒロインは千冬 

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