Side秋人

敵のISのビームが中継室に直撃し、爆発した。

「ほうきぃぃぃぃぃぃ！」

「うるさい。騒ぐな」

『え？』

その言葉に僕だけじゃなく鈴も呆けてしまった。

煙がはれていくとそこにはISを展開した兄さんと生徒会長が箒を守っていた。

「秋人君、いまよ」

「は、はい」

そして、会長の言葉で頭を切り替えて

「鈴！」

「OK」

発射体制に入った鈴の前に移動する。

「ちょ、ちょっと！なにしてんのよ！？」

「いいから撃って！」

「で、でも！」

「鈴！」

「ああ、もう！どうなっても知らないからね」

鈴が衝撃砲を撃ちそれが俺の背中に着弾する。その瞬間、瞬間加速を発動させる。瞬間加速の原理は後部スラスターからエネルギーを放出、それを内部に一度取り込み、圧縮して放出し、その際に発生する慣性エネルギーで爆発的な加速を得るというものだ。つまり、使用できるのは外部エネルギーでも問題はなく、速度は使用するエネルギー量に比例する。ゆえに、

「オオォー！！」

僕は一気に加速して敵に向かっていく。全力の零落白夜で攻撃してもあの翼で有効打を与えられないかもしてない。でも、圧倒的な加速をつけて放つこの斬撃なら

「はあああぁぁ！」

――ザンッ――

雪片弐型が翼ごと敵の右腕を切断する。でも、敵は止まらず。

「ぐあ！」

左腕で殴り飛ばされる。

「秋人！」

「秋人！早く逃げなさい！」

箒と鈴の声が聞こえる。敵は左腕を振り上げ殴りかかろうとしている。今の白式にはシールドエネルギーがもう残っていない。ISの一撃を受けたらただでは済まないだろう。でも、

「狙いは？」

『完璧ですわ！』『発射』

二条の青いビームが敵を貫く。

「秋人さん！無事ですか？」

「まったく、しつこいんだから」

二人に頼んで狙撃してもらったおかげでなんとかなった。ホント疲れたな。

Side out

Side楯無

簪ちゃんとセシリアちゃんの狙撃で敵ISは停止した。私と一夏の後ろの箒ちゃんは安堵の表情を浮かべている。でもこの子は自分が何をしたのか、多分自覚していないでしょうね。この子のしたことは、多くの人に迷惑をかけ自分だけでなく、秋人君も危険にさらした危険行為。しかるべき処罰を後で与えないと、他の生徒に示しがつかないしこの子のためにならない。一夏も同じことを考えてるだろうし、生徒会全員の総意と織斑先生に報告しましょう。でも今はそれより

「織斑君。凰ちゃん。いますぐ、ピットに戻ってやすみなさい」

「あ、はい」

「別に急ぐ必要はないんじゃない？」

凰ちゃんが聞いてくる。やっぱり気づいてないわね。気づいているのは生徒会メンバーだけね。まだ、終わってない。勘がそう言っている。そして、こういう勘は大抵

『会長。学園に向かってくるアンノウン反応』

当たる。

「虚ちゃん、数は？」

驚愕しているみんなをしり目に問いかける。

『十機です。すべて先ほどの機体と同型だと思われます。あと二分で来ます』

「そう。ありがと」

さてと、これからが本番ね。

「そういうわけだから、生徒会役員以外はすぐにピットに戻りなさい。織斑先生は引き続き一般生徒たちの避難を。念のため避難場所をシェルターに変更してお願いします」

「待ってください。わたくしはまだエネルギーもありますわ。わたくしも戦います！」

「無理」

「な！？簪さんあなたはまた！」

「同型ということはあの翼を装備しているということ。あなたの攻撃力で通用するの？」

「う、それは」

そう。さっきは秋人君が翼を破壊したところに当たったからきいたようなもの。彼女のISの攻撃力では一人では無理だ。しかも相手はこちらより圧倒的に多い。一体に手間取っている間にほかの機体にあのビームで撃ち落とされかねないのだ。

