■6話 曹操が参る■ 真・恋姫†無双〜旅の始まり〜 |
■6話 曹操が参る
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先ほど放った斥候から早速報告が上がってきた。既に黄巾党が夏侯淵達と戦闘した形跡が見られる等と、取るに足らない報告だと最初はそのまま流そうと思っていただのだが、報告が進むにつれて異常な事態に陥っていることが分かった。
元々後から来た曹操たちが夏侯淵達に合図を送りそのまま挟撃して殲滅るするはずだった黄巾党の勢力が、今では挟撃する事の方が馬鹿らしい数に成り下がっている。
まさか私の予想を超えるほど秋蘭と季衣がそれほど健闘したのかしらと一瞬考え込むがもしあるとしても別の要素がからんでいるとしか考えられない。他に考えられる事と言えばまだどこかに兵力を潜ませているといった事になる。
そう思いながらもありえないわねと首を振る。少なくとも黄巾党にはまだそこまでの知恵が備わっていないし、それらしい動きも全く見えない。何よりそこまで考えが及ぶなら夏侯淵達が籠っている街を落とすことなど雑作もないはずだ。
やはり可能性としては秋蘭と季衣が何かしらの策を講じたか、または別の誰かが覆す何かを持っていたという所だろうか。しかし秋蘭まだしも季衣はまだ実戦経験が乏しい、今回の事も季衣に経験を積ませる意味で秋蘭と一緒に先に向かわせたのだ。そんな秋蘭が季衣の面倒を見なければいけない状況で十二分に力が発揮できるだろうか? 答えは決まりきっている。否だ。
とすると他の要素、それも数の差を覆すの程の武か知をその得た者がいるはずだ。もしこの予想が当たっているならこの下らない戦もそれなりに意味があったものになる。
「春蘭! 部隊をまとめて黄巾党の残存兵を殲滅してきなさい。一刀、あなたは街の偵察に行って頂戴、そして何か重要な事が分かれば即座に渡しに知らせる事」
「っは!」
私の言葉に春蘭は嬉々として返事をすると、早速部隊をまとめあげ、面白いように兵たちの戦意を高めていく。その光景はさすがとしか言いようがなく、武に長けた夏候惇だからこそ出来る事だろう。
その仕事ぶりに感心しながら未だ返事のない一刀に視線を向ける。
全く、春蘭を引き合いに出すまでもなくこの天の御使いはダメダメすぎる。確かに利用価値は高い、天の御使いと言う分かりやすい御旗に民は御され易い。それに努力していることも……一応認めましょう。でも話に聞いた天界の様に平和なところから来た人間など努力した戦で役立つはずもない。
そしてこの呆けた顔は全く持っていただけない。
「一刀、いい加減呆けてないでさっさとしなさい」
一人は私の呼びかけにハッとした様な顔をしたかと思えば次には不安そうな顔になる。何もない時に見ていれば面白いのだろうがこんな非常時には全く笑えない。
「えっと……、俺が偵察?」
「そうよ、あなたが戦闘で使えるとは思ってないもの。それともあなたは戦闘で武をみせられるほどの腕なのかしら?」
「いや、それは出来ないけどさ……それって俺で大丈夫なのか?」
「大丈夫かどうかはあなた次第よ、天の御使いと言う名前以外に役立てる事を証明してみなさい。それすらも出来ないのなら不要だわ」
今回の偵察で一番の不安要素である手黄巾党の残党は一箇所に集まっているわけだし、それも春蘭がこれから抑えるのだ。確かに不確定要素はあるかもしれないがこの程度偵察というにはおこがましいにもほどがある。正直に言えば子供のお使い。天の御使いだからと言ってこれぐらいの事も出来ないのではこちらが困る。
「わかった」
やっと現状が理解できたのか、一刀の瞳は何か決意したのが透けて見える。
もしこの右も左もわからない天の御使いに長所があるとしたら、状況もわかっていないのに決意する勇猛さ……かしらね。
けれど勇猛と蛮勇は表裏一体。うまく制御しなければすぐに死ぬだろう。
そんな不吉な事を考えながら一刀を見送った後、街を瞳に移す。あれだけ黄巾党が減っているからには少なからず激戦だったはずだ。
出来る事なら秋蘭も季衣も無事だといいのだけれど……。
誰にも決して明かす事のない孤独な曹操の純粋な願い。誰にも聞かれぬよう小さく呟き、意識を切り替えて己も戦に出る準備をし始めた。
◇◇◇◇
何処からか服の擦れる音が聞こえてきる。
さらにその音に合わせて誰かから引っ張られているような感覚も寝ぼけた体を次第に刺激していく。
薄く目を開けると眩しい光が隙間から差し込んでくる。そこでやっと自分が寝ていたことに気が付いた。そして俺は一体いつのまに寝てしまったんだろうかと疑問に思い始める。
