真・恋姫†無双 野球伝 プロローグ
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和焼side

 

俺の名前は砲流 和焼(ほうりゅう かずあき )

聖フランチェスカ学園の2年生で、野球部に所属している。エースで4番を任されていて、実力は野球雑誌に来年のドラフト上位指名候補として載るレベルだ

 

身長は今年の身体測定で185cm、体にも恵まれ今はプロ野球選手目指して邁進中だったりした

 

 

そう目指していたはずなんだ、あの時までは…………

 

 

 

 

 

 

 

「ここは…… どこだ?」

 

俺はさっきまで部活動も終わって部室で帰ろうとしていたはず。なのにどうしてこんな見たことも無い部屋にいるんだ?

 

…… 夢か?

 

試合後で疲れていたはずなのに疲労感が全くないし、今日着てなかったはずの公式戦のユニフォームになっている。今日は練習試合だったし急に倒れて変な夢を見るほど疲れなかったと思うんだが

 

 

「夢じゃないですよー」

 

・・・・・・目の前にいきなり見たことも無い女の人現れた

 

 

「うわっ!誰だあんた!?」

 

「私は外史の管理を任されているものです。和焼さん、先ほど鏡を壊しましたね?」

 

「鏡?」

 

そんなことあっただろうか。というかなぜ俺の名前を知っている

 

「確かに踏んで壊していますよ。部活が終わったあたりからちょっと思い出してみてください」

 

 

今日は部活が終わってストレッチして、道具を自分のバックにしまった。その後に練習着がだいぶ汚れていたからそのまま帰るのが嫌でしかたなく着替えた

 

ここまでは特に思い当たることはない

 

そのあと今日は早々に帰ろうと思って、携帯にメールが来てないか確認つつ部室を出ようとした。そういえばその時に下に何か落ちていたみたいだったが全く気がつかなくて踏んだ気が・・・

 

 

 

「確かに何か踏んだかもしれない」

 

「ですよね。その時に踏みつけたのが鏡で、それを壊したことで和焼さんは外史への扉を開くことになりました」

 

話が飛躍した

 

「いや、意味が分からないんだが。そもそもなぜ鏡を壊しただけでこんなことになってるんだ?」

 

あと夢ならそろそろ覚めてもらって構わない。自分で言うのもなんだが冷静に会話を続けている自分が信じられない状態だし

 

「ですから夢じゃありませんよ。

和焼さんが踏みつけた鏡は普通の鏡では無く、外史と元の世界を繋ぐ特別な力があるものです。それを壊すことができた人は繋ぐ力に引き込まれてもれなく外史に連れていかれるようになっています」

 

 

あまりの展開に頭が痛くなってきた

 

「外史という言葉が何かも気になるけど、夢じゃない証明を先にしてほしいな」

 

現状の状態は不思議な夢といった感じだ。いっそ夢と言ってくれた方が助かる

 

「そうですね… ではこれを見てくだい」

 

 

示した先に映像が映る

映し出されたのはさっき出ようとしたはずの部室。確かに昔から部室にあって決して壊れない謎の伝統のある鏡が割れている。あとチームメイトが急にいなくなった俺を探しているみたいだ

 

「……………………」

 

「これでは物足りませんか?あとはお約束ですけど頬をつねるとかありますが」

 

言われて頬をつねってみる

 

「痛いな」

 

「これで認めてもらえませんか?」

 

 

「…… とりあえず話をここで停滞させるのもなんだからそういうことにしておく」

 

夢だ夢じゃない論争で終わる夢とかなんか悲しいし、万が一この人が言うことが本当ならこの論争自体がが無駄ということになる。試しに話を進めてみたい

 

 

 

「そうしてもらえるとこちらも助かります。

あとさっき名前を知っているのを疑問に思っていたみたいですが、私が外史の管理者だから知っていて当たり前なんです。この部屋は私の私による空間、どんなことでも自由自在ですから」

 

 

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話を進めてみたらまた話が飛躍した

 

 

「…… 外史って何?あと管理者って?」

 

「簡単に言うと異世界です。発想した者勝ちのIFルートといったところでしょうか。管理者というのは読んで字のごとく外史を管理する人のことです」

 

「簡単に言われてもわからないんだけど」

 

「異世界とそれを管理する人とだけ思ってもらえたら充分です」

 

「なんか詳しく聞いたら今以上に混乱しそうな話だな」

 

「よくおわかりですね。聞きますか?」

 

 

「そこはとりあえずいいや。鏡についてだけど壊すことができた人って言ってたよな?普通の人には壊せないようにできているのか?」

 

どんな能力が備わっていても所詮鏡だと思うのだが

 

