ストライクウィッチーズの世界へ〜(とある傭兵と戦闘機)第十三話 |
「ふわぁ・・・ねむい」
朝普通に起きた私は食堂に向かった
ペリーヌ「宮藤さん!!決闘ですわ!!」
芳佳「嫌です!!」
食堂に入ると二人が言い争っていた・・・なにやらまた口喧嘩をしているみたいだ
「朝っぱらから元気だなお前ら・・・」
芳佳「あ!!フィリアちゃん!!ペリーヌさんを何とかして下さい!!」
ペリーヌ「逃げるんですの?まぁ貴方にはふさわしい行動です事ね」
断る芳佳と挑発するペリーヌ
「・・・何があったんだよ?」
ペリーヌ「貴方に教える義務はなくってよ!!」
「・・・あっそ」
手短にあったパンをかじる・・・なんかこの二人最近仲が悪いな・・・
「とりあえず・・・喧嘩だけはするなよ?」
パンを頬張りながら食堂を後にした
だが私はこの時二人を止めなかった事を後悔する事になった
ミーナ「貴方達の機体は第三格納庫に格納して下さい」
その後私達は戦闘機の機体を隠すべく使われていない倉庫に移動させていた
TL「オーライオーライ・・・ストップ!!」
RM「よし、大丈夫か?」
TL「ああ、完璧だ」
RMのF−2Aを最後にして全ての機体の格納を終えた
ラリー「そんじゃさっさと偽装しようぜ」
偽装とは単純に格納庫入り口に木箱を積み重ねて行くだけだが
規則的に重ねた場合、不自然に見えて見破られる可能性がある
そのため自然に重ねていって、その上に長く放置された感じを出す為わざとボロボロの
木箱を所々に混ぜる
司令「完璧なカモフラージュだと思うぞ」
偽装を終えた偽装格納庫は長らく使われていない倉庫みたいだ
しかも都合よく格納庫の扉はこの搬入口だけで他の場所からは入れない
廃棄物置き場と書かれたその場所は、外見上まさしく廃棄物置き場となっていた
だが欠点として、偽装したためいつでも出入りできなくなってしまい
機体はしばらく放置と言う事になる
ラリー「・・・不安だ」
一応全ての機体の整備は終わらせ、シートを被せているが
ジェット機はレシプロ機よりも精密かつ繊細な機体であるため
出来れば放置なんてしたくはないだろう
「でも仕方がないんだ・・・」
そう、もしもの時に頼りになるのはこちら側の高火力の戦闘機だ
敵に見つかって解体されたんじゃぁ話にならない
司令「そうだぞ・・・今俺達はこの基地の従業員みたいなもんだ」
そう、今日から私は一人の少女として過ごす事になる
「ふあぁ・・・久しぶりに自分の機体を見に行くか」
眠気を抑えながら自分の機体を見に行く
滑走路からハンガーに入ろうとしたその時、レシプロエンジンの始動音と共に
二人のウィッチが滑走してきた
「うわっ!?」
離陸していく二人はすぐに見えなくなった・・・だが
何か嫌な予感がする・・・
私の直感がそう告げている
すぐに今発った二人を確かめる為に少佐の所へ行った
司令室
「坂本少佐」
美緒「なんだフィリアか・・・どうした?」
少佐は司令室で資料を見ていた
「今離陸した二人って・・・」
美緒「ああ、宮藤とペリーヌだな、自主訓練だといって飛んでいったよ」
どうやら坂本少佐は知らないみたいだな・・・二人の目的
「少佐、少しよろしいでしょう・・・」
質問しようとした矢先、基地の警報がなった
美緒「敵襲かッ!?」
「場所は!?」
急いでレーダーを見る
美緒「敵は・・・」
その時ミーナ中佐が司令室に入ってきた
ミーナ「グリッド東23地区、敵は単機よ・・・ってフィリアさん!?」
「今そんな事どうでもいいから迎撃に」
すると司令室の無線から声が聞こえてきた
ペリーヌ「中佐、現在私宮藤さんは訓練で・・・その空域にいます」
嫌な予感だ