まだ眠い頭を懸命に働かせ、思い出していく。確か……、昨日は許緒と李典を助けて、それから楽進と共に撤退したはずだ……。あれ? 門の内側に入ってからの記憶がさっぱりないな……。
ぼんやりと考えている最中も引っ張られるような感覚はやむ気配を見せない。それどころかどんどん強くなっていってる気さえする。
「時雨……おき、る」
「あれ…? かごめか?」
光に慣れてきた視線を声のする方へと向ける。するとそこには服を一生懸命引っ張り、俺を起こしているかごめの姿が飛び込んできた。
「ん、おきた」
「また寝ていい?」
俺が起きたのを確認して満足そうな顔を浮かべるかごめについつい意地悪をいってしまう。
「だ、だめ……おき、て」
馬鹿な俺の言葉に律儀に反応してオロオロするかごめが可愛くて、ちょっとした罪悪感を誤魔化すように優しく撫でる。
「ごめんごめん、嘘だよ。ちゃんと起きるから」
「ん、おき…れば……いい」
かごめは俺が2度寝しないか念のためドアに向かいながらもチラ見を繰り返していた。その様子を眺めていたい気もしたが、さすがにもう寝ないよと笑いかけると安心したようにトコトコと走って部屋を出て行ってしまった。どうやら俺を起こすというミッションを完遂させたかっただけの様だ。
走る姿もかわいいよかごめ! ってそうじゃない。まず状況を確認しなくちゃいけない。
まず第一にここは何処で、誰の家だろうか? 半ば記憶喪失と言われても納得のいく状況だが、見覚えがないのも確かな気がする、となると誰かが俺を運んでくれたのだろうか?
1人で悶々と考えた所で事態が進展するはずもなく、考えるのに飽きた所で俺は人を探し見知らぬ家を彷徨い歩いた。
「紀霊殿、目を覚まされたか」
思わずぽかーんとしてしまう。彷徨い歩いてたどり着いたその場所で、優雅に茶を啜る夏侯淵さんが……そしてその隣にはどこか不機嫌そうな楽進がムスっと座り込んでいた。なんだかこう、言いようのない悪い予感がする。
「えっと、その。おはよう?」
俺の声が聞こえると同時に楽進の額に青筋が浮かぶのが見えた。やっぱりまずい気がする、非常にまずい気がする。といってもこの場に辿り着いてしまっているのだから既に手遅れだ。
「何を暢気に挨拶しているのですか! 紀霊殿、あなたは昨日倒れたのですよ! 全く無理をしすぎるからこんなことになるのです。次からは私が責任をもってきちんと……」
説教なんてものは好きではないが、今は楽進の説教がなんだか俺を想ってくれている嬉しい。でも長い、永すぎるよ楽進。嬉しいけどもうちょっと手加減してくれないか? そういう意味を込めて苦笑いを向ける。
「何を笑っておられるのですか! きちんと反省してください。大体私が昨日助けに行かなければどうなってたと………」
どうやら苦笑いだけでは逆効果の様だと気づき、今度はちゃんと言葉に出して楽進の説教を遮る。
「わかってるよ。ありがとう楽進」
そういって楽進の頭を撫でる。もちろん説教する暇なんて与えないためだ、お世辞にも俺は弁が立つわけでもないし、困ったらこうするしかない。
「っ〜〜〜〜〜! な、凪でいいです」
「へ?」
「だ、だから凪と呼んでくださいといっているのです!」
顔を真っ赤にして凪が怒りながらとんでもない発言をする。おかげで思わず呆けて我を忘れてしまった。まさか真名を預けてくれるなんて……嬉しすぎるんだけど。
綾とかごめ以外で初めて真名を預けて貰えた、ぼっちの俺が成長したものだ。これもあのロリッ子が言っていた成長値MAXのおかげだとするなら感謝せざるを得ない。
とそんなバカバカしい考えを一瞬浮かべるも慌てて振り払い、失礼のない様に凪に返事を返す。友達が増えてしまった。
「わかったよ凪、変わりにといっては何だが俺のことは時雨と呼んでくれ構わないよ」
「そ、そんな。私が紀霊殿の真名を呼ぶなんておこがましいといいますか……」
自分の真名は許すのに俺の真名は呼べないなんて地味に距離が遠くて嫌になる。これは意地でも呼ばせなくてはいけない。
「嫌だった? 別に嫌なら強制はしないけどさ……。折角一緒に戦った仲間なんだから受け取ってくれると嬉しいんだけど、嫌なら仕方ないよね……」
「い、嫌だなんて! そんなことはないです! その証拠にっ………………そ 、その、時雨殿とお呼びしますから」
あともう一声欲しい。出来れば殿とか方っ苦しい事は抜きにして気軽に付き合いたい。
「んー、呼び捨てにして欲しいんだけどな………」
