ストライクウィッチーズの世界へ〜(とある傭兵と戦闘機)第十話 |
ミーナ「・・・と言うわけで、フィリアさんは使い魔と契約してウィッチとして
魔法力を発現しました」
ミーナ中佐は皆をブリーフィングルームに集めて説明した
美緒「フィリアにウィッチとしての才能があったというのか!?」
芳佳「でも空中に浮いてましたよ?」
エイラ「たしかに浮いてたナ・・・アレは・・・」
皆思い思いの言葉を言っている・・・だが
「私にはこの力の使い方がさっぱりなんだが?」
そう、私がその力を使ったのは墜落した時のが初めてだった
しかもその時、私はその力を使おうと思って使ったわけではなかった
美緒「ならばする事は決まったな・・・」
坂本少佐が私を見てから言う・・・さて、私は緊急離脱でもするか
「お腹痛いんでトイレに行きます」
今回は離脱できそうだな・・・ハッ、この視線は・・・
ミーナ「・・・今はブリーフィング中ですよ?フィリアさん」
ヤバイ、本当にお腹痛くなってきた・・・
芳佳「・・・フィリアちゃん?」
坂本「なんだ、まだ何も言ってないぞ?」
ミーナ「・・・逃がさないわよ?」
意識がベイルアウトしそうだ・・・特にミーナ中佐のレーザー照射のせいで
坂本「とりあえず自分の使い魔の特性を把握するんだ」
よかった、あのキツイ訓練じゃなかった
ミーナ「そうね・・・ストライカーが来るまでの間、フィリアさんは自分の使い魔の
能力や特性を把握してもらいましょう」
「能力や特性?」
美緒「本来、使い魔は魔法力のコントロールを補助する役割をもつが使い魔によって
若干固有能力が違ってくるんだ」
つまり使い魔の種類によって使える能力が変わってくると言う事か・・・
ほう、さすがに物分りがいいな・・・
頭の中に響いてくる感じで何かが話しかけてきた
「(・・・お前が私の使い魔か・・・)」
頭の中で返事をする・・・どうやら私の使い魔のようだ
私は空の支配者・・・お前と同じ、大空を制した者だ
「(・・・・・・)」
私とお前は同じだ・・・私はお前、お前は私だ
「(・・・・お前は・・・)」
今のお前は無力だ・・・お前は何を求めて力を欲する
「(!!・・・・私はッ・・・・)」
それが分かればお前に無力という言葉は必要無くなるだろう
「(・・・・・・・・)」
芳佳「・・・フィリアちゃん?」
美緒「・・・使い魔との対話に入ったか・・・」
ミーナ「使い魔が高位の動物だとしたら・・・難しいものね・・・」
トゥルーデ「・・・(確かアイツの使い魔も鷲だったと思うが・・・)」
「・・・・ふぅ・・・」
私は使い魔との話し合いを終え、意識をこっちに戻した
ミーナ「どうだった?使い魔の方は」
「・・・・・・・」
美緒「・・・相当難しいみたいだな」
「・・・部屋に戻ります・・・」
私は使い魔の言った言葉の意味を考えながら部屋に戻った
私は部屋に戻ってベットに潜り込もうとした・・・だが
サーニャ「・・・・・すぅ・・・・」
・・・なんでまた間違えてんだよ・・・
「サーニャ・・・ここは私の部屋だぞ・・・」
サーニャ「・・・・ムニャ・・・・」
起きる気なしか・・・でも仕方ないか、彼女はいつも夜間哨戒を終えて睡魔に襲われながら
基地に帰還しているのだ・・・
「・・・仕方ない・・・」
ベットの空きスペースに入り込んで寝に入る・・・
サーニャ「・・・・お母様・・・・」
寝言だと思うが、サーニャはつぶやいた・・・
そうか・・・皆、守りたい物の為に命をかけて戦っているのか・・・
前の世界で、私は何の為に戦ってきたんだ?
