ONE PIECE ?黒髪少年の描く世界? 第十七話 到着 |
みんな各々の仕事に向かった。その場に残ったのは俺とクロコダイル、そしてミス・オールサンデー。なんかすんごい気まずいんだけど。この状況ヤだ。
「お、俺向こうの電伝虫から何か連絡来ないか見張ってまーす」
クロコダイルは何も返さなかったが返さないという事は勝手にしろという事なのだろう。勝手にさせてもらおう。
うし!これでこの沈黙から逃れられる!
「私も行くわ」
なんで!来なくていいよ!!また気まずくなっちゃうし!!
でもそんな事言える訳もなく二人で電伝虫の沢山ある部屋に向かう。その名を『電伝ルーム』!俺がテキトーにつけただけなんだけどね。名前があった方がいいじゃん?なんでこんなに電伝虫があるかというとそれぞれ専用のものがあるのだそうだ。よく見るとそれぞれの電伝虫の殻に『ビリオンズ』とか『海軍』とか書いてある。こりゃわかりやすい。
ところで。
「明日の作戦が始まるまで俺は何をすればいいんすかね?」
電伝ルームに来たのはあの沈黙から逃れたかっただけで特に意味はないのだ。
「ふふっ。ということはここに来たのはボスから逃れたかったのね」
ミス・オールサンデーが少し笑って言う。確かにそうとも言う。
「じゃあ散歩でも楽しんできたら?」
え。
「それ大丈夫なんすか?」
「別に平気よ。私の手伝いなんて特にないわ」
確かになさそう。
「それよりその敬語。いらないわ。あなたが敬語って変な感じよ」
「?どこかで会ったか?」
「さっきボスに思いっきり暴言を吐いていたわ」
ははは…そうだった。
「んじゃ遠慮なく」
部屋を出ようとドアへ向かう。
あ。
「一緒にいかね?」
ミス・オールサンデーはぽかんとしてこっちを見る。
「だって仕事ばっかじゃ老けるのが早まるぜ?」
ニヤッと笑って言う。するとミス・オールサンデーもやんわり笑う。
「ええ。そうするわ」
「それにしてもアラバスタは熱いなー。」
ほんと干涸びそう。雨が少ないらしく乾燥してるからなおさらだ。
「そうね。あそこのカフェで休みましょうか」
ミス・オールサンデーが道のすみにある店を指差して言う。
店にのドアを開けるとサァッと冷気が漏れてきて涼しさに感謝した。恐らく天井の上にどでかい氷でもあるのだろう。まえ何かで見た事がある。
「なあ何であんたはこの会社に入ったんだ?」
頼んだリンゴジュースを飲みながら聞く。ジュースはやっぱリンゴに限ると思う。まあ人それぞれだが。
ミス・オールサンデーは紅茶を飲んで微笑む。
「さあ。勧誘されたからよ。あのときの私には雇い主が必要だった」
んー。よく意味が分からん。
「ふーん」
「あなたは?」
「ん?」
「あなたは何故?私は言ったわ」
意味分かんなかったけどな。
「勧誘されたから。じゃだめか?」
にやっと笑って言う。
互いに探られないように攻防の繰り返しの会話だった。
ジリジリジリ、ジリジリジリ
何か鳴っている。電伝虫はプルプルプルだった気がするし何の音だ?
「もしもし」
って電伝虫かよ!ちっさいけど!変な鳴き声!!
「わかったわ。ご苦労様」
受話器を元に戻す。
「へ、変な鳴き声だな」
「そう?普通じゃない?」
フツーなのか。オレが変なのか。
「それより仕事よ」
「麦わら一味が到着したわ」
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