ストライクウィッチーズの世界へ〜(とある傭兵と戦闘機)第十二話 |
「ふあ〜あ・・・よく寝た」
あの後基地に戻ってからすぐに寝た訳だが
サーニャ「・・・すぅ・・・」
「・・・またいるよ・・・」
なんか最近サーニャが部屋を間違える事が多い気がする
さっさと起きようとすると
「・・・また掴んでるよ・・・」
彼女は私のシャツを掴んでいる・・・いつもの事だが
サーニャ「・・・すぅ・・・」
彼女は私達が寝ている間、夜間哨戒をしているので私達と会うのはほとんどない
彼女のお陰で私達は夜、ぐっすり寝れるのだから
「・・・よっと・・・」
睡眠だけは邪魔したくない
私はいつも通りにシャツを脱ぐ
「さて・・・やっぱ着る物はアレしかないな」
スペアの服は今洗濯中・・・となると必然、あのワンピースを着る羽目になる
RM「サイファーさん、中佐が呼んでる・・・ぞ・・・」
着替えようとした時ドアが開く
「・・・あ・・・」
今の私は下着姿・・・つまり
「こっち見んなッ!!」
さすがに男に見られるのは恥ずかしい
RM「すいませんでしたっ!!」
RMはすぐに部屋を出て行った
「・・・はぁ・・・」
着替えながらため息をつく
「・・・中佐が呼んでたって言ってたよな・・・」
私はすぐに執務室に向かった
うわぁぁぁぁぁぁぁっ
何か聞こえた気がするが気のせいだ
「失礼します」
ミーナ「入って」
ドアを開けて入ると司令と中佐が話をしていた
「おはようございます司令、中佐」
司令「おはようサイファー・・・って」
ミーナ「おはようフィリアさん」
「で、何の用ですか?」
私は率直にたずねる
司令「いや、燃料の事についてなんだが・・・」
なるほど、機体の燃料をどうするかだな
「リベリオンの試作品の燃料を今、手配してます」
私はあの燃料を補給物資としてリベリオンに頼んでおいた事がある
もっとも、私のイーグルはストライカーになったから必要なくなった訳だけど
司令「おお、それは使えるのか?」
「ばっちり使えますよ」
試作品は普通に使えたし、エンジンにも問題はなかった
ミーナ「それじゃあ燃料の問題は解決しましたね」
ん?、まだあるのか?
司令「あとは生活日用品だけだな」
さて・・・私はここら辺で失礼しようかな
ミーナ「せっかくそれを着てるんですから・・・フィリアさん?」
畜生、こんな事になるんだったら無理やりサーニャの手を離させてシャツを着とくべきだった
「・・・分かりましたよ」
結局私に拒否権は無かった
「という訳でブリタニアの地理に詳しい人挙手!!」
食堂に集まった際に道案内を頼む事にした訳なんだが
リーネ「・・・はい」
リーネだけだみたいだ・・・そう言えば
「んじゃリーネに道案内はお願いするとして・・・あと一人、行きたい奴」
バッ!!
おおぅ、ここにいるほとんどの人が手を上げている
「んじゃ・・・あみだくじだな」
私は人数分の線を紙に引き、横線を適当に入れる
下の方に一つだけHIT(アタリ)と書いて見えないように折る
「んじゃ好きなところに名前かいて」
皆が名前を書いていく
「そんじゃ結果発表〜」
紙を開いて見ていく・・・そして神は決断を下したようだ
おまけ
RM「・・・・・」
ラリー「どうしたんだ?」
TL「さっきサイファー呼びに行ってからあの調子だ」
UY「何があったんだ?RM」
RM「・・・実は」
RMがあった事を話し出す
ラリー「・・・つまりお前はサイファーの下着姿を見たというわけか・・・」
RM「・・・はい・・・」
なるほど、そんな事が
ラリー「・・・よし、RM」
TL「そうだな・・・RM」
UY「RM・・・」
RM「?」
一同「「「覚悟・・・できてるよな?」」」
RM「ひぃッ!?」
その後基地にRMの悲鳴の悲鳴が響き渡るが気がついたのはほんのわずかの人間だけだった
「というわけで・・・芳佳に決定な」
あみだくじの結果は芳佳だった
芳佳「はい、よろしくお願いします!!」
エーリカ「いいなぁ〜」
シャーリー「私も行きたかったなぁ〜」
皆口々に羨望の声を上げる
ミーナ「フィリアさん、コレを持っていて」
中佐から渡された物、それはチェロのケースだった
「何ですかコレ?」
ミーナ「緊急事態の時にのみ開けるように」
緊急事態?緊急の時に音楽を奏でる暇があるのか?