報酬?・・・違う プライド?・・・違う 敵機撃墜?・・・違う
そういえば自分が何の為に戦って来たのかをまともに考えた事が無かった
「・・・・こんなに幼いのに・・・」
サーニャの頭を撫でながらつぶやく
本当なら銃を持たせたくない年齢だ・・・でも彼女達は自ら武器を手に取った
自分の大切な物を守るために
サーニャ「・・・すぅ・・・」
私は何の為に武器を手に取ったのかを忘れている・・・
「なんでだろうな・・・私は弱いな・・・」
使い魔が言っていた 無力 という言葉・・・
空を飛ぶ翼を失ってしまった私は今、まさに無力という言葉そのものだった
次の日
「ふあ〜あ・・・よく寝たなぁ・・・」
私はベットから降りようとする・・・すると
サーニャ「・・・置いてかないで・・・ムニャ・・・」
サーニャの寝言が聞こえてきた
仲間に置いてかれる夢でも見ているんだろうか、涙が頬をつたっている
元の世界では仲間に置いてかれるのは日常茶飯事だった
もしかしたら自分が先に仲間を置いていく事だってありえた
そして幾多もの仲間に置いていかれたが・・・それでも自分は生きている
「・・・・・・」
そっとサーニャの頭を撫でてベットから出る
トゥルーデ「フィリア、さっきミーナが探していたぞ?」
・・・説教とかじゃないよな・・・?
「わかった・・・執務室にいるよな・・・?」
トゥルーデ「ああ、なんか来客だとかなんとか・・・」
来客?、私に?
とにかく執務室に行ってみよう
私は執務室へ駆け足で行った
「失礼します、フィリアです」
ミーナ「分かりました、入室を許可します」
執務室へ入るととそこには海軍の軍服をきた人が一人、ミーナ中佐と話していた
杉田「おお、貴方が・・・私は扶桑皇国海軍大佐の杉田と申します」
ミーナ「あなたが助けた空母の艦長よ」
ああ、あの時の艦隊の・・・
杉田「あの時は本当にありがとうございました。おかげで我が艦隊はほぼ無傷の状態で
ここブリタニアに着くことができました」
「いえ、あの時は・・・」
ミーナ「艦長からお礼があるみたいよ?」
杉田「はい、これは船員達からのお礼です・・・受け取ってください」
艦長から渡されたのは、日本刀と西洋の長剣の二本だった
「ありがとうございます」
杉田「いえ・・・ではこの辺で」
艦長は執務室から出て行った
ミーナ「さて・・・フィリアさん、ちょっと待ってね」
部屋を出ようとしたら止められた・・・
私がここに呼ばれた理由は来客だったはずだが
「・・・何か用ですか?」
使い魔の事もあるのでさっさと部屋に戻りたいのに
ミーナ「あなたはウィッチとしてこの基地に配属になりましたので、
この基地の隊規について話をしたいと思ってね・・・」
なんだ?、前にもらった指令書以外にまだあるのか
「あの指令書のやつだけじゃないんですか?」
ミーナ「あれは基地に配属された普通の人用の軍規です」
という事はウィッチには別で軍規が定められてるのか・・・
それからミーナ中佐から指令書をもらい、簡単に説明を受けて執務室をあとにした
部屋に帰る途中、指令書を見ながら帰っていると
芳佳「あ、フィリアちゃん!!洗濯物を干すのを手伝って〜!!」
リーネ「今日はハルトマン中尉がたまった洗濯物を出してきて・・・」
「うん、別にいいよ?」
こうして私達は洗濯物を干す為に外へ出た
艦長視点
「・・・あんなに幼かったとはな・・・」
私はてっきり歴戦の操縦士だと思っていたが・・・
会ってみれば子供、しかもまだ年端もいかない少女だったのだ
「・・・送る物、間違えたかもな・・・」
私は赤城に戻りながらそんな事を考えていた
少年兵「あ、あのっ 宮藤さん」
芳佳「へ?何ですか?」
洗濯物を干してると、少年兵が芳佳に話しかけてきた
少年兵「こ・・・これ、受け取ってください!!」
少年兵の手には手紙のような物が握られていた
芳佳「は・・・はい・・・」
訳のわからないような顔をして芳佳は手紙を受け取る
だが受け取ろうとした瞬間、風が手紙を宙に浮かせた
芳佳「あ、待って〜!!」
少年兵「待て〜!!」
二人は手紙を追いかけていく
リーネ「あれって、ラブレターなんじゃないかな?」