「鋭いですね、その通りです。

何の力も持たない人がその鏡を踏もうと投げようと石をぶつけようと壊れることはありません。壊せる人は何かしら外史に影響を与えることができる人だけです。

証拠に和焼さんのいた野球部でもあの鏡は決して壊れない鏡として評判だったはずですよ」

 

確かにあの鏡は野球部に伝わる不思議の一つだ。偶然硬球をぶつかった時も壊れなかったと先輩に聞いたし、部室で遊んでいた時に棚から落としてしまった時も壊れなかった。

 

 

「つまり俺は何かしらその外史というのに影響を与える力を持っているということか。それで鏡を壊すという起動スイッチを押してしまってここにいる」

 

 

「そうですね」

 

 

「まあなんとなくわかってきた。わかりたくないけど。

それでここが外史ってことでいいのか?」

 

「いえ、ここは元の世界と外史を繋ぐ境界線上です。鏡を壊して突端を開いた和焼さんにはこれから外史に行ってもらうことになります」

 

そりゃそうだよな、私の私による空間とも言っていたし。ここが外史だとしたら俺にできることなんて今目の前にいる人と会話するくらいしかない

 

 

「残念ながら俺はプロ野球選手になるという夢があるから外史という異世界に行く余裕はないんだ。元の世界に返してくれ」

 

「無理ですよ。もう外史への扉は開いています。残念ですがその目標は諦めてください」

 

 

 

 

「・・・ やっぱりこれは夢だ」

 

そうじゃなきゃ俺がプロ野球選手になるという夢を諦めなきゃならないような展開になるわけがない。そもそもあまり触れなかったが異世界ってなんだ、そんなの空想だけで十分だ

 

 

さてどうやって夢からさめればいいのだろうか。お約束だがまた寝ればいいのか?

 

 

「ですから夢じゃありません。現実を受け止めたくないのはわかりますが横にならないでください。話が進まないです」

 

 

眼が覚めたらこんな夢忘れてまた野球に明け暮れるんだ。世迷い言につきあっている暇は無い

 

 

「本当に困りますから寝ないでください。そんなことされると願い事一つだけかなえてくれるなら特典使えませんよ?」

 

願い事? 特典?

 

「お、ちょっと興味わきましたか? 私たちの管理者ルールとして外史に人を送るときはその人の願いを一つかなえるというルールがあるんですよ」

 

「どんな願いでも?」

 

「はい、たいていの願いなら。ですからこっちを向いてください」

 

…… しかたないな。まあ人と話しているのに自分だけ寝ると言うのも行儀が悪いし元の体勢に戻る

 

 

「だいたいどんな願いでもかなえますよ。例えば体力を無限にしたり、知能を無限にしたり、ゲームに存在する武器を取り寄せたり」

 

 

どんな願いでもね…… それなら!

 

「現実世界に帰りたい」

 

「却下です。他は?」

 

どんな願いでもかなえていないじゃないか!

 

「それなら、次元船が欲しい」

 

「面白いですが、却下です。元の世界に戻るために使う意図が見え見えですから。

他には?あと元の世界に戻ることは諦めてください。」

 

「なら・・・・・・」

 

 

 

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「いい加減にしてください!もう外史に行くまで時間無いですよ!」

 

「そんなこと言ったって俺は元の世界に帰りたいんだよ!」

 

こっちはこっちで必死なんだ!

 

「もう知力マックスとかで妥協してください。それで外史に行ってから考えればいいでしょ!」

 

「知力マックスで異世界に行って帰り方は無いなんて結論が出たら嫌だから断る!」

 

 

『残り30秒です』

 

 

「ほらもう残り30秒です。本当なら他のことも色々話そうと思っていたのに何も話できてないじゃないですか!」

 

「俺は悪くない!そもそもいきなり巻き込まれた被害者だ!!そもそも時間制限があるなんて聞いていない!!!」

 

「普通はこんな放送流れる前に全て終わるから話す必要が無いんです!

……時間的にもラストチャンスですが一応聞きます。願い事はなんですか?ちなみにこれできまらなかったらあとは外史に送る前にランダムで決まりますよ」

 

ランダム?

