東方霧雨兄録 其の七 |
流星は直ぐに人間の里に姿を現した。紅い霧は里中に 広がっていて周りの人達が大急ぎで家に入る姿が後を たたない。
そして其の霧は流星にも何らかの変化をもたらしてる 先程から体の力が奪われそうになっている。
「凄い程の妖力だ。これは妖霧だな」
小さい頃に妖力の特訓を積んだからこそ分かる、この 霧による妖力の強さが。恐らく普通の人なら20〜30 分で体力を奪われてしまうだろう。
流星は周りを見る周りの人達は家の中へ入りこの場所 に居るのは流星だけとなった。
そして流星は異変の事に詳しいかと思われる人物で在 る上白沢慧音の居る寺子屋へと向かう。
寺子屋の前に居る。扉が閉められている。
流星は扉をノックする。中から凄く懐かしい声、慧音 の声が返ってきた。
「こんな時に誰だ」
「慧音さん、霧雨流星です。少し聞きたい事が在り来 ました」
中から立ち上がる音が聴こえた。暫くして扉が開き其 所から慧音が流星を見てる。
余りに成長したせいか最初は見覚えの無い感じの表情 だったが直ぐに思い出し流星に語りかけた。
「私の教え子だった流星か?」
「そうです」
慧音は見違えたと思いながら流星を見てる。魔理沙と の再会は十年ぶりだったが慧音はもっと古い再会とな る。
「久し振りだな。取り合えず中で話を聞くか」
流星は建物の中へと入る。慧音に机に座る様に言われ て机に座り、慧音は椅子を持ってきて向かいに座った 。
「何を聞くか分かっているぞ。この霧の事だな」
「慧音さんもこの霧については何か分かったんですか 」
「いや、まだ霧が覆われてから時間が経ってないから な。はっきりとした事は言えないが1つ言える事はこ の霧が太陽の光を遮っていると言う事だけだ」
「太陽ですか?」
流星は考える。妖霧、太陽、これは明らかに自然現象 ではないと言う事だけは分かった。
自然現象ではないと言う事は或いは人の手による物に なる。太陽を遮ってしまうと言う事は太陽に余程の敵 意を持っている人になるわけだ。
「闇の妖怪か或いは吸血鬼の仕業位しか思い浮かびま せんね」
「今の話で其処まで分かっただけでも上出来だ。お前 の言う其の二人の仕業か調べてみるな」
慧音は奥の部屋へと入って行った。そして流星は更に 深く考えている。
昔にこの幻想郷の何処かに吸血鬼が住むと言う舘が在 ると聞いた事がある。
「どうやら又、紫さんの能力を使わせて頂く時がきた 様だ」
流星は隙間を開けた。其の中へと入り流星は隙間を閉 めた。
流星の姿は其の場所から居なくなった。そして奥から 慧音が戻って来た。
「思いあたる所を調べたぞ紅魔館だ、あの舘かも知れ ない」
慧音は周りを見て流星が居ない事に気が付いた。慧音 は巻物を置き流星が行った先が何処か直ぐに分かった 。
「流星、恐らく生きて帰って来れないぞ」
慧音は窓の方を見て紅い霧をじっと見る。
「確か彼奴には『見た事を真似する程度の能力』を持 っていたからな。死ぬ事は無いと思うけど」
でも不安が過る。そう思いながら慧音は巻物を持って 自分の部屋へと入って行った。
隙間の中で境界を使って吸血鬼の住む舘を探している 。
このまま霧が幻想郷を覆われる訳にはいかない。そし て何よりも一番に重要なのは夜空が霧に遮られてしま ったら星が見れなくなる危険が在る。
流星は境界で舘を見つけた。
「あれか」
流星は隙間を開けた。そして着いた場所はこの舘の主 であるレミリアスカーレットの部屋の前だ。流星はレ ミリアが主だとは知らない。
流星はノブに手を置き扉を開けた。
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東方霧雨兄録の其の七です。楽しんで頂けたら嬉しいです。 | ||
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