ストライクウィッチーズの世界へ〜(とある傭兵と戦闘機)第八話
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 「ふあ〜あ・・・よく寝たなぁ〜」

 

翌日の朝、いつもより早く起きた俺はあくびをしていた

 

 「・・・やべ、機体の整備してねーな・・・」

 

俺は出撃後の機体チェックを昨日やってないためハンガーに向かった、すると

 

 シャーリー「・・・あれ?、フィリアじゃん。どうしたんだ?」

 

機体の整備(修理)をしているシャーリーに会った

 

 「いや、昨日機体の整備をしてなくてな・・・」

 

俺はシャーリーの回答に答える

 

 シャーリー「ふ〜ん・・・あ、そういえばフィリア」

 

 「ん?、なんだ?」

 

 シャーリー「ルッキーニに説教をしたんだって?」

 

そうだ、ルッキーニに説教をかましている途中に俺は倒れたんだった

 

 「ああ、一応みんなに迷惑かけたんだからな」

 

 シャーリー「・・・でも、ルッキーニはお前は優かったって言ってたぞ?」

 

 「・・・え?」

 

たしかに俺はルッキーニに怒鳴ったりしてないし拳骨もしてない

 

・・・理由はただ一つ・・・

 

 「俺は自分がされて嫌な事は他人にはしない主義でね、おまけに怒鳴ったりしたら

 

 かえってふさぎこむかもしれないからな・・・」

 

俺は基地で親父に説教と拳骨をよくもらっていたからな・・・親父・・・

 

 シャーリー「ふ〜ん・・・お前、意外に優しいんだな」

 

 「そんなことないよ・・・」

 

同じ事を前にいわれた気がする

 

 「さて、俺は機体のチェックをするから・・・んじゃな」

 

 シャーリー「がんばれよ」

 

 「そっちこそな」

 

俺たちはその後、ほぼ同時に作業を終え

 

 「ふぁ〜、もう一度寝るか・・・」

 

 シャーリー「そうだな・・・おやすみ〜」

 

俺は時計を見てもう一度ベットに潜り込んだ

 

 

 

 

 

 「・・・ん?・・・何だ・・・?」

 

もう一度眠りについてから、気がつくとなぜか背中の方に違和感がある

 

寝返りをうつとその違和感の正体が目に入る

 

 サーニャ「・・・すぅ・・・」

 

・・・・・気のせいだ・・・・

 

俺は再び眠りにつこうとした・・・・ちょっと待て

 

 「・・・なんでここに居るんだよ・・・」

 

何故か俺のベットで眠りについているリトビャク中尉の姿が目に入る

 

彼女の部屋は俺の部屋の隣のはず・・・

 

 「とりあえず起きるか・・・って」

 

リトビャク中尉は俺のシャツを掴んでいる、それも強く・・・

 

 「・・・むにゃ・・・すぅ・・・」

 

彼女は熟睡に入っている・・・起こすのは可哀相だ・・・

 

 「・・・・まあいいか・・・寝よう・・・」

 

俺は再び眠りについた・・・

 

 

 

 

 

  サーニャ視点

 

 

 

夜間哨戒任務を終えた私は基地へ帰還した

 

 「ふぁ〜」

 

私は機体を格納してすぐに自分の部屋に戻った・・・つもりだった

 

部屋に入り、私はベットに倒れこんだ

 

気がつくとそこはこの前基地に来た女性の部屋だった

 

彼女はウィッチでは無いのにも関わらず、ネウロイを倒したらしい

 

怖い人なんだろうな・・・と思っていたが・・・

 

 「・・・なんでだろう・・・」

 

寝顔を見るとその人は普通の女の子だった・・・それに

 

なぜだかやさしい感じがする・・・

 

この感じ・・・お母様・・・?