ミーナ「なんですって?、そんな予定は聞いていません!!」
ミーナ中佐は知らなかったみたいだ
ペリーヌ「とりあえずこのまま先行します!!」
ミーナ「待ちなさい!!その場で待機よ!!」
「さて・・・私は失礼しようか「フィリアさん」・・・はい」
ミーナ中佐がこっちを見てる・・・見ないで、そんな目で・・・怖いから
「私は何も知りませんよ!?」
ミーナ「そうじゃなくて・・・部屋に戻ってなさい」
なんだ、自室待機か・・・
「分かりました、失礼しました」
司令室を出る・・・なんか違和感があるな・・・中佐と少佐
部屋に戻りながら考える
ミーナ視点
「美緒・・・駄目よ・・・」
美緒「・・・それでも私は戦わなくてはならないのだ」
「駄目よ・・・あなた前の戦闘の時、シールドが機能してなかったじゃない!!」
そう、美緒のシールドはネウロイの攻撃を防ぎきれていなかった
そんな状況で敵と戦闘なんて・・・
「それに宮藤さんだって・・・」
彼女を連れてきたのは美緒・・・それに恩人の娘だからこそなのだろう
彼女が立派なウィッチになるのを見届けるまで、美緒は飛び続けると
美緒「それじゃあな・・・あいつらを待たせるとまずいからな」
美緒は部屋を出て行く・・・
私は止められなかった・・・大切な仲間を
フィリア視点
あの後芳佳が独断先行し、敵と接触・・・だが芳佳は敵を撃たずに敵に手を差し伸べた
援護に駆けつけた坂本少佐は危険を察知し敵を攻撃、だが反撃を食らい負傷してしまった
そして少佐は今も目を覚まさない状況だ・・・
宮藤「坂本さん・・・っ!!」
芳佳は涙を流しながら治癒魔法を使って少佐を治療していた
「・・・・・・・」
私はふと思う・・・その時に坂本少佐は攻撃を防がなかったのだろうか
ウィッチならばシールドを張れる・・・そのお陰でいつも身を守れる
少佐ほどの腕の人ならばそれを熟知しているはずだ
反射的にシールドを張ることなど当たり前のはずなのだ
ペリーヌ「少佐・・・・・っ」
こちらも宮藤と同じく独断専行していたペリーヌ
少佐に憧れを抱いているうちの一人だ
「ペリーヌ」
ペリーヌ「・・・なんですの?」
反応してくれた
「坂本少佐が負傷した時、少佐はシールドを張っていたか?」
質問する、その時に何があったのかを
ペリーヌ「当たり前じゃないですか!!でも・・・」
「でも?」
ペリーヌ「ネウロイの攻撃は少佐のシールドを貫ぬきましたの・・・」
「んなっ!?」
予想外だった
シールドを張ったのに敵の攻撃を防ぎきれていなかったと言う事は
すなわちシールドが機能していなかったという事になる
「・・・中佐に聞いてみよう」
私は病室を後にした
廊下を歩いていて頭にふと引っかかった
そもそもなぜ芳佳は敵を攻撃せずに手を差し伸べたのだろうか
敵と分かっていながらに銃をおろすなんて正気じゃない
しかも敵もなぜ芳佳を攻撃せずに接近なんてしたんだろうか
「なんなんだよ・・・どうなってやがるんだ・・・!!」
一人廊下で考え込む
いろいろな仮説が考えられる
「ッ・・・とにかく中佐に連絡しないと」
とにかく中佐に報告しなくては
仮説を立てるのをやめて私は中佐の所へ向かった
執務室
「失礼します」
ミーナ「入って・・・」
ドアを開けて部屋に入ると頭を抑えるミーナ中佐がいた
ミーナ「美緒・・・いえ、少佐の容態は?」
「芳佳が治療中ですが依然・・・」
ミーナ「そう・・・」
中佐は考え込んでいる
ミーナ「で、あなたはどうしたんですか?」
そうだった、少佐の事についての報告をしに来たんだった
「ペリーヌの話を聞いた限り、どうも少佐のシールドは機能してなかったみたいです」
ミーナ「・・・でしょうね」
知ってたのか
