IS?インフィニット・ストラトス?黒獅子と駆ける者? |
episode19 面倒は嫌いだ・・・
そして時間が過ぎていって土曜日・・・・・・
「えぇとね、一夏がオルコットさんや凰さんに勝てないのは、単に射撃武器の特性を把握してないからだよ」
「そうなのか?俺はわかっていたはずだったんだがな・・・」
一夏はシャルルよりレクチャーを受けていた。先ほど軽く模擬戦を行ったが、シャルルの圧勝であった。
「うーん。知識だけ分かっている感じかな?さっき僕と戦った時もほとんど間合いを詰められなかったよね」
イグニッション・ブースト
「うっ・・・確かに瞬間加速も読まれていたしな・・」
「一夏の白式は格闘戦オンリーの機体だからね。より深く射撃武器の特性を把握しておかないと、対戦のときは勝てないよ。特に一夏の瞬間加速は直線的だから、不測の事態でも対応はできるからね」
「直線的・・・か」
「あ、でも無理やり軌道は変えないほうがいいよ。空気抵抗や圧力で機体に負担がかかって、最悪の場合骨折をするかもしれないからね」
「なるほど・・・・お前の説明って分かりやすいな」
と、一夏は言う・・・・。一夏が分かりやすいというのであるから、分かりやすいのだろう・・・
イコライザ
「そういえば、一夏の白式って『後付装備』がないんだよね?」
バスロット インストール
「あぁ。何度も調べてもらったけど『拡張容量』が空いてないらしい。だから『量子変換』は無理だって言われた」
「たぶんだけど、それってワンオフ・アビリティーがほとんどを占めていると思うよ」
「ワンオフ・アビリティーって・・・なんだっけ」
ワンオフ アビリティー
「その名の通り『唯一仕様の特殊才能』だよ。各ISと操縦者の連動値が最高の状態になったときに自然発生する現象のこと。白式の場合は零落白夜がそれに当たるかな」
「なるほどな・・・」
「でも、それって織斑先生の使っていたISの物だよね・・・・。姉弟だからってそう簡単に起こることじゃないんだけどね」
「そうなのか?俺はてっきりそうかと思っていたんだけど」
「それじゃ説明が付かないよ。さっきも言ったとおりワンオフ・アビリティーはそのISとその操縦者との間で起こった唯一の能力。つまり全く同じ能力が起こることなんてありえないんだよ」
「そうなのか・・・・。でも、現にこうして白式は持っているんだよな」
「うーん・・・・。僕にも分からない事だらけだね」
「・・・それにしても」
そして一夏はそこから遠くの地点を見ると、そこには人だかりができていた。
なぜかというと、そこではエリーナが練習をしていた。
しかもその練習というのが芸達者なもので、ハンドガンを両手に持つと、回りで激しく不規則に動く仮想標的を一ミリの狂いもなくすべて撃ち抜いて行った。その度に拍手が起こった。
「それにしてもハルトマンさんって凄いよな・・・・。隼人と対等に戦えたってだけはあるな」
「・・・・そういえば、隼人って、そんなに凄い人なの?」
「凄いってもんじゃない。・・・あいつに敵うやつなんかいるのかなって思うぐらい」
「そ、そうなんだ・・・」
「ねぇ、あれって」
「うそ!?ドイツの第三世代型じゃない!?」
「まだ本国でトライアル中だって聞いたけど」
すると、周りの生徒が騒ぎ出して、一夏とシャルルも何かと生徒の視線の先を見ると、そこにはISを身に纏った問題の転入生・・・ラウラがいた。
そしてラウラは一夏のほうを見る。
「・・・おい」
「なんだよ」
するとラウラからオープンチャンネルで声を掛けられ、一夏は気が進まなかったが、返事はした。
「お前も専用気持ちだそうだな・・・。なら、話が早い。私と戦え」
「・・嫌だ。理由がねぇよ」
「貴様にはなくても、私にはある」
「・・・・・・・」
一夏にはラウラの言うことには分かっていた・・・・。
