IS インフィニット・ストラトス 〜転入生は女嫌い!?〜 第十九話 〜クロウの真価〜 |
〜グラウンド〜
クロウ達がグラウンドに着くと、もうすでにクラスメイトが列を作り、待機していた。
「遅い!早く並べ」
千冬が一喝すると、その声に従い三人は列の最後尾に並び、千冬が授業を始める。
「よし、全員そろったな。今日は一組と二組の合同実習となる。まずは模擬戦をしてもらう。鳳、オルコット!前に出ろ」
名前を呼ばれる二人だが、やる気がでないようでと愚痴をこぼす。
「はあ〜。こういうのって何かかったるいのよね」
「このような見世物の様な事は気分がいいものではありませんわね」
「お前ら・・・。しょうがない」
千冬が一人つぶやき、そばまで歩くと、二人の耳元で何かつぶやいた。すると二人がみるみるうちにテンションが上がっていき、
「ここはイギリス代表候補生である私の出番ですわね!!」
「実力を見せるいいチャンスね、専用機持ちの!!」
あっという間に先程のやる気の無さはどこへ行ったのやら、やる気十分な二人の女子生徒がいた。
「(千冬のやつ、二人に何を吹き込んだんだ?)」
「それで、模擬戦の相手はどなたです?私としては、鈴さんでも構いませんよ?」
「あら、言ってくれるじゃない。返り討ちにしてあげようか?」
「慌てるな、馬鹿ども。相手は・・」
その時、上空から、何かが落下してくる音と共に、人間の悲鳴が。
「どいてくださ〜い!!」
「(ん?何だ!?)」
「うわわわあああああ!?!?」
ズドオオオオオン!!
次の瞬間、一夏の立っていた場所に正体不明の物体が落下してきた。煙が晴れたところで、一夏がいたところをよく見ると、ISに身を包んだ、山田 麻耶の姿があった。
「(何だ、山田かよ)・・・って一夏、何してんだ?」
「え?・・・う、うわっ!!」
一夏はISを展開したようで傷はないが、その手は麻耶の胸にしっかりと添えられている。しかも慌てているのか手は添えられたまま驚く一夏。
「(はあ、まったく・・・)とりあえず一夏、その手を離してから立ち上がれ」
「い〜ち〜かぁ〜」
クロウが声のした方向を見ると、そこにはISを展開し、手に“双天牙月”を持ち、二つを連結させている鈴の姿が。
「死ねっ!!」
すると鈴が連結させた双天牙月を一気に投げた。双天牙月は高速で一夏に向かって行く。
「うわわわわ!!!」
かろうじて避ける一夏。しかし連結状態の双天牙月はブーメランの様に戻ってくる。
「(マズイっ!シャレにならん!!)避けろ、一夏!!」
「えっ?」
「はっ!」
ガシャン!
銃声が二発、聞こえたかと思うと、双天牙月は撃ち落とされていた。銃声の主を見ると、そこにはアサルトライフルを展開している山田 麻耶の姿が。いつものふわふわした雰囲気は全く無かった。
「ああ、言い忘れていたが、山田先生は元代表候補生でな。あれくらいの事は朝飯前と言うわけだ。さて小娘ども、やってもらおうか」
「え?で、でも二人がかりではいささか公平さにかけるのでは?」
「心配いらん。今のお前らではすぐに負ける」
「「・・・」」
〜三分後〜
「(山田の奴、意外とやるな・・・)」
グラウンドには、麻耶に見事に撃ち落とされた鈴とセシリアが喧嘩していた。二対一の利点である連携を全く活かせず、あっさりやられてしまったのだった。
「大体あんた、回避先読まれすぎなのよ!!」
「そういう鈴さんこそ、衝撃砲を無駄に打ちすぎですわ!!」
二人の喧嘩は全く衰える気配はなく、千冬は二人を無視して、続ける。
「さて、これで我々教員の実力はわかったと思うが、先程の戦いはあっさり過ぎて例にもならんからな。そうだな・・・ブルースト、前に出ろ!」
「(俺かよ!)・・・なんでしょう?」
「お前、山田先生と模擬戦をやれ」
いきなり言われて、クロウは千冬に食ってかかる。クロウとしては、こんな所で目立つのはごめん被りたい所だったからだ。
「何で俺がやるんです?もう二人がやってくれたじゃないですか」
「あの二人では全く参考にならん。だからお前がやれ」
強制力のある声で千冬が強引に決定する。そこまで言うと、千冬は小声で、
「(念を押しておくが、スフィアとやらは使うなよ。絶対に使うな)」
「(・・・しょうがないか)さて、じゃあやりましょうか」
「は、はい。お手柔らかにお願いします」
麻耶も再び戦闘体勢をとる。
「行こうぜ、ブラスタ!!」
その言葉と共に、クロウが光に包まれる。次の瞬間、クロウはブラスタに身を包んでいた。
「それでは・・・始め!!」
「行かせてもらいます!!」
二人が上空に上がった後、まずは小手調べとでも言うように、グレネードを発射してくる麻耶。
「甘いぜ!!」
クロウはそれを、EAGLEの通常弾頭で迎撃し、二人の間に爆炎が爆ぜる。その後二人は何度か打ち合いをしつつ、相手の出方を伺っていた。
〜数分後・地上〜
