ハイスクールD×D〜最強の戦車と最強の兵士(予定)〜 |
第一章
第二話「自己紹介はちゃんとやらないと後で後悔する(経験談)」
「粗茶です」
「あっどうも」
ソファーに座る兵藤に、朱乃がお茶を淹れて渡してくる。淹れられたお茶をずずっと兵藤が一飲みする。
「うまいです」
「あらあら。ありがとうございます」
テーブルを囲んでソファーに座る俺、祐斗、子猫、リアス、そして兵藤。
「朱乃、あなたもこちらに座ってちょうだい」
「はい、部長」
リアスの言葉に従い朱乃はリアスの隣に腰掛けた。
そして、俺達の視線が兵藤に集まる中、沈黙を破ったのはリアスだった。
「単刀直入に言うわ。私達、悪魔なの」
本当に、単刀直入だな・・・兵藤の奴も困惑してんじゃねえか・・・。
「信じられないって顔ね。まあ、仕方ないわ。でも、あなたも昨夜、黒い翼の男をみたでしょう?」
ちょっと、まて・・・・。
「おい、リアス。それは一体どういう事だ?」
リアスの言葉が本当なら『堕天使』がこの町におり、なお且つ襲撃したってことだよな?道理で最近街に妙な匂いがすると思っていたら堕天使のクソ野郎だったのか・・・・。
「まって、シー君」
席を立った俺を朱乃が止めた。
「んだよ、朱乃?俺はこれから街に言って堕天使のクソ野郎をぶっ殺しに行くんだからよ・・・」
「貴方の気持ちもわかるけど、今は彼に事情を説明する方が先よ?それにその堕天使ももうここにはいない様ですしね?」
「ええ、そうよ。その堕天使はもうこの街にいないし、もう二度と現れる事わないでしょうね」
「だから、ね?席について・・・」
「・・・・チッ!」
朱乃とリアスに言われ、俺は仕方なく席に戻った。
「さてと、話を戻すわね。アレは堕天使。元々は神の使いだったのだけれど、邪な感情を持っていたため、地獄へ落ちた存在。私たち悪魔の敵でもあるわ」
俺にとっては害虫以外何ものでもないけどな・・・。
「私たち悪魔は堕天使と太古の昔から争っているわ。冥界――人間界で言うところの『地獄』の覇権を巡ってね。地獄は悪魔と堕天使の領土を二分化しているの。悪魔は人間と契約して代価をもらい、力を蓄える。堕天使は人間を操りながら悪魔を滅ぼそうとする。ここに神の命を受けて悪魔と堕天使を問答無用に倒しにくる天使を含めると三すくみ。それを大昔から繰り広げているのよ」
「いやいや、先輩。いくらなんでもそれはちょっと普通の男子高校生である俺には難易度の高いお話ですよ。え?オカルト研究部ってこういうこと?」
ま、俺も初めて聞いた時はあんまり実感わかなかったがな・・・。
「オカルト研究部は仮の姿よ。私の趣味。本当は私たち悪魔の集まりなの」
それでも兵藤の奴は納得していなかったが、リアスのある一言により驚愕した。
「――天野夕麻。あの日、あなたは天野夕麻とデートをしていたわね?」
「・・・冗談なら、ここで終えてください。正直、その話はこういう雰囲気で話したくない」
へえ、コイツ・・・ただのクソガキじゃないみたいだな・・・・。
「彼女は存在していたわ。確かにね」
そういや、俺も優斗も全然気付けなかったんだよな、その件のクソ堕天使。
「まぁ、念入りに自分であなたの周囲にいた証拠を消したようだけど」
そう言って、リアスが指を鳴らすと朱乃が懐から写真を取り出した。そこに映っていた人物に兵藤は驚愕した。
「この子よね。天野夕麻ちゃん」
写っている写真を覗き見ると、スレンダーな体つきに長い黒髪の美少女が写っていた。そして、そいつの背中には黒い翼があった。
「この子は、いえ、これは堕天使。昨夜、あなたを襲った存在と同質の者よ。この堕天使はとある目的があってイッセーに接触した。そして、その目的を果たしたから、あなたの周囲から自分の記憶と記録を消させたの」
「目的?」
「そう、あなたを殺すため」
「な、なんで俺がそんな!」
リアスの言葉に驚愕する兵藤。まあ、気持ちはわからない事もないな、自分は((悪魔|こちら))側と何の関係もないのにいきなり命を狙われるんじゃあ困惑しない方がおかしい・・・。
「落ち着いてイッセー。仕方なかった・・・いいえ、運がなかったのでしょうね。殺されない所有者もい
るわけだし・・・」
「運がなかったって!」
と、そこで兵藤は何やら考え始めた。
「あの日、あなたは彼女とデートして、最後にあの公園でお腹を貫かれたのよ」
「でも、俺生きてるっスよ!だいたい、なんで俺が狙われるんだよ!」
