テイルズオブエクシリア〜転生者はイレギュラー |
〜レオンSIDE〜
俺達はシャン・ドゥを出てモン高原を歩いていた。ここは雪山のような吹雪が偶に吹くと言う。道を間違わないようにユルゲンスの後についていく。
「くしゅん!」
歩いていると隣にいるミラがくしゃみをした。
「ミラ、寒いのか?」
「う、うむ。イフリートがいないとここまで寒いとは……」
ミラの服装は露出度が高いからな。そりゃあ、寒いはずだな。それに加えて今までと違ってイフリートもいないしな。
「仕方ないな……ほら、これでも着てろって」
俺は自分が着ていた黒と赤のロングコードをミラに差し出す。
「ん?いいのか?これはレオンの……」
「自分の彼女に風邪を引かれたら困るしな」
「か、彼女//////」
彼女……という言葉を聞いたミラは顔を紅くしながら俺のコートを手にし、着た。
「あ、温かいな///」
「そりゃあ、俺がさっきまで着ていたからその温もりが残っているしな」
「ぬ、温もり!?///」
……何を思い出したのか顔を真っ赤にし、もじもじするミラ。……やべえ、皆がいなかったら野外プレイしそうな勢いだぞ。今のミラはすげえ可愛いし。
「で、では……い、いこうか///」
動揺しているミラはそのまま、皆の後を追っていく。そんなミラも可愛いと思いながら俺も皆を追った。
カン・バルクまであと少しの所に来るとジュードがあるものを見つけた。
「ねえ、ユルゲンスさん」
「ん?何だ?」
ジュードは前を歩くユルゲンスにあることを聞いた。
「あの……岩壁はあんなに戦った跡が残っているの?剣の後だったり、術を使った後もあるよ?」
「ん?ああ、あれか。あれは3,4年前に現ア・ジュール王とその部下たちがある人物と一日、戦い続けてできた痕だよ」
ユルゲンスの言ったことに驚くジュード。
「そんなにすごい戦いだったの!?」
「ああ、私は実際に見たわけではないが、爆発音がすごかったのは覚えているよ」
「へぇ〜そんな戦いがあったのか。俺も知らなかったぜ」
色々と知っているアルヴィンですら知らないことだった。
だが、そのある人物は……オレだったりする。
俺は汗をかく。気付かれたくないので。
「さあ、カン・バルクはもうすぐだ」
ユルゲンスに言われ、俺達は歩くのを再開した。
それから歩き続け、俺達はカン・バルクに到着した。
カン・バルクは前に来た時と同じで、変わったところはなかった。
「シャン・ドゥもそうだったけど、ここも少し変わった街だね」
「ア・ジュールはラ・シュガルに比べて精霊信仰が強いからな」
ジュード、変わった街って言うなよ。ラ・シュガルとア・ジュールは違うんだからな?
「わ、何あれ?」
レイアが空中滑車を見て驚いていた。まあ、カン・バルクにしかないもんな。
「あれが世界でもカン・バルクでしかお目にかかれない、空中滑車さ」
「空中滑車?」
「カン・バルクは山地につくられた街で、いくつかの地区をあれで繋いでいるのです」
初めて聞く名前にレイアが首をひねっているとローエンが説明した。
「景色がよくて楽しそうだね」
レイアはエリーゼにそういうが、エリーゼは知らんぷりする。
エリーゼの態度に固まるレイア。
「ユルゲンス、ア・ジュール王と会うにはどうすればいい?」
「ワイバーンの許可を取るついでに、謁見を申し入れてみるよ。ただ、多くの民が謁見を望んでいるから、ずいぶん待たされると思う」
ミラがガ……ア・ジュール王に会うのにはどうするかをユルゲンスに聞き、ユルゲンスがワイバーンの許可のついでに謁見を申し込んでおくと言ってくれた。
「なら、俺達は宿を取ってまっているから、頼んだぜ」
「ああ」
そういい、俺達から離れていくユルゲンスは空中滑車に乗り込んで上へと上がって行った。
俺達はひとまず、宿に行くことにした。
ユルゲンスが許可をもらいにいってから約2時間後。
俺達は暇な時間、ずっと部屋で待機していた。
「まだユルゲンスさん、戻ってこないのー?」
さすがに待つのが飽きてきたレイアがそう呟いた。
「まだだよ」
レイアの言ったことに答えたジュード。
「ねえ、エリーゼ。街の観光でもしよーか?」
「……」
レイアは暇な時間を観光に使おうと思い、元気のないエリーゼを誘うが、エリーゼは何の反応もしない。
「エリーゼさん、行ってきたらどうですか?」
ローエンも気晴らしになると思い、エリーゼにいう。
「ねえ、エリーゼってば〜」
黙るエリーゼ。
「ティポがはしゃいでくれないから、わたしばっか、うるさいみたいだよ」
エリーゼは両親とティポのことを聞いてから、話すこともなくなり、ティポですら、話すことがなくなってしまった。おそらく、ティポはエリーゼの心の奥で思っていることが関係して話さないんだろうな。原作と違ってメモリーが抜かれてないのに……。やっぱり、両親の死と友達と思っていたティポのことが原因か……。
「前からそうでしょ?」
恋人であるレイアにある意味酷いことを言うジュード。ここは恋人同士になっても変わんない関係だな。
「べー!」
そんな彼氏の態度に起こるレイア。
「じゃあさ、ティポを見習ってエリーゼも元気におしゃべりする練習をしない?私、エリーゼの口から、自分のことを話してほしいんだ」
バッ!?