「だから、あなたも早く戻って。私と一夏のISなら例えあのビームを受けてもガードすれば大丈夫だから」

「だ、大丈夫って、アリーナのシールドを破るようなビームに耐えられるわけ」

「まあ、そんなことはともかく、早くいきなさい。二人はもう戻ったわよ」

私が指差すほうには鈴ちゃんと一緒にピットに向かう秋人君の姿。

「え？あ、お二人ともわたくしを置いて、とゆうか鈴さん！ぬけがけは！」

「はあ、やっといってくれた」

「お疲れ様。簪ちゃん」

簪ちゃんにねぎらいの言葉をかけると

『会長。まだ早いですよ。来ました』

――ドガガガガガガガン！！――

上空から飛来してきたのはさっきのISの同型機１０体。私は今は訓練機だからちょっときついけど頑張りましょうか。

Side out

Side一夏

アリーナに現れた１０機の無人IS。

「幽里！トライデントリボルバー！」

『了解じゃ！』

俺の右手のドラモンキラーが量子変換され、右腕が巨大なリボルバー式の銃に変換される。

「トライデントリボルバー！」

そこから３発の弾丸を敵一体にむけて撃ち放つ。その弾丸を翼で防ぐがただでは済まされず吹き飛ばされる。そこに。

「ライジングデストロイヤー！」

さらに、強力な荷電粒子砲を撃ちこむ。

――ドガアン――

「一体撃破。次だ、幽里」

『おう』

Side out

Side簪

「ターゲットロック」

『・・・全砲門解放。発射準備完了。いつでも』

ロックオンした三体が向かってくる。それにかまわず、

「ガルルバースト！」

ミサイルとレーザーを撃ちこむ。それらは寸分たがわず相手の翼の付け根に命中し翼を吹き飛ばす。

片翼しか吹き飛ばせなかったけどそれで十分。

「ガルルトマホーク！」

右腕に強力なミサイルランチャーを展開。照準を一体に合わせミサイルを発射する。

それは一発だけだけどその威力は桁違いに、

――ドガン――

高い。

「まず一体」

『・・・のこりは？』

「大丈夫」

――ドガン――

――ドガン――

立ち上がろうとしていた残りの２機もグレネード弾によって破壊された。それを撃ったのは、

「ありがとね簪ちゃん。ラファールでもできないことなかったんだけど攻撃してる間にほかの無人機に邪魔されちゃって」

「うん、どういたしまして。お姉ちゃん」

下りてきたお姉ちゃんにそう返す。

「さてこの調子で、と言いたいけど」

そういってお姉ちゃんはアリーナに目を向け、

「このままじゃいずれ、一体だけでも生徒たちのほうに行くかもしれないわね」

「うん」

そう、あの右腕のビームはシールドを貫通する。今は私たちが気を引いているけど、いつ外への攻撃を開始するかわからない。

『みなさん。さらに１０機のアンノウンです！』

『な！？』

「本格的にまずいわね」

私と一夏の切り札を使えば残りの６体をすぐに倒せる。おそらく私たちのデータを取ることが目的だろう。でも、

「簪ちゃん。一夏。使いなさい」

「でも！」

「・・いいんだな、初姉」

一夏が久しぶりにお姉ちゃんを昔の呼び名で呼ぶ。

「ええ。暴れなさい。・・・大丈夫よ、簪ちゃん。私たちはそれくらいじゃ負けないわ。でしょ、みんな？」

「はい。お嬢様」

「うんうん。そうそう」

「いこうぜ、簪」

『初めての実戦での使用じゃがいけるぞ』

『・・・わたしも』

「みんな。うん、そうだね」

「ふう、幽里！」

一夏が幽里の名前を呼び、

「白歌！」

わたしも白歌の名前を叫ぶ。

「「ワンオフ・アビリティー発動！」」

『単一仕様能力《((陽気収束|ようきしゅうそく))》発動』

『単一仕様能力《((蒼狼群成|そうろうぐんせい))》発動』

『『Drive　Ignition』』

Side out

Side千冬

「鎧輝龍、蒼鋼・狼。２機、単一仕様能力

《((陽気収束|ようきしゅうそく))》

《((蒼狼群成|そうろうぐんせい))》

発動しました」

ピットの管制室でコンピューターを操作していた布仏姉がそう報告する。

「更識さんたちはもうすでにワンオフ・アビリティーまで発現していたのですか？！」

「まるで、秋人みたいじゃない！」

オルコットと凰が驚きの声をあげる。そう((単一仕様能力|ワンオフ・アビリティー))がこんなに早く発現するなど普通はあり得ない。秋人のISはあのバカの仕業だろうがあいつらのもなのか？

