東方霧雨兄録 其の十
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そして紅い霧の発生から半月が経った頃。霧雨魔法店 に居る流星と魔理沙は紅魔館へと向けての準備をして いる。

 

「そろそろ霊夢も動く頃だぜ」

 

「そうだな」

 

魔理沙はポケットから何かを出した。其れは少し古く なっている八卦炉だ。

 

魔理沙のではない事は直ぐに分かった。そして其れが 過去に流星も見た事が在る物だと直ぐに気付く。

 

「これは俺の!?」

 

「そうだぜ。これは兄貴の八卦炉だぜ」

 

其の八卦炉を手に取った。幻想郷を去って戻って来る 迄の間一度も手にしてなかったので十年ぶり位になる 。

 

「まだ使えるのか?」

 

「一度試してある。心配いらないぜ」

 

流星はその八卦炉をポケットにしまった。魔理沙も準 備が整って二人は表へと出た。

 

魔理沙は箒に乗り流星は隙間を開けた。二人は紅魔館 の所で会おうと約束し魔理沙はもうスピードで飛んで 行った。

 

そして流星も隙間へと入り隙間を閉めた。

 

紅魔館の門の在る隅の茂みに流星は出た。其所には既 に来ていた霊夢が居る。

 

霊夢は流星の方を向いた。そして茂みの奥の方から魔 理沙も姿を現した。

 

「来たわね」

 

「どうだ?見張りは厳重か?」

 

「彼処に緑の服の門番らしき人が居るだけで他は誰も 居ないみたいね」

 

魔理沙と流星は霊夢の指差す方を見る。霊夢の言う其 の門番が壁に寄り掛かって立っている。

 

よく見ると寄り掛かって立っていて寝ている様にも感 じられるが何かの間違いだろうと思い流星と魔理沙は 霊夢の方を向いた。

 

「あれはどう見ても寝てるよな」

 

「油断は出来ないわ。私達が近付いたら起きるかも知 れないし」

 

暫く見てると1人の女性が門番の前に急に姿を現した 。魔理沙と霊夢は何処から現れたのか分からず驚いた 表情をしてる。

 

流星には其の女性に見覚えが在る表情で見る。レミリ アの所に訪れた時に流星にナイフを投げた咲夜だから だ。

 

咲夜は寝ている其の門番の前に立ち大声で起こそうと する。其の声は流星達の所にも軽く聞こえてくる程に 凄い。

 

「美鈴!!起きなさい!!」

 

門番の紅美鈴は其の声に凄く驚き跳び跳ねるかの様に 起きた。

 

そして咲夜は美鈴に凄い勢いで頭を小突き其の場から 居なくなった。

 

三人は其れを見て唯黙って顔を引っ込め霊夢が真っ先 にこれからの事について話し始めた。

 

「まず正面からあの門番を潰して其れから中を一気に 崩して行く作戦はどうかしら?」

 

「その作戦で良いぜ」

 

「俺も其れで良い」

 

本当は流星の能力で直接行く方法も考えた。だが急に 出た場所で凄いトラップにあってはもともこうも無い ので正面からの方が安全だと考えた。

 

恐らくレミリアも二度目の方法を考えているに違いな い。直接行って対決、にすれば直ぐに事は済むが安全 性が期待出来ない。

 

魔理沙と霊夢も其れは分かっているのか其の事を流星 に言おうとはしなかった。

 

「じゃあ行くわよ」

 

霊夢の合図で三人は茂みから出て門の方へと向かった 。

 

美鈴は頭を押さえている。そして来た三人の方へ目線 が行く。

 

そして美鈴は三人に語りかける。敵意は全然持ってな い様に感じる。

 

「もしかしてお嬢様が言っていた霧の反対者じゃない わよね?」

 

「分かっているなら直ぐにこの霧を消しなさい!。嫌 なら強引に消させても良いのよ」

 

「言ってくれるね。なら私を倒してみなよ」

 

魔理沙が霊夢に語りかける。美鈴から凄いオーラを感 じるからだ。

 

「何かさっきと違うぜ」

 

「どうせハッタリよ。私達に勝てる筈が無いわ」

 

そして其の頃、紅魔館のレミリアの部屋で咲夜が侵入 者が来た事をレミリアに伝えている。

 

「前の侵入者も其の三人の中に居るのね」

 

「はい」

 

紅茶をテーブルに置いた。そして咲夜に他の者達にも 伝える様に言い咲夜は部屋を出た。

 

そして僅かに笑みを浮かべて流星の事を考えている。

 

「久々に退屈しなくなってきたわね」

説明
東方霧雨兄録の其の十です。楽しんで頂けたら嬉しいです。
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東方project 幻想郷 二次創作 霧雨魔理沙 魔理沙の兄 

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