 

優しい感じで何故か安心でき〜・・・

 

私は眠気に負けて意識が消えた

 

 

 

 

 

 

  フィリア視点

 

 

 ミーナ「・・・さて・・・言い訳を聞きましょうか・・・?」

 

 「全くの誤解です」

 

俺は食堂に呼び出されていた・・・

 

 ミーナ「・・・ではなぜエイラさんが私に(サーニャが帰ってこないんダ!!)と

 

 言ってきたんですか・・・?」

 

 エイラ「そうダ!!、なんでお前の部屋にサーニャが居たんだヨ!!」

 

そう、あの後リトビャク中尉が俺の部屋で寝ていたせいでユーティライネン中尉が

 

リトビャク中尉未帰還という報告をミーナ中佐に出したらしい

 

その後、ユーティライネン中尉が俺の部屋に来てリトビャク中尉を見つけて今に至るわけだが

 

 「おr・・・私は何も知らないないです!!」

 

そう、俺は部屋で寝ていただけであってリトビャク中尉を部屋に呼んだわけではない

 

 ミーナ「・・・とりあえず余計な混乱を招いたとして「どうかしたんですか?」」

 

私がおしおきを覚悟したとき、リトビャク中尉が食堂に入ってきた

 

 エイラ「サーニャ!!」

 

 ミーナ「サーニャさん、どうかしたの?」

 

 サーニャ「・・・いや・・・そちらこそどうかしたんですか?」

 

 ミーナ「サーニャさんはどうしてフィリアさんの部屋に?」

 

 サーニャ「・・・間違えたんです・・・多分・・・」

 

リトビャク中尉は下を向きながら控えめな声で答えた

 

 ミーナ「多分?」

 

 サーニャ「・・・すごく眠くて・・・」

 

なるほど、寝ぼけて部屋を間違えたという事か・・・つまり

 

 「私は無実ということですね・・・」

 

よかった、まだ実行されてなくて・・・いらない冷や汗をかかされたけど・・・

 

 サーニャ「・・・すいませんでした・・・」

 

リトビャク中尉が申し訳なさそうにあやまってくる

 

 「いや、いいって。別に気にはしてないからさ」

 

 

 

 

 

 こうして朝の混乱は一気に幕を下ろした

 

 

 

 

 

 

 

 翌日、この日はミーナ中佐達が本部へ行く日で、輸送機の護衛を任されていた

 

もちろん燃料がもったいないから今回は零戦で同行する事になったのだが

 

 「・・・静かだなぁ・・・」

 

レシプロ機の音はジェットエンジンよりも遥かに静かで、風防を開けて夜風に

 

あたっていた・・・すると無線から

 

 ミーナ「フィリアさん、異常は無いわね?」

 

 「はい、全方向特に変わった事はありません」

 

 美緒「・・・にしても、いきなり呼び出されたと思えば経費の削減だと?」

 

 ミーナ「ぼやいても仕方ないでしょう?」

 

 美緒「連中、何を考えているんだ・・・」

 

 ミーナ「上層部は、私達にばかり戦果をあげられて焦っているのよ」

 

 美緒「連中は自分の足元しか見てないな・・・」

 

 ミーナ「そうね・・・」

 

どうやら呼び出されて行ってみれば予算を削ると言われたらしい

 

 美緒「宮藤、すまんな・・・せっかく来たのに・・・」

 

 芳佳「いえ、私はそんな・・・・」

 

 ミーナ「あと、上層部の連中の資料・・・何かしら?」

 

 美緒「さあ?どうせろくな物ではないのだろう」

 

ミーナ中佐が愚痴っていると無線から歌のようなものが聞こえてきた

 

 芳佳「・・・あれ?何ですかこの歌は?」

 

 美緒「サーニャの歌だな・・・基地が近いという証拠だ」

 

 サーニャ「♪〜〜♪〜♪〜・・・!!」

 

と、突然リトビャク中尉の歌が止んだ・・・

 

 

 

 ・・・・・・

 

 

 

 「・・・敵か・・・?」

 

俺は勘で敵が居るという事を悟った

 

 美緒「なんだ、二人ともどうした?」

 

 サーニャ「・・・誰かが・・・こっちを見てる・・・」

 

 坂本「報告は簡潔かつ明瞭に」

 

 「敵だ・・・場所は・・・右前方、距離8000・・・くらいか?」

 

 サーニャ「・・・はい、そのくらいです」

 