「あの？兄さんたちのISのワンオフってどんな能力なんですか？」

秋人が布仏姉に問いかける。

「それはモニターを見てください」

その言葉に従いモニターを見てみると、

『うおおおおお！』

「更識君から莫大なエネルギー反応です！」

エネルギーをとりこみ燃え盛る炎の様なオーラを纏った一夏の姿が映っていた。

『はあああああ！』

そのまま敵ISに向かい一瞬で２機を撃破、そして、

『ガイアフォースZERO！』

両腕で作り出したエネルギー体を他の三体にぶつけ、

――ドガアアアン！――

一気に吹き飛ばし行動不能にしてしまった。

「な、な、なによ？あれ？」

「な、なんですの？あの威力は？」

「僕らと戦ったときと桁違いの威力だ」

ピット内にいた布仏姉妹以外のものが絶句する。

「あれが、一夏君と幽里ちゃんのISの単一仕様能力《((陽気収束|ようきしゅうそく))》です。周囲のあらゆるエネルギーを吸収、それを爆発させ纏うことで機体のスペックを数段上昇させます。ただし、制限時間があり、吸収したエネルギー量に反比例しますけど」

布仏姉が説明している間に一夏はアリーナにいた敵を全滅させてしまった。その様子は圧倒的で敵はなすすべもなく蹂躙された。そして、単一仕様能力も解除された。

『幽里。また使えるようになるまであとどれくらいだ？』

『６分と言ったところじゃのう』

『よし、それまで簪よろしく』

『うん、行くよ白歌』

『・・・うん』

「第二期編隊きました」

――ズガガガガガアアアアンン――

また、１０機きた。その瞬間、

――うおおおおおおおおぉぉぉぉんん――

狼の遠吠えが聞こえた。

「なにこれ？」

凰がそう漏らす。なぜならアリーナには蒼いオオカミの群れが更識妹のまわりに無数にいたのだ。

「こ、今度は」

「いったい？」

「あれこそ！かんちゃんとしろちゃんの単一仕様能力《((蒼狼群成|そうろうぐんせい))》！シールドエネルギーを使ってエネルギー体のオオカミを生み出し操る能力だよ〜。あのオオカミに攻撃されるとエネルギーが吸収されちゃって、オオカミが消えるとそのエネルギーはかんちゃんに還元されるんだよ。消されちゃったらそれもできないけどかんちゃんとしろちゃんの指揮能力なら効率よく敵のエネルギーを削れるよ〜」

その布仏妹の言葉どうり、モニターにはオオカミたちに襲い掛かられて、エネルギーを奪われていく敵の姿が映っていた。

そして、数分後には１０機いた敵の約半分がエネルギー切れで機能を停止していた。これが無人機だったからここまでうまくいったが、有人機だとそうはいかないかもしれないが更識妹は姉同様なかなかの切れ者だ。対有人戦でも大きな効果を発揮する能力だろう。

