体育祭前日の夜 相楽家にて
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『マスター、今日は楽しみで寝れないんだよー』

 

サクラは楽しそうに零二の顔を覗くようにしながら呟いた

 

『楽しみで楽しみでしかたないのはわかったから壊れたラジカセみたいに

同じことを言うなよ、このへっぽこ兵器・・・』

 

零二は呆れながらサクラ(へっぽこ兵器)に言った

 

『へっぽこ兵器なんかじゃないんだよ!?ひどいんだよ〜だって体育祭なんだよマスター!?、みんなで体育の祭りなんだよ!?

私がマスターと一緒に経験する初めて(のお祭り)なんだよ!?』

 

いきなり外にも聞こえそうなほどのでかい声でサクラが話しだした

 

『えっ!?にににににに兄さん?』

 

突然、二階にいたはずの紗雪がものすごい勢いで階段を降りてきた

 

『兄さんは、いったい、こんな時間に、サクラさんと、何の話しをしてたんです?』

 

紗雪は初めての経験という部分しか聞こえなかったのでパニックになっていた

 

零二はいつもと違う様子の紗雪に少し驚きながら答えた

 

『ああ、明日の体育祭が楽しみでサクラが寝れないって話しだぜ?わざわざ二階から急いで降りてきて何事かと思ったぞ?』

 

『えっ、でも兄さんが・・・その・・サクラさんと何かをけ・・け・・・・経験するって話しわ?』

 

顔を赤面させながら紗雪が問いかける

 

『それはマスターと初めて一緒に楽しめる明日の体育のお祭りの話しなんだよ?』

 

零二の代わりに後ろにいたサクラが答えた

 

紗雪は心の中で安心しながら誤解した自分が恥ずかしくなった

 

『そうだったんですね兄さん、私てっきり・・・ゴニョゴニョ・・・』

 

『紗雪?最後の方が全然聞こえなかった、もう一度いってくれ』

 

『な・・なんでもないですよ兄さん』

 

『サクラが来てからの我が家は賑やかじゃな〜』

 

いままで出かけていた苺さんが帰ってきたようだ

 

『おかえりなさいなんだよー』

『おかえりなさい、苺さん』

『おかえり、苺さん』

 

三人が揃って大切なむかえる挨拶をした

 

『やはり平和が一番じゃな、ただいまなのじゃ』

 

苺さんは満面の笑みで言った

 

平和という言葉の意味を・・・

戦いがないことの幸せを・・・

家族という絆の大切さを・・・

 

この血のつながらない家族がセカイで一番理解しているのかも・・・しれない

 

説明
学園に通ってみたいと言っていたサクラは苺さんに頼んだところ学園長とは古い友人関係らしく、案外簡単に転校生という形で星見学園に入学した・・・これは学園生活に馴染み始めた二ヶ月後の体育祭前日の夜の話
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