なんか最近、敵の気配を感じやすくなった・・・

 

 芳佳「どどどどうするんですかっ!?」

 

 美緒「どうするも・・・今私達はストライカーを持ってないからな」

 

 ミーナ「逃げるしかないわ・・・サーニャさん、フィリアさん、敵を引き離して」

 

 「了解」

 

 サーニャ「・・・了解」

 

俺は零戦を敵の気配のした方向へ向ける

 

 サーニャ「・・・居ました・・・けん制します」

 

リトビャク中尉はロケット弾を敵のいる雲へ発射する・・・が・・・

 

 「・・・何もしてこない・・・?」

 

いつもなら赤いビームが飛んでくるのだが、相手は反撃してこない

 

 「リトビャク中尉、もういいだろう・・・基地に帰ろう」

 

 サーニャ「・・・でも・・・」

 

 「リトビャク中尉、きみは予想以上に疲れてる・・・それにこれ以上は弾薬の無駄だ」

 

 サーニャ「・・・わかりました」

 

俺たちは機体を基地の方に向けて、空域を離脱した・・・

 

 

 

 

 

 

 

 美緒「という事は、今回の敵を見たのはサーニャとフィリアだけか?」

 

 「そういう事になりますね・・・」

 

基地に戻った後、今回の敵について話合いがもたれた

 

 美緒「・・・取り逃がした敵が短期間に出現する確立はきわめて高い・・・」

 

 ミーナ「そうね・・・サーニャさん、フィリアさん、宮藤さん」

 

 芳佳「は、はいっ!!」

 

 「はい」

 

 サーニャ「はい・・・」

 

 ミーナ「当分の間、あなた達を夜間専従員として配備します」

 

 芳佳「え・・・私、今回何もしてませぐうっ!?」

 

突然芳佳の頭を押さえつけたのはユーティライネン中尉だった 

 

 エイラ「はいはいはいっ、私もヤル!!」

 

 ミーナ「分かりました、ではあなた達4人を夜間戦闘員に任命します」

 

 「・・・夜間哨戒か・・・」

 

 芳佳「へ?どうかしたんですか?」

 

 「いや・・・何でもない」

 

ここでこの会議は解散となった

 

 

 

 

 

 「んじゃ、おr・・・私は自分の部屋で寝るな」

 

 芳佳「分かりました」

 

 エイラ「分かった」

 

 サーニャ「・・・ちょっと待ってください」

 

リトビャク中尉は何か言いたげだ 

 

 「ん?、どうかした?」

 

 サーニャ「・・・同じ夜間専従員なんですから、同じ場所に居ましょう」

 

 「いいよ、それじゃ誰の部屋に集まる?」

 

 サーニャ「・・・フィリアさんの部屋で・・・」

 

若干恥ずかしがりながらリトビャク中尉は提案してきた

 

 「別にいいよ・・・じゃ行こうか・・・」

 

 サーニャ「!!・・・はいっ・・・」

 

 芳佳「それじゃ早く行きましょう」

 

 エイラ「そろそろ寝ないと少佐がうるさいからナ」

 

こうして俺たちは、俺の部屋を夜間専従員詰め所とすることとなった

 

 

 

 

 

 「さて、行くか」

 

俺たちは夜間哨戒に出る時間になって滑走路にいた

 

 芳佳「・・・・」

 

 サーニャ「・・・どうかしたの?宮藤さん」

 

 芳佳「・・・震えが止まらないよ・・・夜の空がこんなにも暗いなんて・・・」

 

そうか、芳佳は夜間飛行は初めてか

 

 「大丈夫だ、仲間が居るだろ?・・・頼ればいいじゃないか」

 

 サーニャ「・・・手をつなぎましょう・・・」

 

 エイラ「・・・雲の上に出るまでだからナ!!」

 

こうして芳佳は二人に手を引かれながら空へ上がったのだった

 

 

 

この日は特に何も異常はなく夜間哨戒を終わる事ができた

 

 

 元の世界

  

   ピクシー視点

 

 「・・・よし、全システム、操縦桿、HUD、すべて問題ない・・・」

 

