ぬこの魔法生活 第3話 
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 ◆ 第3話 あれからぬこは ◆

 

 

 どうも、名無しのぬこ改め、高町みぃです。

 あやうく「ぶるわぁぁぁぁ!」とか「もっと熱くなれよ!」といった台詞の似合う漢(おとこ)

 もとい、ぬこになるところをご主人たるなのは嬢に救われて普通の名前をいただきました。まあ、ぬことしての、ですけどね。

 

 ……ただ、中の人はこれでも人間で? 成人もしていましたから?

 恥ずかしさのあまりに寝込みそうになりました……。キラキラネームってレベルじゃねーぞ。

 でも、なのは嬢がくれた名前に何の文句があろうか、いやない。

 

 まぁ、それはともかくこの名前をもらってから早いもので3ヶ月になりました。

 あれから、なのは嬢と遊んだり、お母様が持って帰ってくれるケーキのクリームをなめたり、恭也さんと美由希さんの修行をあくびをしながら見てみたり、なのは嬢と遊んだり、寝たり、食ったり。やばい、幸せすぎる。

 怠けても怒られない、働かなくてもいい、勉強しなくてもいい、これなんてNEET? でもぬこは自重しない!

 

 

 そんなこんなで本日、ついにお父様の士郎さんが退院するそうです。

 そのため、なのは嬢は当社比5割り増しでニコニコしています。ああもう、可愛いなぁ!

 

 そういえば、何気に初めましてになりますね。あちらさんは写真で知ってるらしいけども。

 というか、恭也さんみたくご主人に近寄ったらコロス、みたいな眼で見られないよね?

 あまりの怖さに失禁しそうになってるのは、ぬこの秘密!

 あわわ、アレが二箇所から来るとか……! そ、そんなことにはならないよね! 大人だもの! 物事の分別ぐらいついてるよね!?

 

 「ただいまー」

 「「「お帰りなさーい」」」

 

 そんな風に心の準備ができていないぬこを他所に、ついに帰宅なされたようです。

 ふむん、なんというイケメン。恭也さんに負けず劣らずの男前ですな。

 あの3児の母とは思えないほど若くて綺麗なお母様と並んでも、遜色ないほどお似合いの夫婦である。

 ちくしょう、イケメンなんて嫌いだ! イケメンは爆発しろ! あな妬ましや。

 

 などと考えているうちに、いつの間にか目の前にいらっしゃるではないか!

 

 

 「君がみぃ君かい? ようこそ高町家へ、今更かもしれないけど歓迎するよ」

 

 

 ……眩しい、顔だけでなくて中身までかっこいい。これがイケメンか。

 勝てるわけがない、格が違いすぎるだろjk(情熱的に考えて)

 

 とまぁ、馬鹿な考えは置いておく。せっかく家族がそろったのだから、ぬこから見た高町家を紹介したいと思う。

 ていうか、誰に紹介する気なんだ? 正に誰得。

 

 

 まずは、家長である高町士郎さん。

 どこぞの赤い弓兵と同じ名前だけど関係ないだろうなぁ、と思ったのが最初だった。

 この人は喫茶翠屋のシェフをやっていて、士郎さんが淹れるコーヒーはおいしいと評判らしい。

 ぬこの身としては味わう機会がなさそうなのが残念だ。猫舌だしね。

 恭也さん達のお師匠だそうなのでやっぱり強いのだろう。でも、何で入院してたかなどはよく知らないし、まだ会ったばかりなので、これからよい関係を築いていきたいと思う。

 

 

 次は、お母様こと高町桃子さん。

 喫茶翠屋のシェフというかパティシエ? らしい。残り物のケーキ、ちょーうめぇです。

 まぁ、それはともかく前述の通りかなりの美人さん。母親にしたい女性ランキング堂々の1位ですと言われても素直に納得できること請け合いである。それにしても、何歳なんだろうかこの人は。現在16歳の息子がいるとは思えないほど若々しい。

 是非ともこの謎を究明したいところだが、この事を考えるたびに急に背筋が寒くなったりするのでやっぱりやめておく。

 

 

 長男の高町恭也さん。

 高校1年生の寡黙な青年である。それがまた似合うからにくい。妹の美由希さんと剣の修行を毎朝しているのを見かける。

 時々本当に人間ですか? と疑いたくなるような動きをする人である。目の前から消えるんですよ? ありえねぇ、NINJAですか。

 ちなみに趣味は盆栽に釣り……渋い。よく一緒に縁側でぼーっとしている。ただ、なのは嬢と一緒にいるときの眼が若干怖いのはなんでだぜ?

