魔法少女イレギュラーなのは〜4〜 美貴「初戦闘」
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可愛い魔法少女だと思った?

残念、美貴ちゃんでした!

 

 

……んー、連続はつまらないかな?

 

 

というわけであたしです。

 

学校へ行って、たまに帰る途中に寄り道をして、剣の素振りをしてます。

 

別に大して意味はないんだけど……何となく、ね。

もう癖になってきてる、っていうか。

 

学校で友達も出来ました。

男友達も出来た、前世じゃ信じられないね。

まあ、この容姿も関係するんだろうな。

美樹さやかにそっくりなこの身体は、小学生の頃はなかなかボーイッシュなんだよね。

 

「さやかわいい」なんて言われるのは中学生から。……まあ、あたしはさやかじゃないし、だからどうしたって話なんだけどね。

 

 

 

というわけで(?)、今は宿題を終わらせて、2階にある自分の部屋でぼうっとしてるところです。

小学生ならもう寝る時間なんだけど……何故か眠れないんだなこれが。

胸騒ぎ……って言うのかな。

何か、身体の中でざわざわってする感じ……。

 

「……嫌だな、こういうの」

 

そう、ぽつりと呟いた時だった。

 

 

 

 

(……か……す…て……)

 

 

 

 

「!?」

 

突然、頭に何かの声が響いた。

きょろきょろと周りを見回すけど、当然誰もいない。

 

(……れか……た…けて……!)

 

あ、ちょっと鮮明になってきた。

 

(この…えが……えてい…人……!お願い…す……助けて……さい……!)

 

「助けて」。

確かにそう聞こえた。

 

『マスター、魔力反応を確認しました』

 

ブルーも何かに気付いたかの様に言う。

 

魔力反応って何だろ。

どうしよう、助けるべきなのかな。

 

そんな事を考えながらも、既にあたしの体は動いていた。

 

道路に面した方の窓を開け、外を確認する。……夜のお陰か、誰もいない。……よし。

 

「……ブルー、セットアップ!」

 

『Stand by、set up!』

 

あたしの姿が、青が基調の騎士の姿に変わった。同時に、剣の形となったブルーがあたしの右手に握られる。

 

窓から飛び降り、マントをたなびかせながら着地。

 

「ブルー、その魔力反応ってどっちから?」

 

『誘導します。まずは、左へ進んでください』

 

とりあえず、ブルーに従って走る。……うわ、凄いスピード出る。風が気持ち良い〜。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……居た!ってあれ?

 

「なのはちゃん!?」

 

「え、あ、美貴ちゃん!」

 

そう、あたしの目の前にはクラスメートが居たのだ。

 

高町なのは。

 

アリサ・バニングス、月村すずかとの3人コンビでよく見かける。

あたしもよく話す。ほんと優しくて、良い子なんだよね。

 

「どうしてこんな所に?」

 

「この子が……助けてって……」

 

あの声が聞こえた、って事かな。

ってこの子って……フェレットじゃん?フェレットが喋るの?

 

「あの、美貴ちゃん……?その、服は……?」

 

「え?あ、あー、これは、えっと……」

 

ヤバい、ここは何とか誤魔化さないと……!コスプレ少女とか勘違いされたらマズい……!

 

「急いで!今はそれどころじゃ……!」

 

ってあれ?男の子の声?どこから?

……え、フェレット!?マジで喋った!?

っていうか、急いでって……?

 

……あー、納得。

 

何か居るね、化物みたいなの。

 

なるほど、魔力反応ってあれか。

 

「……なのはちゃんは下がってて。ここは魔法少女美貴ちゃんに任せてもらおうか」

 

「え、で、でも!?」

 

「……その姿は、バリアジャケット?君は……魔道士なのか?」

 

後ろからの声は申し訳無いけど今はちょっと無視。前に集中しないとね。

 

……ぶっちゃけ、怖い。

足が軽く震えちゃってるもん。

何よあの赤い目。現実だとこうも震えが来るもんなの?

 

あー、本来の美樹さやかは良いなぁ……あの魔女、端から見たらそんなに怖くなかったもんね。

 

……とと、そんな弱気じゃ務まらないね。

 

「ブルー……いけるかな?」

 

『とにかく、焦らず冷静に。そうすれば、少なくとも致命傷は避けられます』

 

ここしばらくあたしの訓練に付き合ってくれた相棒に聞くと、こんな返事をいただいた。……もうちょっと励ましてくれても良いんでは……?

 

……ま、でも正論だよね。

剣を正眼に構える。

 

「でやああああ!」

 

それから、敵に向け突進を開始。

接近し、剣を振りかぶる!

 

「ッ!」

 

けど、あっさり弾かれた。……流石にそこまで甘くないかぁ。

 

「ふっ、くっ、わっ、と!」

 

そして次々伸びてくる攻撃を剣で何とか弾いていく。……ここ!

 

「このおお!」

 

弾き終わってから、隙を見つけて敵へ肉薄!

 

 

 

『Caution!』

 

「え!きゃあぁ!」

 

 

 

でも、相棒の警告に気付いたときにはもう遅かった。

横から来た攻撃を受け止め損ね、吹っ飛ぶ。……イタタ。

 

「美貴ちゃんっ!」

 

「あ、はは、大丈夫、へーきへーき……こんぐらい……」

 

あん時の虐待に比べりゃ精神的にもだいぶマシってもんよ!

……あー、でも回復はしておこう、何が起こるか解らないしね……。

 

って!

 

「うわっと!?」

 

何こいつ容赦無さすぎでしょ!?

倒れてる少女に追撃とか!

……まあ、人間じゃなさそうだしね……。

 

「よいしょ、と……」

 

何とか転がって距離を取ってから起き上がり、手を痛い部分に当てる。

 

『Healing』

 

青い輝きがあたしの体を包み込んだ。……よーし、いける!

 

『焦るとさっきの二の舞です。ご注意を』

 

「あはは……み、耳が痛いな……」

 

ブルーの言う通り、でも参ったな……攻撃出来ないんじゃジリ貧だよ。

 

「……マズい、あのままじゃジリ貧だ……!」

 

「そ、そんな!ど、どうしよう……!?」

 

うん、後ろの2人共、あたしが思ってた事を口にしてくれてありがとう。

 

「……仕方ない……!ごめん、今から僕が言うことを繰り返して!」

 

「!?ちょ、何しようとしてんのさ!?」

 

『Caution!』

 

「くっ!」

 

フェレットの声に、何故かあのマスコット(笑)の事が思い浮かび、とっさに振り向く。けど、化物が邪魔してくる。

 

 

 

 

 

「いくよ……!【我、使命を受けし者なり】」

 

「わ、【我、使命を受けし者なり】」

 

「【契約の元、その力を解き放て】」

 

「け、【契約の元、その力を解き放て】」

 

「【風は空に、星は天に】」

 

「か、【風は空に、星は天に】!」

 

「【不屈の心は、その胸に】」

 

「【不屈の心は、その胸に】!」

 

 

 

 

 

次の瞬間。

桃色の閃光がなのはちゃんを中心に立ち上った。

 

……感じる……なんか、もの凄い力というか、何というか……!

 

「……綺麗……」

 

まるで、女神となったどこぞの女の子のようだと。

 

あたしは思わざるを得なかった。

説明
これは、リリカルなのはの世界で転生者たちが転生生活を頑張るお話。
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