 イーグルアイ「そうか・・・サイファーの機体に搭載されていた

 

 試験用多目的操縦支援システム(FACS)の調子はどうだ・・・?」

 

 「このタッチパネルのやつか?、使い方はなんとかするよ」 

 

 RM「こちらも準備OKだ、いつでもいけるぜ」

 

俺の寮機の方も準備完了のようだ・・・それじゃあ

 

 イーグルアイ「ガルム2、ライラ4、離陸を許可する」

 

 「ガルム2、F-15Cイーグル テイクオフ!!」

 

 RM「ライラ4、F-16C テイクオフ!!」

 

俺たちは、サイファー捜索の為、エリアB7R・・・円卓へと進路をとった

 

 

 

 

 

 

 

  サイファー視点

 

 

 

俺たちは朝、夜間哨戒から帰ってきて朝食をとろうと食堂まで足を運んだ

 

 芳佳「・・・お腹ぺこぺこだよぉ〜」

 

 「そうだな・・・腹へっt・・・お腹すいたな〜」

 

 サーニャ「・・・お腹すいた・・・」

 

 エイラ「・・・なんか食うもん無いのカ〜?」

 

皆空腹のようだ・・・

 

食堂には誰もいなく、朝日が差し込んでいるだけだった

 

 「冷蔵庫には・・・お、卵と牛乳があるじゃん・・・あとは食パンに砂糖に・・・」

 

今ある物で簡単に作れるものは・・・あれだな・・・

 

 芳佳「・・・フィリアちゃん、何を作るんですか?」

 

 「まあ見てろって」

 

砂糖と牛乳と卵を混ぜ、トレーに食パンを並べて混ぜたものを染み込ませる

 

十分にパンがそれを吸ったら、あとはフライパンでちょっと焦げ目がつくまで

 

両面焼くだけで・・・

 

 「フレンチトーストの完成だ」

 

 芳佳「ふわ〜、おいしそうですね〜」

 

 エイラ「うまそうダナ・・・食べていいのカ?」

 

 「ああ、遠慮せずに食べろ」

 

 芳佳「いただきま〜す」

 

 エイラ「・・・!!、美味いナ!!」

 

 芳佳「おいしいです、このパン!!」

 

 サーニャ「・・・おいしい・・・」

 

意外に好評だった・・・うん、普通に美味い・・・

 

一応、料理は得意な方だと思う・・・菓子なんか作ったこともあるが

 

 芳佳「フィリアさんってやっぱり女の子なんですね」

 

 エイラ「口調は男みたいなのにナ・・・」

 

・・・なんか言われた気がするが、気のせいだろう・・・うん

 

それから朝食を済ませたあと、俺の部屋に戻った

 

 

 

 

 

 

 

 芳佳「・・・みんなの生まれたところってどこ?」

 

突然芳佳が聞いてきた

 

 エイラ「スオムスだ」

 

 サーニャ「・・・オラーシャ・・・」

 

 「イギリス・・・こっちではブリタニアあたりだな・・・」

 

とは言っても私はアメリカ育ちだが

 

 「そういえば、私の居た世界の事をあまり話して無かったね・・・」

 

俺は元いた世界について話し出した・・・

 

 

 

 エイラ「・・・信じらんないよナ〜、違う世界からきたなんてナ・・・」

 

 「でも本当にこの世界とはいろいろな事が違うんだ・・・」

 

今でも信じられないが、目の前にある世界は明らかに元居た世界とは違うものだ

 

 エイラ「・・・で、オマエは何の仕事をしてたんだ?」

 

 「・・・傭兵・・・金で雇われる兵士をしていたよ・・・」

 

 エイラ「・・・!?、なんでダ?」

 

 「あの機体に乗って攻撃していたんだよ・・・人間を」

 

 エイラ「・・・なんか壮絶な世界だったんだな・・・オマエの世界は・・・」

 

察してくれたのか、ユーティライネン中尉はそれ以上聞いてこなかった

 

 サーニャ「・・・・(・・・フィリアさん)」

 