 美由希さんのときはそうでもないが……ぬこの中の人は男兄弟だったから、身内の可愛さなんてものはよく分からなかったけども、この家族じゃあしょうがない。まったく、このシスコンめ!(褒め言葉)

 

 

 長女の高町美由希さん。

 中学2年生のメガネ美少女である。メガネ属性のないぬことしてはコンタクトに代えてくれないかなとひそかに思っていたりする(失礼)

 この人も恭也さんほどではないが大概に人間やめてるんじゃないかと思う。なのは嬢を除くと一番ぬこにかまってくれる人だったりする。

 あと、名前決めのときに分かったのだが、マンガとか好きらしい。自分も黒猫は大好きでした。リンスはぬこの嫁。異論は認める。

 ちなみにあの両親を持ちながら、料理の才能はないらしい。でも時間を見つけては日夜練習している姿にぬこはひっそりと涙を流した。

 でも、ぬこを毒見役にするのはだけは簡便な! せめてネギの類は抜いてください、切実に。

 

 

 そして、ご主人の高町なのは嬢である。

 来月に小学生になる6歳の元気いっぱいの美幼、いやさ美少女である。

 今日、士郎さんが帰ってくるまでぬこを除けばひとりでいる事が多かったせいか知らないが、なんとなく人に遠慮しているように見える。

 まぁ、今はぬこがいるから問題ないな! さすがぬこ、根拠もない自信だ。でも、有言は実行するのが心情なのです。

 それは置いといて、ご主人はご主人だけに一番ぬこにかまってくれている。

 最初はあまりかまわれるのが好きではなかったぬこも、今ではご覧のとおりに調教……げふんっ、もとい慣れてしまったのである。

 これが伝説の固有スキル『ナデポ』か。悔しい、でも……ビクンビクン!

 ………こんな思考をしてるぬこはもうダメかも分からんね。

 

 

 とまぁ、ぬこの新しい家族はこんな人たちです。改めてみると、みんな美人とか、美形だなぁ。親が美人だと得だな。

 ちなみにぬこの中の人はお世辞にもカッコいいとか美形だとか、いわんや男の娘をや、という感じだった。

 なんだこの格差は、何を食べたらこうなるだろうか? まぁ、ぬこにとっては今更な話である。

 

 

 んで、ぬこの現状といたしましては、今ではぬこらしい仕草や、動き、ツンデレ具合を完璧にマスターしたのであった!!

 今のぬこに恐れるものは何もない! もう何も怖くない! と言いたいところだが、ひとつだけそんなぬこにも苦手なものがあってですね。

 

 それが―――

 

 「そういえば、今日はみぃを洗う日じゃなかった? まだお風呂入ってないし、私がやろうか?」

 「だめだよ、みぃ君のお世話は私の仕事なの!」

 「ふふ、そっか。あ、そうだ。それなら今日は久しぶりに一緒にお風呂に入ろうか?」

 「えっ? いいの!?」

 「あらあら、いいわねぇ。それじゃあ私も一緒にいいかしら?」

 「うんっ、じゃあ、準備してくるからちょっと待っててー」

 

 ぬこそっちのけで、女性陣で話が進んでいますが、苦手なものとは正にこのこと。

 そうです、お風呂なのです! 別にぬこだから濡れるのが嫌いとかそういうことではなく、さすがに今の身体がぬこでも中の人は成人男性。

 ご主人はともかく、お母様や美由希さんはだめでしょう。いや、ご主人もご主人でアウトなんですけどね?

 ともかく、紳士としては女性の肌をみだりに見てはならないのディスよ! ということで。

 

 

 Q.コマンド?

 

 ・たたかう

 ・さくせん

 ・どうぐ

 ・にげる ←

 

 ぬこはにげだした。

 

 

 「あっ、お母さんみぃ君が逃げないようにつかまえておいてね」

 

 

 しかしまわりこまれた。

 知らなかったのか? ご主人からは逃げられない。

 

 

 

 

 

 

 

 めのまえが、まっくらになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「せっかく……せっかく帰ってきたんだから、父さんと一緒に入ってくれたっていいじゃないか、娘よ……」

 

 そんな士郎さんのつぶやきは誰にも聞かれることはなかったのであった。

 

 

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空白期1

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