ラウラが言っていることは・・・第二回モンド・グロッゾのことであろう・・・・一夏はその日謎の組織に誘拐され、その後監禁されていたが、しばらくして決勝戦を放り出した千冬が救出にやってきた。無論決勝戦は棄権していた。その後一夏の居場所を突き止めたドイツに借りを返すために千冬はしばらくドイツのほうで教官をやっていた。そのときにラウラと出会っている。
「貴様がいなければ、教官が二連覇を成し遂げたのは目に見えていた・・・・。だから、私は貴様を認めない・・・あの人の弟など、認めるものか」
「・・・・・・・」
「・・また今度でいいだろう」
「・・・ふん。なら、戦えざれないようにしてやる」
そしてラウラは右の非固定ユニットのレールカノンを一夏に向けると、轟音と共に弾丸を放った。
「っ!」
しかしその直後右側から高出力のビームが飛来して、レールカノンの弾丸を撃ち抜いて爆発した。
「っ!」
そしてラウラはとっさにビームが来たほうを見ると、そこにはビーム・マグナムを向けたバンシィが浮いていた。
「こんな場所でそんな高火力の武装を使用するとは、ドイツのやつは沸点が低いようだな」
「・・・・・・」
するとラウラはそのままレールカノンをバンシィに向けると弾丸を放ってきた。
「なにっ!」
隼人はとっさにビーム・マグナムを放って、弾丸を撃ち抜いた。
「・・どういうつもりだ・・・」
「・・・・偽者が」
「なに?」
そしてラウラはその場から飛び上がると、バンシィの前に来る。
「・・『救世主』の真似をする偽者が・・・」
「・・・・・」
「救世主を愚弄するやつは許さん!!」
そしてラウラは両腕よりプラズマ手刀を展開して隼人に切りかかる。
「・・・・・」
しかし隼人はその攻撃を軽くかわしていく。
「はぁぁぁぁ!!」
ラウラはプラズマテ手刀を勢いよく突き出すが隼人は横に飛んでかわすと、その直後にラウラは両方の非固定ユニットのワイヤーブレードを一基ずつ射出して隼人に向かわせる。
「・・・・・」
しかし隼人はワイヤーブレードをかわしていき、その直後にラウラがレールカノンを放ったが、隼人は左腕のビームサーベルを前に向けてビーム刃を出すと、そのまま向かってくる弾丸を切り裂いた。
「・・・なぜ戦わない」
「・・・・」
「私と戦え!偽者が!」
「断る」
「なに・・?」
「お前がどう思っていようが、俺は戦わないな」
「なんだと・・」
「それに・・お前が俺に勝てると思っているのか」
「・・っ・・・ふざけるな!」
そしてラウラはレールカノンを放つが、隼人はそのまま一気に降下して弾丸をかわすと、アリーナの地面に着地した。
「救世主を真似するお前にそんなことが言えるものか!!」
ラウラも地面に降下すると、一気に隼人に接近してプラズマ手刀を突き出すが、隼人は軽くかわす。
「・・・・・・」
次々と振るわれるプラズマ手刀を隼人は次々とかわしていく。
「逃げるな!」
「・・・ふん」
そしてラウラが突き出した腕を隼人は掴み取った。
「なにっ!?」
そしてそのまま隼人は背負い投げをしてラウラを地面に叩き付けた。
「ぐっ!」
その直後に隼人は右足を大きく上げると、ラウラの腹部に踵落としを入れた。
「がはっ!?」
それによってラウラは一瞬息が詰まる。
「・・・・面倒なのは嫌いなんだよ・・・。特にしつこい事がな」
「ぐっ・・・」
そして相殺し切れなかった大半の衝撃による腹部へのダメージによる痛みのあまり、身動きが取れないラウラを尻目に、隼人はピットに戻っていった・・・・
「・・・・・・」
「・・・・・」
その光景を見ていた一夏とシャルルは唖然としていた。
「・・・い、一夏・・・。隼人って・・・あんなに暴力的な人なの?」
「い、いや・・・・。普段はそんなことはしないんだが・・・少し切れていたのかもしれない」
「・・・?」
「・・あいつ、怒ると手が付けられないんだ・・・。まぁ、あれは浅いほうだから一応理性は保っているようだけど・・・」
「・・・・・・」
「・・俺達も・・戻るか」
「う、うん」
そうして二人もピットに戻っていった・・・・・
「・・・・・はぁ」
そして隼人は着替え終わると、ため息をついて壁にもたれかかった。
「・・・・・・」
