IS?インフィニット・ストラトス?黒獅子と駆ける者? |
episode18 転入生は金髪と銀髪と・・・・薄金髪?
「・・・・・・・」
そして夜中で、隼人は目を覚ました。
(聞こえているな・・・)
(はい・・・)
そして隼人の頭の中で、神様の声がする。
(あんたに聞きたいことがある)
(・・・聞きたいことは・・・・・ある程度分かります・・・・クラス対抗戦の時に現れた黒い影のこと・・・ですね)
(あぁ。あれは何なんだ)
(・・・あれは・・『バインド』・・・と言います)
(バインド・・・?)
(バインドとは・・・神の中でも困りの種になっている存在です)
(あれはどういったものなんだ)
(バインドは言わば世界の害虫ともいえる存在です・・・。世界に介入しては、破壊の限りを尽くし、すべてを食い尽くす)
(・・・・・)
(バインドの形状は様々ですが、ほとんどはあなたが知っているものばかりのものと思われます)
(どういうことだ?)
(・・・元々・・バインドは別の世界の存在でした)
(何だって?)
(それが次元の歪みで次元の狭間に迷い込み、やがて別世界で猛威を振るうようになったのです)
(・・・・・・・)
(・・・ですので、無理やりの願いでもありますが・・・バインドの駆逐を手伝って欲しいのです)
(・・・・・・・)
(・・そんなの自分でやれっていうのは分かっています・・・。しかし、神が世界に介入するのはこの世界のバランスをくじしかねないんです。ですので、そう簡単に手出しができない)
(・・・だから、この世界の住人になった俺に、やって欲しい、と?)
(否定しません)
(・・・面倒なことを・・。だが、やってやろう)
(いいのですか?)
(あぁ)
(・・・感謝します。私もあなたにサポートを尽くします)
(それはありがたい。いや、それくらいしてもらいたいものだな)
(はい)
(まぁ、サポートが必要なときに言うから、そのときは呼ぶ)
(分かりました・・・・)
そうして隼人は再び眠りに付いた・・・・・
そして次の日・・・・・
「やっぱりハヅキ社製のがいいなぁ」
「え?そう?ハヅキのってデザインだけって感じしない?」
「そのデザインがいいの!」
「私は性能的に見てミューレイのがいいかなぁ。特にスムーズモデル」
「あー、あれね。物はいいけど、高いじゃん」
と、月曜の朝、女子陣がいつもの通りにトークをしていた。
今日はISスーツのカタログを見て意見を交わしていた。
「そういえば織斑君や神風君のISスーツって、どこのものなの?」
「あぁ・・・特注品だって。そうだったよな?」
「確かそうだったな・・・。元はイングリット社製のストレートアームモデルらしい」
と、隼人はすらすら言う。
「ISスーツは肌表面の微弱な電位差を検地することによって、操縦者の動きをダイレクトに各部位へと伝達、ISはそこで必要な動きを行います。また、このスーツ耐久性にも優れ、一般的な小口の拳銃の銃弾程度なら完全に受け止めることができます。あ、衝撃は消えませんのであしからず」
と、スラスラと説明しながら入ってきたのは山田先生だった。
「山ちゃん詳しい!」
「一応先生ですから・・・・・って、山ちゃん?」
「山ぴー見直した!」
「今日が皆さんのスーツ申し込み開始日ですからね。ちゃんと予習してきてあるんですよえへん・・・・・って、山ぴー?」
どうも山田先生には八つほど愛称がついている・・・。それほど人気があるってことだな・・たぶん・・・・
「あのー。教師をあだ名で呼ぶのはちょっと・・・・」
「えー、いいじゃんいいじゃん」
「まーやんは真面目っ子だなぁ」
「ま、まーやんって・・・・」
「あれ?マヤマヤの方がよかった?マヤマヤ」
「そ、それもちょっと・・・」
「もー、じゃぁ前のヤマヤに戻す?」
「あ、あれだけはやめてください!」
と、珍しく山田先生は語尾を強く言って拒絶の意を示した。
なんかトラウマがあるんだろうな・・・・
「と、とにかくですね。ちゃんと先生と付けて下さい。分かりましたか?分かりましたね?」
「はーい」と、生徒は返事をするが、絶対言っているだけ・・・。これからも相性は増えていく傾向だろう・・・・
「諸君おはよう」
と、生徒たちはビシッと姿勢を正す。一組の担任織斑先生の登場だ・・・・
「それではSHRを始めますね・・・。まず最初に皆さんにはお知らせすることがあります」
「・・・・?」
「実はですね・・・このクラスに転校生がやってみました・・・しかも三人!!」
山田先生が言うと、教室にどよめきが起こる。
(三人・・・・だと?)