「ん、どうしたリーネ?」
そうこうしてると手紙は壁の隙間に挟まっていた
少年兵が手紙をとろうとした時、ミーナ中佐が手紙をとった
ミーナ「・・・このような行為は厳禁・・・と申したはずですが?」
ミーナ中佐は少年兵に手紙をつき返した
そういえばさっきもらった指令書に
(ウィッチは、必要以上に異性と接触する事を禁ず)
こんな事が書かれていた・・・
つまり簡単に言えば 恋愛禁止 ということだ
リーネ「ミーナ中佐・・・怖いです・・・」
横でリーネが呟く
確かにあの表情は、たまに私に向けてくるあの殺人的な笑顔ではなく
なぜだか心の奥から威嚇してるみたいだった
「・・・なんかあったのか?」
私はミーナ中佐に直接聞こうかと思ったが、なぜだか聞く気になれなかった
聞いていいものではないような気がしたのだ・・・
一方、元の世界では〜
ピクシー視点
RM「ホント、何だったんすかアレは・・・」
俺達は基地に戻り、司令が調べた円卓の状況を解析していた
RMはベイルアウトしてから円卓の山脈に降下した
そして基地の優秀な捜索隊のおかげで二日とかからずに発見された
「でもお前のF-16はお前がベイルアウトした後も飛び続けていたぞ」
そう、普通はベイルアウトした場合、機体はコントロールを失って墜落するはずだ
だが、あのF-16は ”何か” にとりつかれたように機体は黒く変色して飛び続けていた・・・
イーグルアイ「通信電波の解析が終わった。ラリーの機体から発信されていたあの無線なんだが
やはりFACSから発信されていた」
RM「何でそのシステムから発信されていたんですか?」
イーグルアイ「いや・・・どうもあの円卓の磁場によって ”何処か” からか通信電波が
繋がってきたという感じだ・・・」
どうやら原因が特定できてないらしい
「でもあの無線で聞こえたのは・・・確か少女の声だったと思うが・・・」
イーグルアイ「通信のログを見てみよう・・・あった、この周波数がエラーのヤツだな」
司令はデータ化された俺の機体の通信ログを開いた
「あの通信は確か録音してあるはずだ」
FACSには通信を自動で録音する機能がある
多分あの通信も録音されているハズだ
イーグルアイ「・・・見つけた、再生する」
イーグルアイは端末をテーブルの上に置き、再生ボタンを押した
(・・・フィリアちゃ・・・大丈・・・ですか・・・)
イーグルアイ「ッ!?」
「どうしたんだ?司令」
RM「・・・顔が真っ青ですよ?」
司令は何かに気がついたようだ
イーグルアイ「・・・フィリア・・・」
イーグルアイは無線で少女が呼んでいた名前らしきものを呟く
「それがどうしたんだ?」
イーグルアイ「・・・サイファーの親父の名前はリーディアス・フェイリールドだ・・・」
「それがどうしたんだ?」
前聞いた通り、サイファーの親父の名前はリーディアス・フェイリールド 司令の親友だった人だ
イーグルアイ「・・・サイファーの本名は・・・フィリア・フェイリールドだ・・・」
「!?」
つまり無線の少女が呼んでいたのは、サイファーだという事か? だとすると・・・
「司令!!」
もう一度、あの場所に行って確かめる必要がある
イーグルアイ「ああ、行くぞ 円卓へ・・・!!」
司令も同じ考えみたいだ
RM「また行くんですか!?」
RMがびびりながら質問してくる
確かにまたあのF-16のようになるかもしれないが・・・
「その時はまた探してやるさ」
RM「俺がベイルアウトするの前提っすか!?」
俺達は再び円卓へ向かう
フィリア視点
「・・・それにしてもあの鳥・・・なんで私の過去を・・・」
夜、自分の部屋でふと気がつく
あの鳥はなぜ自分があの空域を制空した事を知っていたのか
「・・・それになぜか不安な感じがしない・・・」
そう、得体の知れない物には不安を抱いて当然なんだが、何故かあの鳥には不安を感じなかった
それどころか
「むしろ、安心できる感じがする・・・何でだ・・・?」
考えながらそのまま私はハンガーに向かった
ブリーフィングルーム前を通り過ぎようとした時、無人のはずの中から人の声が聞こえた
