東方霧雨兄録 其の九 |
紅い霧の異変に気付いて飛んで帰って来た魔理沙は流 星の置いて行った書き置きを見ている。
簡単に書いて在るだけで里に行くとしか書いてない。 魔理沙は書き置きを置いた。
そして魔理沙も里に向かおうと魔法店を出ようとした 。
その時、流星が姿を現した。魔理沙は直ぐに流星の方 を向き安心した表情になった。
「兄貴!急に里に行くなんて書いて在ったから心配し てたぜ」
「ごめん魔理沙。ちょっとこの霧について調べていた 処だったんだ」
「何か分かったのか?」
「ああ、この霧の犯人にも会って来た」
魔理沙は凄く驚いた表情をする。もう其処まで調べて いたとは思ってなかったからだ。
「相手はどんな奴だ?」
「紅魔館のレミリアと言う人物だ。其の本人は言って いた私が実行犯だと」
「よし!兄貴、今度は私も行くぜ」
だが流星は魔理沙に待つ様に言った。流星が行った事 で紅魔館が厳重にトラップを張ってる可能性を考えた からだ。
そして主だと名乗ったレミリアにも其の危険性を持っ ている。戦う前に退散したのではっきりとした事は分 からないがあの自信からしてただ者ではないと思った 。
「あのレミリアから感じた殺気は並大抵の物ではなか った。恐らく戦っていたらどうなっていたか」
「そんなに凄い奴なのか?」
「俺にはそう感じた。そしてもう1人居たあの時を操 る女性にも」
「時を操るなんて、そんな凄い奴も居るのか‥‥やれ やれだぜ」
魔理沙は椅子に座った。そして其所に流星が先程食べ ていたカレーの皿が置いて在るのに目が行く。
魔理沙は其れを見て思い出したく無い事を思い出した 表情になる。顔色が悪くなってる。
「食ったのか自分のカレー」
「食ったよ。魔理沙もどう?」
「絶対に!お断りするぜ!!」
どうやらカレーの事は覚えている様だ。余り触れられ たくない過去を言ってしまったので別の話題を持ち掛 けた。
「霊夢さんは何をしてるんだ?」
「さあな、恐らく異変に気付いて動き始めてるかも知 れないぜ。中々動かないけど」
「一度、霊夢さんの所へ行くか」
「そうだな」
魔理沙は外に出て箒に乗り凄いスピードで飛んで行っ た。そして流星も隙間を開けて中へと入り隙間を閉め た。
そして流星と魔理沙は博麗神社に着いた。直ぐに霊夢 を探す流星と魔理沙。
丁度裏の霊夢の部屋に霊夢が居るみたいだ。魔理沙は 襖を開けて中へと入った流星も入った。
「又来たと言う事はこの異変の事ね」
「そうだぜ。犯人も分かったし早速行くぜ霊夢」
「待ちなさい魔理沙。今行くよりも少ししてからの方 が安心だわ。警備も柔らかくなる筈だしね」
「兄貴と同じ事を言ってるぜ」
「焦るのは禁物よ。取りあえず其れを調べた人の話し でも聞きましょう」
霊夢が流星と魔理沙に座布団に座る様に言う。霊夢は 人数分のお茶を淹れて二人に出した。
そしてお礼を霊夢に言ってお茶を頂いてる。霊夢が流 星に話しかけてきた。
「犯人を調べたのは貴方でしょ。相手はどんな感じの 人だったの?」
「吸血鬼、そして凄く強い様な物を感じた」
「成程ね」
魔理沙も話しかけてきた。
「霊夢、どの位待つんだ?」
「誰も攻めに来ないと思わせる為に半月は空けた方が 良いわね」
「里はどうするんだ?半月経つまで外に出れないぜ」
「分かっているわ。それまで里の人には待つ様に私か ら言っとくから」
魔理沙は頷きお茶を飲む。流星は立ち上がり襖を開け て外を見始めた。
レミリアの事を考えている。あの時に感じた殺気を前 に退散したが流星は次会った時の事を考えている。
「今度は本気でお手合わせ願おう」
そして流星と魔理沙と霊夢は半月後の紅魔館へと攻め に行くのを待つのである。
この先の幻想郷にも名が残る「紅霧異変」を終わらせ る為に。
皆万全の準備をして半月を迎えるのであった。
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東方霧雨兄録の其の九です。楽しんで頂けたら嬉しいです。 | ||
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