しかし隼人は驚いていた。
(原作じゃあの二人だけなはず・・・・・)
そう思っていたが、すぐに原因は分かった。
「では、入ってきてください」
「失礼します」
「同じく・・・」
「・・・・・」
そして教室に三人生徒が入ってきた・・・・
そのうちの一人を見て、女子生徒一同は驚く・・・。それもそうだ。その一人は・・・・男子であったからだ・・・・・
「初めまして・・・・。シャルル・デュノアです。フランスから来ました。この国では不慣れなところがあるかもしれませんが、よろしくお願いします」
と、シャルルと呼ばれる男子は礼儀正しく挨拶をする。その一つ一つに気品があり、まるで貴公子を思わせた。
「お、男・・・・・?」
そして一人の女子が聞いてきた。
「はい。僕と同じ境遇の方々がいらっしゃるとお聞きしたので」
そして・・・・・・
「き――――」
(やばい)
そして隼人はとっさに耳を塞いだ。
「男子キタァァァァァァァァァァァァ!!!!」
そしてどっかで聞き覚えのあるような女子たちの叫び声が教室を揺るがした。
「男子よ!これで三人目よ!!
「しかもうちのクラスに!!」
「美形だし!しかも守ってやりたいタイプ!!」
「地球に生まれてよかった〜!!」
(あぁもう!・・・以前よりボリュームがグレードアップしているぞ!高級耳栓でも防げないぞ!)
耳を塞いでも叫び声が耳に入ってくる。
「・・すんごい声やな・・・・えへん・・・初めまして・・・うちはムラクモ技研より転入してきた『エリーナ・ハルトマン』っていうんや。ほな、よろしゅうな」
と、エリーナと呼ばれる女子は挨拶をする。
クリーム色のショートヘアーで、耳の前に下げている髪の先端だけ若干灰色に染まっていた。瞳は少し薄い黒をしていた。背丈は隣のシャルルとほぼ同じぐらいで、スタイルは並・・・・。制服は大胆に改造が加えられており、半そでのへそ出しルックスであり、下はスカートではなくホッとパンツであり、靴紐が付いたブーツを履いていた。
(外人で関西弁・・だと?違和感バリバリだな・・・・・・ってか、どっかで見たような姿だな・・・・)
若干関西弁が混じっているエリーナに少し違和感を覚える。
「・・・・・・・・・」
そしてエリーナの隣で冷たい威圧感を放っていた生徒が居た。
背丈は他の二人より低く、銀色の髪を腰の位置まで伸ばしているが、どちらかといえば伸ばしっぱなしという感じであった。左目にはよく悪の幹部がしているような黒い眼帯をつけていた。その雰囲気から、軍人という感じであった。
「ラウラ・・・せめて挨拶ぐらいはしろ」
「・・・教官がそうおっしゃるのであれば・・・」
「教官ではない。もうお前に教えることはない。ここでは織斑先生と呼べ」
「・・・・・・」
そしてラウラはようやく固く閉じていた口を開いた。
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
「・・・えぇと・・・これで終わりですか?」
そして山田先生は恐る恐る聞いてきた。
「・・・・・・」
そしてまた口を閉じた。
「・・・・・・」
隼人はしばらく様子を見た・・・・
そしてラウラと一夏の目が会う・・・・
「!貴様が・・・!」
そうしてラウラは一夏の前にやってくる・・・
「・・・・・」
そして右腕を上げて平手打ちをしようとした・・・・
「っ!?」
しかし振り下ろされるその直前に、いつの間にか後ろに回りこんだ隼人がその腕を掴んでいた。
「挨拶代わりに平手打ちか・・・・・ドイツではそれが挨拶か」
