恋姫外伝〜修羅と恋姫たち 四の刻
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【四の刻 恐怖】

 

 

 

 

「姉者〜間違いないのだ〜賊の大群はこの村を目指してるのだー!!」

妹分の鈴々が駆け込んでくるのを見て、愛紗は歯噛みした。

(二千もの賊徒だと…なぜだ?なんでこんな小さな村にそんな大勢の賊が集まってくるのだ!)

自分達が近隣の賊にとっての脅威になってるとは思いもよらない愛紗は、徒党を組んで攻めてくる賊の思惑がわからず困惑していた。

「とにかく村を守るには戦うしかない」

そうは言ってみたものの、それが難しいことは愛紗自身が一番わかっていた。賊二千に対してこちらは戦える若者はせいぜい四十人だ。あとは老人か女子供しかいない。

一瞬逃げることも考えたが、もはやそれも不可能に近かった。

賊はもう近隣まで来ており、老人や子供をつれて逃げ切るのは難しかった。それにもし逃げ切れたとしても、この村を捨てては明日から生きるすべはなかった。

「老人や女子供は村の奥に隠れてろ、戦える人間は防戦の準備だ。」

今は泣き言を言っても始まらない、とにかくやれることはすべてやるしかあるまいと指示をだす愛紗。自警団を集めながら、ふと陸奥が見えないことに気がついた。

「おい鈴々、陸奥のやつどうした?今こういう状況だ、あやつにも戦ってもらわなければ」

物の役に立つかわからないが、あやつでもいないよりはましと思い聞いてみたが

「知らないのだ〜気がついたら姿が見えないのだ」

と鈴々は首を振った。

あやつめ、まさか逃げおったか!と一瞬憤りかけた愛紗だったが、考えてみれば元々あやつは村の者ではない。あまりに自然に村に溶け込んでいたが、あやつが村に来てまだ一月足らずなのだ。我らと違いこの村で育ったわけでないあやつが、この村と命運を共にすることはない。元々あれほど戦いが似合わないやつもいないだろう。ならばせめてあやつだけでも無事に逃げてほしいと愛紗は思い直した。

 

 

 

村の入り口に簡易な防衛網をひき終えた頃合を見計らうように、賊らしき影が地鳴りと共に見えてきた。

まだ距離はあるものの、その殺気めいた姿に自警団の若者たちは明らかに脅えていた。

無理もあるまい、二十五倍もの賊が攻めてくるのだ、どうがんばったって勝てる見込みなどない。

かと言って逃げ道ももはやない、あと数刻後には確実な死がまっているのだ、脅えるなと言う方が無茶だ。

かくゆう愛紗も自身の体が震えるのを感じていた。

自分だけなら絶望的な戦いだろうと戦い抜き死すら受け入れる覚悟がある。

だが、自分が負ければ親しき人々が死ぬのだ。

今の状況では正直守りきれる自信などない。

それが愛紗を恐怖せしめていた。

愛紗の葛藤など知る由もなく、賊達はどんどん近づいてきた。

見れば自警団の者達は恐怖のあまり、ガタガタと震え涙を流していた。

これでは数以前の問題で戦いにすらならない。

そう思った愛紗は覚悟を決める

「おい鈴々ここは頼んだぞ、私は撃って出る。お前は皆とここを死守するのだ」

二千人を一人で迎え撃とうと言うのだ、不可能に決まっている。

そう言って自身を止めようとする鈴々を振りきり、愛紗は飛び出そうとしたが賊の前に1人の男が立ちふさがったのを見て、目を疑い止まってしまった。

「あれは陸奥?あやつ何を…」

まさか一人で賊と戦おうとでも言うのか?馬鹿な出来るはずがない。あやつは村の子供にすら勝てぬ弱者なのだぞ?自警団の仕事すら嫌がる弱虫なのだぞ?そんなあやつが賊に立ち向かえる筈がない。

愛紗は陸奥が自暴自棄にでもなったか、一人で命乞いでもしに行ったかと思い助けに飛び出そうとしたが、その瞬間、賊ではなく陸奥から沸き起こる殺気のような物に押されまたもや二の足を踏んでいた。

(な、なんだこの気配は…死神とでも言えばいいのか?このような殺気は感じたことない。これを陸奥が放っているというのか…あやついったい何者なんだ…)

愛紗は自身が言葉すら発せないことに恐怖しながら、陸奥から目が離せないでいた。

そして次の瞬間、村人たちはそこに修羅を観た。

説明
いつの時代も決して表に出ることなく

常に時代の影にいた

最強を誇る無手の武術『陸奥圓明流』

その陸奥を名乗る者が『恋姫』の世界にいたら?

というifのお話
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コメント
外伝の雷(あずま)編を読めば、これくらいはまだましですが。それにすべての賊を倒すところまでしなくても、頭を倒せば勝ちは見えます。次も楽しみにしています。(睦月 ひとし)
まあどこぞの飛将軍は1対3万だったので、でもさすがにそれはないだろうとw(南斗星)
1対2000は流石にキツくないだろうか。(アルヤ)
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恋姫†無双 と修羅の刻のクロス 主役はオリジナルの『陸奥』 

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