「知ってたならどうして出撃させたんですか」
普通はそんな状態で出撃させるような事はありえない事だ
ミーナ「・・・止められなかったのよ・・・」
頭を抱え込んでいる中佐
明らかに止めなかった事を後悔しているみたいだ
ミーナ「私のせいでッ・・・美緒っ」
中佐は少佐と親友だと聞いている
自分があの時止めていればと何度もつぶやいている
「・・・中佐」
ミーナ「・・・何ですか?」
「ごめんなさい」
先に謝っておく
私はミーナ中佐の右の頬をひっぱたいた
パチンッ
ミーナ「っ!?」
叩かれたミーナ中佐は何が起きたか理解していない
だが私は言わなければならない事がある
「中佐、起きてしまった事を悔やんでても何も変わらない」
ミーナ「・・・・」
黙る中佐
「あなたはまた同じ失敗を繰り返すおつもりで?」
そう、司令官がいなければ部隊はただの集まりだ
このままミーナ中佐がおどおどしているままでは部隊は全滅するだろう
中佐「・・・でも」
「確かに忘れては意味がない、ただ考え込んでも仕方ないでしょうが」
もう起きた事はやり直せない・・・だが
人は学ぶと言う事が出来る
今できる最善の事を模索する事ができるのだ
「しっかりしてください中佐、あなたはこの501という部隊の隊長なんですから」
思う事を言い終えた私は中佐の返事を待った
ミーナ「・・・ありがとう、フィリアさん」
よし、中佐は戻った
「分かってくれたならいいです・・・それよりも」
ミーナ「そうね、私達にできる事をしましょう」
こうして私は執務室でミーナ中佐と仮説の話を始めた
「・・・と言う訳でこんな事が考えられます」
ミーナ「う〜ん・・・どれも信用性に欠けるわね・・・」
私は考えられる仮説をミーナ中佐に話した
「あくまで仮説です・・・そんなもんですよ」
ミーナ「分かりました、少佐が目を覚まし次第連絡をください」
「了解」
私は執務室を後にした
食堂
「皆何やってんだ?」
食堂にはシャーリー、ルッキーニ、エイラ、サーニャが話し合いをしていた
エイラ「宮藤について話し合ってたんダ」
ルッキーニ「芳佳が居ないからおなかすいた〜」
シャーリー「それじゃコレを食え」
シャーリーがカゴから取り出したのは・・・リベリオンの缶詰
正直あまりおいしいとはいえない物だ
サーニャ「・・・芳佳ちゃん、大丈夫かな・・・」
ふむ、四人中二人はきちんと考えてるみたいだ
「まあ、私達にはどうしようもないけどな」
私達にできる事は待つことだけだ
「・・・ところでエイラ、お前何してんだ?」
机にカードを黙々と並べているエイラに質問する
エイラ「いや、宮藤を占ってるんダ・・・お?」
サーニャ「どうだったの?」
エイラが見せるカードに書かれている物
エイラ「・・・死神の正位置」
死神の正位置が意味するのは 破滅 離散 終局 死の予兆 などだ
一同「・・・縁起でもない・・・」
ただエイラの占いはあながち間違ってはいないと思った
すると芳佳が部屋に飛び込んできた
芳佳「坂本さんが目を覚ましました!!」
どうやら少佐が起きたらしい
「了解、中佐の所に行こう」
ミーナ「っ!!分かりました、すぐに行きます!!」
ミーナ中佐は病室に行った
まあ私は中佐が戻ってくるのを待つとして
「・・・芳佳」
芳佳「はい、何ですか?」
芳佳に聞いとかないといけない事がある
「どうして敵に手を差し伸べた?」
芳佳の行動に不審な点がある為質問する
芳佳「・・・何かあの子、敵じゃないって気がしたんです・・・」
ふむ、敵意がないから接触しようとしてのか・・・待て、
「あの子?」
芳佳「ネウロイが・・・ウィッチみたいな形になったんです」
「はぁ!?」
つまり敵は意思を持っている・・・と言う事か?