ミーナ「常に身から離さないようにしてね」
「分かりました・・・」
一応上官命令なんだろうからケースを受け取る
「・・・重いな・・・」
楽器が入ってるにしては重い気がする
「それじゃ行ってきます」
ミーナ「はい、気をつけてね」
この時のミーナ中佐の顔は優しい顔だった
「んじゃ行くか二人とも」
芳佳・リーネ「はいっ!!」
ジープの運転席に乗る
芳佳「え?、フィリアちゃん運転できるの?」
リーネ「フィリアさんが運転するんですか?」
「免許は持ってないけど・・・覚えてるから」
エンジンをかけてみて言う・・・同じだな、向こうと
「よし、そんじゃ行こうか」
芳佳「は・・・はい」
リーネ「よろしくお願いします・・・」
こうして私達は町に向かって出かけた
「でも何で中佐は緊急事態とか言ってたんだろう・・・」
ジープを運転しながらそんな事を考える
芳佳「どうかしました?」
「いや・・・何でもない」
前出かけたときはそんな物なんか持って行った覚えは無い
中佐は何を考えてるんだろう
リーネ「(よかった・・・シャーリーさんより運転がうまくて)」
リーネは横でため息をついている
「さて、買出しリストは・・・そんなに多くはないな」
紙に書かれている物はそんなに多くはなかった
「リーネ、コレに書いてある物って何処に売ってるの?」
リーネ「はい、これは・・・ほとんどあの店で手に入りますね」
書いてある物は着替えとかその辺のみだった
リーネ「コレだけは別の店になりますね」
リーネが指差す物・・・それは
「・・・別にいいんじゃないかそれ」
私の洋服だった
芳佳「でも、ミーナ中佐が命令って」
「何だって!?」
マズイ、これは買わなくてはいけないパターンだ
「とりあえず・・・みんなの買い物が先だな」
車をリーネの言う店の前で止める
リーネ「この店はいつもお世話になってるんです」
「へぇ〜」
店の中に入り、買うものを決めてレジに持っていく
店員「以上でよろしいでしょうか?」
「はい」
店員「ではお買い上げ、ありが「金を出せっ!!」ひぃっ!!」
私の横のレジでナイフを突き出している男が一人
え・・・これってマズイ状況じゃない!?
強盗「さっさと金を出せ!!ありったけ!!」
強盗が店員に怒鳴りつける
緊急事態だろコレ・・・
静かにミーナ中佐から受け取ったケースを開く・・・そこに入っていたのは
「・・・中佐・・・アンタ本当に人間か?」
私のライフルと専用の銃剣だった
ジープ車内
リーネ視点
芳佳「なんかフィリアちゃん遅いね・・・」
「そうだね・・・」
フィリアさんが店に入ってから数十分経過している
そんなに選ぶのに迷っているんだろうか
芳佳「様子、見に行こう」
「そうだね」
私達が店に入ろうと車のドアを開けた瞬間、店の方のドアから男の人が飛び出してきて
そのまま走り去った
フィリア「二度とすんなよ〜」
その後にフィリアさんが買った物を持って出てくる
店員「本当にありがとうございます!!」
フィリア「いいって別に・・・当たり前の事をしたまでですから」
そんな会話のあとフィリアさんは戻ってきた
フィリア視点
「ふぅ〜っ」
リーネ「フィリアさん、どうしたんですか?」
「いや・・・店でさ・・・」
私はあった事やった事全て話した
十分前
強盗「早くしろ!!殺されてぇのか!!」
強盗が店員に怒鳴っている間に私は銃剣をライフルに装備する
「よっと、コレで・・・よし」
銃剣をつけたライフルを持つ
強盗「急げ・・・ってお前、何を持ってるんだ!?」
ばれた・・・まあいいか
「ええと・・・ライフル」
質問に答える
強盗「持ってるものを聞いたんじゃねえ!!どっからそんな物出したんだ!!」
「まあいいじゃんそんな事・・・動くな」
形勢逆転・・・もう静かにするだろう
強盗「そんな物を小娘が扱えるわけ無ぇだろうが!!」
強盗が襲い掛かってきた
「全く・・・」
使い魔の羽と尻尾が私にはえる
そして私は強盗のナイフを避けてストックで強盗の腹を思いっきり殴る
強盗「ぐふっ!?」
ぶっ飛んだ強盗ののど元に銃剣を突きつける
「・・・まだやる気?」
強盗「くそッ・・・ウィッチだったのか・・・」
店員「凄い・・・!!」
「さて質問だ、命と金・・・どっちの方が大事だ?」
強盗を睨む
強盗「ッ!!命です!!」