「ぇ、いや、そのそこまでは。なんといいますか………えっと、それでは…………し、時雨…さん」
まだ物足りないけどこれが凪の限界なのだろう、どうやればここまで赤くなるのか分からない程顔が燃え上がっており、視線をそこかしらに彷徨わせ続けている。名前を呼ぶだけだというのに何故そこまで慌てるのか分からないが可愛いので許そうと思う。
そんな微妙に甘い空気をしばらく部屋の中に漂っていたのだが、遠慮せずに夏侯淵が一掃する。
「ッコホン! すまないがそろそろいいだろうか」
「え! あ、その申し訳ありませんでした!」
夏侯淵が今まで気遣って話していなかったのに気付いたのだろう。顔を真っ赤に染めたまま恥ずかしさが限界を突破したらしく、謝りながら部屋を飛び出して行ってしまった。
とりあえずさっきの凪は脳内に永久保存しておくとして、そろそろ夏侯淵とまじめな話をしないといけない。
「すまないけど、状況の説明頼んでいい?」
「ああ、元よりそのつもりだ」
「それは助かる。それで今はどうなっているんだ?」
「昨日紀霊殿が倒れてからは黄巾が西門に集結したこと以外特に変わったことはない」
「あれ? そうなのか? てっきり戦線の崩壊した西門を攻められると思ったんだけど…」
「いや、紀霊殿たちの働きで黄巾と数が我らと五分になったから相手もさすがに慎重になったようだ。といってまだ相手のほうが有利な事には変わりない。相手に比べてこちらは被害が少ないが消耗は激しすぎる」
言われてみれば確かにその通りだ。元々数ではこちらが圧倒的に劣っていた、いくら五分に持ち込んだとはいえ兵たちはそろそろ限界だろう。
「俺たちの働きってのは些細なものだと思うが、まあここではいいか。でもてっきり綾あたりが考えなしに敵に突っ込むと思ったんだがな」
「ああ、旬正殿ならば昨日紀霊殿が倒れたと聞いていち早く駆けつけ、眠っているのを見ると懐のお金を取ってご飯を食べに行ったぞ」
勝手にお金を持っていくとか、そこまで腹が減ってたのか綾……すまなかったとはいえ、もうすこしは心配してほしいぞ。というかすぐ来たのだからしてそれなりにしているのか? ………悲しいことにお金も目的でもおかしくないから判断が難しいな。
「まぁこのさい綾はどうでもいいとしてだ。夏侯淵殿はこれから攻める気があるのか?」
「ないな、そろそろ援軍が来る手はずになっている。兵達の事も考えればここは無難に守る方が被害が少ないはずだ」
「道理だな……なら俺はちょっとぶらついてくるが大丈夫か?」
「今回の戦の立役者なのだからそれぐらいかまわんさ」
「ん、ありがとう」
礼を言ってとりあえずここまで丁寧に説明してくれた夏侯淵の頭を撫で………っは! つい撫でてしまった!
「っあ、えっと……そのだな。すまん! それじゃっ!」
夏侯淵が何か動作に移る前に逃げに徹する。これも俺の命のためとはいえ夏侯淵の反応が見れないことが若干残念だったようにも思うが、あの無表情さが持続されていると思うと見るのが些か怖い。
紀霊が部屋から飛び出して行き、部屋に残った夏侯淵はというと
「ふむ、これはなかなか……」
などとほんのりと頬を染めていたりした。
◇◇◇◇
しばらく後ろから夏侯淵が追っかけて来ている様な気がして逃げ回っていた俺は戦いが始まってからの街の惨状を初めて見て、時々足を止めていた。
街に実際に入られたわけじゃないから被害はそれほどないと思っていたが、飛んできた流れ矢のせいで怪我人は少なからずいるし。そこかしらで怒声が聞こえたり、殴りあう姿もちらほらと見ることが出来た。善戦はしたもののこちらの同数はある黄巾の残党まだ残っている。それが皆の不安を煽り、苛立たせているのだろう。
こういうのを実際見ると戦は勝つだけではだめなのだなと知識だけではなく現実のものとして認識させられる。これは早めに対策を立てないといけないかなと思い、まずは綾とかごめに相談することにして捜索を開始す。
とりあえず捜索するにあたって馬が必要だ。本来なら大して街中で必要とはしないが今はまだ体がだるい、正直歩くのも面倒だし休みたい。
「飛影!」
呼んだら来てくれればいいのになと冗談で声を張り上げる。少しばかり周りの視線で恥ずかしさを感じたのだがしばらくすると本当に駆けてくる飛影が見えた。
ほんの冗談だったのに………、なんだろうこの以心伝心っぷり、心揺さぶられる。
思わず感極まってしまい、飛影が手前に来ると同時に抱きつき撫でまくる。
「ブルルッ」
もっとしてと言わんばかりに首を俺に擦り付けてくる飛影に思わず「なんて可愛い奴なんだ!」と叫んでしまった。それにしてもこんなに賢くて強くて可愛いやつが存在していいのだろうか。