「・・・貴様」
ラウラはすぐに掴まれている腕を引き抜いた。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
隼人とラウラは殺気を出してにらみ合い、「ふん」とラウラは鼻で笑うと自分の席に着いた。
「・・・では、これでSHRを終わる。この後各自着替えて第二グランドに集合。二組と合同でISの模擬戦闘を行う!」
そして千冬が手を叩いてその空気は緩和された。
「それと、織斑、神風、デュノアの面倒を見てやれ。同じ男子同士だろ」
「は、はい」
「・・分かりました」
そして一夏は席から立って、隼人と一緒にシャルルの元に来る。
「君が織斑君で、君が神風君?・・・僕は・・・」
「話は後だ」
そして隼人はシャルルの手を取ると、一夏と一緒に教室を出る。
しかしどういうわけか、シャルルは若干顔を赤らめていた・・・・・
「俺たちはアリーナの更衣室でしか着替えることができないからな。だから急がないと授業に遅れてしまうから、鬼にしばかれる」
「あ、そ、そうなんだ・・・」
「・・って、鬼は言いすぎだろ・・・いや、そうでもないかも・・・」
「あぁ!転校生発見!!」
「しかも織斑君と神風君も一緒だ!!」
「ものども!であえであえ!!」
ちょっと待てい!!いつここは武家屋敷になった!?
「厄介な・・・」
「そうだな・・・」
「・・・えぇと、どうして?」
「どうしてって・・・俺たちしかISを動かせる男は居ないからな」
「・・あっ・・そうだね」
「・・・・・」
そう話しているうちに女子生徒の数は増えていく。
「仕方がない・・・すまん、シャルル」
「え?なに・・・って、うわぁ!?」
そして隼人はシャルルを抱き抱えると、そのまま走り出して床を蹴ってジャンプすると、壁を蹴って上に上がり、女子の大群を飛び越した。
「えぇ!?」
その光景を見て女子陣は驚きの声を上げる。
「ずるいぞ隼人!!俺を置いていくのか!?」
「シャルルは来たばかりだ。お前は何とか切り抜けろ」
「ひでぇぞお前!!」
そして一夏は女子の大群に追われて、一夏は別ルートで逃走した・・・・・
「到着っと・・」
そして隼人と抱き抱えられたシャルルはアリーナの更衣室に到着した。
「え、えぇと・・・・もう降ろしてくれるかな・・?」
そしておどおどとしたシャルルが隼人に言う。
「おっと・・すまない」
隼人はそのままシャルルを降ろした。
「・・でも・・・織斑君は放っておいてもよかったの?」
「あいつなら大丈夫だ」
「・・・・・・」
「・・なんで俺があんなことをしたかって思っているな」
「え・・?」
「顔に書いてある。転入早々千冬さんから説教を受けるわけにはいかないだろ」
「・・そ、そうなんだ・・」
「・・俺の名前は神風隼人だ・・・隼人でいい」
「うん・・。僕のことはシャルルでいいよ」
「分かった・・シャルル・・・・だが、こうしたはいられないぞ」
そして隼人はコートのような制服の上着を脱いで、ズボンも脱ぐと、既に下にISスーツを着込んでいた。
「・・・・・・」
「・・・どうした?」
「え?・・う、ううん!なんでもないよ」
「そうか・・・。俺は先に行っているぞ」
「う、うん」
そして隼人は先に更衣室を出た・・・・・
(・・・聞こえているか)
(はい・・・。そろそろ言ってくると思っていました)
(・・どういうことだ。またお前のオリジナルキャラか?)
(・・いいえ。そうではありません)
(何?)
(あれは・・別の神によって転生した者です)
(・・何だと?)
