リリなの世界逝ってきて お前誰だ!? |
俺の睡眠時間は長い・・・・・・
というより、活動時間が短い。
なんせ一日二時間しか活動しない、いや、出来ないというべきか。
まぁ、無理すればどうにかなるが、その分ペナルティ的なものがある。
はやての家に来るまでは、それ以上に目を開けている時間がなかったほどなので、ある意味改善されたといってもいいな。
理由は、転生特典の【暴風纏う破壊獣《リングヴィ・ヴァナルガンド》】と【雷公鞭】だろう。
覚えているだろうか?
神様によって【暴風纏う破壊獣】は魂の代わりに魔力及び気、仙気での運用?が出来るようになっているということを・・・・・・
これのおかげで大量殺戮を行わなくてすんでいる。
・・・・・・そうでなくともしなかっただろうが。
そして、【雷公鞭】。
これは言わずもがな、持っているだけで常に仙気を吸収する、一般人にはヤバイ代物。
これら一つのみだったならば、何ら問題なく活用できたのだろう。
しかし、その二つが絡あったために俺はこんな弊害を受けたのだろう。
そう・・・・・・俺は、魔力と気、仙気の量がその二つを同時に維持できるほど持っていない、ということだ。
どれかを切り捨てようかとも考えたのだが、どちらも誰かの手の渡ったらとんでもない被害になりそうだったので断念した。
おかげで俺は、活動時間1時間という母親がゲームばかりしている子どもに対して言いつける決まりよりはましだがさ。
はやてには、ちゃんと話してあるのだが、罪悪感しか感じない。
何かあったら起きるようにはなっているけれど、どうしたものか?
閑話休題
俺は、はやての誕生日を一日2時間の活動時間を無理して3時間にし、それをフルに使って祝い、プレゼントも渡した後、早々に眠りについたのだが、そのとき何か忘れているという感覚があった。
だが、忘れているということは大したことではないだろうとすぐに意識を飛ばした。
まぁ、覚えていたとしても何もできなかっただろうが・・・・・・
なにが言いたいかというと、だ。
目を開けたらそこには、俺を覗き込む紅い髪の幼女がいた・・・・・・
目がぱっちりとあう。
御存じ、紳士の皆様に大人気、ヴィータ嬢だ。
頭の中で、「ああ、そういやはやての誕生日に出てくるんだったな」とか考えていると向こうの顔がみるみる赤くなっていく。
そして、羞恥が臨界に達したのか、
「きゃああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!?????????????」
バンっ!!
大声を上げて部屋から出て行った。
どうでもいいが、うるせえ・・・・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あれからはやてがヴィータ嬢に話を聞きつけたのか、部屋にやってきた。
ヴィータははやての車いすの後ろに隠れて、顔だけだして俺を睨んでいる。
取り敢えずヴィータ嬢は無視して・・・・・・
「なぁ、はやて。今いつよ?」
「12時34分56秒78や」
「こまけえな」
「そんな褒めんといて///」
「照れるなよ。いい方が悪かったな。今日は何日?」
「ああ、そういうこと。今日は15日やで。」
「六月の?」
「いや、七月」
「なんと。」
道理で熱いわけだ。
しかし、たった二時間延長しただけでここまでとは・・・・・・
「あれからまったく起きへんから心配したんやで?」
若干涙目で言ってくるはやて
悪いことをしたな・・・・・・
「悪い・・・・・・」
頭を下げる。
「ええんや。私の誕生日に普段より長く起きてたからやろ?」
「おそらくは」
「なら、気にせんでええ。私のためにやってくれたんやから、文句を言うのは筋違いや。」
「そうか。あとでなにか埋め合わせをする。」
「そんなんええのに・・・・・・。でも、くれるちゅうならもらっとくわ。」
「ああ、そうしてくれ。」
さて、なににしようか?
そんなことを考えていると・・・・・・
「なぁ、はやて。こいつ誰なんだ?」
ヴィータ嬢が尋ねてきた。
説明していないのか?
そう思い、はやてのほうに顔を向ける。
「あ〜。いろいろ前に話したやろ?うちの・・・・・・弟や。」
「は?」
何を言ってやがりますか、この子狸は・・・・・・
「ああ、言ってたなそんなこと。でも、全然似てないな。」
ガチでそう紹介してたのか!?
「おい、どういうことだよ?」
にやにや笑っているはやてに尋ねると・・・・・・
「居候やと、見た目的におかしいやろ?だから弟にしといたんや。ナイスなアイデアやろ?」
確かにそうだが、なんか納得がいかん・・・・・・
「ところでなんでヴィータはこの部屋に入れたんや?」
そういやそうだ。
ここは、はやて以外入れない結界を張っておいたんだがな。
なんでかって?寝てる間に猫姉妹に襲われないようにだよ。
ちなみに、この部屋には通帳とかの貴重品が置いてある。なんてったって防犯上これ以上ないところは無いからな。
「いや、普通に入れたんだけど?」
それは、おかしい・・・・・・
結界はしっかりと起動していたし、今も起動して・・・・・・
あれ?そういや普通に入ってきてるじゃん。
あれ?あれ?
・・・・・・・・・・・・・・・!!
まさか神様の仕業か?
もし仮に結界の設定がおかしくて、誰でも入れるようになっていたのなら、猫姉妹が襲ってきていたはずだ。
それに、ヴィータ嬢達が今まで入って来なかったのもそうだ。
もし入れたのなら、なぜ今日になって入ってきたんだ?
今まででも入る機会はあったはずだ。
はやてに入るなと言われたからなら、話はそれまでだが、それならそもそもこの部屋に入ってこないはずだ。
今日になって結界の調子が悪くなったとかほかにもありそうだが、過去五年間そんなことはなかったので考えにくい。
そうだとするなら、神様は何がしたいんだ?
まったくもって謎だ・・・・・・
「普通にって・・・・・・。じゃあ、質問変えるわ。なんでこの部屋に入ったんや?」
おお、それは俺も気になる。
「昼寝から起きたらはやての姿が見えなくて、探してたんだ。」
「ああ、さっきまで外におったからな。」
外?
「なんで?」
「うん?ああ。ご近所さんに回覧板届けに行ってたんや。」
なるほど・・・・・・
「そうだったのか。起きたらいなくて心配した。」
「そか。ごめんな?」
「いや、いいよ。気にしてないから。」
「そうもいかんな。今日買い物行くとき好きなアイス一つ買うたるわ。」
「ほ、本当か!?はやて!!?」
目がらんらんと輝いている。
「ふふ、ほんとや。」
「やった!!はやて、ありがとう!!!!」
そういってはやてに抱き着くヴィータ嬢。
こうしてみると、仲のいい姉妹のように見えるな。
・・・・・・傍から見ると俺もそうなるのか。
気がついてしまって落ち込んだのは言うまでもないな。
あれ?最後俺空気じゃね?
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六話なんじゃよ? | ||
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