美緒「まだ忘れられないのか?」
ミーナ「・・・忘れられるわけ・・・ないもの・・・」
多分ミーナ中佐と坂本少佐だ・・・盗み聞きは良くないな
私はそのままハンガーへ向かった
ハンガーに到着した私は、自分の機体であるイーグルのコックピットにいた
FACSを起動しようとパネルの電源をつけようとする・・・が
「・・・起動しない・・・何で・・・?」
バッテリー切れだと考えたが、なんか別の理由で起動しないんじゃないかと思った
「・・・とうとう相棒にまで嫌われちゃったかもな・・・」
何回リトライしても画面は反応しない・・・まるで抜け殻のように・・・
私は諦めて滑走路に歩いて出る
そこから見る海と空は不思議なほど静かだった
静かに波を立てる青い海を空から月が照らしている
「・・・・私の戦う理由・・・」
使い魔が問いかけてきた事を考える
トゥルーデ「フィリア」
するとバルクホルンさんがやってきた
「・・・何ですか?」
トゥルーデ「・・・お前が戦い始めた理由はなんだ?」
戦い始めた理由・・・
「・・・さあ?、何でしょうね・・・」
自分が戦いの中に入ったのは成り行きだった
基地で戦闘機に乗れる人間が、私しか残ってなかったために仕方なく乗ったのだ・・・あれ?
なんか違和感がある・・・
トゥルーデ「・・・その時お前は何をする為に戦ったのだ?」
「・・・基地の皆を守る為・・・」
そう、あのままだと基地は制圧され、私の仲間は皆死んでいたかもしれなかった
トゥルーデ「・・・そうか・・・」
バルクホルンさんはそう呟くと基地へ戻っていってしまった
(お前が力を求める理由、わかったか?)
使い魔が話しかけてきた
「(・・・皆を守る為・・・だと思う・・・)」
私は曖昧な感じで答える
(・・・違う、お前が力を求めた理由はそれじゃない)
使い魔はそれを否定した
「(じゃあ何なんだよ・・・一体・・・)」
訳の分からないまま使い間に質問する
(お前が力を求めたのは、もっと根本的なところだ・・・)
使い魔がそんな事を言ってきた
「(根本・・・?)」
もっと違う理由があるのか?
(・・・それが分かるまで話は無しだ・・・)
使い魔の声はそれから聞こえなくなった
「根本的な部分・・・」
仲間を守る為ではなく、他に私が力を求めた・・・
「訳がわからない・・・どういう事なんだ・・・」
私は今日も何もできないまま眠りに就いた
次の日
部屋で寝ていると警報が基地に鳴り響いた
「ッ!?、敵襲かッ!?」
私は急いで部屋を出てすぐにブリーフィングルームに向かった
ミーナ「敵は一機、500m級よ」
部屋につくと、もうすでに作戦会議が始められていた
トルーデ「誰が出撃するんだ!?」
ミーナ「フィリアさん以外の全員で出撃します」
まあそうだよな・・・私は飛べないのだから
ミーナ「フィリアさん、あなたは基地で待機という事でいいですね?」
「・・・了解」
ミーナ「では質問が無ければ、直ちに出撃準備をしてください」
みんなが部屋を駆け足で出て行く
「いってらっしゃい・・・」
私には皆を見送る事しか出来なかった
トゥルーデ「・・・フィリア」
するとバルクホルンさんが話しかけてきた
トゥルーデ「・・・司令室に行け、あそこなら私達の無線が聞こえる」
そう言い残して、彼女もハンガーに向かった
「・・・司令室か・・・」
私は司令室に足を運んだ
ミーナ視点
美緒「よし・・・敵は一機だな」
索敵班の報告のとうり敵は一機だった・・・この時はまだ
「了解・・・皆、いつものフォーメーションで・・・」
私が隊の皆に司令を出そうとしたその時、敵は分裂した・・・ありえない数に・・・
トゥルーデ「分裂しただとっ!?」
エーリカ「数が多すぎるよ〜」
敵の数はおよそ700・・・とてもじゃないが迎撃できるわけが無い
エイラ「どうすんだヨ!!コレ!!」
ペリーヌ「弾薬が持ちませんわッ!!」
たしかにこの数を迎撃するには弾薬が足りない・・・でも、それでも
「私達には、撤退は許されないわ・・・各機、極力弾薬と魔法力の使用を控えながら敵を
殲滅しなさい!!」
一同「了解っ!!」
やるしかないの・・・私達にはッ!!
