いきなりパチュンした俺は傷だらけの獅子に転生した |
第十一話 動けない奴ほど狙いやすいものは無い!
オラは死んじまっただ〜♪
パチュンしち待っただ〜♪
転生しちまった〜だ♪
ロリ(金髪)に懐かれた〜あ〜♪
ロリ(赤毛)に襲われた〜♪
不意撃ち(誤字に非ず)にあっただ〜♪
作詞 沢高志。作曲 この後が怖いから言えません。
みなさんこんばんわ。前回不意撃ちを食らった主人公。沢高志です。
只今、俺は冷たいアスファルトの上に寝そべっています。
別に死んだわけではありません。死ぬほど痛かったですが、悲鳴をあげずに歯を食いしばって悲鳴を噛み殺し、死んだふりをしています。ガンレオンの武装は解いてはいません。
アリシアは先程の襲撃の衝撃で気絶したままユニゾンしている。
俺の頭の上では俺を襲ってきた赤毛のロリとブラスタの姿をしたクロウが何やら話し合っている。
時々「なの」という語尾が聞こえるが、俺以外にも三人もいるのか。
「無事でよかった」とか、「君を見て思わず助けた所だ」とか。
イケメンは言うことが違うね。…ケッ。
いきなり不意打ちしたくせに!…く、せに。…俺もしました。
でも、それは人を助ける為で!…彼もでした。
あの狙撃した時、理由も知らない第三者が見たら、電ノコを持った機械人形が少女に襲い掛かっている場面だもんな。
…うん。俺でも電ノコを持っていた自分を撃っていたよ。
でも俺は声を大にして言いたい。
それでも僕は(殺意や暴行の意志を持って)やっていない!
…駄目だ。説得力が無さ過ぎる!
不意打ちをしたからには不意打ちをと考えていましたが、ここで俺がブラスタを身に纏ったクロウを攻撃すれば俺は人としての何かを捨ててしまう気がする。
(…どうしよう?)
幸い、ガンレオンの頑丈な装甲のおかげで頭に軽い怪我だけで済んだが迷っていた。というか、起き上がりづらい。
ガンレオンの機能を殆ど落としているので何を話しているのか聞き取りづらい。
しばらくするとクロウ以外の気配が遠ざかった。と、同時に。
ガチャ、ズドオンッ!
「どうわぁ!?」
撃鉄を上げる音がしたと思って思わずその場から飛び退く。
「ふん。やっぱり死んだふりか」
「…分かってた?」
「ふん、俺はブラスタだぞ?」
ブラスタは対次元獣用の兵器。次元獣のデータを採取してそのデータをもとにして戦う。
次元獣だけではなく他の世界の機体と戦いそれを元にして…。
…データ採取?もしかして…。
「…情報収集能力」
「その通りだ。お前もあのゲームをやったんだな。だから、そんな格好なんだろうガンレオン」
俺はクロウの言葉に頷きながら俺も話しかける。
「それで、どうして俺に向かって銃を撃つ。色男」
「そっちは俺の事を知っているようだな。お前の顔も見せてくれないか?」
「悪いけど顔を見せることは出来ない。俺一人だけだったらよかったけど、俺の後ろには何人か、まあ、傷有の人間がいるんだ。正体を明かすのは勘弁してくれ」
「…ふうん。まあ、いいか」
ジャキィッ。
と、EAGLEと呼ばれた銃を向けている。
俺はそれを見て思わず距離を取る。
「なんのつもりだ?」
とりあえず聞いてみる。
まあ、この空気だと…。
ドオンッ!