芳佳「・・・それで、お友達になれるんじゃないかって・・・」
ふむ、いかにも芳佳らしい行動だ・・・だが
「でもそれが結果的に少佐の負傷に繋がった・・・と言う訳か」
敵は敵意の無い芳佳ではなく、銃を向けた少佐を攻撃した
これはすなわち敵に意思があると言う事を示している
だがそれはいい、それよりも問題なのは
「芳佳・・・その行動は一人の 軍人 としての行動か?」
芳佳「え・・・」
「それとも一人の 人間 としての行動か?」
そう、彼女はまだ軍人になりきれていないのだ
芳佳「・・・私は・・・」
「もう一度考えて、自分は軍人なのか それとも少女なのか」
そういい残して執務室を出る
彼女は割り切れていない
自分は軍人であるべきか、少女であるべきか
だがそれを考えるのは彼女であって私が口を挟む問題ではない
私は少佐のもとへ向かった
病室
「失礼します」
美緒「おお、フィリアか」
良かった、少佐は元気そうだ
ミーナ「何か分かった?」
中佐が聞いてきた
「一つだけ確信が得られました」
芳佳から聞いた話から分かった事
「敵・・・ネウロイは意思を持っています」
美緒「何だと!?」
ここで幾つか立てた仮説のうちの一つが当てはまる
もし敵が意思を持っていたとしたら
「敵は目的をもって我々に接触を図ったのではないかと」
芳佳が攻撃を受けてないのがその証拠だ
美緒「・・・そうか」
ミーナ「美緒?」
美緒「私のシールドは使い物にならないのか」
少佐は自分の怪我よりも魔法力の方が心配みたいだ
「まぁ少佐はしばらく安静ですね」
ミーナ「そうね・・・分かったわね、美緒」
美緒「ああ、分かっている」
・・・ほんとに分かってるんだろうか
私は部屋に戻った
?視点
「何!?ウィッチがネウロイと接触しかけただと?」
兵士A「はい、そうみたいですね」
このままでは我々の研究が露呈するのも時間の問題だ
兵士A「どうします?」
現段階で我々の戦力は試作型ウォーロック零号機のみ
「・・・至急、上層部との連絡を」
時期が早いが・・・やるしかないようだ
私は試作機体を眺めながらつぶやいた
風呂場
シャーリー「はぁ・・・今日は忙しかったなぁ・・・」
今回風呂場にはさっき食堂にいたメンバーにリーネを加えて入っているのだが
「全く・・・私は今、忙しいよっ!!」
ルッキーニ「まてぇぇぇ!!」
浴槽内部で鬼ごっこを敢行している我が身にはいつも以上に疲労が溜まる
ちなみに北国組はサウナに入っている
リーネ「でも良かったね・・・坂本少佐が目を覚まして」
芳佳「・・・うん」
なんか芳佳の元気がない
さっき執務室で軍規違反とか何とか言われてたもんな、そりゃあ元気なくても仕方ない
だが・・・私には芳佳は他の理由で考え事をしているように見えた
「もう勘弁してくれ・・・ルッキーニ」
そろそろ体力が尽きかけて停戦を提案する
ルッキーニ「じゃあ触らせてよ〜」
駄目だ、向こうに停戦する気は無いようだ
ならば奥の手
「シャーリーが待ってるぞ〜」
保護者であるシャーリーを召喚・・・最初から居たけど
ルッキーニ「シャ〜リ〜!!」
予想どうり、シャーリーの元に行くルッキーニ
これでゆっくり浸かれる・・・
「はふぅ〜」
それにしても気持ちいいな風呂って
あっちの世界じゃシャワーしかなかったからな
にぎやかな風呂を終えてから私は部屋に戻った
「・・・明日は雨だな」
曇り空を見ていてそう思う
どんどん暗くなっていく空は不吉としか言いようの無い物だ
「・・・最悪の事態を覚悟しておこう」
最悪の事態・・・それは前襲撃してきた兵隊がこの基地に直接来ると言う事なのだが
「・・・寝よ」
今の私は一般人、ただの少女だ
最悪の事態になったらやることをするまでだと
私は眠りについた
翌朝
ミーナ「宮藤さんが脱走しました」
おぅ、えらいこっちゃな事になっとる
「なんでだよっ!?」
芳佳は自室謹慎のハズ・・・ゑ?