サイファー視点
無線から聞こえる感じでは、敵の圧倒的物量を相手に旗色が悪いらしい
坂本「くッ、弾薬が!!」
芳佳「こっちも切れそうです!!」
ペリーヌ「まだまだッ、トネールッ!!」
エーリカ「シュトルムッ!!」
ルッキーニ「たぁぁぁぁぁぁッ!!」
皆、必死に戦っている
エイラ「チッ、ツイてないナ」
リーネ「もう・・・駄目・・・」
ミーナ「諦めないでッ」
何も出来ない自分が恨めしい
トゥルーデ「こんな所で死んでたまるかッ!!」
芳佳「そうです!!諦めないでッ皆!!」
トゥルーデ「生き残るんだ・・・なんとしてもッ!!」
バルクホルンさんの言葉が頭に響く・・・生き残る・・・
リーディ「生き残れ・・・それが俺達の戦場のルールだ」
頭の中で繋がる記憶・・・そうだ、生き残る事が私の戦いだった
(・・・やっと理解したな・・・)
頭の中に響く使い魔の声
(もう一度、お前に問う・・・お前が力を求める理由はなんだ?)
もう忘れない・・・私が戦う理由・・・それは
「私が力を求める理由は、生き残る為だ!!」
もはや頭の中で回答する必要はない
(ではその力でお前は何を求める・・・)
「仲間を守り、そして仲間を全員生きて帰還させる事!!」
そうだ・・・これが私だ!!
(それでこそ ”私”だ・・・)
(お前に力を与える・・・その代わり、絶対落ちるな)
そう聞こえた次の瞬間、私の体は使い魔と一体になった気がした
(行くぞ・・・私達の ”戦場”へ)
私は刀と剣を手に取り、ハンガーに向かった
ハンガーに着いた私は自分の機体であるイーグルに向かおうとした・・・が・・・
「あれ?なんで無いんだ!?」
いつも機体が置いてある場所には木箱や整備用具なんかが置いてあった
そして整備兵達が集まって何かを話している
「あの、私の機体を知りませんか!?」
近くにいた整備兵に問いかける
整備兵A「アンタは・・・アンタの機体は・・・今、あそこに・・・」
整備兵が不安そうに指で示したその場所には戦闘機の姿は無い・・・だが
整備兵「アンタの機体はいきなり光ったと思ったら、ストライカーユニットみたいになったんだ」
そう、整備兵の言う通りそのストライカーユニットには主翼などに青いカラーリングが施されており
私のエンブレムである ”ガルム隊”のマークが描かれていた
整備兵B「とりあえず発進ユニットに格納してたわけなんだが・・・」
・・・そうか・・・私の相棒も・・・
「ありがとうございます・・・今から出撃をするんで退避してください!!」
私に飛べと言っているみたいだ
整備兵A「出撃ってアンタ、ウィッチじゃないだろ!?」
そう、今まではな・・・
ストライカーユニットとなった私の相棒を足に装着する・・・そして
私の体には、使い魔である鷲の羽と尻尾が生えてきた
整備兵B「アンタ、ウィッチだったのか!?」
整備兵が驚いているが、そんなのに構っている暇はない
「総員、対ブラスト姿勢をとって下さい!!」
私はおもいっきり力をストライカーに入れた・・・するとストライカーはそれに答えるように
エンジンを始動させた
私の足元に現れる魔法陣、それは異常とも言えるほどに大きかった
整備兵A「ッ!?、なんて大きな魔方陣だ・・・!!」
「フィリア・フェイリールド イーグル テイクオフ!!」
私は全力で滑走路を滑っていく
整備兵「うわぁぁぁぁぁぁッ!!」
滑走中の私の機体は衝撃波を生んで近くの木箱を吹き飛ばす
そして十分に加速した私の機体は大空へ上がる
「これがストライカーか・・・だが今は皆の方が優先だ!!」
私は全力で皆の所へ向かう・・・守るために
ミーナ視点
私達にはもう敵を破壊する武装が残されていない
美緒「はあ、はあッなんのこれしきィッ!!」