『一夏、いける？』

『ああ、もう一度行くぞ幽里！』

『おう』

――ドガガガガガアアアアアンンン！！――

最後にもう一度ワンオフ・アビリティーを発動した一夏がとどめを刺して終わった。

Side out

Side一夏

最後の一機を破壊して一息つく。

「お疲れ様二人とも。これなら私は必要なかったかな？」

「いいや。初姉がいなかったら何発か当たってたかもしれない」

そう。実はちょくちょくビームに当たりそうになったんだけど、初姉が狙撃して敵の体制を崩し、狙いをそらしてくれていた。

「うん。本当ありがとう。お姉ちゃん」

「うう、か〜ん〜ざ〜し〜ちゃ〜ん！大好き！」

「わわ！？」

簪の言葉に感激して抱きつく初姉。やっぱり真正のシスコンだ。

その光景をほほえましいな〜と思ってみていると、

――ピピーピピーピピー――

『『「「「！！」」」』』

『主様！』

『簪！』

俺たちのDアークが突然なりだす。

『なんだこれは布仏姉！』

『お姉ちゃん』

『ええ、いきましょう。織斑先生、警戒態勢を維持、いいえ警戒レベルをひきあげてください！』

『おい！』

ブツン

ピットの虚さんたちのDアークも反応しているみたいだ。

「一夏。来るわよ」

「ああ」

「……」

――バチバチバチバチ――

目の前の空間に異変が生じる。それはどんどん大きくなっていく。

「来る」

そこから出てきたのは全身骨の体の巨大な竜。

「よりにもよって」

「こいつかよ！」

――ぐがああああああああ――

「…スカル…グレイモン」

スカルグレイモン

属性　ウイルス

世代　完全体

アンデット型

必殺技　グラウンド・ゼロ、グラウンド・ゼロ改

得意技　カースブレス

全身が骨だけになってしまったスケルトンデジモン。戦う事だけに執着してきた デジモンが、肉体が滅んだにも関わらず闘争本能だけで生き続けた結果、スカルグレイモンになってしまった。闘争本能しか持ち合わせていないスカルグレイモンには知性のかけらも無く、他のデジモンにとってはその存在は脅威となっている。必殺技は脊髄から発射される有機体系ミサイル『グラウンド・ゼロ』

まずいまずいまずい。

こいつにかかればアリーナのシールドも紙同然に破られる。

「織斑先生！生徒全員をIS学園から避難させてください！一夏！簪ちゃん！とにかく生徒全員が無事に避難できるまで引き付けるわよ」

「うん」

「ああ」

俺達はとにかく奴の周りを飛び回って気を引き付ける。あいつの必殺技はこの学園が壊滅してもおかしくない威力だ。だから絶対何とかしないと。

「ぐおおおお」

スカルグレイモンは口からブレスを放つ。カースブレスか。

それはアリーナの壁にぶつかり

どがあああん

シールドを突き破り破壊した。

「ぐおおおお」

ブオン

「くそ」

俺達が鬱陶しくなったのか腕を振り回してくる。それがアリーナをさらに破壊していく。

「きゃあ」

「初姉！」

「お姉ちゃん！」

一番気を引こうと近くで飛んでいた初姉が吹き飛ばされる。

なんとか助けに行こうとするがさっきのワンオフ発動のせいなのか、あまり出力がでない。

そんな初姉に向かってスカルグレイモンはカースブレスを放とうとする。

そして、

「ぐおおお！」

放たれた。

「『パワーメタル』！」

ドガン！

しかしそれはどこからか飛んできた鉄球にぶつかり爆発した。

「今のは」

「まさか」

そして爆炎がはれるとそこには、

「大丈夫か？初音」

翼の生えた獣竜に乗り初姉を守り、

「ええ、で・も・いつも、いつも遅いわよ」

長い黒髪をした男、

「悠輝」

高月悠輝。初姉の婚約者にして俺たちの兄さんとパートナーデジモンのドルガモンだった。

ドルガモン

属性　データ

世代　成熟期

獣竜型

X抗体有り

必殺技　パワーメタル

得意技　キャノンボール

獣と竜“ドラゴン”の資質を持ち、多くのデジモンがその影を見ただけで逃げ出すほどの重量級にして獰猛な獣竜型デジモン。戦いとなると野性の獣の如くその獰猛性を発揮するが、竜の知性を併せ持ち、普段は非常におとなしい。額に旧式なインターフェースをもつ為“プロトタイプデジモン”の進化系ではないかと推測されている。必殺技は大型の鉄球を口から放ち、敵を打ち砕く『パワーメタル』。得意技は立ち止まって力を溜めてから放つ方が威力はあるが、突進しながらも鉄球を放つことが出来る『キャノンボール』。