隼人はそのまま自分の手を見る。
(・・・不安だ・・・このままだと・・・俺は・・・)
そしてそのまま手を握り締めた・・・・
「・・・・・・」
一方女子の更衣室に、エリーナが壁にもたれかかっていた。
(・・・あの時の隼人・・・少しばかり殺気立っていたな・・・)
(そうですね・・・・恐らくあのまま続いていたら恐らく怒りが爆発していたところでしょうね)
と、エリーナの頭の中で隼人の神様と違う神様の声がする。
(ところで、アルテミスの調子はどうですか)
(文句なんかないね。十分すぎる出来や)
(そうですか・・・。満足いただけてよかったです)
(・・・ところで、隼人を転生させた神は、あんたの知り合いなんやろ)
(そうですね。なのであなたと敵対する者ではないでしょう)
(そうやといいんがな)
(・・・・・・・)
(まぁでも、あんたから課されたバインドの駆逐はやってやるよ。第二の人生をくれたから、それなりの働きはしてやるよ)
(ありがとうございます)
「・・・さてと、もう寮に帰ろっかな」
そしてエリーナは背伸びをすると、着替えを始めた・・・・・
(はぁ・・・最近疲れが溜まって来たかな・・・体がだるい)
それからしばらくして、隼人はアリーナを出て、寮に帰っていた。
(ここ最近あいつの練習や、楯無さんの手伝いばかりだったからな・・・)
そうして首の骨をポキポキと鳴らす。
「あっ・・・そうだった」
そして隼人は立ち止まると、ポケットよりメモ用紙を取り出した。
「あいつに渡し損ねたな・・・・。仕方がない・・・疲れたけど、届けてやるか」
そうしてメモ用紙をポケットに戻して、寮に向かった・・・・
「えぇと・・・・あいつの部屋はっと・・」
そして隼人は寮の廊下を歩いていき、一夏の部屋を探す。
「そういやあいつの部屋に一度も行ったことがないな・・・・」
そう思いながらも部屋を探していくこと数分後・・・・・・
「・・ここか」
そして部屋の名札を見つけて隼人は立ち止まる。
「一夏・・・いるか?」
と、ノックをするが、返事はない。
「まだ帰ってないのか・・・・・」
そしてドアノブを持って回した・・
「・・鍵を掛けてないのか・・・無用心なやつだな」
するとドアが開いて、隼人は一応中を確認した。
「・・・?」
すると入り口近くにあるシャワールームより水の音がした。
「シャワーでも浴びているのか・・・・。さっさと渡してやるか」
そして隼人は部屋に入ると、シャワールームの扉を開けた。
ガチャ・・・
すると同時に向こう側の扉も開いた。
「(ちょうどいいタイミングだ)一夏、ちょっと渡すものが―――――」
「は、隼人・・・?」
「ん?」
そして隼人はぴたりと立ち止まった。
そこにいたのは、一夏ではなかった・・・・。
一瞬シャルルと思ったが、シャルルでもない・・・・女の子がいた・・・
なぜ分かったか?決まっている・・・胸があるからだ・・・
十五歳にしては結構大きいほうであり、下ろしている金髪は水で湿っているので、つやを出しており、体中に付いた水滴が宝石のように光っていたので、少しばかり見とれてしまった。
「・・・・・・」
隼人は一瞬頭脳が停止して、次の行動が起こせなかった・・・・
「きゃぁぁ!?」
そして女子は悲鳴を上げて大事なところを隠し、その悲鳴で隼人は我に帰った。
「わ、悪い!?」
そして隼人はとっさにシャワールームを出た。
「????????」
そして外に出た隼人は頭の上に?をたくさん浮かべた。
(今のって・・・シャルルか・・?って、女だったこと忘れていた!!しかももろ見ちまった!!・・ってか、俺ってこういう場面に遭遇しやすい体質なのか!?それはそれでなんかいやだな・・・)
それからしばらく混乱が続いた・・・・・・
説明 | ||
トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ! |
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