(・・・心配要りません。あの者を転生させた神は私の知り合いです。少なくとも、あなたに敵対心はない・・はずです)
(・・・なんで転生者がまた・・・)
(・・あの者も・・・・私のようにその神のミスが原因で早死にしてしまった者です・・・)
(・・・ってか、神様がそんなにミスを頻発させていいのかよ?)
(・・・あなたの言うことも最もかもしれません・・・。しかし、神の仕事は膨大であって複雑なんです。いくら神の高官といえど、必ずしもミスを起こしてしまうのです・・・・。天地変異や、予定に無い死・・とかが)
(・・・・・)
(そのため、神の掟として、ミスで死なせてしまった人間を必ず転生させるのが決まりなんです)
(・・・それで、あいつはあんたの知り合いが転生させたのか)
(そういうことです・・・。・・・・しかし、転生者はすべて味方・・・というわけではありません)
(・・どういうことだ?)
(・・・私や他の神に敵対する神も居るということです・・・・。その者たちが転生させる者たちは、私たちが転生させた者達と敵対する者たちです・・・・。その他にも、どこにも属さない転生者も居ます・・・)
(・・複雑だな・・・・)
(そうですね・・・)
そう神様と話している間に、第二グランドに到着した・・・・
その後にシャルルがやって来て、少し遅れて一夏が来たが、授業に遅れたので千冬より出席簿で叩かれた。
「あのなぁ・・・お前のせいで遅れたじゃないか!!」
「言っただろ。切り抜けろ、と」
「ダカラ、イミガワカラン!!」
「では、これより、一組と二組による合同の演習を行う」
「はい!」と、女子生徒一同は元気よく返事をした。
「まずは戦闘を実演してもらおう・・・・。では、凰、オルコット、前に出ろ」
「えぇ!?」
「な、なぜ私まで!?」
そして指名されたのが不服らしく、鈴とセシリアは否定的な態度を取る。
「なぜわたくしが・・・」
「見世物のためにあたしは専用機持ちになったわけじゃないっての」
と、ぶつぶつと文句を言いながら列の前に出る。
「お前達・・少しはやる気を出せ・・・・・。あいつにいいところが見せられるぞ」
「「!!」」
そして千冬は最後を小声で言うと、鈴とセシリアは反応した。
「ここはイギリス代表候補生であるこのわたくしセシリア・オルコットの出番ですわね!」
「まぁ、実力の違いを見せてやろうじゃないの。専用機持ちの!」
すると二人はやる気満々になった。
(相変わらず千冬さんは乗せるのがうまい・・・)
隼人には千冬が最後に言った事が聞こえていた。
「それで、わたくしの相手はどなたでしょうか?まぁ、鈴さんでも構いませんわよ」
「ふふん。それはこっちの台詞。返り討ちにしてやるわよ」
「慌てるな馬鹿者共。相手は―――――」
すると、遠くから何か飛んできた。
「み、みささん!!どいてください!!!」
そしてISを纏った山田先生がこっちに飛んできて、墜落コースに入っていた。
「・・・・」
他のみんなが逃げる中、俺もとっさに逃げようとするが・・・・
「っ!?」
すると後ろから誰かに足払いされて、隼人は後ろに倒れてしまった。
その間にもう山田先生は目の前まで来ていた。
「くっ!」
隼人はとっさにバンシィを展開した・・・・・
その直後に山田先生はグランドに墜落した・・・・
(あぶねぇ・・・後一歩でまたお陀仏になるところだったぜ)
そして隼人はバンシィを解除した・・・・
「むご・・?」
するとその直後に顔を何かが埋め尽くした。
(なんだ?・・・あぁでも柔らかい・・・・まるで餅の様な・・・って、餅?)
はて?今体は上を向いているはず・・・宙に何かあったっけ?
(それに・・なんか人肌のように生温い・・・?・・・ん?生温い・・・?)
そして隼人の脳裏に何かが横切り、顔面を埋め尽くしている物に触れてみた・・・・
「あ、あの・・神風君・・・ひゃん!」
「っ!?」
そして山田先生の声を聞き、隼人は我に返って、顔を埋め尽くしている物を退かして上を見る。
そこには顔を赤らめる山田先生の姿があった。しかも胸を触られたせいか、少し感じていた・・・・か?