「久しぶりだな。おまえらも」

「悠兄。久しぶり」

「お久しぶりです。お義兄さん」

「ひっさしぶり〜、にいにい〜」

「本当にお久しぶりです。悠輝様」

悠兄の言葉に俺と簪、いつの間にか来ていた本音と虚さんが返す。

「ま、あんまり感傷に浸ってる暇はないけどな」

「ぐるるるる」

スカルグレイモンは悠兄に攻撃しようとしていた。

「いけ！ドルガモン」

「おう」

悠兄の言葉に従ってドルガモンはスカルグレイモンに向かっていく。

「おまえらも行こうぜ。姉さんから預かってきたぜ」

そういってDアークをかざし、

「リアライズ！」

そういった瞬間、５つの影が出てきた。

「一夏！」

「アグモン！」

俺のところには黄色い体にブルーのラインの入った恐竜、アグモンXが、

アグモンX

属性　ワクチン

世代　成長期

恐竜型

X抗体有り

必殺技　ベビーバーナー

得意技　スピリットファイア

成長して二足歩行できるようになった、爬虫類型デジモン。まだ成長途中なので力は弱いが、性格はかなり獰猛で怖いもの知らず。両手足は硬く鋭い爪が生えており、戦闘においても威力を発揮する。力ある偉大なデジモンへの進化を予測させる存在でもある。必殺技は口から火炎の息を吐き、敵を攻撃する『ベビーフレイム』。X抗体によるデジコアへの影響として恐竜型として特に優秀なグレイモン種へ進化する資質が向上しており独特のブルーラインが体色に表れ、爬虫類型ではなくもはや恐竜型に分類されている。爪は研ぎ澄まされ更に殺傷力を増し、獰猛性がより強く引き出された結果、単発の『ベビーフレイム』を口内に溜めてから一気に吐き出す『ベビーバーナー』を放つことが出来るようになっている。

「お嬢様！」

「ガブモン！」

簪のところには毛皮を纏った角を持つ２足歩行の獣、ガブモンX。

ガブモンX

属性　データ

世代　成長期

獣型

X抗体有り

必殺技　プチファイヤーフック

得意技　リトルホーン

毛皮を被っているが、れっきとした爬虫類型デジモン。とても臆病で恥ずかしがりやな性格でいつもガルルモンが残していったデータをかき集めて毛皮状をかぶっている。他のデジモンから恐れられているガルルモンの毛皮をかぶっているため、身を守るための保護の役目もしている。毛皮をかぶると性格が１８０°変わってしまう。必殺技は『プチファイアー』X抗体によるデジコアの影響として元々爬虫類型デジモンに分類されていたが、大好きな獣型の毛皮のデータを取り込み自らも獣型となった。臆病で恥ずかしがりやな性格は変わらないが、毛皮を被ると野性的な戦い方を好み、獣型らしい敏捷性ある攻撃をしかけられるようになった。『プチファイアー』を右手にとり敵を殴る打撃技『プチファイアーフック』を身に付けている。よって右手には大事な毛皮をつけていない。

「初音！」

「ルナモン！」

初姉のところにはウサギの様な姿をしたルナモン。

ルナモン

属性　データ

世代　成長期

哺乳類型

必殺技　ルナクロ―,ティアーシュート,ロップイヤーリップル

月の観測データと融合して生まれた、うさぎのような姿をした哺乳類型デジモン。大きな耳でどんな遠くの音も聞き分ける事ができ、臆病だが、なつきやすく寂しがり屋。必殺技は、一見可愛らしいが、闇の力が込められた爪で引っかく「ルナクロ―」と、力を額の触角に集中し、綺麗な水球を敵に放つ「ティアーシュート」。また、耳をくるくると回し、発生させたシャボンの渦で敵を巻き込む「ロップイヤーリップル（英：波紋）」を持つ。

「ほんね〜」

「テリアモ〜ン」

本音のところには頭に一本の小さな角をはやした、テリアモン。

テリアモン

属性　ワクチン

世代　成長期

獣型

必殺技　ブレイジングファイア

得意技　プチツイスター,空中プチツイスター,テリアパンチ,空中プチツイスターショット,テリアバルーン

頭部に１本角を生やした、謎に包まれたデジモン。体構造から獣系のデジモンであることは分類できるが、どのような進化形態を経たのかは依然分かっていない。また、稀に双子で誕生するという噂も存在する。非常に可愛らしいタイプのデジモンで、ゆったりとした行動からはとても“戦闘種族”としてのデジモンを実感することができないが、戦闘の際には、その見た目以上のパワーを発揮する。得意技は両耳をプロペラの様にして小型竜巻を起こす『プチツイスター』。必殺技は高熱の熱気弾を吐き出す『ブレイジングファイア』。