「よし、それじゃ見なかった事にするからどっかに行きな・・・それでいいよね?」
店員に聞く
店員「はい、私達は何も見ていませんし、なにもされてません」
「良かったな・・・んじゃとっとと帰れ」
強盗「すいませんでした!!」
強盗は慌てて逃げていった
店員「ありがとうございます!!」
店員にお礼を言われる
「いや・・・別にたいした事ではないです」
ライフルをケースにしまいながら返事をする
「それより・・・お会計、お願いします」
店員「あ、はい!!かしこまりました!!」
「とまぁこんな感じだ」
芳佳「凄いです・・・」
リーネ「強盗相手にそんな事ができるんですか」
一応訓練は受けてたからな
「あとは・・・私の服か・・・」
買い物リストに残る物は私の洋服
芳佳「行きましょう!!」
リーネ「そうですね」
二人とも楽しそうだな
「はぁ〜」
こうして私達は次の店へ行く事にした
「・・・でもなぁ・・・」
芳佳「いいじゃないですか、似合ってますよ?」
私は芳佳に着せられた白色のシャツと紺色のスカート(ベルト)を着用していた
「なんか日本の高校生みたいだ・・・」
紺色のネクタイをしてから靴下を履いて女子高生みたいな姿でそんな事を言う
リーネ「そちらでは学生がコレを着てるんですか?」
「確かね・・・学校に行くときはみんなこんな感じだって」
鈴音が日本の話を聞かせてくれていた時の事を思い出す
リーネ「おしゃれですね」
「うん・・・でもこれはいいなぁ、動きやすいし」
今回買うのは戦闘服、なるべく軽くて動きやすいものがいい
芳佳「私もいいと思います!!」
芳佳、本来は君の国の文化なんだよ?
「よし、これを買うとして他には・・・」
リストを確認する
だが他に特に買うものは無かった
「よし、それじゃお買い上げだな」
レジに向かう私達
「お会計、お願いします」
店員「はい、かしこまりました」
計算してる途中、妙な視線を感じた
「(・・・気のせいだろう)」
支払いを終えて車に戻ろうとした時
兵士「そこを動くな!!」
兵隊に囲まれた
芳佳「あわわわわわっ!!」
リーネ「ひっ!!」
慌てる二人
兵士「501のウィッチだな?」
「ああ、そうだが?」
兵士「身柄を拘束させてもらう」
「・・・理由は?」
こちらには捕まる理由なんて無い
「とにかくその場を動くな」
ふむ・・・大声では言えない理由なのか
兵士達が私達の周りを取り囲む
芳佳「どうするんですか!?」
「・・・捕らえられる理由は無い」
魔法力を発現させ、羽と尻尾を生やす
リーネ「フィリアさん!?」
ならば全力で逃げるのみ
兵士「おい、動くなと言っただろうが!!」
兵士が気がついたがもう遅い
「吹き飛べッ!!」
私の周りに風を発生させる
そしてそれで兵士を吹き飛ばす
ここでなんだが風の力を説明しよう
風は扇風機程度の弱い風を送るものもあれば、台風やハリケーン並みに強いものもある
今回使うのはその後者で、強い時には鉄骨を吹き飛ばす程の風力を持つ事がある
フィリアは自分の周囲直径10メートルぐらいの範囲で使用、小型のサイクロンを発生させた
兵隊「ぐっ、うわぁぁぁぁぁっ!!」
周りの砂埃と共に兵士は吹き飛び倒れる
士官「畜生!!何なんだアレはッ!!」
たまたま範囲外にいた兵士がそんな事をつぶやく
ケースから出したライフルをその兵士に突きつける
「・・・お前らはどこの部隊だ」
兵士「・・・・・・・」
黙秘か・・・なら用は無い
「よっと!!」
ライフルのストックで兵士の腹を殴る
兵士「ぐふっ・・・」
ドサッという音を立てて兵士は倒れた
芳佳「あわわわっ大丈夫ですか!?」
「大丈夫、手加減はしといたから」
気絶した兵士の制服に書いてある所属を見る
「・・・空軍か」
とりあえずそれ以上の追求をやめて基地に戻った
ミーナ「おかえりなさい・・・って何か聞きたそうな目ね」
「聞きたい事が山ほどありますね・・・」
とりあえずミーナ中佐に報告する事にした
ミーナ「ここでは何だから、後で執務室に来てください]
「了解・・・でもその前に」
ミーナ「?」
「風呂に入らせてください」
さっき起きた事もあって汗ダラダラだった
ミーナ「いいでしょう、その後来てくださいね」
「分かりました」
とりあえず先に風呂に行く事にした
「芳佳、リーネ、風呂いかないか?」