「まさか・・・見張りをつけてなかったの?」
ミーナ「いえ・・・見張りも脱走に手をかしたもので」
リーネ「・・・すみません」
リーネだったのか・・・それじゃ仕方ないよ
ミーナ「とにかく今すぐ宮藤さんを追っ・・・」
ミーナ中佐が命令をだそうとした瞬間、電話がなった
ミーナ「はい・・・了解しました・・・」
ミーナ中佐は受話器を戻すと今の電話の事を話し出した
ミーナ「たった今、上層部から宮藤さんの撃墜命令が出ました」
どうやら上層部は芳佳の脱走を察知したらしい
まずい、非常にまずい
なぜならネウロイ以外の私達が警戒しているものは軍の上層部なのだから
「・・・中佐」
ここであの偽装の出番なわけだ
ミーナ「ええ・・・イーグルアイ班、プランCの準備をしてください」
「了解、連絡します」
すぐに無線で連絡を入れる
「こちらガルム1、基地司令よりプランCスタンバイ 総員持ち場へ移動せよ」
RM「ライラ4 了解」
TL「ライラ2 了解」
UY「ライラ3 了解」
ラリー「ガルム2 了解」
司令「イーグルアイ 了解」
全員の返事を確認後、速やかに荷物をまとめる
トゥルーデ「なんだ?なにをするんだ?」
「詳しくはミーナ中佐に聞いてください」
今は作戦の準備をしなくてはならない
私は自分の部屋に戻った
準備していると無線が入った
ラリー「こちらガルム2 陸路を見張ってるんだが」
「どうした?」
ラリー「当基地に接近する車両あり・・・あれは、軍用車両だ」
「なんだって!?」
敵さん行動が早いこと・・・上等だ
司令「こちらは準備完了だ」
RM「こちらも」
TL「同じく」
UY「オーケー」
「私もオールクリアだ」
作戦実行の時のようだ
司令「ではプランC 実行」
一同「了解!!」
すぐに部屋を出る
私の役割は一般人として基地から脱出後、指定ポイントまで行き基地の様子を観察
以後の行動はミーナ中佐に指示を仰ぐとの事だ
「・・・でもなんか早かったなあ」
作戦立案から三日ほどしか経過していない
ラリー「こちらガルム2、敵さんのお出ましみたいだ」
司令「了解、以後の通信は控えるように」
一同「了解!!」
さて・・・ミッションスタートだ!!
