堕天使はがんばる 得た物で何をするかは堕天使しだい |
得た物で何をするかは堕天使しだい
レイナーレは、天使の陣地での戦いで物資を手に入れた。
初めての実戦で四枚の羽の天使と神器保有者一人、悪魔祓師三人、神父一人を殺した。その結果、天使共が渡したくないと言った物資を手に入れた。
他者の命を奪っても罪悪感一つ抱かない自分を冷静に受け止め、生き抜こうと決意し、初めての死線を越えての結果にひとまず満足している。
「さて中身は何かしら」
物資の倉庫に入った。
ラミエル様の言った通り、倉庫の中は荒らされた跡は無った。
魔力で光を作り中を照らす。
整理整頓され何処に何があるか一目で分かる様に置かれている。
「ふ〜ん、武器庫とかじゃないのね」
入り口近くに掛けてある出し入れを記録する帳面や目録を読む。
残念ね。武器だったら魔法で作った空間に保管してゲート オブ バビロンもどきができたのに。
物資の内容は薬品関係だった。
怪我の治療用や毒・呪いの解除薬、悪魔のみに効く毒薬(聖水も含まれる)、魔法の触媒、隠すように少量の酒などだ。
二天龍襲撃後なので怪我の治療薬の在庫は殆ど無いが、解除薬や毒薬は大量に有るし全て天使の祝福で保存の術がかかっており中身が古くなることも無い。
「とりあえず全部頂くとしましょう」
倉の中身を全て便利空間(魔法の倉庫)入れながらこれからのことを考る。
とりあえずこの毒薬を使って悪魔共を殺すことは確定として、どんな状況でそれを使うかよね。
あんまりコソコソ殺してばっかりだと、便利な駒扱いで終りそうだし。かと言って正面から堂々と戦うなんて格下相手じゃなきゃしたくないし。
「ねぇ竜鯉、危険を少なくかつ目立つ何かいい案無いかしら?」
『そおっすね、とりあえず幻術に派手に戦わせてその周りで隙を突いて殺していけばいいんじゃないっすか?」
「その幻術はカマエルに一瞬で消されたでしょ」
やったと思ったところを襲うのは良いが、その方法は何度も使っていられるやり方ではない。
「せっかく手にいれた毒を使って、一撃必中で殺していこうかしら。光の槍に毒を塗ってとかどうかしら」
『いやいや、光の槍そのものが悪魔にとっては毒っすよ』
そういえばそうだ、上級悪魔でもなければ浄化の光の槍でできた傷は致命傷になりうる。上級悪魔と戦うつもり無いし。あくまで私が目指すのは原作と違ってそこそこの地位でいいのよ。
「じゃ、役に立たないものばっかりってこと?」
『脅しとか脅迫、牽制には使えるっすよ』
「微妙ね」
『そ、それに触媒もかなり手に入れたんすから、いっそ魔法を集中的に勉強してみたらどうっすか?』
「それだわ!」
そう、そうよ。せっかくファンタジーな世界で魔法があるのよ。これを習得しなくてどうするのよ私。
この世界じゃ魔法は悪魔関係らしいけど知ったことじゃないわ。
「それじゃ、ここを撤収したら早速調べましょう」
『はいっす! あの、突然ですけど堕天使様のことなんて呼べばいいっすかね?』
「そうね、ご主人様とお呼び」
『了解っす。 あと自分龍鯉って種族名なんで呼び名決めてほしいっす』
本当に突然ね。
「はぁ? 前の飼い主は何て呼んでたの?」
『前の主人様を見守れなかったオイラにその名前は名乗れないっす』
変な拘りがあるのね。まぁ、こいつはそこそこ使えるしぴったりの名前をあげましょう。
「なら言うわよ。お前の名前は鯉賢愚《コイキング》よ!!」
中国っぽく漢字で壁に光の槍で彫って見せた。
『おお、なんかカッコイイっす!! 有難う御座いますご主人様!!!!』
思いのほか喜んでるわね。当然ね、私が名付けた名前にケチつけたらただじゃおかないわ。
「さ、他になければ行くわよ」
『はいっす』
倉から出ると何人かの堕天使が中身を聞いてきたが、内容を教えると皆興味を失って離れていった。
(部隊で一人でいるのは私だけみたいね)
そういえば私《レイナーレ》に友達っているのかしら。統合した記憶を呼び起こしてみるが、それらしい事柄は出てこない。
(あれ、もしかしてボッチ?)
まずい、いくら出世しても人脈も交友関係も無くちゃさびしい堕天使生を送ることになってしまうわ。
よし、魔法を研究すると同時に友達を作る事も目標にするわ。
それじゃ早速。
「ちょっと!! そこ行くドーナシーク!!」
私は、手に入れた酒(話しの種)を片手に部隊唯一の知り合いに話しかけた。
説明 | ||
目覚めるとハイスクールD×Dの最初の敵レイナーレに憑依していた。将来たいした出世もできないうえ死亡フラグがあることに悲観せず、絶対に生きようと決意する。 | ||
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憑依 堕天使 レイナーレ ハイスクール | ||
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