「おい、レイア(汗)」
この、レイアの気遣いのない一言がエリーゼの心の奥で思っていたことを……
「レイアはうるさいなー。みんなの足をいっつもひっぱってるくせにー」
ティポが言った。最悪な展開で。
その……ティポの言葉に固まる俺達。言われたレイアも
「え…………」
固まった。
「エリーゼ、言い過ぎじゃないか?謝った方がいい」
そんなエリーゼにミラがレイアに謝るように言う。
「ミラが言うんだから、相当だぞ」
「ミラも……レイアも……!」
「うるさいんだよーばかー!」
エリーゼは立ち上がりながら2人の名前を言い、ティポは2人をバカといい話し、怒ったようにして部屋を飛び出していった。
「おい、どこ行くんだよ」
バタンッ!
「あ痛たた、今のは効いたな〜」
笑いながら言うレイアだが、表情は少し暗い。
「レイアさん……」
「ほら、わたしはいいから。エリーゼ連れ戻しに行こっ!」
レイアを心配する俺達。だが、レイアは気にしていないって感じにエリーゼを連れ戻しに行こうと言う。
そんなレイアを見て俺はジュードの耳元で小さく呟いた。
「ジュード……俺達は先に行く。レイアに何か言ってやれ」
「え……?」
「お前はレイアと付き合い長いだろ。レイアのことをい一番知っているのはお前だ。それに……お前はレイアの彼氏だろ?」
「う、うん……わかった」
「よし。皆、エリーゼを捜しに行くぞー。レイア、ジュードが話しがあるってさ」
「え?」
不思議がるレイアはジュードを見る。ジュードは小さく頷く。
「行くぞ」
俺はミラ・アルヴィン・ローエンを連れて先に部屋を出た。
「おたく、気がきくね」
「ええ、さすがレオンさんですな」
いち早く俺の行動の意味に気づいたアルヴィンとローエンが俺に話しかけてくる。
「まあ、ああいうのはジュードの出番だろ」
「ですね」
「エリーゼを捜すぞ」
俺達は先に宿を出た。
〜レオンSIDE OUT〜
〜ジュードSIDE〜
「レイア」
「な、何?早くエリーゼを連れ戻さないと!」
「レイア。無理しないでいいよ」
ピクッ
レイアは僕の言ったことに体を固まらせる。
「な、何を言っているのか、わかんないなー」
「エリーゼの言葉に傷ついているのに気付かないはず……ないでしょ?(レオンはこのことがわかったから僕にレイアのことを頼んだんだね……さすがだ)」
僕がそう言うと俯くレイア。
「……確かに、わたし……このメンバーの中で一番足を引っ張っている気がしてたんだ」
「気にしないでいいよ。レイアは昔の怪我が原因で……」
「そのことを抜きにしても……わたし、皆の……ジュードの足を引っ張ってる」
手で顔を隠すレイア。体が少し震えているよ。
「レイア………」
ダキッ!
「無理、しないでね?僕はレイアの、か、彼氏……なんだから」
自分でいってて少し、恥ずかしいね///レオンはよくミラに言えるね……ある意味尊敬するよ。
「ジュ、ジュード!?///……うん、ありがとう///」
ガシッ
レイアが僕の背中に手をまわした。
「「………………………………//////」」
見つめ合う僕たちだけど、やっぱり、キスとかはまだできないや///
「さ、さて、み、皆を追おうよ///」
「そ、そそそ、そうだね///」
僕たちは手をつないで部屋を出て行った。
〜ジュードSIDE OUT〜
〜レオンSIDE〜
ジュードとレイアが手をつないで出てきたのを確認した俺達は改めてエリーゼを捜し始めた。
少し、街を捜すとすぐに見つけた。
しかも、ジャオがいた。
身構えるジュードにジャオは言う。
「安心せい。偶然会っただけじゃ」
そういったジャオはエリーゼから離れ、レイアがエリーゼに近づく。
「さっきはごめんね。エリーゼ、ティポのことや両親のことで、寂しい想いしてたのにね」
「ほら、わたしって遠慮なく言っちゃうとこあるでしょ。許してよ」
許してほしく、謝るレイアであったが、
「……いやです……」
エリーゼは拒絶し、そんなエリーゼに驚くレイア。
「そんなこと言わないでよ。ね!」
何とかしようとするレイアに、エリーゼはレイアやミラを見て言う。
「レイアモミラもキライ!友達だと思ってたのに!」
起こるエリーゼに、何も言わないが表情が怒っているティポ。
「エリーゼ、わたしはただ、あなたが心配で」
レイアは心の底からエリーゼの事を心配している。だが、エリーゼにはその思いが届かない。
「ウソ!わたしのことなんてホントはどーでもいいくせにっ!もう友達やめるっ!」
そういい、走ってこの場を去ろうとするエリーゼ。
そんなエリーゼに、
「「エリーゼ(さん)!!」」
俺とローエンが声を掛ける。
その声で走るのをやめるエリーゼ。
「みんな、あなたを思って優しくしているのですよ」
「エリーゼ……お前は自分の心が傷つけられたって言っているけど、お前はどうなんだ?」