ミーナ視点
私達は脱走した宮藤さんを保護すべく飛んでいた
トゥルーデ「所でなんでフィリアは忙しそうにしてたんだ?」
トゥルーデが聞いてきた
「そういえば話してなかったわね」
話そうとすると
エーリカ「あれ!!宮藤じゃん!!」
フラウが知らせる
シャーリー「あいつ・・・ネウロイの巣の中に入っていくぞ・・・」
目をむけると宮藤さんは小型ネウロイに連れられて巣の中に入っていた
シャーリー「そんな・・・入っちまった」
ネウロイの巣には入るはおろか接近するのも難しいのに
宮藤さんはなんの攻撃も受けず、いとも簡単に黒い雲の中に入っていった
トゥルーデ「罠か!?」
確かに罠の可能性もあるがそうじゃない可能性もある
「・・・様子を見ましょう」
私達は様子を見ることにした
その頃基地では
フィリア視点
今501の基地は空軍兵士によって占拠されていた
兵士A「お前は一般市民か?」
兵士に聞かれる・・・おお、MP40なんて向けんじゃねぇよ
「はい・・・お願いですから撃たないでください・・・」
若干涙目(嘘泣き)にしながらホールドアップする・・・我ながら演技うまいな
兵士A「よし分かった、この基地は今から占拠されるからとっとと出ろ」
よし、いい感じだ
「分かりました・・・失礼します」
チェロのケース(武器収納ケース)を背中にかるおうとした時
上官っぽい服装をしたおっさんが来た
?「なんだね君は・・・・ッ!?」
なんかおっさんが驚いた顔をしている・・・まさかバレた?
「?・・・な、何でしょうか?」
若干びびりながら聞いてみる
?「いや・・・何でもない。ここは一般市民の来る所ではない、早急にでたまえ」
良かった・・・バレてないみたいだ
「はい、分かりました」
そのまま門へ向かうとラリーが門番をやっていた・・・よし、アイコンタクトだ
「(それじゃあね・・・気をつけてね相棒)」
向こうも気付いて
ラリー「(お前もな・・・相棒)」
頭を少し下げて門を出る
「さて・・・行こうか」
地図を広げてポイントを確認しながら私は基地を後にした
マロニー視点
私は実行部隊より遅れて基地に到着した
「全く・・・誰のせいでこんな事に」
元はといえばあの扶桑の小娘・・・アイツがネウロイに接触なんてしなければ
こんなに急がなくてもよかったはず
「・・・でも起きてしまったのだから仕方ない」
廊下を早足で進んでいると兵士が誰かと話している
少女みたいだが拘束してない限りウィッチでは無さそうだ
「なんだね君は・・・・ッ!?」
少女の顔を見た私は言葉を失ってしまった
少女「?・・・な、何でしょうか?」
不安そうに聞いてくる少女
「いや・・・何でもない。ここは一般市民の来る所ではない、早急にでたまえ」
少女「はい、分かりました」
そう言うと少女は礼をして歩いていった
兵士A「大将、どうかされましたか?」
兵士が心配そうに聞いてきた
「何がだね?」
兵士A「いえ、何でもありません!!」
兵士は去っていった
「・・・・・・・」
私は上着から写真を取り出す
そこに写っているのは、私の家族
一年前にネウロイの攻撃によって失ってしまった物
「・・・似ている」
さっき会った少女は写真の真ん中に写る少女と瓜二つだった
「・・・ただの他人の空似だ」
私は写真をしまって廊下を歩き出す
でも頭に残っているのだ・・・さっき会った少女の姿が
「・・・何でなんだ・・・」
思い出してしまった・・・あの日の事を
研究員「大将、ウォーロックの出撃準備が整いました!!」
研究員が走りながら報告してきた
「よし、ウォーロックを出撃させろ!!」
あの日のような事を繰り返さない為にも
鉄の翼をもって敵を殲滅させなければならない
「・・・これは私の使命なのだ」
私は廊下の窓から海を眺める
そして飛翔する我が望みを見送った
ミーナ視点
あれから数十分、様子を見ているけども状況は変わらない
トゥルーデ「やはり罠か!?」
そろそろこちらも動き出そうとした・・・その時