トゥルーデ「うおらぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
辛うじてあの二人だけは戦えているけども・・・
他のメンバーはほぼ全員戦闘不能・・・しかも大陸まで戦場が移動してきている
「もう・・・だめみたいね・・・クルト・・・」
諦めかけたその時、目の前のネウロイが一掃された
「何!?、何なの!?」
私はその攻撃の元を探した
そしてそれはいきなり目の前に現れた
フィリア「遅くなって申しあけありません、ミーナ中佐」
そこにいたのは見た事のないストライカーを装着したフィリアさんだった
「あなた・・・どうして・・・」
フィリア「あなた達は十分に戦いました・・・基地へ帰還してください」
フィリアさんは撤退するように私達に言ってきた
「駄目よ、私達はあの敵を見逃すわけにはいかないわ!!」
そう、ここで撤退すれば大陸に攻め込まれてしまう
フィリア「・・・それじゃここで見ててください」
「あなた何を言ってー」
フィリア「大丈夫ですって・・・・」
ゾクッ
「ッ!?」
フィリア「すぐに・・・終わらせますから・・・」
言い返そうと思って彼女の顔を見た・・・だが彼女に言い返せる気がしなかった
・・・彼女は怒っている・・・それも尋常じゃないほどに・・・
しばらく私は恐怖という物を感じていなかった、だが今ので恐怖という物を思い出した
それは圧倒的力を前にした時と同じ感覚だった
「・・・・・・・」
恐怖で動けない私はただ彼女を見送る事しかできなかった
フィリア視点
「・・・さて・・・」
仲間をこんなにも傷つけたこいつ等・・・絶対に許さない
芳佳「フィリアちゃん!?」
「芳佳、皆を連れてミーナ中佐の所まで退避してて」
芳佳「でも・・・一人で・・・?」
一人で十分だ・・・このゴミ共の相手は
「早くして・・・巻き込んじゃうから・・・」
芳佳「わ・・・分かりました」
よし、これで巻き込む心配は無いな・・・
「それじゃあ・・・行くぞ・・・イーグル・・・」
西洋剣を抜き、剣に思いっきり魔法力を集中させる・・・
剣に鷲の翼のイメージを流し込み、空気をイメージに圧縮する
そして大きく剣を大きく振りかぶり
「吹き飛べやぁぁぁぁぁぁッ!!」
思いっきり敵の大群に向かって振り下ろす
そして放たれた鷲の翼は、その空域に絶大な風力をもたらし
鷲の翼と共に放たれた無数の斬撃は全ての敵を破壊した
「あとは・・・アレが本体だな・・・」
一つだけ、機動が鋭い奴がいた・・・多分アイツが本体だ
「覚悟しろ・・・仲間を傷つけた罪は重いぞ・・・」
西洋剣を鞘に戻し、代わりに日本刀を抜く
「接近して確実に仕留める・・・」
魔法力を刀に集中させる・・・だが今度のイメージは鷲の嘴
「一点突破で一撃離脱のイメージ・・・」
今度は居合いの構えをとり、一気に接近する
敵もビームを放ってくるが・・・アイツのレーザーより生ぬるい
ビームを掻い潜りながら敵に接近し、そして
敵に向かって刀を振りぬく・・・敵は二つになりそして白い破片になった
「ふう・・・終わったな・・・」
芳佳「フィリアちゃ〜ん!!」
芳佳が呼んでいる
「終わった・・・ぞ・・・・」
一気に力が抜け、私は意識を失った
私が目を覚ましたのは、基地のソファーの上だった
目を覚ましたとき、耳に入ってきた優しい歌声
私はその歌声を子守唄みたいに聴きながら再び眠りについた
芳佳「フィリアちゃんの寝顔・・・」
坂本「そっとしておいてやれ・・・にしても気持ちよさそうに寝てるな・・・」
「・・・すぅ・・・」
こうして激動の一日は幕を下ろした
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