「虚」

「久しぶりです。レナモン」

虚さんのところには２足歩行の狐のような姿をしたレナモン。

レナモン

属性　データ

世代　成長期

獣人型

必殺技　狐葉楔,空中狐葉楔

得意技　狐変虚,弧連脚,狐閃撃,狐回蹴,藤八拳

金色狐の姿をした獣人型デジモン。レナモンは人間との関係がストレートに現れるデジモンで、幼年期の頃の育て方によっては、特に知能が高いレナモンに進化できると言われている。常に冷静沈着で、あらゆる状況下でもその冷静さを失わないほど訓練されている。細身で長身の姿は他の成長期と比べても抜きに出ており、パワーバトルと言うよりは、スピードを利用した多彩な術で敵を翻弄する。得意技は相手の姿をコピーして自身のテクスチャを張り替える変化の術『狐変虚（こへんきょ）』。必殺技は鋭利な木葉を敵に投げる『狐葉楔（こようせつ）』。

久しぶりのパートナーとの再会。でも、

「アグモン。再会して早々悪いけどいけるか？」

「もちろんだよ一夏」

『ふん。見せてもらうぞ。お主らの力』

みんなも準備はいいみたいだな。

「いくぞ！進化だ！」

『おう！』

アークが輝き、画面に

――EVOLUTION――

と表示される。

そして、アグモンたちのデータが一度分解され、より大きく、より強くなっていく。

これが進化。

「アグモンX進化！

グレイモンX！」

「ガブモンX進化！

ガルルモンX！」

「ルナモン進化！

レキスモン！」

「テリアモン進化！

ガルゴモン！」

「レナモン進化！

キュウビモン！」

グレイモンX

属性　ワクチン

世代　成熟期

恐竜型

X抗体有り

必殺技　メガバースト、メガフレイム

得意技　グレートアントラー、ホーンインパルス

頭部の皮膚が硬化して甲虫のような殻に覆われた恐竜型デジモン。鋭い爪、巨大な角を持った全身凶器のような体で、非常に攻撃的なデジモンである。しかし、知性が高く手なづけることが出来れば恐らくこれほど強いモンスターはいない。フォルダ大陸に生息するグレイモンは狂暴性はなく、その高い知性から仲間同士の連携を利用した戦い方をすることができる。必殺技の『メガフレイム』は口から超高熱火炎を吐き出し全てを焼き払う。X抗体によるデジコアへの影響として先頭種族として恐竜型デジモンでも随一の優秀なグレイモンは、更にその攻撃性が増している。大型のデジモンが多い恐竜型の中でも比較的体格は小さいが、肉食恐竜らしいその獰猛性を如何なく発揮し、戦いに勝利し自ら強さを増していくのである。『メガフレイム』を口内で極限まで高め爆発的な威力を持つ『メガバースト』を身に付けている。

ガルルモンX

属性　ワクチン

世代　成熟期

獣型

X抗体有り

必殺技　フォックスファイアー

得意技　フリーズファング

青白銀色の毛皮に体を覆われた、狼のような姿をした獣型デジモン。その体毛は伝説のレアメタルと言われている「ミスリル」のように硬く、肩口から伸びているブレードは鋭い切れ味を持っており、触れるものを寸断してしまう。極寒の地で鍛えられた筋肉と激しい闘争本能を持ち、肉食獣のような敏捷性と標的を確実に仕留める正確さを持っており、他のデジモンからは恐れられている存在。しかし、知性が非常に高く、主人やリーダーと認めた者に対しては忠実に従う。必殺技は口から吐き出す高熱の青い炎『フォックスファイアー』。X抗体によるデジコアへの影響としてその希少な体毛はより極寒の地さらに硬く鍛え上げられ、傷つけることは容易ではなくなった。闘争本能はより激しさを増し、最後まで戦い抜く為、ガルルモンと戦おうとするデジモンは殆どいなくなった。戦闘種族としてのデジモンとしては随一の資質を誇る分、テイマーとして相応の資格を問われるデジモンといえるだろう。

レキスモン

属性　データ

世代　成熟期

獣人型

必殺技　ムーンナイトボム、ティアーアロー、ムーンナイトキック

装備　ムーングローブ

驚異的なジャンプ力を身に付け、素早い動きで敵を翻弄する獣人型デジモン。月の満ち欠けのように、つかみどころのない性格をしているが、その佇まいはどこか神秘的である。必殺技は、両手の“ムーングローブ”から発生させた催眠効果のある水の泡を投げつけ、敵を眠らせる「ムーンナイトボム」と、背中の突起から美しい氷の矢を引き抜きいて放つ「ティアーアロー」。また、空高く跳躍し、急降下キックを繰り出す「ムーンナイトキック」も強力である。