確かにな、それが一般的な反応だろうな・・・。
「彼女があなたに近づいた理由はあなたの身にとある物騒なモノがついているかいないか調査するためだったの。きっと反応が曖昧だったんでしょうね。だから、時間をかけてゆっくりと調べた。そして、確定した。あなたが((神器|セイクリッド・ギア))を身に宿す存在だと――」
リアスにの言葉に祐斗も続き、
「((神器|セイクリッド・ギア))とは、特定の人間の身に宿る、規格外の力。例えば、歴史上に残る人物の多くがその((神器|セイクリッド・ギア))所有者だと言われているんだ。神器の力で歴史に名を残した」
「現在でも体に神器(セイクリッド・ギア)を宿す人々はいるのよ。世界的に活躍する方々がいらっしゃるでしょ?あの方々の多くも体に神器(セイクリッド・ギア)を有しているのです」
祐斗の後に朱乃が続いて説明した。
「お前にも分かりやすくイメージできるもんっていえば、アーサー王のエクスカリバーやクーフーリンのゲイボルグなんかがメジャーだな。アレも((神器|セイクリッド・ギア))だ」
俺の説明に兵藤は納得したように頷いた。
「大半は人間社会規模でしか機能しないものばかり。ところが、中には私たち悪魔や堕天使の存在を脅かすほどの力を持った神器があるの。今、静雄が言った様にエクスカリバーとかはその最たる例ね。イッセー、手を上にかざしてちょうだい」
「え?」
「いいから、早く」
リアスに急かされ、兵藤は左手をかざした。
「目を閉じて、あなたの中で一番強いと感じる何かを心の中で想像して見てちょうだい」
そういやぁコレ、俺も一番初めにやったな・・・・。
「い、一番強い存在・・・。ド、ドラグ・ソボールの空孫悟かな・・・・」
「では、想像して、その人物が一番強く見える姿を思い浮かべるのよ」
「・・・・・」
しっかし、ドラグ・ソボールの空孫悟か・・・・。ってなるとドラゴン波か豪気玉か?
どっちにしろリアスや朱乃が見てる前でやるのは恥いな・・・。俺だったら死ぬな。
そうしている間にもリアスの言うとおりに手順を踏み、そして・・・
「ドラゴン波!」
おおう、マジでやりやがったな・・・コイツ。
「さあ、目を開けて。この魔力漂う空間でなら、((神器|セイクリッド・ギア))もコレで容易に発現できるはず」
そして、兵藤が目を開けると・・・
カッ!
強い閃光が走り、次第に光りが止むと、兵藤の左腕に赤い籠手が装着されていた。その籠手は中々凝ったデザインで手の甲には宝玉の様な物が埋め込まれていた。
「な、なんじゃこりゃあああああああああああ!?」
そりゃあ驚かない方がおかしいか、いきなり自分の腕に籠手が付いてんだからな・・・。
「それが神器。あなたのものよ。一度ちゃんとした発現ができれば、後はあなたの遺志でどこにいても発動可能になるわ」
それにしても、コイツの神器・・・・・なんだ?
なにか、妙な匂いがしやがる・・・・いま街で((臭|にお))うにおいとは別のもんだ・・・。
バッ!
「あ?」
いつの間にか背中に悪魔の翼が生えていた。どうやら兵藤の神器の事を考えていたせいでかなり話が進んでいたようだ。
「改めて紹介するわね。祐斗」
リアスの言葉に祐斗は何時もの笑顔を兵藤に向け、
「僕は木場祐斗。兵藤一誠くんと同じで二年生って事はわかっているよね。えーと、僕も悪魔です。よろしく」
「・・・・一年生。・・・・塔城小猫です。よろしくお願いします。・・・・悪魔です」
「二年、平和島静雄だ。悪魔やってる」
おい、兵藤。何だその納得顔は?
「三年生、姫島朱乃ですわ。いちおう、研究部の部長も兼任しております。今後ともよろしくお願いいたします。これでも悪魔ですわ。うふふ」
「そして、私が彼らの主であり、悪魔でもあるグレモリー家のリアス・グレモリーよ。家の爵位は公爵。よろしくね、イッセー」
紅い髪を揺らしながら、リアスが歓迎した。
説明 | ||
平和島静雄の肉体に悪魔の駒の『戦車』の能力をプラスしたら?という妄想で書いた小説です。 |
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肉体がチート 戦車 悪魔 平和島静雄 メインヒロインは朱乃 ハイスクールD×D デュラララ!!キャラは結構出る デュラララ!! fateシリーズ(宝具のみ) | ||
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