テイルズオブエクシリア〜転生者はイレギュラー |
〜レオンSIDE〜
あのバカをぶっ飛ばして俺達は今現在、ようやくシャン・ドゥへと来ていた。
「ここがシャン・ドゥ?」
「はい。ア・ジュールは古くから部族間の戦乱が絶えなかったため、このような場所に街をつくったそうです」
皆は周りにいる街の住民達の様子を見ていると、ミラが言う。
「人間が生き生きしているな。祭りでもあるのか」
「見て、こっちもおもしろい像だよー」
レイアは街の入り口につくってある像を見ている。
「偉大な先祖への崇拝と、精霊信仰が同一になったといわれる像だ」
「へ〜」
感心しながら上を見ていくレイア。
「その調子その調子」
「ん?」
意味のわからないことを言うアルヴィンに疑問を覚えたレイアはアルヴィンを見る。
「こっち見ないで、ほら見上げとけよ。たまに崖から落石があるぞ」
「え!脅かさないでよっ」
上を見上げていたレイアはアルヴィンの一言に驚き、怒りアルヴィンにいう。
「詳しそうな口ぶりだな」
シャン・ドゥの街に詳しいことを不審に思ったミラがアルヴィンに聞いた。
「前に仕事で、だよ」
そういい、あしらうアルヴィン。
「あ!そういえば、レオンはここに来たことあるんだよね?その時、落石には……」
「ああ、街に来た直後に被害を受けたよ」
「えっ!」
「何だと!レオン、大丈夫だったのか!」
ミラが俺の体を触る。
「ああ。マジでびっくりしたよ。いきなり崖から落石が来るなんて思いもしなかったからな。まあ、落ちてきたのは吹き飛ばして塵にしてやったが……」
俺が皆に聞こえるように言っていると、エリーゼが街を見る。見渡す。そわそわする。
それを不審に思ったジュードがエリーゼに話しかける。
「どうしたの、エリーゼ?」
「あれ、ぼく、ここ知ってるよー。ねえ、エリー?」
「うん……。え、えと……ハ・ミルに連れてかれる前に来たんだと思います……」
「以前、この辺りにいたのですか?」
ローエンがこの辺りにいたのかを聞いてみるが
「わ、わかりません……」
わからないというエリーゼ。
それを余所にアルヴィンが単独行動を開始する。
「え、ちょっとアルヴィン君、どこいくの?」
「ちょっと用事があってな。んじゃ、そゆことで」
それだけ言って離れるアルヴィン。
「もー!協調性ないなぁ」
それにプンスカといったふうに怒っているレイア。
そんな中、俺とミラは、
「ミラ……」
「ああ……」
後でアルヴィンを探すことにした俺とミラ。皆にはワイバーンのところに案内すると俺がいい、動き始めるが。
ガラン!
俺達が通ろうとしたところの崖の上から崩れるような音がした。
「な、崩れるぞっ!」
そして、落石してくる岩。
「レイアさん!」
「エリーゼ!」
ローエンがレイアを、ミラがエリーゼを抱えた。
ジュードも落石の届かない場所にいたが、
「え〜ん、え〜ん」
その下にいる子どもが見えた。足をけがしているみたいだ。
「ちぃ!」
タッタッタ!
俺は子どもの前に立ち、
「無双正拳突き!!」
ドカァーーン!!