と考えながら締まりのない顔をして撫で続けている時雨の姿を見た街の人々は呆れながら思わず和んでいた。図らずも街の雰囲気を少し良くしてしまった時雨である。
しばらく撫で続けた後名残惜しくもあるが撫でるのをほどほどにしないと本来の目的を忘れてしまうと考え、飛影から離れ背に乗ろうとしたのだが、そこで俺は重大な事実に気づいてしまった。飛影に誰かが既に乗っているのだ。
「時雨…飛影……なか、よし」
かごめの存在に気づいた後は今までやってた自分の行動を思い出し、恥ずかしくしかたなかった。だというのにかごめは言葉通り仲が良いと思っただけの様で変なものを見る様な目線は一切送ってこなかった。
おかげで傷つかずには澄んだけれど、どの道恥ずかしかったので照れ隠しにと飛影の上のカゴメの後方に飛び乗り、顔を見せないようにする。
「なんだ、かごめだったのか。……そりゃ確かに俺と飛影は仲良しだな。でもかごめとも仲良しだぞ」
言い訳を言うつもりだったというのに半ばから自分で何を言っているのか分からなくなってくる。けれど本当の事だけを言った覚えはある。言った後に自分が何を口走ったのか理解して、それに対して何の動作も起こさないかごめを見るとこれ以上どうしたらいいかもわからず、腕の中にすっぽりと収まるかごめの頭を困った時の条件反射でガシガシと乱暴に撫でる。
「ぁ……、あの、その………あり、がと?」
撫でている最中に俺の言った事を理解したのか、かごめが急に顔が赤くなり始め、腕の中であわあわと混乱しながら疑問形でお礼を返してくる。
「っぷ、あはははは! かごめは本当に可愛いな!」
「ん……」
思わず本心を漏らしてしまった俺の言葉にかごめが顔を俯け、ついには動きを止めて腕の中で小さくなっていく。そんな可愛らしい姿を近くで見ながらこの場にロリコンマイスターが居たら萌え死ぬだろうなと変な事を考えているのは俺も相変わらず変人だとは思う。
飛影のせいかはたまたかごめのせいか、本当は俺のせいだと決まっているのだけれど、かごめが落ち着きを見せてから俺はやっと本来の目的を思い出し、その事で呼ぼうと思っていた存在を綺麗に忘れてしまっていたことがを思い出した。
「そういえば綾がいる場所ってわかる?」
そう、綾の存在を思い出したのだ。この場に居たらどれだけ不機嫌にさせていただろうかと考え、いない事に改めてほっとしてかごめの返答を待つ。
「わかる……あっち」
そう言って西門の方を指差し、その青い瞳を俺の方へと向けてくる。その際に少しばかり伸びて来た綺麗な青い髪が腕をかすって少しくすぐったいと感じつつ、かごめの指さした方向へ視線を向ける。
「それじゃあ話したいこともあるし、綾と合流できたら作戦会議だ」
飛影に指示を出して西門へとゆっくりと歩みを進め始める。
恐らく綾はまだ何か食べているはずだ、あれの胃袋は食べ物があるばあるだけ摂取し続けるからまず間違いない。俺は何も食べてないからこれから食べようとは思うけれど、果たして剣舞で稼いだ分が少しでも残っているだろうか。
◇◇◇◇
かごめに案内されるままに進んでいき、西門付近の軽食屋で綾が予想通りご飯を食べ続けていた。
「綾、俺の分の飯ちゃんと残してあるか?」
「む、むごごむあむむはむぶうぶ」
女だというのにご飯を口の中に詰めて何かを伝えようとするものだから、米粒をこちらに飛んでくる。新手の嫌がらせかと思いながら、綾はそんなことをするタイプじゃないなと思いだし提案する。
「何言ってるのかわからんから食べ終わってからでいい」
「モゴモゴ………、ちゃんと残してあるぞと言ったんだ。それにこれは何故かは知らないけど、他の兵達が私によければどうぞと持ってきてくれて、遠慮なくもらったものだよ」
それはもちろん戦闘中に餓鬼化して涎を垂らしながら戦う姿があまりにも怖かったのが原因なのだが……当の本人がしるよしもない。けれど幼馴染の時雨にはある程度理解できているので少し頭が痛くなってしまう。
「綾……おまえなぁ………。まぁ仕方ないか、それよりちゃんとお礼は言っておいたか?」
少し諌めようかとも思ったのだが、今回はさすがに状況が状況だ。ここはありがたく貰ったご飯を頂くことに決め、最低限お礼を言ったかどうかの有無を確認した。
「もっちろん! 私に不可能はない! だよ。それにしてもまた私だけ仲間はずれにして……かごめと飛影と面白おかしく遊ぶなんて酷いよ!」