上空では麻耶とクロウの戦いが続いていた。地上の生徒達にはレベルが高すぎるようで、全員口を開けたまま、見ることしか出来ない状態だった。
「・・・しっかし今更だけど凄い動きね、クロウは。山田先生の方は一杯一杯って感じだけど、あいつの方はまだまだ余力を残してるって感じだし」
「それよりもクロウの動き、何かすごくないか?」
「ええ、一切の無駄のない動き。それに私と始めて戦った頃より段違いに、動きが良くなっていますわ・・・」
「いつのまにあそこまでの技術を・・・」
対戦を見ていた四人から感嘆の声があがる。それもそのはず、簡単に言えばクロウはISに慣れたのだ。今までは機動兵器から、ISに変わってしまったせいでいまいち上手く感覚がつかめなかった。しかし、セシリアとの対戦、謎の無人ISとの激闘、日々の特訓等を経て、クロウはISというものに、慣れた。そうなれば前の世界での経験が全て活かせる。動きがいきなり上達した様に見えるのも至極当然の結果、と言うわけだった。元代表候補生であろうとも、数々の死線をくぐり抜け、百戦錬磨のクロウに勝てる道理などひとつも無いのである。その中でシャルルは静かにクロウの動きを真剣な眼差しで見ていた。
「・・・」
〜上空・麻耶side〜
「くっ!」
至近距離で、グレネードによる爆発が起こる。ブルーストさんが撃ってきた物だ。さっきから私は劣勢に追い込まれていた。はじめの方こそ対等に戦えていたが、時間が経つにつれ彼の動きは洗練されたものとなり、今は私なんかではついていけないレベルになっていた。
「(どこかで一旦体勢を立て直さないと!)」
先程から続いている弾幕の嵐。ここから抜け出さない事には体勢を立て直すことも出来はしない。
「(おそらくこの行動パターンは、オルコットさんの時に使ったもの、つまり次は突撃してくるはず。そこにカウンターで攻撃を撃ち込めば!)」
そのうちに爆炎が晴れ、私は片手にアサルトカノンを準備して、カウンターの準備をしました。しかし次にブルーストさんが取った行動は私の考えとは大きく異なっていました。
「狙い打つぜ、俺も!」
そう、ブルーストさんは突撃せずに、遠距離からの狙撃で蹴りを付けようとしていました。私は慌てて回避行動に入ったのですが、少し遅かったみたいです。
「ワン・ショット・キル、そこだ!」
その言葉とともに、一発の銃弾が私の胸元へ撃ち込まれ((S・E|シールド・エネルギー))がゼロになりました。
「負けちゃいましたか・・・」
〜クロウside〜
「終わったか・・・」
山田はゆっくりと地上に降下していく。最後のモーションを狙撃に変えたのは完全な思いつきだった。麻耶は一度、((ACP|アサルトコンバットパターンファイズ))を見ているので最後の突撃は読み切られるだろうと思い、狙撃に切り替えたのだった。
≪クロウ、もういいぞ。降りてこい≫
と千冬から通信が入って来たので、大人しく従う。
〜地上〜
「さて、次は実際にISを動かしてもらう。専用機持ちは織斑、オルコット、鳳、デュノア、ボーデヴィッヒ、ブルーストの六人なので、それぞれ六つの班に別れて始めろ」
こうして、午前の授業は進んでいった・・
〜昼休み・屋上〜
「・・・何でこうなる」
「何か言ったか、箒?」
「はぁ・・・(箒も大変だな)」
クロウ達は、屋上で昼食をとっていた。そこには何故か箒と一夏の他に、クロウ、セシリア、鈴、シャルルの姿がある。事の始まりは一夏の一言からだった・・・。
〜五分前〜
昼休みに入り、一夏が提案してきた。
「なあみんな、昼飯は屋上で食べないか?」
「ん?何かあったのか?」
「ああ、箒に屋上で食べようって誘われたんだ。でも俺と箒だけじゃ寂しいし、人数は沢山いたほうがいいだろ?」
「は!?それは・・・(違う、違うぞ一夏!いい加減言葉の意味を理解しろ!!)」
クロウが問題点を指摘しようと、口を開きかけた。その前に、
「はいはい!あたし一緒に行く!!」
鈴が勢い良く、同行の意思を見せた。
「お前・・(鈴は分かってて言ってやがるな)」
「(箒だけ抜け駆けなんて許さないんだから!!)」
「あの、じゃあ僕も一緒に行っていいかな?」
シャルルが控えめに質問口調で尋ねると、
「おう、もちろんだぜ!」
「・・・(シャルルは転校してきたばかりだから事情がわからないか・・)」
と思い、クロウはシャルルを非難するのはやめた。一夏は善意で言ってようで、クロウとセシリアにも聞いてくる。
「クロウとセシリアはどうする?」
「・・仕方ない。俺も行くぜ」
「わ、私はクロウさんが行くと言うなら・・」
「よし、決まりだな!全員で行こうぜ!」
と言うと一夏が先に歩き出す。クロウは心の中で静かに謝っていた。
「(すまん、箒・・・)」
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第十九話です。 | ||
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