夜天の主とともに  3.趣味作りだ! そのA
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夜天の主とともに  3.趣味作りだ! そのA

 

 

 

最初は趣味の一つでも増えればいいなぁって思っていた時期が俺にもありました。いくら自分の子に料理を教えるのが楽しみだからと言ってあくまで趣味レベル、つまり卵焼きとかスクランブルエッグとかそれぐらいだと思ってました。

 

話すといろいろ長くなりそうなので結果だけ言うと趣味の域を超してしまいました。いや、確かに少しはこんなことになるのかなとは予想してたけどまさか味噌汁とかハンバーグとかオムライスとか難易度の高そうなものまで覚えさせるとは‥‥。母さん恐るべし。

 

まぁ最初からできたわけではない。そんないきなりやってできるほど甘くはない。だから母さん監督の下、結構本格的な修行、もとい教えられた。予想以上の母さんの熱の入りようでやっているときは大変だった。

でも、俺は俺でそれが満更でもなくむしろ楽しんでいた。うまくいかないときの方が多かったけど上手に完成できた時なんかは有頂天になったものだ。父さんも母さんもおいしいって言ってくれたし。

 

だから、外出禁止令も1週間で解けたというのに俺は料理の方にはまっていて結局出なかった。もとより転生者の件もあるし、休みの日には父さんが一緒に庭の方で遊んでくれたり家族で遠出したりもしたからなんの不満もなかった。なにより料理が楽しかった。

母さんにこれでどこの嫁に出しても文句ないわと言われた時は複雑だったが‥。

 

結局そんなこんなで半年も経っていた。えっ長すぎじゃないかって?そんなこといっても楽しいことをやっているときは時間なんてあっという間に過ぎていくもんだ‥‥きっと。

 

そこで料理スキルが格段に上がりなお上昇中の俺はそろそろ他の趣味でも作ってみようと思い立った。別に料理が飽きた、というわけではない。むしろここまでやったらもっと上手になりたいと思っている。ただ趣味が一つというのも味気ないと思ったのだ。そう思ったのだが‥‥‥

 

「はぁ‥‥またもや思いつかない」

 

見事に詰んでいました。まぁそんな簡単に見つかるぐらいなら苦労はしないですよね。趣味なめてました。

 

「う〜ん、趣味〜趣味〜趣味〜」

 

「健一なにやってるんだ?」

 

いつものようにベッドの上でゴロゴロしてたらいつの間にか父さんが来てた。よく見れば後ろに母さんもいる。

 

「あっパパ、ママ。えっとね新しい趣味を考えてた」

 

「えっ!?健ちゃんお料理飽きちゃったの!?」

 

母さんの顔が一瞬で悲壮感あふれる表情になったので俺は慌てていった。

 

「ち、ちがうよ。ただもう一つぐらいあったらなぁって思って」

 

「(ホッ‥)」

 

「ふむなるほどな。で、思いつかないんだな」

 

「そうなんだ」

 

「なら読書というのはどうだ。前から本が好きだったろう?」

 

う〜ん、本か‥。それはもう趣味の一つに入ってると言おうとしたがよくよく考えてみれば趣味と呼べるほどあんまり本を読んでなかった気がする。家の中の理解できる本は全部読んでしまったというのも原因の一つだけど。

その原因に思い当たってやっぱりダメかと思った。

 

「家の中の本、読めるの全部読んじゃったからダメだよ」

 

「全部?ふむ‥‥‥、それならパパのを貸そうか?」

 

「ん〜ん。もう読んじゃった」

 

推理ものの小説とかけっこうあったから勝手に読んでたけど読破しちゃってるんだよな。そう思ってると父さんが目を丸くしてた。

 

「パパのを読んでいたこともびっくりしたがあれを全部読むとは‥‥‥」

 

あっ、やばい。もしかして怒らせたか?

 

「……さすが我が息子!!ああいうのも読めるとは偉いぞ!!」

 

訂正。とっても親バカでした。

 

「あ、ありがとパパ」

 

「となるとそうだな‥‥‥図書館に行けばいいんじゃなかいか?あそこなら本がたくさんあるぞ」

 

それを聞き俺は唖然としてしまった。そういえば図書館というものがあったなと。料理を始める前は覚えていたが熱中するあまりそとにでなくてそういうものがあることを忘れていた。

 

「そっか!じゃあ今から図書館行ってくる!!」

 

「こら待ちなさい健一。今外は‥‥」

 

父さんが後ろで何か言っていたが気にすることなく玄関へ直行。そしてドアを開けると‥‥屋根から雪が落ちてきて見事に埋もれてしまった。ちなみに季節は冬、12月である。

 

「雪がかなり積もってるから多分無理だぞって言おうとしたんだが‥‥遅かったか」

 

降ってきた雪の重みを退けながら雪の中から出たが、体が変化に追いつかなかったのか一気に体の芯まで俺の体は冷え切った。

 

「(ブルブルブルブルブルブル)」

 

「にしてもこんなふうに雪に埋もれるなんて漫画だけだと思っていたがこれはこれは」

 

「あなた、そんなこといいから健ちゃんを早く中に。震えてるわよ!?」

 

「おぉすまんすまん。あまりに見事な埋もれた方だったからついな」

 

そう笑いながら俺を家の中にい入れ、布団に包めて温めた。でも結局それが原因で熱が出てしかも運悪く軽めの喘息まで起きたため図書館には行けれなかった。なぜか父さんが母さんに説教をくらい正座させて長々と何か言っていたが熱のせいで何を言っているのかはわからなかった。

 

その日は2つ目の趣味を読書にしようということといつか父さんに仕返ししてやるということを決意させる日となった。

 

 

 

 

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