昔の俺の影響か、綾はたまに言動がおかしくなる。それはまあいいとして、どうしてこいつは見てもいないはずなのにここまで正確に言い当ててくるのだろうか、エスパーか? これが幼馴染の勘だというのなら恐ろしいものである。
「いや、別に面白おかしくは遊んでないんだが……」
「嘘つき! ぶーーーー」
せめてもの抵抗にと顔には出さず否定したのだが、既に確信を得てしてしまっている綾には通じないらしい、せめて揺さぶられるぐらいはしてほしいものだ。
「わかったわかった。今度はかならず綾も連れて行くから、な?」
ご飯を口に含みつつもきちんと不機嫌さを顔に表してくる為、いつもの様に機嫌取りに頭を撫でてやる。決してご飯で頬が膨らませた状態でぶーたれてる綾が可愛くてとかじゃない。決して違う、違うぞ。
暫くご飯を食べていても不機嫌な顔のままだった綾も撫でているうちに顔が普段の呑気なものに変わり、幸せそうにご飯を食べる。とりあえずは良しとして、時雨も綾の隣に座り込んでご飯を一緒に食べ始める。
その結果、会話の止まった空間にはご飯を食べる際に生じる音だけが木霊しており、ご飯を幸せそうに食べる綾と無表情に食べる時雨を無言で見続けるかごめというシュールな図が出来上がった。
近くにいた村の人は何処か近づけないその場を遠巻きに見ていたのだが、あえて近づく猛者がやってきた。于禁に李典、許緒である。
于禁は空気を読んで少し待とうと思っていたのだが俺の思った通りに行動する2人が黙って待っているはずもなく、突入してきた形である。
「おー、紀霊の旦那さん目が覚めたんか! あんさんには助けてもらったさかい心配やったけど、安心したわ」
「凪ちゃんと真桜ちゃんがすっごく心配してたから何事かと思ったけど無事でよかったなのー」
「わいは助けてもろたから心配してただやで! それに沙和もなんだかんだ言ってて心配してたやないか」
「うー、やぶ蛇だったのー」
2人が漫才の様に喋りながらも、迷わずまっすぐな感情をぶつけてくるのには好感を覚える。そして同時に少し気恥ずかしさもあって、無駄にかしこまって対応する。
「はは、ありがとな二人とも迷惑かけたみたいですまなかったな。でももう大丈夫だから。凪には起きた時にあったし……なんか至れり尽くせりで恐縮だよ」
今まで友達といえるのが綾とかごめぐらいだったから、凪も含めてこうも一気に気のいい知り合いが増えると嬉しすぎる。
「恐縮することなんてあらへんやろ……って凪に真名許してもらったんか?」
「ああ、なんか説教された後に突然な」
「凪が許したってゆうんならウチも許すわ、というより元々も許すつもりやったけどな。ウチのことは真桜と呼んでや」
「それなら沙和も真名を許すのー。沙和ってよんでなのー」
まさか2人とも真名を許してくれると思わなかったので少し動揺してしまったが、嬉しさで高鳴る胸を落ち着けて、きちんとした対応を心がける。
「わかった。なら俺のことは時雨と呼んでくれ」
「ほな、よろしゅうな時雨はん」
「時雨さんよろしくなのー」
至って軽い様子でお互い真名を許し、その気軽さもあって特に気負わずにわいわい騒いでいるとふいに服をグイグイ引っ張られた。
「? ……かごめか? あれ? ………許緒ちゃん?」
今の今まで一切発言しなかった許緒が急に服を引っ張ってきたのでビックリしたが、緊張したような顔をしているのに気が付き、優しく笑いかけて話しやすい様にしてやる。
「あの…その……助けてくれてありがとう」
「気にしなくてもいいよ、俺ら同じ戦場で戦う仲間だろ」
未だに気負っている許緒に苦笑を向けて頭を撫でてやる。最初こそびっくりしたように体を強張らせたが次第になすがままになってくる。
「っ〜〜〜〜、うん………ありがとう。それなら今度はボクが兄ちゃんを助けるね!」
「はは、それありがとう。許ちゃんに期待して待ってるね」
会心のひと撫でが効いたのか、緊張がほぐれた許緒は持ち前の明るさを取り戻し、いい事思いついたとばかりに太陽の様な笑顔でニーっと笑みを浮かべる。
「兄ちゃん。ボクのことは季衣って呼んでもいいよ!」
「ん? それなら俺のことも時雨で構わないけど………」
気づけば勢いで真名の交換をさせられてしまった。まあ季衣が良ければ構わないのでそこは放置するが、先ほどから言われている『お兄ちゃん』といのは何処かむず痒い。
「わかった! 時雨兄ちゃんだね。これからよろしく」
「あ、ああ………よろしくな」
っぐっはぁあああ!! 相変わらずの可愛らしい笑みとそれに追加して上目使いで嬉しそうに言ってくる季衣から俺は深刻なダメージを負っていた。
妹属性……聞いたことはあるがここまで強力なのか!