 「この世界のほうが数倍ましさ・・・俺の世界なんかよりはな」

 

俺たちはその後、特に会話することなく眠りについた

 

 

 

 

 

 「・・・なんだこの状況は・・・」

 

起きてみると芳佳とリトビャク中尉が私の服を掴んでいた

 

 「・・・またか・・・」

 

ため息をついた俺はシャツを脱いで部屋から出た

 

 「着る服ないな〜・・・アレしか・・・」

 

目線の先にはミーナ中佐が買ってくれたワンピースがあった

 

 「・・・仕方ない、着るか」

 

ワンピースを着てから部屋をでてハンガーに行った

 

 「あ、ストライカーユニット・・・」

 

目についたのは、ウィッチが履いて空を飛ぶ為の魔法のほうき

 

 「・・・どんなのだろう・・・」

 

俺は零式艦上戦闘脚と書かれた機体に手を伸ばした・・・すると

 

その機体と私の体が、青白く輝いた・・・そして私の頭には、鳥の羽がはえ、尻尾も出てきた

 

 「うわっ、なんだ!?」

 

これが私の魔法力の発現を表していた・・・そして

 

 

 ミーナ「・・・!?、この魔法力は・・・誰のもの!?」

 

 

それに気がついた人間がひとり、基地にはいた

 

 

 

 

 

だがミーナ中佐はそれが誰の魔法力なのか特定できなかった

 

 

 「・・・よく分からんが誤作動だろう、さて機体の整備でもするか・・・」

 

 

私は特に気にすることなく今夜もお世話になる零戦の整備に戻った

 

 

 

 

  元の世界、ピクシー視点

 

 

 「ふむ・・・これは便利だな・・・」

 

俺はタッチパネルを操作しながらその高性能さに驚いていた

 

このシステムは、機体の姿勢安定化、各種兵装の管制及び管理

 

GPSによる高度な位置把握、IFFなどの操作をすべて負担してくれる便利なものだ

 

 「それに・・・通信波チューナー・・・高性能すぎだろ・・・」

 

通信波チューナーとはどんな微弱な通信波でも自動で周波数を解析し、

 

無線の周波にあわせるという便利な物だ

 

 RM「いいですね〜そのシステム・・・」

 

羨むような声で言ってきたのは俺の寮機であるRMだった

 

 「ほしいなら司令に頼んでみたらどうだ・・・」

 

 RM「無理ですよ・・・あの人怖いんですから」

 

無線でやり取りしていると

 

 イーグルアイ「そろそろエリア ”B7R”・・・円卓に到達するぞ」

 

どうやら”円卓”にもうすぐ到着するみたいだ

 

 RM「円卓・・・あの円卓に自分は向かっているんですね・・・」

 

そう、新人は恐れていた・・・幾多ものエースが眠る場所に・・・

 

 

 

 

 

 サイファー視点

 

 

 「よし、時間だな・・・起きろお前ら」

 

 エイラ「・・・もうそんな時間カ・・・」

 

 サーニャ「・・・ふあぁ・・・」

 

私は今もベットでうずくまっている三人を起こす・・・だが・・・

 

 芳佳「・・・もうちょっと・・・」

 

約一名ほどが眠りから帰ってこない・・・よろしい・・・ならば

 

 「・・・起きないなら一人で夜空を飛ばすぞ〜」

 

昨日のびびり方から多分この子は一人では離陸できないはず・・・

 

 芳佳「・・・それは無理ですっ!!」

 

よし、戻ってきたな

 

 「よし、全員起きたことだし・・・食堂に行くか」

 

私たちは食堂へ向かった

 

 

 

 

 「・・・なんだこれ・・・」

 

食堂の台所には大量のブルーベリーがザルにのって並んでいた・・・

 

 リーネ「ブルーベリーですよ、実家から送られてきたんです」

 

 「いや・・・それは分かるんだが・・・なにこの量」

 

そう、ブルーベリーのザルは山盛りになっている、それが台所に所狭しと並んでいるのだ

 

 リーネ「実家から送られてきたんです・・・ブルーベリーは目にいいからって」

 