体勢的に、隼人が地面に倒れて、その上に山田先生が覆い被さっている状態であった・・・・。そして隼人の顔を埋め尽くしていたもの・・・・それは山田先生のビックバンこと、巨乳であった。
先生の趣味ではないのは分かるが・・・ISスーツの胸元が開いているので、ちょうど肌のぬくもりがダイレクトに伝わっていた。
「だ、だめですよ・・こんなところでこんなことは・・・・で、でも、私が上に覆い被さっているので、人のことは言えませんけど・・・で、でも、神風君は魅力的ですから、私は別に・・・と、言うより、私何を言っているんでしょうね・・?」
と、冗談なのか本気で言っているのかよく分からなかった・・・・
「す、すみませんでした!?!?」
隼人はとっさに山田先生の下から抜け出して立ち上がった。
「っ!?」
すると目の前をレーザーが通り過ぎた。
「・・・・」
隼人はレーザーが飛んできたほうを見ると・・・・
「あら・・外してしまいましたわ・・・オホホホ」
と、額に血管マークを浮かべて、セシリアは笑顔を浮かべているが、明らかに怒りのオーラを出していた。
「せ、セシリア・・・こ、これはじ、事故なんだぞ?ま、まさかほ、本気でま、真に受けているわけじゃないよな?」
先ほどのラッキスケベな出来事で隼人は普段の冷静さを失っていた。
「隼人ぉぉぉぉ・・・」
「・・・・・」
隼人は後ろから来る殺気に、後ろを向くと、そこには怒りのオーラ全開で鈴が双天牙月を連結させた。
「やっぱりあんた貧乳には興味ないってわけねぇっ!!」
「ま、待て、鈴!事故だって分かるだろ!!」
「問答無用!!」
そして鈴は連結した双天牙月をブーメランのように放り投げた。
「よ、よせ!?」
ドンッ!ドンッ!
すると後ろから銃声がして、弾丸が双点牙月に直撃して軌道がずれて、地面に突き刺さった。
「っ!」
隼人はとっさに後ろを見ると、山田先生がアサルトライフルを展開して狙撃体勢を取っていた。
「お怪我はありませんか?神風君」
「は、はい」
隼人は目をぱちくりとさせて返事をする。あんなことになったというのに、怒ってないってのか・・やっぱり優しいね・・・
鈴は先ほどのことに驚いており、それは回りでも同じであった。
「こう見えても山田先生は元代表候補生だ。さっきの射撃など造作も無い」
「む、昔のことですよ。それに代表候補生止まりでしたし」
そして山田先生は立ち上がると、眼鏡を掛け直す。
「何をぼさっとしている。さっさと始めるぞ」
「で、でも」
「さすがに二対一はちょっと・・・」
「安心しろ。今のお前達ではすぐに負ける」
負けるといわれて、二人の目に闘志の炎が宿る。
「では、始め!」
そして千冬が手を叩き、セシリア、鈴、山田先生は同時に飛び上がった・・・・
「デュノア。山田先生が使っているISの説明をしてみせろ」
「は、はい・・・・」
長いので軽く説明すると・・・・・
1:山田先生が使用しているのはデュノア社製の『ラファール・リヴァイブ』
2:第二世代の後期型であるが、スペックは第三世代初期のISに引けを劣らない性能を有している
3:スペック的にも扱いやすく、世界でも人気に機種でもある
4:なのでISのシェアは第三位と上位に入っている
「・・・・・・・」
シャルルが説明している間に、隼人は首根っこをさする。
「満更・・・でもなさそうやな」
「・・?」
そして後ろから声を掛けられて、隼人は後ろを向くと、そこには転入生のエリーナがいた。
「あのビックバンに挟まれるなんてそうそうないからな」
