ストライクウィッチーズの世界へ〜(とある傭兵と戦闘機)第六話 |
買い物の後、基地に戻ってから改めて自己紹介をすることになっていたが・・・
「は、はじめまして皆さん、私は フィリア・フェイリールドです」
ちなみに今、私の着ているものは先ほど購入した物なのだが
今現在、髪留めを外して髪を伸ばしたままにしてメガネ着用(ミーナ中佐の)だ
なるべく女の子らしくしているのだが・・・
芳佳「はじめまして、よろしくお願いします!!」
リーネ「はじめまして、よろしくおねがいします・・・」
・・・なぜ気がつかない・・・?
ミーナ「では、各自挨拶をしてください・・・解散・・・!!」
ミーナ中佐はこちらにニコッと笑って部屋を出て行った
そしてみんな私と会った時のように自己紹介していく
・・・・なぜ気がつかない・・・・・
そうこうしているとミーナ中佐が来て
ミーナ「もうそろそろ良いわよ・・・サイファーさん・・・?」
ようやく開放されるようだ
「はいはい・・・」
私は、メガネをとっていつもの口調に戻る
「・・・よし、これでいいな」
芳佳「え・・・うえぇぇぇぇぇぇ!?」
リーネ「サイファーさんだったんですか!?」
ジョークじゃなかったのか・・・さっきの反応
ペリーヌ「まって・・・あなたの胸は私並みのはずでは・・・」
と、ここで見た目だけで判断していたらしきペリーヌが割り込む
「いや、拘束具つけてたから分からないのは当然だよ・・・」
ペリーヌ「なんですって!?」
「でもあまりにもみんな気がついてくれないからあひゃっ!?」
胸を掴まれる感触
ルッキーニ「うぁ〜っ、大きい〜♪」
「やめろっ・・・くすぐったっ・・・!!」
畜生ッ、この子だけは気をつけていたのに!!
芳佳「わぁ〜」
リーネ「・・・芳佳ちゃん・・・?」
羨望の眼差しをおくる芳佳と芳佳を疑問視しているリーネ
ペリーヌ「・・・そんな・・・」
なぜか肩を落とすペリーヌ
「くっ、誰かっ、・・・どうにかっ・・・して・・・!!」
こうして日ごろより数倍疲れた私は、ベットに倒れこむように寝た
翌日
ハンガーに来た俺を待っていたのは、エンジンテストを行っているシャーリーだった
「おはよ・・・ふぁ〜ぁ」
相変わらず朝に弱い俺
シャーリー「おう、おはよう」
朝に強いみたいだな・・・この人
「ふぁ・・・で、何やってんの?」
分解されたシャーリーの機体が目の前にあった
シャーリー「ん、これか?。エンジン出力を調整してたんだよ」
「ふ〜ん」
俺はこっちの物には詳しくないからなんとも言えないが、改造しているということは
分かった
「・・・で、何をどういじったんだ?」
シャーリー「そりゃもちろん・・・スピード!!」
それからシャーリーは音速の世界を目指しているということを話してくれた
俺の機体はマッハ2・・・すなわち音速を超えるスピードが出るわけなんだが
元の世界ではこれは普通の速度、特に気にしてなかったが
芳佳「シャーリーさ〜ん、サイファーさ・・・じゃなかった、フィリアちゃ〜ん」
おいちょっとまて芳佳、なぜ ”ちゃん” をつけた・・・
リーネ「なんかこっちですごい音がしたから・・・」
リーネが申し訳無さそうに言ってくる
「いや・・・それはー」
俺は経緯を芳佳達に話した・・・すると