芳佳「はい、行きます!!」
リーネ「私も行きます」
風呂に誘ったら二人とも誘いにのってくれた
「んじゃ行こう」
風呂場に足を運ぶ
風呂場
「ふぅ〜っ、やっぱ気持ちいいなぁ〜」
芳佳「ふぅ〜」
リーネ「そうですねぇ〜」
皆風呂の中でリラックス中だ
芳佳「でも、あの兵隊さん達って何処の人だったんでしょう・・・?」
「気にするだけ無駄さ・・・あうゆう連中なんていくらでもいるだろうに」
でも中佐あたりは知ってそうだけどな
リーネ「・・・明らかに敵意を感じましたけど・・・」
確かにリーネの言う通り、明らかに銃をこちらに向けて威嚇していた
まあ、こっちも銃を持ってたんだけどね・・・なぜか
「確かに普通の兵隊ではなさそうだったな・・・」
どうも正規の命令で動いていた感じではなかった
「って今考えても仕方ないか・・・」
湯船に浸かりながら考えていると
ルッキーニ「いただきィ〜ッ!!」
突然お湯の中からルッキーニが出てくる
その方向は迷わず私・・・だが
「甘いなルッキーニ」
手刀でお湯を空中に浮かす
そしてそのお湯の水玉をルッキーニに向かってはたく
ルッキーニ「んにゃッ!!」
パシャっという音を立ててお湯はルッキーニの顔に命中した
ルッキーニは顔をおさえて視界を塞いでいる
「身代わりの術っ!!」
その間に隣にいる芳佳と位置を交代する
芳佳「え!?えぇぇぇ!?」
ルッキーニは元、私のいた場所・・・今は芳佳のいる所に突っ込む
ルッキーニ「うぅ〜ん・・・残念賞・・・」
ルッキーニが感想をもらす
「さて、私はあがるね」
芳佳「・・・ひどいです、フィリアちゃん」
すまない芳佳、後で何か作ってあげるから
皆より先に風呂からあがり、脱衣所に向かう
「にしても・・・ホント気が休まんないな・・・」
一人でつぶやきながら服を着る
服を着終えた私が脱衣所を出るとすぐにRMが来た
RM「お、ちゃーっすサイファーさん」
「よう、何処に行くんだ?」
RM「中佐から風呂場の使用許可が出たから風呂場に行こうと」
「ふうん・・・そうなのか」
RM「という訳で風呂場に行きますんで」
RMはとっとと行ってしまった
「・・・あれ?、たしか今風呂場って・・・」
最悪の状況が目に浮かぶが
「・・・まぁいいか」
特に気にせず私は執務室へ向かった
ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ
この後本日二度目の男の悲鳴が基地に響き渡ったのは言うまでもない
執務室
「失礼します」
ミーナ「入って」
執務室に入ると坂本少佐もいた
美緒「さて、話とはなんだ?」
単刀直入っ・・・まぁいいか
「まず、なんで楽器のケースに偽装してまで武装させたのか」
ケースに入っていた私の銃、あれは弾薬フル装填でしかもご丁寧に銃剣を装備
明らかに近接戦闘装備の状態だった
ミーナ「・・・それは」
美緒「襲撃にあうという可能性があったからだ」
坂本少佐がミーナ中佐の言葉を引き継ぎ続ける
「襲撃?・・・あの兵隊共の事ですか?」
最初にケースを開けたのはちょっと前の強盗の時だが明らかにそれは
予測してないだろう。となると本命はあの兵隊という事になる
ミーナ「やはり・・・それが何処の所属か解かる?」
「空軍・・・これは確定です」
士官の服に書いてあった所属は空軍だった
美緒「空軍・・・やはりアイツの仕業だな・・・」
二人には心当たりがあるようだ
「あいつ?・・・誰ですか?」
質問する
ミーナ「・・・トレヴァー・マロニー大将・・・」
美緒「私達501統合戦闘航空団、ストライクウィッチーズの上官だ」
どうやら敵はネウロイだけじゃないみたいだな
私は心の中でそう確信した
その後二人に詳しく話を聞いてみる
「・・・つまりそのマロニーとかいう人はウィッチが嫌いなわけだ」
美緒「まぁ・・・そんなところだな」
前に中佐達を護衛したときに聞いた話、部隊の経費削減とやらもそいつが絡んでいるらしい
ミーナ「最近様子がおかしいから、上層部の周りを探っていたんだけど」
美緒「尻尾を掴む事ができてないんだ」
なんか中佐の方でマロニーの周りを調べているらしいが
「なんでマロニー大将とやらは私達を襲ってきたんだ?」
あっちの世界でも軍の上層部はウザかったが、それでも手出しはしてこなかった
