不知火と善吉の食べ歩き2
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昼休み、善吉と半袖はお決まりのように賑やかな食堂に来ていて昼食を食べている 善吉は人並み、半袖は何人分だ!?と通りかかる人が思いそうな量である

それを見て善吉は前々から疑問だったことを聞いた

 

「なあ不知火 前から思ってたんだけど」

「ん? どうしたの人吉?」

「いや、お前食堂で暴飲暴食、放課後には買い食いとか……太らないのか?」

 

そこは聞くのはタブーだろ!と以前から二人を見てきた生徒は内心叫んでいた 皆も思っていたが聞くべきでない暗黙の了解としてきていた まぁ聞いてしまったものは仕方ない、興味のあることなので皆聴き耳をたてていた

 

「俺は腹ん中にブラックホールでもあるんじゃないかと思うんだよ そうでもなきゃ普通はブクブク太っちまうだろ 何か秘訣でもあんのか?」

「あひゃひゃ☆ 人吉〜、いくらあたしでも地球までは食えないよ まあその分エネルギーを使ってるからかな?」

「エネルギー? どーみても使ってねぇ気がするんだけどな」

 

一年一組の普通科、部活もしていない 授業も善吉は同じなので消費するエネルギーはさほど変わらない なのにも関わらず昼食と放課後の買い食いのエネルギーはいつ使っているのか?

 

「家でなんかトレーニングでもしてるのか?」

「まっさか〜、してるわけないじゃん 見てこの筋肉☆」

「…………変わってないぞ」

 

ふんっ!と力んで腕を見せるが、そこには力む前と変わらぬ太さの半袖の腕があった 表に出ない筋肉か?と思ったけど触った感触ではそれもないようだ

 

「??? カッ! ますますわからなくなったぜ」

「あひゃひゃ☆ あたしを知ろうなんて百年早いよ」

「百年経っても分からない気がするのは俺だけか?」

 

もちろん周りも同様に心の中で頷いていた

 

 

 

 

その日の善吉は放課後の半袖を監視することにした 買い食いには用事があると断っておき、帰宅するまでの半袖を尾行する

 

「絶対ジムとか行ってそうなんだよな、俺がいない時とか」

 

半袖を尾行して数分、さっそく動きに変化があった

 

「すいませーん、ラーメン一丁お願いします☆」

「って何でだよ!」

 

ジムに行くと思っていたのにまったくの逆行動、ラーメン屋に迷いもなく直行していた半袖 流石にバレてはいけないとわかっているので店に入るまでは堪えていたが入った瞬間叫んでいた

 

「しかもまだ学校から数分しか歩いてないぜ もう腹が減った……わけないよな」

 

しかしそれも昼の食いっぷりから見れば否定できないことに呆れていた

 

「ごちそーさま☆」

「早っ!」

 

おそらく五分もかからず出てきた半袖、一日ラーメンを5リットル飲むと言っていた 今日の昼は食べていない、まさか今済ませたのだろうか?

次に半袖が向かったのはマ○ドナルド、中に入って数分後には大きな袋を三つもって片手でハンバーガーを食べている 袋の中も同様だろう

 

「さっきラーメン食ったばっかだよな、今からあれ全部食うつもりか? 胃ももちろんだが財布も大丈夫なのかよ」

 

新たな疑問が増えながらも尾行を続ける善吉 半袖は一口で一個のペースで食べている 道行く人が全員振り返っていた

その後も善吉は半袖を尾行し続けたがジムに行く様子など見られず、むしろ買い食いを大量にしていた、収穫はそれだけだ 最後には家に帰って終わり、諦めて善吉も帰ることにした

 

 

 

 

 

「ひっとよし〜 あたしを追けるなんて何やってんの バッカみたい☆」

「気づいてたのかよ!」

 

翌日の最初の会話 朝から変な話である

 

「で、あたしを追けて何かわかった?」

「全然 いつも通り買い食いしてるってことくらいだ」

「あひゃひゃ☆ でもそれでいいんだよ人吉 知らないほうがいいこともあるんだから」

「そうかもな」

 

その日の放課後は尾行をした詫びに奢らされた善吉 なんとも骨折り損のくたびれ儲けだった

説明
人吉善吉と不知火半袖オンリーの話です 作者は恋愛好きなので書きたかったんだ
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タグ
不知火 人吉 善吉 恋愛 

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