ルッキーニ「シャ〜リ〜音速に挑戦しようよ〜」
シャーリー「ああ、分かった・・・今から音速に挑戦するけど、見るかい?」
「お、だったら見に行くよ」
芳佳「私も〜」
リーネ「私もいいですか?」
シャーリー「ああ、もちろんさ!!」
こうして俺達はシャーリーの挑戦を見学することになった
おまけ
ピクシー「そういやあいつのイーグル・・・なんであんな機動が取れたんだ?」
イーグルアイ「分からんが、なんか彼女の機体は特別なんじゃないか?」
ピクシー「・・・でもあんな機動したら、下手したら搭乗者は死ぬぞ」
イーグルアイ「なんだまだ悔しがっているのか・・・みっともないぞ?」
ピクシー「うるさい黙れストーカー司令・・・」
イーグルアイ「ストーカーとは何だ!!私はこっそり後をつけただけだというのに!!」
ピクシー「その行為がストーカーのやる事と一緒なんだよ!!」
イーグルアイ「でも彼女の部屋を特定できなかったんだ畜生!!」
ピクシー「待て!!・・・あんたアイツの部屋に行って何する気だったんだ!?」
フィリア「ヘクシッ!!・・・なんか妙な寒気が・・・」
なんかこちらの世界とあちらの世界はつながっている気がする・・・
午後、俺達はシャーリーの挑戦を見学するために滑走路で待機していた
芳佳「そういえば音速って何キロぐらいなんですか?」
「ん〜気候とかに左右されるけど、だいたい1200km/時かな」
芳佳「へ〜、それってどのくらいの速さなんですか?」
リーネ「それは私も知りたいです」
そうか・・・音速はあまり知られていないのか・・・
「音速はその字のとうり、音の速さのことで・・・こうやって話している声が
芳佳達の耳に届く速さの事。つまり・・・」
芳佳「つまり・・・?」
「音速を超えると・・・音を置き去りに出来る事になる」
リーネ「え、それって音の速さより速いって事ですか・・・?」
「そうなるな」
へ〜すごいな〜、という感じで関心している二人・・・とそこに
シャーリー「それじゃ・・・イェーガー機、出る!!」
ロックが外れる音と共にシャーリーが滑走路を滑走する
そして大空へ飛翔するシャーリー
ルッキーニ「それじゃ・・・よ〜い、ど〜んっ!!」
ルッキーニが計器を抱えてインカムに呼びかける
すると加速したシャーリーは遥か彼方えへ消え去った
「すげぇ・・・速いな・・・」
芳佳「速〜い!!」
リーネ「今どのくらいなの?」
とリーネがルッキーニに話しかける
ルッキーニ「ええとね・・・いま780キロ!!」
ルッキーニは計器を見ながらリーネの質問に答える
ルッキーニ「788・・・789・・・」
どんどん加速していくシャーリー
ルッキーニ「797・・・798・・・」
加速が少しずつ減少していくが
ルッキーニ「799・・・800!!、記録更新だよっ、シャ〜リ〜!!」
どうやら記録を更新したらしい
シャーリー「お、よっしゃ〜!!」
「おめでとう、シャーリー」
戻ってきたシャーリーに呼びかける・・・が
シャーリーはバランスを崩して俺達の上にのしかかるように失速した
「ぐふっ!?」
ちょうど下敷きになるように俺はシャーリーに潰された
シャーリー「は〜っ、腹減った〜・・・」
なんかこいつ・・・気絶してないか・・・?