美緒「警告・・・だろうな・・・」
ミーナ「私達に ”深追いはするな”というね・・・」
「で、なんでウィッチが嫌いなんですか?」
一応世界を守る最前線は魔法力を持つ少女・・・すなわちウィッチな訳だが
通常兵器ではどうにもならない敵を倒すには魔法力が必要になる為である
ミーナ「よくわからないのよ・・・あの人」
さすがにそこまでは知らないか・・・
まあそれでもマロニー大将は、ウィッチを快く思っていない事は分かった
「・・・でも強行手段に出たって事は・・・」
そろそろあちらもお怒りという訳だな・・・
ミーナ「まずいわね・・・フィリアさん、航空司令を呼んでもらえないかしら」
「了解・・・緊急事態という名目で、ですね」
美緒「あとお前は仲間を作戦室に集めてくれ」
「了解、失礼しました」
執務室を出てハンガーに急ぐ
「・・・キナ臭くなってきたな・・・」
私はハンガーに急いだ
ハンガー
「司令、ミーナ中佐が呼んでます」
司令「ああ、分かった」
「緊急の用件みたいだよ」
司令「何かあったのか?」
「詳しい事は中佐に聞いて」
司令「・・・すぐに行く」
司令は執務室へ行った
ブリーフィングルーム
「・・・何やってんの?」
部屋に着いた私を待っていたのは地面と一体化した男と掃除用具を持った少女達だった
芳佳「あ、フィリアちゃん!!」
リーネ「この人が突然お風呂場に入ってきて・・・」
なるほど・・・やはり最悪の事態になったのか・・・てか生きてるのかコイツ?
「・・・大丈夫か?RM」
RM「・・・ぐぅっ・・・」
お、まだ生きてる
RM「サイファーさん・・・あんた酷いよ・・・」
なんか恨みのこもった目で此方を見てくるRM
RM「いないと思って入った結果がこれですよ・・・」
「いや・・・中に誰がいるのか確認しなかったのか?」
普通男女共用の部屋の場合、ノックをするのが常識だ
しかもそれが風呂とかならなおさらするだろ普通
トゥルーデ「こいつ、どうする?」
TL「とりあえず魚の餌にすればいいんじゃね」
ラリー「そうだな」
「待って、とりあえず殺さないで」
司令に何されるか分からん
ラリー「そういえば何しに来たんだ・・・?」
何故かリンチに参加していたラリーが聞いてくる
「いや、皆に用があって来たんだけど・・・お取り込み中みたいだね」
明らかに絶賛☆処刑中みたいな光景だ
「とりあえず話があるから席に着いといてくれって」
RM「助かったぁ〜・・・」
トゥルーデ「で、コイツはどうするんだ?」
ラリー「話が終わった後でなら好きにしてもいいぞ」
TL「良かったなRM、懺悔の時間が出来たぞ?」
RM「そんなぁッ!?」
どの道RMの命は風前の灯のようだった
ミーナ「・・・では以上で報告等の会議は解散とします」
ミーナ中佐はいつも通りに通常会議を打ち切る・・・だがこれからがこの会議の本命だ
ミーナ「それでは501メンバーは部屋から退室してください」
ミーナ中佐がそう言うと皆部屋から出て行った
そして部屋には少佐と中佐、あとはこちら側の面子のみとなった
司令「それでは緊急会議を始める」
こうして司令の言葉で会議は開始された
司令「さっきミーナ中佐から提案があがったのは私達の存在の偽装である」
RM「なんでそんな事をしなくちゃいけないんですか?」
RMが妥当な質問をした
TL「・・・自分達は、この世界の人間ではないから?」
司令「それもあるんだが・・・敵はあのUMAだけでは無いという事が分かったんだ」
ラリー「つまり・・・人間か?」
司令「そうだ・・・そこでそういう奴らを欺く為に考えた作戦は、私達の存在の偽装だ」
つまり他人として過ごすと言う事だ
司令「役割はこうだ」
司令 通信兵
ラリー 警備兵
TL 整備班
UY 伝令係
RM ゴミ係
サイファー 音楽好きの少女
航空管制機パイロット 整備兵補佐
司令「こんな感じだ」
RM「俺ろくな扱いじゃないっ!?」
RMが反論する・・・まだいいじゃないかお前は
「私の 音楽好きの少女 って何?」
ミーナ「貴方はこの基地の人間じゃなく一般市民って事で」
「なんでそうなった!?」
思わず聞き返した
ミーナ「貴方は私達が拘束を受けた場合、基地を出て以下の場所まで行ってください」
地図を渡される・・・ほう、つまり一人で逃げろと?