一機の人型ネウロイが私達の目の前に現れた
「っ!?全機、ブレイク!!」
敵と認識した私はメンバーに号令をかける
一同「了解!!」
メンバーが散開した時、轟音と共に銀色の物が私達を追い抜く
トゥルーデ「何だ!?」
銀色の物体はどこかフィリアさん達の戦闘機のような形をしていて
いきなりネウロイに向けて攻撃を開始した
「味方・・・なの?」
ネウロイも攻撃目標と認識してのかその戦闘機に向けてビームを放つ
ルッキーニ「うわわわわわわっ、こんなビーム初めてだよ!!」
今までよりも数段強力な攻撃を眺めていると
その時戦闘機が変形、人のような形になる
その戦闘機だった物は腕のような物を前に出し、赤い光の帯を放つ
その光の帯は人型ネウロイを包み、そして消滅させた
エーリカ「ビームじゃん!!」
その戦闘機のような物が放った物は、紛れも無くビームだったのだ
シャーリー「アイツもネウロイなのか!?」
「わからないわ・・・」
ルッキーニ「ん?・・・ってあぁぁぁぁ芳佳!!」
雲の中から宮藤さんが落下していくが見えた
シャーリー「宮藤ぃぃぃっ!!」
慌てて追いかけていく二人
そして戦闘機のようなものは目的は果たしたといわんばかりに撤退していった
「・・・・・・・」
私は飛行機雲を見ながら考える
ひょっとするとアレが空軍の・・・
宮藤さんを確保した私達は基地へと戻った
帰還すると基地は制圧され、滑走路の方には501メンバー全員が集められる形となった
マロニー「ご苦労ミーナ中佐」
兵士の真ん中に居るのは501の上官であるトレヴァー・マロニー大将
「まるでクーデターですね」
マロニー「上層部からの正式な配置転換だよミーナ中佐・・・」
指令書を見せながら大将は言ってきた
マロニー「現時点をもってこの基地は、我々第一特殊強襲部隊・・・
通称 ”ウォーロック”が引き継ぐ事となる」
「ウォーロック・・・?」
その時上空から銀色の物体が降りてきた・・・あの時の機体だ
マロニー「これでウィッチーズ全員集合かね」
滑走路に居るウィッチの数は十一人・・・名目上の部隊全員がここにいる
だがここに十二人居ないという事はもう一人のウィッチは偽装してこの基地から出たのだろう
マロニー「君が宮藤軍曹か・・・」
芳佳「あ・・・はい・・・」
マロニー「君は軍規に背いて脱走をした・・・違うかね?」
芳佳「え・・・軍規・・・・」
そこで宮藤さんはハッと何かを思い出したように
芳佳「その後ろのっ!!」
マロニー「ふふ、ウォーロックの事かね」
芳佳「私見たんです、それがネウロイと同じ部屋で・・・実験室のような部屋で・・・」
宮藤さんが驚くような発言をした
マロニー「っな!!・・・何を言い出すんだ君はっ!!」
慌てたように言い返す大将
どういう事?・・・ウォーロックがネウロイと接触していたなんて
芳佳「でも、私見たんです!!」
それでも引き下がらない宮藤さん
マロニー「質問に答えろ!!。君は脱走をした・・・違うかね!!」
焦る大将
芳佳「はい・・・でも・・・」
マロニー「ミーナ中佐、私は脱走者は撃墜せよと言ったはずだが?」
話を変える大将
「はい・・・ですが」
マロニー「部下は脱走するわ司令は上官の命令を聞かないわ・・・」
勝手に話を進める無能大将・・・あらやだ無能だなんて考えちゃった
マロニー「ミーナ中佐、本当に残念だよ・・・」
残念なのはあなた自身です
マロニー「ウィッチーズの諸君、本日只今をもって、第501統合戦闘航空団
ストライクウィッチーズは、解散とする」
大将の口から発せられた部隊の解散命令
マロニー「各隊員は可及的速やかに、各国の原隊に復帰せよ・・・以上!!」
これは事実上の501の解散を意味する
芳佳「そんな・・・」
私達は黙ってそれに従うしかない・・・今は・・・
だが私達は再び此処に集まる事になるのだろう・・・
蒼き大空の ”支配者”と共に
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