芳佳「どうしましょう・・・」
「・・・分かった、おr・・・私が運ぶよ」
リーネ「ストライカーは私達が運びますっ」
「ああ、そうしてもらえると助かる」
シャーリーの身長は俺より高いが・・・一応訓練していたからな
「ふぅ・・・でも・・・重いなぁ」
駆け足でシャーリーを背負って部屋に行く
「ここか・・・シャーリーの部屋は・・・」
部屋のドアに名前が書いてある・・・どうやらこの部屋のようだ
「とりあえず、ベットに寝かせるか・・・よっと!!」
ベットに寝かせるとシャーリーはいびきをかきながら熟睡していた
「んじゃ、戻るか・・・」
俺はシャーリーをベットに寝かせると、機体の整備のためにハンガーへ戻った
ハンガーに着いた俺は俺の機体を見ている芳佳達を見つけた
「あれ、芳佳達何やってるんだ?」
芳佳「いや・・・フィリアちゃんの機体を見てました」
リーネ「本当にこれが空を飛べるなんて・・・」
若干気になる発言をした芳佳とリーネ
そうか、彼女達は俺のいた世界とこいつの本当の使い道を知らないのか・・・
「そういえば、フィリアちゃんは何で戦っていたの?」
すると向こうから聞いてきた
リーネ「それ・・・私も気になります」
リーネも・・・話すか、俺のいた世界の事・・・
「私のいた世界では・・・こいつは人を殺す為の道具だったんだ・・・私自身も・・・」
芳佳「え・・・それって・・・」
リーネ「フィリアさんは・・・人に向かってあの兵器を・・・?」
「ああ、何人も・・・な・・・」
芳佳「・・・・・・」
リーネ「・・・・・・」
「・・・国と国どうしが銃口を向け合う世界だったんだ・・・私の居た世界は」
芳佳「どうして・・・国どうしが争うんですか・・・?」
芳佳はたずねてくる・・・
「原因はいろいろさ・・・領土、資源、宗教だって戦争の火種だった・・・」
リーネ「でも、ネウロイは居なかったんですよね?」
「そう・・・向こうの世界にネウロイは居なかった・・・だが」
リーネ「だが・・・?」
「それでも人は争いをやめなかった・・・なんでだろうな・・・」
リーネ「・・・・・」
「正直こっちの世界が私は羨ましいよ・・・人が人に銃を向けることの無い世界・・・」
芳佳「私はフィリアちゃんのいた世界が羨ましいです・・・でも・・・」
「ああ、矛盾してるよな・・・世界は・・・」
リーネ「・・・けど・・・」
「?」
リーネ「フィリアさんは・・・戦争で何も失ってないんでしょうか?」
・・・痛い質問だ・・・だが
「私も戦争でたくさんの大切な物を失ったよ・・・家族、親友、戦友、仲間、
どれも人との戦いで失ったよ・・・」
俺は髪留めのドッグタグを二人に見せた・・・
芳佳「それは・・・?」
「親友の形見だ・・・私のせいで死んでしまったな・・・」
芳佳「・・・っ!!そんなっ!!」
リーネ「助けなかったんですか!?」
二人は責めるような口調で言ってくる・・・が・・・
「私たちは、君達みたいに空中で手を使えない・・・ホバリングも出来ないんだ
落ちていく戦友を助ける事は・・・できなかったんだッ!!」
強い口調で言い返す
「私たちは・・・見殺しにするしか・・・できなかったんだ・・・っ!!」
幾度なく仲間が落ちていき、地面に叩きつけられる姿を思い出す・・・鈴音も・・・
・・・何も・・・できなかったんだ・・・
「・・・そうすることしか・・・できなかったんだ・・・」
目の前で煙を吹きながら落ちていく仲間・・・
「・・・失ってしまった物は帰ってこない・・・」
こんな話をするつもりは無かったのに・・・
リーネ「フィリアさん・・・」
芳佳「・・・でも」
芳佳が話をはじめる
芳佳「・・・本当は、人を殺したりなんかしたくないんですよね」
「・・・そんなこと・・・言い訳にもならないよ・・・」
芳佳「でも・・・」
「私も敵の大切なものを奪っていたのだから・・・そういう世界だったんだ・・・
私のいた世界は・・・戦いを求める奴さえいたんだ・・・」
私は寮機だった奴が、突然自分に向けてミサイルを放ってきたときの事を思い出した
芳佳「それでも・・・フィリアちゃんはいい人です!!」
思わず芳佳を見る
リーネ「そうですよ・・・私も、フィリアさんに助けられたひとりなんですから」
芳佳「現にあなたは、私達を守ってくれました・・・扶桑の艦隊の時も」
「・・・・・・」
芳佳「だから・・・自分を人殺しだなんて思わないでください!!」
「ッ!?」
リーネ「あなたは・・・私達の恩人なんですからっ!!」
「(・・・そうか・・・俺はこの子達を・・・)」
いつの間にか守る物が増えていたみたいだ
こうして俺たちは話を終えてハンガーを後にした
ミーティングルームで私達を待っていたのは明日の訓練の話、だが・・・
ミーナ「明日は海で訓練をします」
芳佳「やった〜!!海だ〜っ」
はしゃぐ芳佳
俺はミーナ中佐を見た・・・だが
「ひっ!?」
なぜか彼女は笑っていた・・・さわやかに・・・
「ちょっとトイレに行きます〜」
俺は身の危険を察知し、この場からの緊急離脱を図る・・・が
ミーナ「フィリアさん・・・今はブリーフィング中ですよ?・・・ふふ」
駄目だ、今出たら確実に殺られるっ!!