ガルゴモン

属性　ワクチン

世代　成熟期

獣人型

必殺技　ガトリングアーム、ダムダムアッパー

装備　D-VI'S503xx

テリアモンが進化した獣人型デジモンで、狩猟が得意なハンターデジモンでもある。見た目の姿に反して、素早い動きで確実に敵を仕留める正確無比な攻撃をする。脚力が強く空高く飛び上がり、耳を広げて滑空することもできる。普段は陽気な性格だが、一旦怒ると手が付けられなくなるところがある。愛用のジーンズ「D-VI'S503xx」はこだわりの一品である。必殺技は両腕のバルカン『ガトリングアーム』と、敵の懐に入り込んで、下からガトリングアームで突き上げる『ダムダムアッパー』。

キュウビモン

属性　データ

世代　成熟期

妖獣型

必殺技　弧炎龍

得意技　鬼火玉,弧襲撃,天狐,弧電撃

九本の尻尾をはやした巨大な狐の姿をした妖獣型デジモン。破滅と崩壊をもたらす妖獣と恐れられているが、古の時代では平和の世に現れる使者として崇められていた。レナモンの中でも特に能力が高く、多くの経験を積んだものがキュウビモンに進化できると言われている。攻撃力そのものは強くないが、強大な精神力を持っており"術系"の技を得意としている。青く燃え盛る四肢で天をも駆けると言われている。得意技は鬼火を出現させ意のままに操る『鬼火玉（おにびだま）』。必殺技は尻尾から燃え盛る青炎の龍を出現させ敵を焼き尽くす『弧炎龍（こえんりゅう）』。

「ぐおおお！」

まず、グレイモンがスカルグレイモンに向かっていく。

「ホーンインパルス！」

「ぐがあ！？」

飛び回っていたドルガモンに気を取られていたスカルグレイモンは足に攻撃を受け、わずかに体制を崩す。そこに、

「フォックスファイヤー！」

「鬼火玉！」

ガルルモンとキュウビモンの攻撃が直撃し、

「ぐがああああ！？！」

転倒してしまう。そこにさらにダメ押しに、

「ティアーアロー！」

レキスモンの氷の矢が顔面に当たる。

「ぐぎゃあああああ！」

そして、倒れたまま更に暴れまわるスカルグレイモン。そのたびに、アリーナが壊れていく。修理代どうしよう。

俺がそんなことを考えてる間に立ち上がったスカルグレイモンは背中の有機体系ミサイルを発射しようとしていた。

「グラウンド・ゼロ！」

あれはまずい！下手したらIS学園が更地になる。

「グレイモン！ミサイルを撃たせるな！メガフレイムだ！」

「おう！メガフレイム！」

俺の指示に従って口から炎を吐き出すグレイモン。

「わたしたちも。ガルルモン！」

「はい！フォックスファイヤー！」

「私たちも手伝います。キュウビモン！」

「弧炎龍！」

ガルルモンとキュウビモンもそれぞれ青い炎と炎の龍を放つ。

３つの炎は融合してさらに勢いを増してスカルグレイモンにむかっていき、

――ゴオオオオ――

「ぐぎゃあああああああああ！！！」

スカルグレイモンを火だるまにした。炎を消そうと悶えるスカルグレイモンに、

「ダムダムアッパー！」

ガルゴモンにアッパーが決まる。

――ドオオン――

そして今度は仰向けに倒れるスカルグレイモン。

「チャンスだ。初音！」

「ええ。レキスモン！」

「ムーンナイトボム！」

レキスモンが投げつけた水の泡がスカルグレイモンにあたり、スカルグレイモンは眠ってしまった。

「「いまだ（よ）！」」

『おう（はい）（ええ）』

悠兄と初姉の言葉にみんなが応え、

「メガバースト！」

「フォックスファイヤー！」

「ガトリングアーム！」

「弧炎龍！」

「ティアーアロー！」

「パワーメタル！」

全員の必殺技が命中。いかに完全体のスカルグレイモンでも無防備なところにこれだけのデジモンの攻撃を受ければただでは済まずデジタマに戻っていった。

こうして、この戦いは終わりを告げた。

Side out