強烈な正拳突きで岩を破壊した。
「大丈夫か、坊主」
「う、うん……お兄ちゃんありがとう」
「よしよし、男ならもう泣くな……いいな?」
「うん!」
子どもはそのまま、友達の元へ向かって歩いて行った。
そして、俺がミラ達の方を見ると、女性が1人、レイアに手を貸していた。
「おい、何があった?」
「レオン。レイアが怪我をしたみたいでな、ジュードが治療しているところにイスラが……」
ミラが女性……イスラのことを言う。
「初めまして、イスラよ」
「俺はレオンだ」
俺が名を出すとイスラは顔色を変える。
「レオンってまさか……」
「………(汗)」
俺の名を聞いて驚くってことは……知っているな、俺のこと。
「じゃあ、私、用事があるので失礼するわ」
歩いて去って行くイスラに、
「ありがとうございました」
レイアはお礼を言った。
皆をワイバーンのいるところにまで案内して、そのワイバーンのいるところにいる。
「へいへいへい〜」
ティポは檻の中にいるワイバーンを挑発するかのように言う。
【ガアアアア!!】
「ピクン!」
ブチャ
ティポは恐がり、そのままジュードの顔面に噛みつく。
「全く、久しぶりだなお前たち」
俺が声を掛けると俺のことを覚えていたのか、舌で俺の手を舐めてくる。
【♪】
「あはは、くすぐったいぞお前ら」
俺がワイバーンとじゃれていると、
「君たち、何をするつもりだ?そのワイバーンは我が部族のもの……って、レオンじゃないか!」
3人組でその中の1人が俺たちに話しかけ、その人物は俺の名を呼ぶ。
「おお、ユルゲンスじゃないか。お久」
「お久……じゃないぞ!君の住んでいるというニ・アケリアに手紙を出したのに一向に連絡が来ないから心配していたぞ!」
「ん?何言ってんの?俺、ここ最近はニ・アケリアにいなかったからな?」
俺がそう言うとユルゲンスは驚いた表情をする。
「そうか……だが、丁度良かった!明日は例の大会なんだ!」
「………ああ!そうか、そんな時期か。前に頼まれてたっけか」
俺とユルゲンスだけで納得するような話をしていると、ミラが話しかけてきた。
「レオン。この男は誰だ?」
「ああ、すまない。私はキタル族のユルゲンス。街が賑わっているのには気付いたか?実は十年に一度、部族間で行われる闘技大会が明日開催される」
「だが、その闘技大会に出るにもその出場する選手がいない」
「レオンの言うとおりだ。我がキタル族は唯一の武闘派である族長が王に仕えているため参加できないのだ。伝統ある我が部族が、このままでは戦わずして負けてしまう……だが!数年前にレオンがここに訪れて、俺が大会に出てやるよと行ってくれた時は嬉しかったよ。レオンの実力は知っているからね」
と、俺のことを言うユルゲンスにレイアが聞いた。
「レオンってこの街では有名なんですか?ここに来る途中にここの人たちがレオンの事を見て驚いていたし、何か期待しているふうに見えたんですが……」
レイアの質問を聞いたユルゲンスが……俺がここで起こしたことを言う。
「3年ぐらい……前だったか。ここの闘技場でレオンが大暴れしたのは」
『えっ!?』
「当時、闘技場ではこの街ができたことの記念大会をしていた。各地から力あるものが出る大会でね。その時のバトル方式はバトルロワイヤルだったんだよ。そしたら、レオンは参加者達全員を一撃で戦闘不能にしたんだよ。そしたら、参加してなかったその参加者達の仲間たちが、いきなりレオンに攻撃し出して、その攻撃が関係ない観客たちにまで被害が出るところをレオンが攻撃を全部防いで、そいつらをたたきのめしたことで……レオンのことを知らない住民達はいないんだよ」
『………』
ミラ達は何ともスケールの差が違いすぎる俺のある意味では伝説の話を聞いて唖然としている。
「でだ、レオン。参加してくれるか?」
「いいぜ!前からの約束だしな!」
「待った」
俺とユルゲンスが大会の話をしているとミラが待ったという。
「どうしたミラ?」
「ユルゲンスといったな。その大会に私たちも出場させてくれ」
「なんだって?」
ミラ?別に俺だけでいいだろ?
「……どうしてだい?何で大会に出たい」
「私たちはワイバーンを借りに来たんだが……ただで貸してくれるのか?」
「……そうだね。確かにタダでは貸すわけにはいかない。なるほど、そういうことか。君はレオンだけに戦わせるのが嫌なんだね?それで、大会に出て優勝できればワイバーンを貸せ……そういうことかな?」
ユルゲンスがミラの考えを見とおしてそう言った。
「そうだ。レオンにだけ戦わせるのも忍びない」
「………いいだろう。だが、レオンの実力しか知らないからね。君たちの実力を確かめさせてもらうよ」
話がまとまっていると、
「あれれ?何か話が付いたって感じか?少し目を離しただけで、面白そーなのに首つっ込んじゃって。俺はまぜてくれないのかぁ?」
アルヴィンが現れた。
「アルヴィン君、どこいってたんだよー。こっちは恐怖体験したんだぞー!