「こういうことさ」
「俺とやり合うのか?」
「『揺れる天秤』と『傷だらけの獅子』のドリームマッチだろ?」
「一応、ゲームではあったんだけどな、再生編で」
「ああ、それやる前に俺はここに来たんだよな。そっちのパワーアップイベントはしたか?スフィアを使ったものなら。ただガンレオンやヴァルゴラはあまり変わっていなかった。変わったのはブラスタだよ」
「へー、どんなふうにだよ。まあ、それは…」
俺は両手にレンチを出現させてブラスタに構える。
「お前をボコボコにして吐かせる。そうすればなのはたちは俺にメロメロになるんだろう」
「そうか、がんばれ。ボコボコにされるつもりはないけどよ」
レンチを両手に持って迎撃準備をする。
二人の後ろにある公園の噴水が噴き出した瞬間にガンレオンとブラスタは同時に飛び出した。
ドオォンッ。
「にゃ、やっぱりクロウくんとあの機械人形君が…」
「よそ見している場合か!」
「あうっ!貴方の目的は何!?それは私達に手伝えることがあなら私達は手伝うよ」
「時空管理局の奴らの事なんか信じられるかよ!」
「むーう、なら私が勝ったら教えてね」
「やれるもんならやって見ろ!」
なのはと赤い女の子のヴィータが再び戦闘再開しようとした瞬間に静かだけど圧倒的な強さを持った魔力と荒々しい程の魔力が舞い上がった。
それは二人が今行っている戦闘を止めてでも見ておきたい戦いがそこにあると思った。
「あの、ここは一時停戦ということで」
「向こう側を見に行こうってか?…まあ、いいぜ。あたしはあの黄色い機械人形だ」
「わ、私はクロウくんだもん」
「じゃあ、黄色い奴が勝ったらお前等のリンカーコアを貰うからな」
「い、いいよ。クロウ君強いから負けないもん」
と、二人が言い合っているとガンレオンがビルに囲まれた十字路で何やらロープのような物をくいくいと引っ張邸る。その動作をしているうちにブラスタがガンレオンの後ろの方から強襲してくる。
「もらったぜ、ガンレオン!」
「…ふん。四番一番!」
ガンレオンはその急襲に気づいたか手足についていた鋼鉄のロープを引くと十字路を囲んでいたビルがブラスタ。というか十字路の真ん中に向かって落ちてくる。
「ちぃ!」
「まだだ。二番三番!」
「まさかっ、ビルごとか!」
急いで空いている隙間を探してそこから抜け出そうとしたクロウくんだったがビルのがれきの中に埋もれていった。
ズズズズズズン。
と、地響きを立てて綺麗だったはずの十字路はビルの瓦礫で見るも絶えない荒れ地へと変化した。
その瓦礫の中からブラスタを身に纏ったクロウが出てくる。
そこに轟音の電動ノコギリを起動させて突っ込んでくるガンレオン。ブラスタの腰から半分はがれきに埋まっている。
かたや、ガンレオンの足元にはキャタピラなどの悪路に適した設計だった。陸で敵なしの機体と言えばガンレオンになるだろう。
「動けない奴ほど狙いやすいものは無い!」
「だ、駄目―!クロウくん避けてぇええ!」
なのはの声を受けてクロウはブラスタを瓦礫の中から抜け出すことは出来たが、ガンレオンの電動ノコギリが迫っていた。
「ぜええええいやっ」
ギャリイインッ。
「くぅっ」
ブラスタの翼の一部を切り取られながらも瓦礫から抜け出したが、バランスの悪い状態で飛び立ったのだがフラフラの状態だった。
「なら、もう一回だ」
ギャリイイイイイイイィィィ!
両手に着けた電ノコを起動させて瓦礫の上を駆け抜ける。そして、大きく飛び上がるとフラフラになりながら俺に目を向けたブラスタに向かってチェインデカッターを叩きこんだ。このタイミングなら躱せない。
…そのはずだったのに。
ドッオオオオオオオンッ!
ブラスタが正面に向かって瞬時に加速した。まるで背中に見えない爆弾を爆発させて移動したかのような移動。これって、まさか!
「瞬時加速(イグニッションブースト)だ。では、こちらもお返しをさせてもらおうか。動けない奴ほど狙いやすいものは無い。だったな」
「っ」
ガンレオンは空振りをした状態、鹿もまだ地面に落ちていないので身動きが取れない。それを感じ取ったのか宙に浮いた状態で銃を俺に向けたクロウは口元を軽く曲げると重心の形を変えて、未だに落下中の俺に向かって言った。
「A(アサルト)C(コンバット)P(パターン)ファイズ」
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第十一話。 動けない奴ほど狙いやすいものは無い! | ||
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