なるほど、確かにありがたい・・・でも

 

 「保存・・・きかないだろ・・・?」

 

これだけの量のブルーベリーを今日明日で食べきれるわけが無い

 

 リーネ「そうなんですよ・・・」

 

リーネも分かっているな・・・明らかに多すぎると

 

 「それじゃリーネ、ザル三つ分くらいもらえる?」

 

 リーネ「あ、はい・・・でもどうするんですか・・・?」

 

保存が利くブルーベリー食品・・・あれだな・・・

 

 「こうするんだ・・・」

 

大きな鍋にブルーベリーを大量投入、そして温まったら砂糖を投入して煮込む・・・すると

 

 「簡単にブルーベリージャムの完成だ」

 

出来たジャムを空のビンに詰めていきながらリーネに言う

 

 「これだったら保存もきくから作り置きできるんだ」

 

 リーネ「へぇ〜、勉強になりました!!」

 

 「で、今日の朝飯(夜間専従員のみ)は?」

 

 リーネ「ブルーベリーですっ」

 

ほう・・・なかなかやってくれるじゃないか・・・リーネの実家

 

こうして私達の朝食は、ブルーベリーオンリーとなった

 

 

 

 

 

 「・・・でも夜空って綺麗だな〜・・・」

 

私は零戦の風防を全開にして月明かりに照らされる雲の上を哨戒していた

 

 芳佳「すご〜い、夜ってこんなに明るかったんだ〜」

 

そう、芳佳の言うとおり雲の下では暗いイメージがあるが雲の上は

 

月明かりをさえぎる物はなく、雲自体を照らすからさらに明るい

 

 サーニャ「・・・・・・・」

 

 エイラ「ソウダナ、たしかに雲の下じゃこうはいかないもんナ」

 

なんだか今日はなおさら月明かりが綺麗な気がする・・・でもこの日は・・・

 

 「(そうか・・・鈴音の誕生日だったな・・・)」

 

私は髪留めを外してドッグタグを見る・・・それは月明かりに照らされて綺麗に輝いていた

 

 芳佳「エイラさん、サーニャちゃん、今日は私の誕生日なの!!」

 

芳佳が報告してきた

 

 芳佳「・・・でもこの日はお父さんの命日でもあるの」

 

なるほど・・・複雑だろうな・・・

 

 エイラ「なんで黙ってたんだヨ・・・そういう日はおめでたい方を優先してもいいのに・・・」

 

でもたしかに彼女の言うとうり、こういう日はおめでたい方を優先すればいいのだ

 

 サーニャ「・・・宮藤さん、耳を澄ませて・・・」

 

リトビャク中尉は頭のセンサーに手をかざした・・・すると何かが聞こえてきた

 

 「これは・・・ラジオか?」

 

 サーニャ「・・・雲の上だとよく聞こえるの・・・」

 

 芳佳「へぇ〜、すご〜い」

 

ラジオの音に耳を傾けていると、それはノイズに阻まれるようになった

 

そして何かの音・・・と言うよりは何かの声のような物が聞こえてきた

 

 

 ゾクッ

 

 

私は危険を察知し風防を閉めて無線をとった

 

 「敵だ!!各機、回避ーーー」

 

すると雲の中から赤い光が発せられ、それは回避行動をとったリトビャク中尉の左足を掠めた

 

 エイラ「サーニャ!!」

 

ユーティライネン中尉が落下するリトビャク中尉を受け止める

 

芳佳「サーニャちゃんっ大丈夫!?」

 

幸い、左のストライカーは失ったものの彼女自身は無傷だった、しかし

 

 サーニャ「・・・みんな・・・私から離れて・・・敵の狙いは私よ・・・」

 

そう、回避行動をとった時に見たビームは明らかにリトビャク中尉を狙っていた

 

 「駄目だ、逃げるわけにはいかないっ!!」

 

 サーニャ「・・・でもみんなが・・・」

 

 エイラ「サーニャは一人じゃないだロ!!」

 

 芳佳「そうだよ、私達はチームなんだよ!!」

 

そう、私達はチームだ・・・誰一人欠けることなく帰るのが最優先事項だ

 