 

「ちなみにランダムで決められたものって俺はわかるのか?」

 

「わからないです。過去にあった酷いのだと『あと15秒です。』ほら時間が無いです。早く決めてください。」

 

「そんなこと言われても……」

 

 

 

悩んだような格好は取るが、実は欲しい物ならあったりする。

話は遡るが、小学生だったころにたまたま夜中に目が覚めてテレビをつけた時があった。そのアニメでは女の子が魔法を使って熱い戦いを繰り広げていて、そのかっこよさに一目ぼれした俺は親に頼んでDVDをレンタルしてもらって全話しっかり見た。俺はオタクのたぐいではないがそれでも野球と同じくらい引きつけられる魅力がその作品にはあった。

 

実は今まで希望してきたものにもその数少ない俺が見たアニメに関する物が結構あったりしたんだけど、次元干渉をするものばかりだから全部却下された。けど最後のチャンスなら…………

 

 

『残り1秒』

 

 

「レイジングハート!!!」

 

 

『ゼロ』

 

 

 

急に地面が無くなった。重力はしっかりあるらしく体が下に落ちていく。

 

 

 

これからどうなるんだろう

 

 

やっぱり夢だったらいいな

 

 

なんて考えている内に意識が遠くなっていった

 

 

 

 

 

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外史の管理人side

 

 

『残り1秒』

 

「レイジングハート!!!」

 

そう叫んだ直後にボッシュートのごとく和焼さんが落ちていく。あとは外史に一直線です

 

「ちゃんとしたものがあるんじゃないですか」

 

 

たいてい外史への扉を開いた人間は、意識を失った状態で来て眼が覚めないまま願い事がランダム決定される

そもそも意識を保ったままここに来ることが珍しいことです

 

「それにしてもここまで粘った人は初めてでした。」

 

一応ここにいる間に眼を覚ます人や意識を保ったまま来る人もいないわけではない。

それでもたいてい願いごとひとつだけかなえられるなら特典の話をすることで会話を進めていた。けど和焼さんは

 

「現実世界に帰りたい」

「次元船が欲しい」

 

 

ひたすら元の世界に帰ろうとするための願いばかりを言っていました。よほど野球が好きでプロ野球選手になりたかったのでしょう。さすがに少し悪いことをした気持ちになります

 

 

「それにしてもレイジングハートですか。

魔力資質が無くちゃ意味が無いのにそこをわかって…るわけないですよね」

 

ただレイジングハートがあっても魔力が無ければアクセサリーです。本当はそういうことも説明をしてそれでも構わないかを聞いたりします。そこで聞かれた人は違うものを望むのがお約束ですが、和焼さんは願いを言った直後にボッシュートされてしまってそんな余裕ありませんでした

このままじゃかわいそうですし、あれだけ帰りたいと言っていた願いの中で唯一のまともなもの

できればかなえてあげたい

 

 

 

「今回だけ特別サービスです。執念の差で私が負けたことにしましょう」

 

どうせあとで怒られるのは私です。それに私が気に入りました。和焼さんがあの世界でどういう風に過ごすかも気になります。

この外史の物語は退屈しないものになりそうです

 

 

ディスプレイが目の前に表示される

 

『すでに願い事は1つかなえています。その上で和焼のステータスに魔力資質を追加しますがよろしいですか?』

 

「承認」

 

 

これで外史の世界に行った後はレイジングハートとも会話ができますし、鍛錬次第では魔法もある程度使えるようになります。

けどそれは和焼さんの努力次第、あとは野となれ山となれ

 

 

 

 

 

 

 

さあ物語を始めましょう

 

 

 

「和焼さん、これから大変ですが頑張ってください。」

 

 

説明
プロ野球を目指して来年のドラフト上位指名が確実と言われていたいた高校生が真・恋姫†無双の世界におくられてしまたった話。
外史に送られる前に願い事ひとつだけかなえられるならと聞かれて昔の思い出でレイジングハートを希望
武力と知力のチートは無い。それでも人並み以上の運動神経とセンスをもつ。
レイハさんのついででもらえた魔力資質を、己の力を活かしてこの時代を切り抜けていけるのか!




リメイク中ですが一応初投稿作品です。やさしく見守ってくれたら非常にうれしいです。若干蜀ファンにやさしくない展開になるかもしれませんのであしからず
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コメント
なのはに関してはそこまで極端に色を出していく予定は無いので安心してください。ただわからない用語が出てきたらwikiなりで確認してもらえると助かります。楽しみと言ってもらえた期待にこたえられるように頑張っていきます(タナヨシ)
にじファンから着きました。初めまして、デーモン赤ペンです。なのは、よく知らないんだ・・・笑えよ・・・ハハハッ、はぁ。恋姫の世界で野球を広めるなんてなかなか思い切った題材ですよね。これからどうなるか楽しみです。(デーモン赤ペン)
前提としてこの作品は野球だけで乗り切るような作品にする予定では無いです。レイハさんに関しても主人公のパートナーとして物語の根幹部分として関わっているので変更することはないです(タナヨシ)
レイジングハートいらない。野球の腕で外史潜り抜けないと言ってるようなもの。というか男がレイハさん使うな。(hisuin)
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