「でもなんで一般市民?」
ミーナ「あなたはブリタニア出身だと言いましたよね?」
正確にはイギリスなんだけど
美緒「ここはブリタニア・・・お前が一番都合がいいんだ」
「でもそれって・・・」
ミーナ「貴方は戦わなくていいの、ただその時が来れば貴方は私達の希望になります」
希望?何の事だかさっぱりだ
「とりあえず・・・一般市民に紛れろと?」
ミーナ「そう言う事です・・・服装は、あの服装に帽子とチェロのケースを持ってね」
なるほど・・・武装したまま基地を出るには確かにその方が都合がいいだろう
「分かりました・・・やりましょう」
ミーナ「よろしくお願いしますね、フィリアちゃん」
なんか不快な呼び方をされた気がするがキニシナイ
司令「ではこの方法で行くぞ、いいか?お前等」
一同「分かりました!!」
こうして緊急時の対応などを再確認した後解散となった
変装後
司令「作業着なんて着るのは何年ぶりだろうか・・・」
RM「でもなんか動きやすいですね」
TL「なつかしいなぁ・・・地上勤務は」
UY「同じく・・・久しぶりだな」
作業着に着替えた指令達が戻ってくる
ラリー「軍服か・・・しかも古い・・・」
身に着けた軍服の愚痴を言うラリー
「いいじゃんお前等まともな格好なんだから・・・私なんて」
私は前ミーナ中佐に買ってもらった白いワンピースに白い帽子、あとチェロのケースを
背負って完璧なまでの 音楽好きの少女 になっていた
ラリー「お前・・・本当にサイファーか?」
「失礼な・・・正真正銘のサイファーだよ」
ラリー「(・・・戦争がなかったらこいつもこんな格好で笑っていたんだろうな・・・)」
「・・・?、どうした?」
ラリー「いや・・・何でもない」
ちなみにチェロの中に入っている物はもちろん楽器ではない
私の銃であるリー・エンフィールドNO4、MK2狙撃銃改良型が入っている
それプラス銃剣も入っているが軽いという不思議なケースだ
ミーナ「それでは各員、持ち場に着きましょう」
一同「了解!!」
「了解・・・って私の持ち場は?」
ミーナ「貴方は自由よ?」
「了解」
ミーナ「ただ・・・」
「?」
まだ何かあるのか?
ミーナ「魔法力は使わないようにね?」
そうか、ウィッチである事がばれたら変装した意味がないのか
「はい、肝に銘じておきます」
ミーナ中佐は部屋を出て行った
自室
「ふぅ〜っ疲れたぁ〜」
何かいろいろあったな今日は
ふと私の視界にチェロのケースが目に入る
「・・・整備するか・・・」
私は銃の手入れをする事にした
手際よく銃の機関部を分解していく
そして弾倉の部分にある刻印に気がつく
「・・・何だこれ・・・?」
何かの呪文のような物が書かれている
「”その一発に気持ちを込めて”・・・?」
よく分からないがそんな事が書いてあった
部品を戻しながら考える
「なんであんな所に書いてあったんだ?」
全ての部品を組み終えた私は動作を確認する
特に問題はなかったのでケースにしまう
「・・・寝よう・・・」
この日、私は就寝した
次の日に起きる事件の事など考えもしないで
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