ONE PIECE ?黒髪少年の描く世界? 第九話 兄ちゃん
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前にはルフィがいる。そしてスモーカー。どうやら煙の能力者らしい。さっきも煙になってルフィを追いかけていた。煙ってことはその煙を吹き飛ばしちまえばいいんだよな?

 

「|神風(エエカトル・ファン)…風車!!」

ヤシの葉を5枚出して回転させる。そこから突風を出してルフィに迫っていた煙の手を払う。

 

「ヤマトォ!」

「行くぞルフィ!チョークアート!!」

地面に今度は俺とルフィの絵を描く。

「WAKE UP!!」

「ウホホホォー!!すんげぇおれだ!」

ルフィが自分と全くおんなじヤマトの描いたルフィを見て言う。

「これをダミーとして船と正反対の方向に向かわせる。それで十分時間は稼げるだろ!」

絵を描いていた間はスモーカーの周りはヤマトの出した葉が沢山渦巻いていて周りが見えていない。

 

 

「いいかルフィ。これからしゃべんなよ。しゃべったら台無しだかんな」

「ん。わかった。」

「よし、いくぞ。『キャーーー!海賊達が向こうの肉屋に向かって走っていくわ!』」

ヤマトが鼻をつまんで裏声を出す。うむ、我ながら女そっくりの声だ。

それと同時にヤマトとルフィ、偽ヤマトと偽ルフィも正反対の方向に走り出す。スモーカーの周りの葉も取り払う。

 

「向こうか!」

スモーカーがダミーの方向に走っていく。

 

「うし、急ぐぞルフィ!そのうち気づかれる」

「おう!すんげぇなぁ。後でなんか作ってくれ!」

「後でな」

船に向かって全速力で走る。恐らくみんなはもう着いているだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

船に着く。予想通りみんなはもう船に乗り込んでいた。

「あ、ヤマトとルフィが帰ってきた!みんなー!いかりを上げて!出航よ!」

ナミが俺らを見つけるなり後ろのみんなに言う。

「「「「うっしゃー!」」」」

「ナミさん素敵だー」

…聞かなかった事にしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ルフィの奴いい仲間持ったんじゃねぇか」

スモーカーとのやりとりをみていたそばかすがニヤッと笑ってつぶやく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤマトとルフィが到着するまでにビビは今までイガラムとかいうナントカ隊長と一緒に調べてきた事を書いた紙をカルーに渡して国王に届けるように言って先にアラバスタへ向かわせたようだ。そのナントカ隊長は途中で行方不明らしい。

 

「そういえばルフィ、さっき飯屋にいたの誰だ?お前の事知ってるような感じだったぞ」

船縁に寄りかかって言う。ルフィはもっと飯食いたかったー、とか言いながらナノハナの方を眺めている。つまりオレの正反対を見てる。

「さっきの?」

ナミが聞いてくる。

「ああ、俺とルフィさ、偶然同じ飯屋にいたんだ。そのときそばかすでオレンジの帽子かぶってんのがいたんだ。なんかボルサリーノの形に近かった。あと特徴って言ったら赤い数珠みたいの首に着けてた」

 

 

 

 

「そいつぁ…俺の事か?」

ガンッ

俺の真横で音がして、影がかかる。ああ、そうこの声この声。この人の事だ…って、え!?

 

「何でいるんだ!?」

「いやいや俺の弟に会っときたくてな」

「?ナミ兄さんいたのか?」

「…いないわよ!それに今“弟”って言ったでしょ!?」

ナミがすごい形相で詰め寄ってくる。

「わ、悪い、忘れてた」

「この人が“弟”って言った事を!?私が女だって事を!?」

「…」

「そこで黙るなぁ!はぁ、はぁ、サンジ君は?」

 

「俺もいたつもりはねぇな。マリモお前じゃねぇか?あ、悪いこの人髪黒かった。」

「あ゛!?てめぇどういう意味だ!」

「てめぇの先祖は代々マリモヘアだっつってんだよクソマリモ!」

「言うじゃねぇかてめェ…!チョッパーじゃないのか」

 

「おれの兄ちゃんはトナカイだ!」

「そうだった。ビビ」

「ううん、私は一人っ子」

どうやらみんな違うそうだ。んじゃこいつ誰の兄ちゃん?…ていうか

 

「乗り間違えじゃねぇっすか?」

ヤマトが問う。

「いんや。ちゃんといるぜ」

 

 

「ん?うおおぉ!!エェェスーーー!!」

ルフィがエースとやらに近寄りながら言う。

「「「「「てめーかよ!!」」」」」

まあつっこみも飛ぶわな。今までの会話で気づこうよ、ルフィ君。

説明
にじファンからの転載です。
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