チートでチートな三国志・そして恋姫†無双 外伝 短編集 その1
[全1ページ]

登場人物

 

 

 

((藍川|あいかわ)) ((一心|いっしん))

 

 

一刀の祖父。元は警察官だった。

 

 

((北郷|きたごう)) ((一刀|かずと))

 

 

拙作本編の主人公。

 

 

((早坂|はやさか)) ((章人|あきひと))

 

 

実家は日本で数本の指に入る名家であり、東京に住んでいる。

 

”五菱財閥”の相談役を代々務めてきた家の出身である。

 

 

 

((楠原|くすはら)) ((守彦|もりひこ))

 

 

章人に剣道その他の武術などを教え込んだ。

 

章人の父と同期で、弁護士として章人の父をサポートする毎日を過ごしている。

 

※原作(春恋*乙女)とは全てが違います。

 

 

妻に((遙|はるか))、娘に((彩香|あやか))が居る。

 

娘の彩香は章人の幼なじみである。

 

 

((不動|ふゆるぎ)) ((如耶|きさや))

 

 

一刀が尊敬を寄せるようになる人物。祖父は章人・守彦と交流がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

本編

 

 

 

 

 

 

その時、自分の積み上げてきたものがガラガラと崩れる音が聞こえたような気がした。

 

 

幸いにして、警察に就職した後も機動隊で剣道を続けることができた。

 

”あいつの頭には、警察の仕事の他には剣道とカミさんしかない”と言われるほどに全てを捧げてきた自分の剣道人生。

 

今年も、愛知県代表として研鑽を積んできた。昨年は全国大会で準優勝をした男、その名は藍川一心。

 

 

 

が、今年は一回戦で、何も出来ずに、敗北した。

 

相手は大学一年生だった。年齢差があるとは言え、全力で戦うのが剣道の流儀である。一心は全てをぶつけた。

 

それでも、何も出来なかった。

 

その相手はそのまま優勝した。昨年、自分と競った好敵手も、何も出来ずに敗北した。

 

 

自分の誇りをズタズタにした男、楠原守彦の名と顔は深く、印象に刻まれた。後に、”怪物”と異名を取る男だと知った。

 

そして、風の噂で、その男は前人未踏の全国七連覇を果たし、その偉業に対し、例外的に25歳の若さで『範士八段』という剣道の最高位を授与された……と聞いた。

 

 

自分はその後、警察の機動隊から捜査一課に異動して剣道からは一線を退くことになった。

 

娘は県庁マンと結婚し、孫が生まれた。孫は、祖父の『一』の名をとり、『一刀』と名付けられた。

 

義理の息子はかつて酔拳をやっており、同じ公務員ということもあり、自分と話の合う良い相手だった。

 

 

「お義父さん、一刀に剣道を教えて頂けないでしょうか。武術をすることは、心身の修行になります。上手く言えませんが、一刀には強く育って欲しい。どんな困難にも立ち向かっていけるような青年になって欲しいんです。」

 

 

そう、頼まれた。

 

 

無論、快く受け入れた。

 

そして、一刀が小学5年生になった年。

 

 

「なあ、爺ちゃん、どうして俺は負けたのに大会を見に行くんだよ〜。」

 

「強い者の技を見るのは最高の勉強じゃ。今日は……。小学生以下女子の部と、大学生以下男子の部じゃな。」

 

 

ある噂の真偽を確かめるために、一心は孫を連れてこの全国大会の会場に来ていた。今年は地元、名古屋開催なのだ。

 

その噂とは

 

”大学生以下の部に、((一刀と同い年|小学5年生))の少年が出ている……”

 

という、冗談にしては笑えないものだった。

 

 

が、無論、一刀にはそんな話はしていない。まずは、午前中に開催される女子の部を見にいくことにした。

 

そこで、一刀は見惚れる。

 

同じ県に住む、一人の少女に。

 

その少女は、”柔よく剛を制す”を体現したかのような美しき剣技で全国優勝を成し遂げた。

 

名は、不動如耶といった。

 

 

”あの”不動の娘か、素晴らしいのう……。そう一心は思った。若かりし頃、如耶の祖父とは何度か試合をしたことがあったのだ。勝ったり負けたり……という、良いライバル関係だった。”家格”が違いすぎるといったような理由から私的な繋がりは殆ど無かったが、それでもお互いに意識していた存在だった。

 

 

そして午後……。

 

 

「ありがとうございました。」

 

名を早坂章人といったその少年は、確かに大学生以下の部に出ていた。そして、あのときの楠原守彦を彷彿とさせるように、圧勝した。あの時の音が、また聞こえた気がした。

 

 

 

 

「どうも。言ったとおりだったでしょ。」

 

「そうだな……。」

 

章人の言に応じた人物は楠原守彦だ。間違いない……。そう思った。あのときから20年以上経っているし、相手にとって自分が眼中にないであろうことは明らかだったが、一心にとっては忘れることのできない人物だった。

 

孫の代で、”また、敵わぬことを思い知らされるのか……”と、内心穏やかでなくなった一心は、”帰りの運転は自分にはできない”と思って娘を呼び、無事家へ着いたのだった。

 

 

一刀は無論、そんな因縁など知る由もなかった。彼の頭の中は不動如耶で一杯だった。それは、本人も、剣道の型も、何もかも美しすぎるからである。

 

その如耶もまた、章人にズタズタにされたのだが、それは北郷が家に帰ってからの出来事なので、一刀は知らずに終わった。

 

これが、一刀、如耶、章人の3人が一堂に会した初めての出来事である。この6年後、同じ学院で学ぶことになるのを知る者は誰も居ない。

 

 

 

後書き

 

本編の投稿もせずにこんな話を書いてごめんなさい・・・・。

説明
外伝、短編集になります。短いです。

一刀が早坂に拘り続ける理由、その他を書いていきたいと思います。
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コメント
>イマさん こんな短文でも楽しんで頂けているようで幸いです。本編が煮詰まったらまた書こうと思っています(笑)(山縣 理明)
いえいえ、本編の背景を書いて頂けると、薄い本が一冊書けるぐらい妄想が出来ますので。薄い本は書いてませんがww(イマ)
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北郷一刀 春恋*乙女 短編 

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