エリーナは「かっかっかっ」と笑う。
「あのなぁ・・・」
「冗談や冗談・・・。意外とウブなんやな」」
と、ニコニコとエリーナは笑う。
「・・・・改めて自己紹介や。うちの名はエリーナ・ハルトマン・・・よろしゅうな」
「あぁ・・。神風隼人だ」
すると、山田先生がぶつかりあった鈴とセシリアにグレネードランチャーを放ち、グレネードがセシリアと鈴に直撃して爆発し、グラウンドに落ちてきた。
「うぅ・・まさかこのわたくしがこんな・・・」
「あんたねぇ!なに面白いように誘導させているのよ!!」
「鈴さんこそ!衝撃砲をぼかすかと撃ちすぎなのですわ!!」
ぎゃぁぎゃぁと二人は言い争った。
「これで教員の実力は分かったはずだ。今後は敬意を持って接するように」
そして生徒全員は返事をした。
「・・・しかし・・まだ時間はあるな・・・・では、神風、ハルトマン」
「「はい」」
「お前達で模擬戦闘を行って見せろ。ハルトマンはここで初めての戦闘だ・・・・神風・・・やりすぎるなよ」
「分かっていますよ」
そして隼人とエリーナは列の前に出る。
「こうも早くお前と戦闘があるとはな」
「・・せやな」
そしてエリーナは首にかけているドックタグを手に取る。
「来な・・・アルテミス!」
そしてエリーナがISを展開すると同時に隼人もバンシィを展開した。
「・・これは・・」
そして隼人はエリーナのISを見て息を呑む。
その姿は・・・隼人もよく知っている物であった。
全身装甲のISで、白をメインに、サブに青に、各所に黄色が施されたカラーリングであり、頭には緑のツインアイを持ち、額にはV型アンテナがあった。胴体には半透明の円形のパーツがあり、それが両腕と両足にもあった。特徴的なのは両肩のアーマー上部に接続されている大型のシールドで、前面を覆っていた。両足の側面にはケースが装着されていた。後ろ腰にはブースターが装着されており、背中にはコーン型のユニットが搭載されていた。そして展開してからツインアイが発光し、頭のすぐ横にアンテナが立ち上がる。
「うちのIS・・・アルテミスや。第三世代型の試作型ISなんやけど。性能はめっちゃ高いで」
「なるほど・・・(どう見てもデュナメスだよな・・・・。色が青に変わっただけの・・・・)」
と、隼人はエリーナのアルテミスを見る。
しかしよく見れば、バンシィの左腕にあるアームド・アーマーVNはあの戦いで破壊されてから未だに修理が終わっておらず、未装着であった。代わりにシールドが装備されていた。
「ふーん・・・隼人のIS・・・中々いいじゃん」
「どうも」
「では、始め!」
そして隼人とエリーナは同時に飛び上がると、隼人は右腕のアームド・アーマーBSを展開して、エリーナに向けてビームを放つ。
エリーナはビームをかわすと、シールドを側面に回して、前面を開けると、両足のケースを開いてそこよりハンドガンを出すと、それを持って抜き放つと、隼人に向けてトリガーを引いてビームを連続で放っていく
「くっ!」
隼人はとっさにスラスターを噴射してビームをかわしていき、アームド・アーマーBSを放つ。
エリーナはハンドガンを放ちながらビームをかわすと、ハンドガンをケースに戻すと、右手にスナイパーライフルを展開した。
「こっからがうちの本領発揮や。付いてこられるかな?」
そしてエリーナはトリガーを引いてビームを放っていく。
隼人はとっさにビームをかわして行くが、エリーナは連続で正確にビームを放ち、五発目がバンシィの右足側面を擦れる。
(なんて正確な射撃だ・・・!セシリアより遥かに上か!)