だが・・・
「でもおr・・・私、水着なんか持ってないですよ?」
緊急脱出装置を用いてこの場から二度目のベイルアウトを図る
美緒「ああ、心配するな・・・貴様はジャージで見学しているだけでいい」
なんだ・・・よかった
「分かりました・・・ふぅ」
こうして明日は一日訓練の日という事になった
翌日
私達は基地の海岸に来ていた
だが俺とミーナ中佐と坂本少佐と新人二人は岩場の上にいた
下を見ると結構高く、海も深いみたいだ・・・
芳佳「なんでこんなの履くんですか〜!?」
リーネ「・・・重いです・・・」
岩場の上に立たされた二人・・・ああそうか、訓練って・・・
ミーナ「みんな同じ事をやったのよ・・・あとは二人だけよ」
美緒「つべこべ言わずにさっさと飛び込めぇッ!!」
芳佳・リーネ「「うわぁぁぁぁぁぁっ!!」」
二人は叫びながら海へダイブした
美緒「上がってこないな・・・」
やばい・・・そろそろ限界だろうな・・・
「・・・私、見に行ってきます」
そういって私は岩場に立った
美緒「待て、お前それ水着じゃないだろう!!」
「関係ないです、それじゃっ!!」
俺は海へ飛び込んだ
しばらく潜ると、何故かじたばた足を動かしてる二人の姿があった
「(何してるんだ、ストライカーを脱いであがるんだ)」
アイコンタクトで二人に合図をする
芳佳「(そんな・・・いきなり・・・無理ですぅ)」
リーネ「(た・・たすけて・・・ください・・・)」
二人は上がれない様子だ・・・まずいな・・・
「(仕方ない・・・私の腕をつかめ・・・)」
二人が腕を掴んだのを確認する・・・よし
俺は海面へ上がって行った
「ぶはぁっ!!」
芳佳「ぷはぁっ・・・死ぬかと思った・・・」
リーネ「げほげほっ・・・私も・・・」
「おら二人とも、さっさとあがる!!」
さすがに疲れる・・・
美緒「・・・すごいな、お前。ストライカーを装備した二人を担いで海面まで上がるなんて」
「一応、訓練は受けてましたからね・・・」
俺は航空部隊だが、ダイバーの免許も取ってたりする・・・まぁ空では関係ないけどな
美緒「それじゃあ休憩っ」
芳佳「ハアハアッ、ミーナ中佐の嘘つきぃ〜」
リーネ「・・・・・(疲れすぎて何も言えない)」
「お前らな・・・でも疲れた〜」
俺たちは砂浜に倒れこむ・・・すると
シャーリー「まあ、最初は誰でもあんなもんだ、気にするな」
シャーリーがこっちに来た
「ん、どうしたんだ?」
シャーリー「いや、ここは寝っ転がるのにちょうどいいんだ」
と、シャーリーは大の字になって砂浜に寝る
俺たちもその真似をして寝っ転がる
「・・・意外に気持ちいいんだな〜」
リーネ「本当にそうですね〜」
芳佳「気持ちいい〜・・・んっ?」
と、芳佳は何かを見つけたようだ
「どうした・・・?」
芳佳「いや・・・今、太陽を何かが横切った気が・・・」
シャーリー「・・・・・!!」
「・・・・・!!」
俺とシャーリーはそれを見てすぐに気がついた
シャーリー「敵だっ!!」
俺とシャーリーが叫んだのは同時だった
そして基地へ走りだした瞬間、警報が鳴り響いた
ミーナ「敵ですって!?」
通信兵「はい、敵は高速型・・・レーダー網を掻い潜って進入した模様」
ミーナ「戦闘員はっ!?」
美緒「先にシャーリー達が行動を起こしているようだ」
ミーナ「頼んだわよッ」
パイロットスーツに着替えた俺は、遅れてきた芳佳達に会った
「シャーリーは先行した・・・後を追うぞ!!」
芳佳・リーネ「「了解っ」」
俺たちは先行したシャーリーを追った
ミーナ「敵の目的地は・・・ロンドン!!」
美緒「敵はロンドンを目指しているッ、お前のスピードを見せてやれシャーリー!!」
