IS『に』転生ってふざけんな! 第15話 |
背中の翼から、高密度エネルギー弾の雨を一夏と白式に浴びせた。
しかし、一夏はそれを左手の新武装・雪羅をシールドモードに変形させ、零落白夜の盾でそれを防いだ。
原作、アニメ共に微妙だと思っていた零落白夜が、今になってとても強く感じる。
だがその弱点はどこまで行っても『エネルギー消費量』。出力の調整が完全に施されていない今の白式ならば、遠くから適当に撃っていれば勝手に自滅してくれる。
――――だが、そう簡単にはやらせてくれないのが現実だ。
一夏は雪羅でエネルギー弾を防御しながら、雪片弐型で斬りかかりに来る。
その光刃に絶対触れてはならない俺は、弾幕を張りながら最高速で逃げ惑う。
―――――グンッ!
一夏の姿が、突如として俺の真正面に現れた。
(二段階(ダブル・)瞬時加速(イグニッション)か………ッ!?)
出力の関係で、零落白夜とこれの同時使用はエネルギーの消費が激しくなる。だが、コイツは一発当てればそれでいいのだ。
大鑑巨砲主義、一撃必殺、一発逆転、ギャンブル……そんな単語がピッタリな能力(アビリティ)。それこそが【零落白夜】なのだ。
食らうわけにはいかない。だが、今からでは回避が間に合わない。
(それなら―――――!)
俺は右手に握っていたガラティーンを振い、白式の右手首の装甲を斬った。
白式の絶対防御が発動するのと並行して、雪片弐型の光刃は俺の頭上を通った。つまり、敵の攻撃の軌道変更。ISのスペックを限界まで引き出している俺だからこそ、このように無理矢理な技が可能なのだ。
ドドドォォンッ――――バキャァ!
超至近距離からのエネルギー弾攻撃。さらに宙返りしながらの蹴りを浴びせ、怯んだすきに弾幕を張りつつ距離を取る。
これで奴のシールドエネルギーを、相当量削ったはずだ。
零落白夜はもう多用できない。普通の代表候補生と比べても技術の低い一夏に、広域殲滅型の福音を墜とすことは不可能なはずだ――――――!
ダメ押しのつもりで《銀の鐘(シルバー・ベル)》を発動。これで海中で回復しているであろう他の面子も完全に黙らせる事ができる。
『確実に勝った』。俺はそう思った。
……その矢先の事だ。
「はあぁぁぁっ!!!」
肉薄する紅い影。その正体は言うまでもなく、あの天災兎の実妹・篠ノ之箒だった。
(こいつ………何回墜とせば諦める――――ッ!!?)
動けないモーション中を狙った、連続での瞬時加速による超高速攻撃。両手に携えた2本の刀が、俺の両肩の装甲を正確に捉えていた。
(ぐ、うぅ……舐めるなァァァァ!!!)
伝わってくる痛みを必死に耐えながら、箒の顔面を左手で鷲掴みする。
握りつぶすほどの握力で掴みつつ、ガラティーンを振りかざす。
「やめろぉぉっ!!!」
バシュウゥゥ――――ドゴォォ!
背中に電撃が走る。その正体は、雪羅・カノンモードによる背後からの狙撃だった。
(織斑……一夏………ッ!!)
野郎、まだ荷電粒子砲を撃てるだけのエネルギーを残していたのか……!
この時、俺は箒の頭を掴んでいた手を放してしまった事に気づいた。
箒はもう俺から距離を取り、一夏の横に並んでいる。そして、紅椿の装甲が金色に光り出した。
(――――絢爛舞踏!? それでダメージを回復したって言うのか!)
クソッ、次から次へと厄介な……ッ!
だが、ただ黙ってエネルギーが回復されるのを見ている義理は皆無だ。この瞬間は最高の好機。一気に叩き潰すのなら今しかない!
説明 | ||
これは、米国の軍用IS『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』に憑依転生してしまった少年と、その操縦者であるナターシャ・ファイルスの噺である。 | ||
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IS インフィニット・ストラトス | ||
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