ONE PIECE ?黒髪少年の描く世界? 第十六話 『ユートピア』
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「てめぇ…なんで生きてやがる…」

クロコダイルがスゴい形相で睨んでくる。おお、こえーこえー。

 

椅子から降りて後ろで腕を組む。

「俺。一応能力者なんで。」

手のひらの上で葉っぱを舞わせてみせる。

 

 

「クサクサの実って奴食っちまったみてぇで」

「でも葉っぱでも干涸びるのではなくて?」

ミス・ダブルフィンガーが言う。

 

「干涸びた葉っぱも一般的に『枯れ葉』と言うしなー。“葉”がつくなら何でもありなんじゃねーの?」

うーん。我ながら強引。でも平気なものは平気なのだ。

 

「俺もこの実食ってから日が浅いもんでよくわかんねーんだよ。」

どこからかスケッチブックを取り出してその場の人達を描く。やっぱ海に出てよかったわー。こんな個性的な顔してる人倭の国にはいなかったもんなー。

 

 

 

 

俺がスケッチしてる間にも話は進んでいて、どうやらクロコダイルの最終目的はアラバスタ王国を我がものにして、軍事国家を設立する事。作戦名『ユートピア』。決行は明朝7時。こんな内ようだった。大雑把にまとめると、な。そしてそれぞれに指令状が配られた。俺の分は勿論なく、聞いてみるとミス・オールサンデーの手伝いをしていろとのことで。まあ下っ端だしあたりまえか。ボスのペアと行動できるだけでスゴい事なのかもしれない。

 

 

その後Mr.3という男が出てきてなにやらクロコダイルと言い合っているのだがよく意味が分からない。聞いててわかったのはMr.3はルフィやビビの暗殺を命じられていたのだがそれに失敗し、Mr.2に消されかけた。そのころクロコダイルのもとには電伝虫でルフィ達を始末したという報告が入っていた。ってことか?なんか複雑だなー。頭が爆発しそうだ。っていうかニセ報告したの誰だよ。

 

それがサンジだという事は俺が知る余地もない。

 

 

「ゼロちゃん、さっきから言って殺し損ねた奴らってどんな?してんの?」

Mr.2質問する。なんだ普通の事も言えるんじゃん。

クロコダイルは今までで集めた写真や絵を出した。ルフィ、ゾロ、ナミとビビだ。この絵上手いなー。まあ俺の方が上手いけど。

 

「あちし、こいつらなら来る途中会ったわよぅ!?」

「何!?」

あー。気づいちゃった。まあ気づかなかったらそれはそれで問題だと思うけど…。

「こいつに、こいつに、こいつに、こいつに、こいつでしょう!?」

ルフィ、ゾロ、ナミ、ウソップ、チョッパーの顔を出して言う。あちゃー。結構面割れてんな。っていうかこの状況俺ヤバいかも?ってことで先手を打つ。

 

 

「あいつら敵だったって事かよ!?えれー奴らに拾われたもんだ」

いけしゃーしゃーとよく言うよ俺。

「…そうだ。俺の正体を知ってる。そのうち作戦のじゃまになる。Mr.2、さっきのメモリーを写真におさめろ」

「しかしボス!!あの一味とビビは今度こそ私が必ず!」

「黙れマヌケ野郎!!」

クロコダイルがMr.3の首を掴んで持ち上げる。あ、あれ結構苦しいんだよねー。

 

 

最早人事のようにつぶやく。その後皆の予想通りカラッカラにされてしまったMr.3は床下に落とされ、なんか頭にバナナみたいなのが乗ってるわにに食われてしまった。ていうか頭になんでバナナ?あれ食べられないのかな。

Mr.3を食べたバナナワニは満足そうにまた水槽の方へ戻っていく。

 

 

その後のクロコダイルの説明によると今回の反乱軍のリーダーのコーザはビビの幼なじみらしく、バロックワークスとしては二人が会って反乱軍に迷いが生まれるのは困るということだ。そのためビビや事情を知ってる麦わら一味は抹殺しなくてはいけない。

 

 

 

「さぁお前らも早く仕事に行け」

「お任せを、ボス」

 

 

 

これやばくない?あいつらどんだけヤバい事に首突っ込んでんだか。まあ首突っ込んでんのは俺もおんなじだけど。

 

 

 

「楽しんできたまえ」

 

作戦名『ユートピア』というパーティーに向けての準備が始まる。

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