シャーリー「了解っ!!」
ルッキーニ「あ〜あ、行っちゃった・・・もしかしてあのままなのかな?」
美緒「何があのままなんだ?」
ルッキーニ「ええとね、私ね、昨日シャーリーのストライカーを・・・あひッ!?」
ミーナ「・・・続けなさ〜い、フランチェスカ・ルッキーニ少尉〜・・・うふふ・・・」
ルッキーニ「あわわわわわわわわ・・・」
ルッキーニがシャーリーのストライカーを壊したという事が明らかになった
それは昨日の夜〜
「ふう〜っ、終わった〜!!」
俺が機体の整備を終えた時間は消灯ギリギリの時間だった
「さて、寝るか・・・ってルッキーニ、消灯になるぞ!!」
ルッキーニは梁の上で寝ていた
ルッキーニ「・・・・・むにゃ・・・」
「・・・電気消しといてな〜」
俺はルッキーニにハンガーの管理を任せて部屋に戻った
ここまでは俺が覚えているルッキーニの行動なのだが・・・
この後がいけなかった・・・
ルッキーニ「・・・ふぁ・・・あれ、誰も居ない・・・」
ルッキーニはハンガーに誰も居ないのに気がついた
ルッキーニ「部屋に戻ろっと・・・って・・・アレ?」
ルッキーニはハンガーにあったシャーリーの仮組みを終えたばかりの機体を見た
そして機体にかけてあったシャーリー愛用のゴーグルを見つけた
ルッキーニ「ゲット〜!!」
ルッキーニがゴーグルを外した瞬間、シャーリーの機体は音を立てて倒れた・・・
そして仮組みだったためオイルと部品が床に散らばった
ルッキーニ「!!んにゃぁ〜ッ!!」
ルッキーニは悲鳴をあげるがその声を聞いた人間は誰も居なかった
ルッキーニ「どどどどどうしよう・・・ええとこれは・・・ここ・・・かな?」
ルッキーニはその後勘だけを頼りに形だけは元どうりにしたらしい
そして今、シャーリーは内部回路が滅茶苦茶な機体で飛んでいる・・・
「何でそんな大事な事を誰にも言わなかったんだッ!!」
俺は無線越しに本部へ怒鳴る
ミーナ「とにかく早くシャーリーさんへ追いついてっ!!」
何の知識も持たない素人が機体をいじるとろくな事にならない
芳佳「早くしないとっ!!」
リーネ「でもシャーリーさんが速すぎます!!」
追いつこうと思っても芳佳達の機体ではこれが最高速度だ
・・・だが
「早くしないとマズイッ!!、芳佳、リーネ、俺の機体の主翼に掴まれ!!」
芳佳「は・・・ハイっ」
リーネ「でもどうするんですか・・・?」
「そんなの決まっているじゃないか」
ターボラムジェットエンジンの最大速度は2500km毎時、
「しっかりつかまってろよッ・・・アフターバーナー、点火っ!!」
芳佳「うわわわわわわわわわわ!!」
リーネ「うっ!!」
「二人とも、魔法力を身体保護と生命活動維持に絞れっ!!」
二人にはきついかもしれないがこれが追いつくのに一番手っ取り早い方法だ
「うぉらぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
一気に加速する機体、するとすぐにシャーリーの姿が見え始めた
芳佳「あっ、シャーリーさんだッ!!」
「シャーリー、今すぐ帰還しろッ!!」
無線で呼びかけるが・・・反応しない
それどころか
シャーリー「いっけぇぇぇぇぇぇッ!!」
無線から彼女の声が聞こえると共にシャーリーはさらに加速した
そして彼女から円錐状の衝撃波が発生する
「ちょっと待て、あいつ今音速超えてないか!?」
俺の機体の速度計は1480kmを示しているが、引き離される
すると無線から
シャーリー「やった・・・のか?・・・私は音速を超えたのか!?」
シャーリーの歓喜する声が聞こえる、と共にレーダーアラートが鳴り響く
「シャーリー、応答しろ!!」