「わりーわりー。けど、なんかあったと思ってすぐに駆けつけたわけだし……勘弁してくれよ、な?」
「仲間か?」
ユルゲンスが俺に聞く。
「そうだぜ。これで全員集合」
「では、力を見させてもらう。空中闘技場へ来てくれ」
空中闘技場に移動した俺達はユルゲンス達に説明を受けた。
「では、こっちに来てくれ」
ユルゲンスに案内され、俺は3年ぶりに闘技場内に入った。
「うわー。立派な舞台だね」
闘技場を見て驚きながら感想を言うレイア。
そんなはしゃいでいるレイアにジュードが近づき、
「あんまりはしゃがないでよ」
「男の子なんだから、もっとこう燃えてきたぜー!みたいのないの?」
「ないよ、そんなの。それより、ケガは大丈夫?」
彼女であるレイアの怪我の事を気にするあたり、しっかりしているなジュードは。
「大丈夫だよ!まったく問題なし!だよ!」
「そう、ならよかったよ」
2人が仲よく話していると、
「そろそろ始めようと思うが、いいか?」
ユルゲンスがジュード達の実力をはかるためにいいか?と聞いてくる、
「ああ。皆の準備はOKみたいだぜ?」
「そうか。では、レオンは私たちと一緒に客席へ」
「わかった」
どうやら俺の今の実力は見ないみたいだな。
俺達が客席に移動すると、ミラ達の戦闘が始まるが……あの程度の魔物に苦戦するほど皆は弱くないな。
「いざとなったら出て行こうと思っていたが、必要なかったか」
「あったり前だよー!えっへん!」
「すまなかった。君を見くびっていたようだ」
ユルゲンスがそう言うとティポがユルゲンスの前に立つ?
「ぼくだけー!?」
「ははは。誰が見たってそうだよな」
アルヴィンがティポをバカに知るように言うとエリーゼが怒り、アルヴィンに言った。
「むー……わたしの友達、バカにしないでください」
「ごめんごめん」
謝るアルヴィンだが、どう見ても謝る人間の態度じゃないな。
「だが、それだけ厳しい戦いなんだ。どれだけ厳しいかと言うと……レオン。待たせてすまないな。見せてやってくれ」
「いいぜ……俺の久しぶりの闘技場の空気に感化されてきたぜ」
「では、他の皆さんは客席に」
ユルゲンスが皆を客席に移動させ、客席に座ると再び門が開き、そこから100体ぐらいの魔物が出てくる。
「ハッハ!久しぶりに燃えてきたぜ!!!」
俺は剣を構え、魔物達に突撃していった。
〜レオンSIDE OUT〜
〜ミラSIDE〜
なっ!何だあの数は!
「どういうことだ!何故あんなに数が多いんだ!」
「言っただろ厳しい戦いだと……例えるなら魔物100体と戦う感じだ。闘技場の空気・雰囲気・客の観戦など、色々なものが君たちに圧力として降り注ぐはずだ」
「なるほどねぇ。だから、レオンに俺たちに客としての立場から見せるってわけか」
「そういうことだ。お、始まるぞ」
レオンの戦いが始まり、それを見ることになった私たち。
無理だと思ったが、それは間違いだった。
「オラ!どうした!!」
レオンは技も使わず、剣のみで魔物達をどんどん倒していっている。
「シャッハァァァ――――――っ!!!」
いつものレオンとは違う戦い方だ。迫りくる魔物達を寄せ付けない嵐のような猛攻撃。
「す、凄い」
「レオンってあんな戦い方をするんだ」
レオンの1人で闘う姿をあまり見ないジュード達は驚いている。ここに来る前にイバルと戦ったレオンは今とは違った戦い方だったしな。
「ハッハ!剣だけじゃつまんないな!なら……雷化でいくぜ!」
レオンの十八番である雷化をし、魔物達を今度は拳で吹き飛ばしていっている。
「早いですな……あれは一体」
ローエンが不思議がっている。そういえば、エリーゼとローエン、レイアはレオンの雷化を見たことがなかったな。
「あれはレオンが作った戦闘技法のひとつ……雷化だ」
「雷化……ですか?」
「ああ。雷のマナを体に取り込み、さらに外からも雷のマナを纏うことでパワー・スピードを最大限に高めることができるんだ」
「す、凄すぎます!」
「レオン君すごーいー!」
「が、その分、防御力が下がるのが難点だと言っていた」
「確かに、あれほどのパワー・スピードですからね、何かしらのデミリットがあると思いましたが……まさか、防御力とは」
ローエンは深刻そうな表情をして言う。
「ああ、だが……」
バキィィン!
ドス!
ドカァァーーン!
レオンが残っていた魔物達を一掃した。
「レオンにはそんなことは関係ない」
「ですな」
レオンの戦闘が終えると、
「では、本戦は明日だ。皆、よろしく頼む」
ユルゲンスに頼まれ、私たちは明日の大会に備えて、宿屋で休むことになった。
だが、私は思いもしなかった。あの落石、そして、明日の大会で再び奴らと戦うことになることを……思いもしなかった。
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第29話 シャン・ドゥでの再開 | ||
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