恋姫の世界に行ってくる 第四幕
[全6ページ]
-1ページ-

 

しばらくの間、助けた行商人の人にお世話になりながら仕事を探してた。

何にしようか迷いに迷った。大工みたいなのもあれば、本屋の仕事など、そんなに多くはないが

見つかり、その中から飯屋の仕事をすることにした。

 

両親が共働きだったため、小さい頃から自炊することが多かったので料理には自身があったんだが、

 

「おう、じゃあ接客頼むぜ。笑顔でやれよ!」

 

の一言で俺の自信は無意味なものとなった。

 

「いらっしゃい」  「なんにする?」 「お待ちど」  「ありがとうございました〜」

 

 

「おいおい、兄ちゃん。もっと愛想良くしてくれよ。客が逃げちまう。」

 

 

「すいません、慣れてないもので・・・」

 

感情が薄くなってしまった自分に愛想笑いや作り笑いも出来るわけもなく。

 

「店主、厨房やらせてもらえませんか?料理には自信があるんで・・・」

 

 

すると二つ返事で了承が出た。

 

早速チャーハンや餃子など作るも初めは火の調節が出来ないため苦戦したが、

今ではこの店に俺の料理を食べに来る人も居るほどにまで人気が出た。

 

 

 

「ふぅ〜、疲れた。かなり金は貯まったけど馬とか買うとなると、少し心もとないな。

 なるべく多くの諸侯見たいし、準備はしっかりしないと」

 

旅に出たいのだが大陸を回るとなると、途中で何度か稼ぐとしてもそれなりの額が必要である。

さらに今の時代馬はとても高価なのでかなり貯めないといけないのだ。

 

「はぁ〜どっかに格安で売ってないかな、いい馬。」

 

そんな事を考えながら眠りにつく・・・

-2ページ-

 

 

 

次の日

 

 

珍しく休みを店主に貰い村の中をぶらぶらしていると、

 

「よう、飯屋のアンちゃん。今日は休みかい」

 

「おばちゃん、おはよ。珍しくね。」

 

「そんな辛気臭い顔してないで、もっと笑ったらどうだい。顔は良いんだたら。

 そんなんじゃ、いつまで経っても独り身だよ。」

 

「それは勘弁だな。まあ頑張ってみるよ。またね。」

 

そんな感じに村の人と会話をしながら歩く。

 

だいぶ村に慣れてきたと思う。

こんなに居心地がいいとずっと居たいと思うがそうも言ってられない。

 

最近、賊がよく出るという話を耳にするようになった。

このことから、漢王朝への不満が爆発し始めているのがわかる。

となれば、そろそろ黄巾の乱が始まる。

 

そうなれば、一人旅など危険以外のなにものでもない。

賊何かに簡単に負ける気はないが、戦いは数。

いくら強くても、数の合力には勝てない。

 

だから、黄巾の乱が始まる前に旅に出て、

活動が活発化する前にどこかの陣営に身を置きたいのだが。

 

「馬が無いんだよな〜、馬代が浮けば今すぐにでも出れるんだけど。」

 

と考え事をしながら歩いていると

-3ページ-

 

 

「暴れ馬だーーー!!道を空けろーーー!」

 

一頭の馬がこちらにもう突進してきた。

 

「あれ?デジャヴだ。前にm「兄ちゃん!あぶねー!」ああ大丈夫だよ。」

 

馬の真正面に立ち腰を落とす。

 

馬は止められるはずもないと思っているのか、さらにスピードを上げる。

 

そして、

 

 

バンッッッ!!

 

まるで力士の様に馬を受け止めた。

馬は一瞬驚いたようだが、それでも足を止めず走り出そうとするも、

海斗がガッチリ止めているので全く動けず、最後には諦めて大人しくした。

 

 

 

「本当にありがとうございました!」

 

「ああ、気にしなくていいよ。たまたま通っただけだし。」

 

 

その人は涼州から来た馬商だった。なんでもこの?郡を治めている公孫賛から

大量の白馬の受注がありこの辺りまで来ていたらしい。

 

(そういえば、白れ、あ、真名で読んじゃダメか。あぶねあぶね。

公孫賛って白馬義従とか呼ばれるほど白馬好きだったっけ。)

 

それであの暴れた馬は、涼州でもかなりの名馬で、漆黒の毛並み、普通の馬の2倍はあろうかと

思うほどの大きく屈強な体つき、何にも物怖じしない度胸。

 

これほど軍馬に向いた馬は居ないとまで言われていた。が、

なにぶん体がデカく度胸も有るので、態度がでかくなり、人を乗せなくなってしまったそうだ。

 

なので、騎馬で有名な公孫賛の軍の人間なら、あるいは。

と思い連れてきたものの誰一人乗れず、困っていたところ、この村に住む豪商が買取たいと申し出、

乗せようとしたら、これまた馬が乗せずそのまま暴れてしまったらしい。

-4ページ-

 

 

 

「困ったものです。誰も乗せないので売り物になりませんし。

 このままではただのただ飯ぐらいですよ。」

 

 

「・・・なあ。俺がこいつに乗れたら、こいつを譲ってくないか?」

 

「え、あ、ええ。構いませんよ。私が持っていても宝の持ち腐れでしょうし」

 

そう言った馬商の横を通り過ぎ、太い木に縄で繋がれた馬に近づく。

 

「なあ、お前に頼みがあるんだ。俺をその背中に乗せてくれないか?

 俺にはやりたいことがあってさ、多分俺一人じゃ出来ない。だけど、お前が居ると

 出来るかもしれない。

 だから頼む。俺を乗せてくれないか。」

 

 

そう言った俺の目を真っ直ぐに見つめるその馬。俺は目を外らさないでじっと見つめ返す。

 

すると、

 

「ブルン!」

 

と、俺の言葉を理解したのか、返事をするように一度だけ鳴き、

おれの横にやってきた。

 

「・・・乗っていいのか?」

 

「ブルゥゥン!」

 

そうだ、と、言っている気がした俺は、首に手を掛け馬に乗る。

 

「スゲー、いい眺めだ。」

 

「おお!凄いですね。まさかこんなところでこの馬に乗れる人が見つかるとは・・・」

 

「おっさん。約束だ。この馬は貰っていくぜ。」

 

「はい、この馬が選んだのです。私はもう何も言いますまい・・・

 でわ、私はこのへんで。大切にしてやってください。」

-5ページ-

 

 

 

そう言って歩いていく馬商の背を見ながら、

 

「よし、そうと決まったらまずは名前だな。

 何にしよ・・・馬って言ったら赤兎だよな。けどこいつ黒だしな、

 よし決めた!お前は黒兎(こくと)だ。よろしくな、黒兎。」

 

「ブルン!」

 

「さぁて、馬が手に入ったし、近々出ますかね。この村。」

 

 

そう言いながら、黒兎を撫でる海斗はどこか機嫌が良さそうだった。

-6ページ-

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

まだ一度も原作キャラが出て来てないことに、今しがた気づいたnontanです。

 

馬の名前は在り来たりになってしまいました。

下手に凝ってしまうととんでもないのが出てきそうだったんで・・・

 

 

また支援1いただいていました。

本当に有難うございます。

 

 

ご意見、ご感想、ご指摘があればコメントしていただけると嬉しいです。

 

 

でわでわ

説明
前回の読んで気がついた
原作キャラが出てこないorz
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
2097 1928 7
タグ
恋姫の世界に行ってくる 神崎  恋姫 恋姫†無双 

nontanさんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。

<<戻る
携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com