っと馬鹿なことはここまでにしてさっさと本題に入ろうと思う。このままだと一生入れない気もするし、ここはダメージとか無視して進めるしかない。
「実はみんなに相談したいことがあるんだけど………」
真剣な顔を皆に向けると冗談じゃないとわかったメンバーは同じように真剣な顔を向けてくる。静まった所でここに来るまで見た光景を話、まだ戦は終わっていないが何とかできないかと話し合う。
「時雨……が、笑…えば………いい」
「皆で一緒に遊べばいいと思う!」
「やっぱり絡繰りを作ればええと思うねん」
「戦闘の事から気を背けるのならオシャレが一番なのー」
「ご飯一杯食べればいいと思うよ!」
なんというか個性的すぎる。恐ろしい程に意見がバラバラだった。
その後もそれぞれ案を出していくが一致するのが綾と季衣ぐらいで、ものの見事とにダメだった。しかもそれがご飯に共通するものでいっぱい食べればとか、美味しいものを食べればとかばかりだったので手の施しようがない。
これまでの事から唯一頭脳派だと思っていたかごめは撫で撫ですればいいやら、踊ればいいやら全て俺主体でかごめがやってくれたら嬉しいという事ばかりだった。まさか今までもそうだったとは思いもよらなかったが。
そして話の途中で参加してきた夏侯淵は姉者と華琳様がいれば私は幸せだ……とか。楽進は楽進で俺の考えに感銘を受けたらしく、張り切りすぎて意見も態度も硬すぎた。
そうやって皆で悩んでいる間にこれを見ていた民達が自分たちの為に将が考えている事に感動し、他の者たちに伝えていくことで、結局は民自身が幕を下ろしたのだった。
◇◇◇◇
一刀を偵察に出して数刻した後、華琳は黄巾の殲滅へと身を乗り出す。
「我らの同胞を襲い、民を襲い、人の身から外道へと落ちたその罪、死を持って償わせなさい! これより殲滅戦を行う! これは報いだ、遠慮することはない! 殲滅せよ!」
元々夏候惇が上げていた士気を曹操が檄を飛ばしすことにより、最高値まで高めていく。敵の数が予想よりも少ないおかげでこの分ならかなり楽に勝てそうだ。
もしこれが私の思いもよらぬ事を起こした秋蘭か季衣の手柄だとしたら、可愛がってあげないとね……。
綺麗で見るものを心酔させてしまう妖艶な笑みを浮かべつつ曹操はこの後の事に思いを馳せる。こうしたことを思い浮かべていられるのも敵が伏兵等は一切せずに平地にただ群れているとわかった為、初期の段階で曹操のやる事がなくなったのだ。
そうして曹操が妄想に浸っている間に指示を出されていた夏候惇が意気揚々と先陣を切り、夏候惇の強さと、その士気の高さも相まって黄巾党の残党狩りは可及的速やかに、尚且つ圧倒的勝利で終わりを告げた。
「桂花これからの指揮はあなたに任せるわ」
「はい!……これより街に入る! けが人は手当てをし、民には炊き出しを配りなさい。街の復興に着手します!」
曹操の言う事に素早く反応し、的確に戦後処理の指示を出していく荀ケを見た曹操は独り考える。
桂花の腕ならこの程度雑作もないでしょうし、これで一安心と行った所かしら……。それにしても一刀は一体どこで何をしているのかしら? こちらの殲滅が思ったより早かったとは結構時間はたっているはずよね。だというのにいっこうに戻ってこないのは何かあったのかしら?
◇◇◇◇
民の不安を取り除こうと奮闘し、良い方向で予想外な結果に落ち着いてから俺は現状やる事が無くなってしまい、支給されるご飯を食べ続ける綾と1人で考えたい事があるというかごめと別れ、とりあえず街の様子を見に出ていた。
歩いている間街の住人からの視線が痛い。戦闘を覗けばここまで目立つのは初めてだ。それが好意的だとは分かるけれど何処か居心地が悪い。何処か1人でゆっくり落ち着ける場所が無い物かと歩いていると予想外な人物と出合った。
「あなたは……確か紀霊さん?」
「まさか北郷殿ですか?」
これは気まずい、どれほど気まずいかというと……村の主的なモンスターに生贄に捧げた奴がうっかり生き残っちゃって、再開しちゃったみたいな感じだ。というかそのままだ。
しかも俺はと言えば生贄にささげるものを選抜して躊躇なく放り出した立場の人間だ。最悪である。
「いやー、あの時はああするしかなくて。本当すみません」
「いや別に気にしてないですよ。あの時は一度助けてもらいましたし」
な、なんていい一なんだろうか、言い訳がましい発言で許してくれるなんて……北郷一刀! これが主人公の器なのかっ!?