 「私が敵に接近戦(ドッグファイト)を仕掛けて雲の上に追い出すから

 

 とどめはお前等にお願いする!!」

 

 芳佳「了解っ」

 

 エイラ「ワカッタ!!」

 

レーダーが搭載されてない零戦で雲の中への突入は自殺行為だ・・・だが

 

 「リトビャク中尉は敵の位置の指示をお願いする!!」

 

 サーニャ「・・・わかりました・・・」

 

そう、こちらには空中管制機並みの索敵能力を持つリトビャク中尉がいる

 

 「それじゃあ、作戦開始!!」

 

私は操縦桿を倒して雲の中へもぐる

 

すると敵がこちらに気がついたのか、ビームを放ってきた

 

それをかわしながら機銃を放つ、敵の攻撃が止んだら位置が分からなくなる・・・だが

 

 「リトビャク中尉、敵の位置は?」

 

 サーニャ「あなたの位置から・・・十時の方向、距離1200・・・」

 

 「了解、追撃する」

 

こちらには空の目がいるんだ・・・負けはしない!!

 

敵を見つけ、再び機銃を撃つ、そして敵が雲の上に出た

 

 「今だっ!!。集中砲火ッ」

 

 エイラ「了解ッ!!」

 

 芳佳「私が敵の攻撃をシールドで防ぎます!!」

 

 エイラ「ナイスだ、宮藤」

 

集中砲火を浴びた敵はそのまま白い破片へと姿を変えた・・・

 

 「まだ続いてるな・・・この音・・・」

 

さっきの敵の声と同じ音程のものがまだ流れている

 

 芳佳「この音は・・・ピアノ・・・?」

 

 サーニャ「・・・・!!」

 

リトビャク中尉は何かに気がついたようだ

 

 サーニャ「これは・・・お父様のピアノ・・・!!」

 

ラジオから聞こえてくる音・・・それは夜間哨戒時、リトビャク中尉が歌っている

 

歌の伴奏そのものだった

 

 「すごく・・・やさしい音だな・・・」

 

ここでユーティライネン中尉から今日はリトビャク中尉の誕生日であることを聞かされた

 

 芳佳「誕生日おめでとう、サーニャちゃん!!」

 

 サーニャ「あなたもでしょ?・・・おめでとう、宮藤さん・・・」

 

 エイラ「おめでとナ〜二人とも」

 

 「今日は月も祝ってくれてるみたいだぞ?」

 

今日は満天の夜空で、月は満月だ

 

月は綺麗に輝いており、雲の上だからなおさら大きく見えた

 

「おめでとう芳佳、リトビャク中尉」

 

 サーニャ「・・・サーニャでいいです・・・」

 

私は二人を精一杯祝った

 

そして私達が基地に戻ろうとした・・・その時

 

 

 バキンッ

 

 

何かが折れる音と共に突如機体が激しく揺れた。そして回転しながら私の機体は海へ落下し始めた

 

 「っ!?、主翼がっ!!」

 

機体を見ると右側の主翼が半分くらいになっていた

 

 芳佳「フィリアちゃんッ!!」

 

落下していく私の機体・・・墜落を覚悟した、その時

 

    

    お前をまだ、落とすわけにはいかない

 

 

頭の中でそんな声が聞こえてきた

 

たしかに、まだ死ぬわけにはいかない

 

死にたくない・・・そう強く念じた

 

    

    そうだ、お前はまだ飛ぶ事ができる

 

 

零戦から脱出して空中を舞う私の体、だが海へ落ちたのは零戦だけで

 

私は今、空に浮いている・・・

 

 芳佳「フィリアちゃんっ、ウィッチだったんですか!?」

 

そう、今の私はウィッチの特徴である耳と尻尾を生やして空中で浮いている

 

ハンガーでストライカーが反応したのは誤作動ではなく、私がウィッチとして

 

魔法力を持っていただからだったのだ

 

 

 

 

 

 

 

説明

 エイラーニャ回
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タグ
世界 傭兵 ストライクウィッチーズ 戦闘機 

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