「先ほどのティポさんの言葉にレイアさんが心痛めていることに気付いていますか?」
「レイアが……ホント?」
俺とローエンの話しを聞いたエリーゼはレイアを見ながら聞いた。
「あ、いや、傷ついたっていうかさ……その、へこんだっていうか……」
「わたし、レイアを傷つけてるなんて……思ってなかった……」
エリーゼはレイアが自分の言ったことに傷ついていることに気付いていなかったのか……声が小さくなりながらも言った。ティポも心なしか落ち込んでいる。
「エリーゼ。それじゃあ、レイアに謝っちゃおうか」
「でも、わたしひどいこと言っちゃった……」
落ち込んでいるエリーゼにジュードが謝ろうと言っているが、エリーゼは自分の言ったことに気づき、許してくれるか……と、心の中で思っているな。
「ちゃんと謝れば許してくれますとも。それが友達です」
ローエン……お前が言うとすっごく説得力があるな。
ローエンの話しを聞いたエリーゼはレイアに近づき、言った。
「れいあ……ごめんなさい。許してくれますか?」
「うん。だけど、これからはエリーゼの言葉でエリーゼのことをもっと教えてほしいな」
謝ったエリーゼにレイアは自分のことは自分でいってほしいと言う。
「三歳しか違わないのにエラそうだねー」
「ダメ、ティポ!しゃべらないで!」
そんないい雰囲気だったのにティポが台無しにしたな(笑)
「エリーゼ」
「は、はい……?」
「それでもわたしの方が年上だからねっ」
「は、はぅ……」
ドヤ顔のレイアに何も反抗できないエリーゼ。
「レイア、怖ーっ!」
ティポがまた、エリーゼの思っていることを口にする。
「ふふふ……ははは」
そんな3人が面白いのかミラが笑う。
「娘っ子、友達を大事にな」
そういいながら、ジャオは去って行った。
さて、俺もここらで考えていたことを言うか。
俺はエリーゼに近づく。
「エリーゼ」
「レオン『お兄ちゃん』……!?はぅ、また言っちゃいました///」
久しぶりに『お兄ちゃん』って言われたな(笑)
「エリーゼ。俺から提案があるんだが」
「提案……ですか?」
「提案ってーなーにー?」
不思議がるエリーゼに、ティポも不思議がる。
「エリーゼ、俺とミラの家族″にならないか?」
ピキッ
「な、ななななななな!?/////////」
家族″……この言葉を聞いたミラが顔を真っ赤にする。
「えっ?!」
「アングリー!」
言われたエリーゼも驚き、ティポも驚き口を開ける。
「レ、レレレレレ、レオン!?///い、一体何を言い出すんだ!」
「前々から思っていたんだ。この旅が終わってもエリーゼはどこに預けるつもりだった?さすがにずっと、クレインのところに置いておくわけにはいかないし、もし、学校に通うなら俺とミラは少しの間だけカラハ・シャールに暮らせばいい……そう思っていたんだ」
俺を指差すミラは余計に顔を真っ赤にする。
「うわー、レオン、すっごく大胆なことを言うね〜」
「うん。レオン、遠まわしに結婚しようとか言っている感じだよね」
レイアとジュードも、俺の言ったことに顔を紅くしている。
いつか、自分たちも……とでも思っているんだな。
「わ、わわわわ、私は、べ、別に、か、かかかか、構わんぞ!///」
ミラはOKみたいだな。
「エリーゼ。このことは旅が終わるまでに考えておくんだ。時間はたっぷりあるしな?」
「は、はい!」
「うわーい!エリーと僕に家族ができる〜♪」
だが、もうエリーゼの心の中では決まっているのかもな。
「それで、僕たちはどうしよう?ユルゲンスさんはまだ戻ってこないけど……」
「直接王城に乗り込んでみる?」
どうするかを決めようとしているとアルヴィンがジュードにそう言った。
「あはは、それはいいな!それにおそらくユルゲンスもそろそろ、城から出てくるかもしれないし、城へ一旦行ってみるのはどうだ?」
俺がそう言うとジュードは頷いていう。
「うん、そうだね。城の中でなく外で待っていればユルゲンスさんに会う可能性があるかも……行ってみよう」
アルヴィンの提案によって、乗り込むのではなく外から一旦みてみることにした俺達。
俺達はそのまま徒歩で城を目指すのであった。
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第36話 エリーゼとレイア…… | ||
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「い一番知っている」、いが一つ多いですね。エリーゼを家族化ってGfのアスベルとソフィみたいだな。(BLACK) | ||
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