「あの後曹操に色々としごかれてね。いや今もしごかれてるんだけど大変でね。いや本当に……辛いんだよ」
あれ? 怒ってないんだよね? 怒ってないですよね? でも怒られても仕方ないか。本当に辛かったんだろうし、あの曹操が使えない人間を生かしておいておくとは思えない。きっと生きるために頑張ったんだろうな……。
「いや、その、本当に悪かった。」
「本当に構わないって、この世界で何をどうすればいいかなにもわからなかった俺にはむしろ丁度良かったんだよ」
ぉおっ……ジーザス! 画面越しとリアル体験では優しく感じる度合いがかなり違うよ! もうまじで背後に翼が見えるよ北郷一刀! これは惚れても仕方がない。ち○こもげろとか思ってごめんよ。
「その、ありがとな。俺のことは時雨って呼んでくれて構わないよ」
「え? それって真名だろ、いいのか?」
「言いも悪いも、俺がお前を認めた。ただそれだけでいいじゃんか」
「そうか、俺には真名がないから一刀と呼んでくれ」
ちくしょう、初めての男友達、嬉しいじゃないか。
「わかった一刀殿」
「いや、できれば同い年みたいだし、呼び捨てのほうが気が楽なんだが」
「ん?そうかなら一刀、これからよろしくな」
そういって笑顔で手を差し出すとよろしくと一刀も笑顔で握り返してくる。あれ? そろそろ手、離さない? 男同士で握った所で嬉しくとも何ともないだろうに
「一刀、あなたにしてはよくやったわ……」
ん? この声は……まさか、と気づいた時にはもう遅かった。ギギギッと首を回して後ろを見やれば曹操さんと夏侯惇がいるではないですか。そして周囲に展開速すぎるよ。序盤で既に精兵だよこいつら!
「あの、もしかして嵌った?」
「すまないけど、俺も曹操には逆らえないんだ」
まずい。これは非常にまずい! まだ董卓も賈も助け出していないのに……、いったいどうすれば。ああ、そうか、一刀が逆らえないとしても俺なら出来るじゃないか。
「なら俺が逆らえばいいんだな?」
悪いとは思ったけれど嵌められたのだから躊躇はしない。一刀と握っている手に力を込め、持ち上げて振り回す。さながら人間鈍器である。
「あ……」
けれど重い人間をいつまでも握力だけで支えて振りますことが出来るはずもなく、気づけば手を離していた。
ッドーーーン
なーむー……ってまたやっちまったな。まぁ主人公だし死なんよな。曹操の元で働いて死んでないぐらいだし。
「曹操殿には悪いけどまた逃げさせてもらうって、兵の補充早過ぎ!」
「すまいないけれどこの曹孟徳、同じ轍を2度も踏むほど愚かではないわ」
出来れば踏んでほしかった……。まあ無理な願いではあるけれど。
「紀霊、諦めて私に仕えなさい。言ったでしょう私は欲しいものは必ず手に入れると」
「ぇー」
「春蘭、やりなさい」
「っは! そこのおまえ! この前みたいに行くと思うなよ、今回は新しい武器だぞ! どうだ!」
そう言って大剣を掲げ、ドヤ顔で胸を張る春蘭。なんだか子供っぽくて可愛らしい。なぜだか夏侯淵が遠くでそうだろそうだろと相槌をうっている気がしたが気のせいだろうか?
「でわ、いくぞ! でやぁぁああああああ!!」
馬鹿な事を考えるほどやる気なんてなかったのに、あまりの迫力に小刀を抜いて受け流してしまう。黄巾党との無茶な戦いで俺もかなり成長したようだ。前の状態ならここまでできなかった。
「まだまだ! っはぁぁぁああああああ!!」
まだまだじゃなくて諦めてほしい。いくら成長したからと言ってこれでは前の綾みたいにジリ貧になってしまう。出来れば状況を覆したいけど綾も飛影もいないから夏候惇をどうにかしないといけない状況だな……、正直これまで以上に目を付けられそうだし、実践で使ったことないから使いたくはなかったけどやるしかない。
此処にきてからこんなんばっかりだなと思いつつ、意を決して意識を集中し、相手の動きを注意深く見る。夏侯惇の上段からの斬りを避け大剣に小刀を合わせ、小刀を回転軸にする。そのまま夏侯惇の力を使い、それに自分の力を上乗せする為に大剣に手を載せて力を入れる。すると面白いように上手くいき遠心力で体の浮いた夏侯惇が剣を掴んだまま地面にたたきつけられる。
ッドーン!