シャーリー「やったぞフィリア、音速を超えたぞ!!」
「回避しろ!!敵に突っ込むぞ!!」
そう、レーダーアラートは敵が接近したときに鳴るのだが
今の速度は敵より数倍速いため、自分が敵に急速接近しているから鳴っているのだ
シャーリ「え、えぇぇぇぇぇぇぇッ!?」
多分彼女から見た光景は敵がこちらに接近しているように見えたのだろうが
本当は、逆にこちらが敵に急速接近しているのだ
「二人とも、しっかり掴まっていろよっ」
アフターバーナーを切り、エアブレーキ全開で回避行動に移る
それは生身の搭乗者には絶大な負荷がかかるという事であり
「ぐぅっ!!」
俺自身が受ける負担が大きくなるという事になる
シャーリー「止まれぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!」
シャーリーは急停止をはかり、シールドを展開するが一足遅かった
シャーリーはそのまま敵に突っ込み、そして敵を貫き白い破片へと変えた
「・・・さらばシャーリー・・・」
多分悪い奴ではなかった・・・と思う
ミーナ「シャーリーさんは!?」
辺りを見回すと、ゆっくり上昇していくシャーリーの姿が見えた
芳佳「いました、シャーリーさんは無事ですっ!!」
俺もほっと一息、だが何故か彼女は応答しない
・・・え?、まさか・・・
「芳佳、リーネ、シャーリーを確保しろっ!!」
芳佳「えっ?」
するとシャーリーの上昇は止まり、彼女は落下し始めた
芳佳「あわわわわわわわわわっ!!」
リーネ「全然無事じゃな〜いッ!!」
シャーリーは水面に叩きつけられる寸前、芳佳とリーネに救いあげられた
だが・・・
芳佳「えぇ〜っ!?なんで〜っ」
シャーリーの水着はさっきの衝撃波のせいでぼろぼろになり、
ほぼ全裸の状態だった・・・しかも
リーネ「きゃ〜っ!?、芳佳ちゃん何やってるの!?」
芳佳「あぁ・・・おおきぃ・・・」
芳佳はシャーリーのおおきなバストを堪能していた
その時の芳佳の表情は至福の笑顔だった・・・
「・・・任務完了、基地に帰還します・・・」
はぁ、とため息をついた俺は無線で報告して残りの三人を連れて基地へ帰還した
「で、他に言い訳は・・・?」
基地に帰還した俺は、真っ先に事件の元凶を説教していた
ルッキーニ「・・・ありません・・・ぐすっ・・・」
「そうか・・・まあ以後、こんな事が無いようにしようね?」
ルッキーニ「・・・うん、わかった・・・」
ルッキーニの頭の上にはたんこぶができていた・・・痛々しい
「まぁ、シャーリーが無事だっただけ、神に感謝するんだ・・・・ね・・・」
俺は久々の無理な機動をしたその反動と疲労で意識を失った・・・
ミーナ「・・・疲れたのね・・・無理をさせちゃったかな・・・」
バルクホルン「・・・どうしたんだ!?、フィリア!?」
ミーナ「疲れたみたいなの・・・トゥルーデ、頼めるかしら・・・?」
バルクホルン「ああ、分かった」
次に目が覚めたのは自分の部屋だった
「・・・そうか、俺は・・・あんな無茶をすれば当然か・・・」
窓を開けて夜空を見ていると、黒い鳥が窓枠に止まった
「・・・なんだ・・・お前は・・・」
不思議な感じのするその鳥に向かって腕を伸ばすとその鳥は俺の腕に止まった・・・そして
その鳥は光輝いて、俺の前から消えた・・・
「・・・何だったんだ・・・今のは・・・」
その鳥は俺の目の前から姿を消したが、気配は・・・俺の中にある・・・
「・・・なんか不思議な感じだ・・・」
俺はそう思ったのを最後に意識を手放した
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