「・・狙い撃つでぇっ!!」
「ちっ!」
そして隼人はビームをかわしていき、アームド・アーマーBSを放ちながら、なんとかエリーナに接近を試みる。
「そう簡単には近づけさせないよ!」
そして背中にユニット内にあるギアを回転させて粒子を放出して後ろに飛んでいくと、スナイパーライフルを放っていく。
「ちっ!」
隼人はとっさに左腕のシールドを前に出すと、シールドを上下に展開すると、ビームがシールドに直撃する前になんなかのフィールドで弾かれた。
「なるほど・・・ビームフィールドってわけやな・・」
そうして隼人はシールドを戻すと、アームド・アーマーBSを放つ。
エリーナはビームをかわすと、スナイパーライフルを放っていく。
「けど、いつまで耐えられるかな・・・」
そしてエリーナはどんどんビームを放っていく・・・・・
「凄い・・・隼人を押さえ込んでいる・・・」
その戦闘を見ていたティアは驚いていた。
「・・わたくしよりも正確な射撃・・・・一体何者なんでしょうか・・」
セシリアもエリーナの正確な射撃に驚いていた。
「そろそろ本気で来たらどう?」
「なに・・・?」
そしてエリーナは狙撃をやめると、隼人に言ってきた。
「さっきからうちの動きを見てきたやろ?もういいんじゃないん?」
「・・なんのことかな」
「とぼけなくてもいいんやで。うちは生温い戦いは嫌いなんでな」
「・・・・・・」
「このまま終わらせてもうちは構わんけど?」
「・・・分かったよ・・・だが後悔するなよ」
「それはどっちかな」
そしてバンシィの装甲の表面の隙間より金色の光が出てくると、装甲が展開していき、マスクが収納されると、最後に額の角が展開して鬣のようになり、赤いツインアイが発光した。その直後にシールドが上下に展開すると、四枚の羽が展開して金色にフレームが輝いた。
「行くぞっ!!」
そして増設したスラスターを一気に噴射させると、エリーナに向かいながらアームド・アーマーBSを放った。
「・・・・」
エリーナはとっさに後方に下がると左のほうのシールドを前に向けてビームを防ぎ、スナイパーライフルを放つ。
しかし異常に速くなったバンシィにビームはかすりもせず、一気に懐に入られた。
「くっ!」
エリーナはとっさにフロントアーマーを開かせると、そこよりミサイルを放った。
隼人はとっさにスラスターを噴射してその場で足を上に上げて体ごと回り、ミサイルをかわすと、逆さまの状態でアームド・アーマーBSを放ってなぎ払い、ミサイルをすべて撃ち落した。
「かかったね」
「・・・・」
すると、スナイパーライフルの銃口がバンシィの胸部に突き付けられた。
「いくらビームフィールドを持っても、この距離なら意味は成さないよ!」
そしてトリガーを引いてビームを放った・・・・
「なにっ!?」
しかしビームはバンシィを通り過ぎて、バンシィはそのまま消えていった。
「引っかかったのはお前のほうだ!」
「っ!」
すると横からバンシィが迫って来ており、アームド・アーマーBSを収納すると背中のビームサーベルを抜き放って振り下ろして、アルテミスのスナイパーライフルを切り落とした。
「ちっ!」
エリーナはとっさにスナイパーライフルを捨てると、ライフルが爆発すると同時に隼人は再度ビームサーベルを振り下ろすが、エリーナはとっさに後ろ腰にあるブースターよりビームサーベルの柄を展開して抜き放ち、斬撃を受け止めた。
「質量を持った残像ってわけか・・・・どうりで落ち着いているなぁって思った・・・」
そしてエリーナは隼人を押し返して、左足のケースよりハンドガンを出して、手にする。
「・・・・・」
「・・・・・」
『そこまでだ』
すると、千冬より通信が入る。
『これ以上は時間はやれん。続きは別の日でやったもらおうか』
「・・分かりました」
そしてバンシィの金色のフレームの輝きが消えると、バンシィの装甲が閉じていって元の姿に戻った。
「決着はお預けだな」
「せやな。その時まで更に腕を磨くんやで」
「お前もな」
そうして二人はグラウンドに下りて行った・・・・・・
「隼人・・・・」
「とんでもないやつね・・・・バンシィの本気と付いていけるなんて・・・」
そしてシャルルと鈴は驚いていた。
「・・・・・・」
すると、ラウラは拳を握り締めていた。
(・・・許せん・・・・)
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トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ! |
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