「んな! なんだ今のは!?」
これは合気道を武器に合わせて使ってみたのだが、まだ集中しないと自然に出来ないし、今は一対一が限界っぽい。
投げたほうを見やるとどうやって投げられたのかわからずビックリしながらも起きあがる夏侯惇の姿がある。あれを受けてビックリしただけで平気な顔をしてるとか、相変わらずバケモノですか……。
まぁビックリして注意力散漫になっているのはかなり大きな隙なので有効活用させてもらう。状況が理解できずにいる夏侯惇の顎にこれ以上ないほどすばやく蹴りを入れる。
「へ? な、なんだ! 何をした! 地面がぐらぐらするぞ。っくぅ、これは妖術か! 華琳様大丈夫ですか!」
これでも倒れないのか、どれだけタフなんだ……。というかそうなってまで曹操を心配する忠誠心には天晴れだ。
なにはともあれ最後の一押しとばかりに夏侯惇の背後に滑り込み首に手刀を叩き込んで終わりにする。
「おおお、おのれ……」
悔しそうに倒れる夏候惇を見過ごさずに受け止め、その場でゆっくり寝かせてやる。本意ではないとはいえ倒してしまった。これはもういよいよ後がない。
「なにをやったのかはわからないけれど、あなたを是が非でも手に入れたくなったわ」
予想通り曹操に火がついていた……さすがは有能な人材は平民であっても登用するやつである、その考えは素晴らしいが今は感心するより泣きたい気分だ。
打開策を探すべく周りがどうなっているか見渡すが新しくわかった事と言えば、いつの間にか俺を囲っている兵が増えているだけだった。、本当に泣いていいですか?
「曹操殿、すまないけど私にはやることがある。誘いを受けるのもやぶさかではないが今は無理だ」
「あら? そうなの、ならいいわ。さっさと行ってその用事とやらを終わらせてきなさい」
「へ?」
「何を意外そうな顔をしているのかしら、あなたほどの者を手に入れられるのならこちらとしても待つのはやぶさかではないわ」
その者の本質を見、相手によって対応の仕方を変えてくる。これが曹孟徳か……本当に恐ろしいな。あんなことをいいつつ包囲を解かないのも恐ろしい。
「ならこの包囲を解いてくれると助かるんだが」
「あなたが用事を終えたら私の元へ来ると誓うのなら許しましょう」
「さすが曹操殿、抜かりなさすぎ……」
「あら? これぐらい当たり前でしょう」
そういって微笑む、しかし曹操の目は笑っていない、その瞳はさながら獲物を仕留める前のライオンと言ったところだろうか、ホント怖すぎて洒落にならない。
「ならこちらも条件をだしていいか?」
「結果的に私の元に来ないような条件以外なら飲みましょう」
別にそんなことを言うつもりではなかったが、やっぱりそうですよね。まぁ今はそれが目的じゃないからいいんだが。
「一刀を貸してくれ」
なぜ一刀をと思うかもしれないがそこはほら……主人公補正がどうにかして董卓を助けてくれるんじゃないかと軽い考えだったりする。もしピンチになれば天の御使いとか役に立ちそうだし。
「いいわ」
「即答だな」
「一刀が抜けてもこちら側はそこまで痛手になりはしないもの、それどころかあなたと共に成長してきてくれるとわかっているのにこちらに留めておく必要があるのかしら?」
一部の隙もない意見をありがとうございます。ほんと完敗です……。
「わかった交渉成立だな、とりあえず準備するから兵をどけてくれ」
「そうね」
曹操が視線を向けるとすぐに散っていく兵たち。なにそれ? アイコンタクト? 無駄にカッコイイんだが
今度飛影とやってみようと思っていたら、兵達と一緒にどこかに行くかと思っていた曹操が話しかけてきた。正直曹操って心許してくれるまでかなり怖いから嫌なんだけどな。
「すまないけれどあなたの口から今回の戦闘のことを聞きたいのだけれど大丈夫かしら?」
「んー、俺はうろ覚えだし。途中で倒れたからな……他の人に聞いたほうがいいぞ」
「あなたほどの人が?」
意外だったのか少し考えるそぶりをした後俺の真意を探ろうとまっすぐ見つめてくる曹操。俺をあまり過大評価しないでくれという心の叫びは聞き届けられないだろうな。
「今回指示を飛ばしていたのは夏侯淵だからそっちに聞くといいと思うが」
「そう、ならそうするわ」
曹操はそういうと俺に興味を失ったのか、夏侯淵がいる方へと去っていった。
今考えてみれば曹操に降ったんだよな。んー、まあ目的さえ達成できればいいか、とりあえず董卓だ! それが終わってから後のことは考えよう。
とりあえず今はこれからのことを話すために気絶している一刀を背負って綾とかごめを探しに行くことにした時雨であった。
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■後書き■
結構ギリギリの更新時間。編集して投稿だけでも1日1話って結構厳しいな…。
そのうち後書きに無駄に思いついたネタを掲載しようかと思います。
にじファンで載せてたネタもそのままこっちに書くので、暇つぶし程度に読んで頂ければ幸いです。
何時書くかは未定ですが
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