IS<インフィニット・ストラトス>with LN<リリカルなのは>第十一話 |
第十一話 クラス対抗戦!
あれから数週間がたち、クラス対抗戦まであと一日と言うところになった。
俺はこの数週間、箒やセシリアのIS訓練に付き合ったり、簪や本音との魔法の訓練など______________あれ?対抗戦って俺メインじゃね?なんで俺はずっと教える側なんだ?
[(マスターに教えることなんてないでしょう)]
「(スノウ、その発言は捉え方によってはキツイ言葉だぞ..........)」
[(そうでしょうか?でも実際その通りですし)]
スノウの心ない発言に地味にダメージを負う俺。
「ハハハ..........大丈夫?一夏.....」
そんな俺を見て簪は苦笑しながら言ってくる。
ちなみにさっきまで魔法の訓練を俺と簪と本音で行っていた。
時間帯は夜、11時はとっくに過ぎている。
だから厳密にはあと一日というよりあと数時間で対抗戦が始まってしまうところである。
「むぅ、スノウ、オリムー苛めちゃダメだよ〜」
[(本音さんはやさしいですね。こんな人が周りにいるなんてマスターは幸せですね)]
「あぁ、幸せ者だよ 」
俺が素直にそう言うと本音は顔を赤くして、簪は不機嫌そうな顔をして、俺を見ていた。
[(はぁ〜、マスター.................いや、しかしマスターが鈍感じゃなくなったらどうなるんでしょうか?ハーレム?)]
スノウは最後、ゴニョゴニョ言っていたが聞き取ることができなかった。
「スノウ、何か言ったか?」
[(いえ、なんでもありませんよ)]
スノウは呆れた感じにそう言った。
俺、なんか呆れられるようなことしたっけ?
簪や本音もそんな目で見てくるし。
何なんだよ。
「まったく、お前はいつもそうなのだな」
突然後ろから声がして簪と本音はデバイスに手を伸ばしていた。
「いきなり声をかけるなよ、千冬姉」
そこに立っていたのは我が姉織斑千冬だった。
「それは悪かったな」
千冬姉が謝ると、
「す、すいません!織斑先生!」
「ご、ごめんなさい..........」
簪と本音はデバイスに手を伸ばしていたことを謝った。
「いや、気にするな。もともと私がいきなり声をかけたのが悪かった。魔導師としてはいい判断だ。それと今は先生と呼ばなくてもいいぞ」
千冬姉の意外な言葉に簪と本音は目を丸くしていた。
「どうした?」
千冬姉がそう聞くと、
「いえ、いつもと反応が違うと思って..........」
簪が代表(と言っても本音を含めて二人しかいないが)して言った。
「なんだ?私がこういう態度をとってはいけないのか?」
『そ、そんなことは!』
簪と本音はシンクロしながらアワアワしていた。
そろそろ助けてやるか。
「千冬姉、あんまりからかうなよ」
俺がそう言うと、え?と簪と本音は千冬姉を見る。
「ハッハハハハ!いや、悪い悪い。あまりにも二人の反応が面白くてな」
そう笑う千冬姉を見て簪と本音はからかわれていたことに気付き顔を赤くする。
「(簪さん、本音さん。安心してください。千冬さんは思っているより優しいんですよ)]
「思っているよりは余計だ。スノウ」
そうスノウに突っ込む千冬姉。
「ぷっ」
そんなやり取りを見て笑ってしまう俺。
「一夏、何も笑うことは無いだろう」
千冬姉はちょっと不機嫌そうに言った。
「ゴメンゴメン。それより千冬姉どうしたんだ?訓練ならもう終わったからそろそろ帰ろうと思ってたんだけど」
「いやな、私も久しぶりに剣を振ろうと思ってな」
その台詞を聞いてびっくりする一同。
流石に俺もびっくりした。
「マジ?時間が..........」
「あぁ、だからまた今度にしよう」
千冬姉がそう言うと何故か安心するスノウ。
[(あなた方が戦ったらアリーナが大変なことになるところでしたよ)]
むっ、失礼な。
[(それに明日は、クラス対抗戦ですよ。と、言ってももうとっくに次の日なんですけどね)]
スノウにそう言われ時計を見る。
たしかに0時を過ぎていた。
「んじゃあ、そろそろ帰るか」
「あぁ、たしかに明日は早い。戻ったらすぐ寝ろよ」
「はい」
「はーい」
簪と本音はそれぞれ言った。
「千冬姉、お休み」
「あぁ、お休み、一夏」
みんなにもお休みと言って帰っていく千冬姉。
「いくぞ。簪、本音」
『うん』
俺は簪と本音と一緒に部屋へと戻った。
こうしてクラス対抗戦前夜は過ぎていった。
そして試合当日。
噂の新入生同士の試合と言うこともありアリーナは人で埋め尽くされていた。
今、俺の目の前には試合の相手でありセカンド幼馴染みでもある中国代表候補生凰鈴音が専用IS『甲龍』を展開して立っていた。
『甲龍』はシェンロンと読むらしいが俺はそのままコウリュウと読んでいる。
だってあれじゃん。シェンロンって言ったら神龍の方だろ漢字。
まあ、どうでもいいか。
(見た感じ近距離中距離戦のパワータイプのISだな)
今、俺の展開しているIS『白式』はそれに似てパワータイプのISだがはっきり言って近距離オンリーなISなので、距離が開くとちょっぴりめんどくさい。
でも、だからと言って___________
(負ける気はしないけどな)
仮にも管理局最強を名乗っているのだ。
そんな簡単に負けるわけにはいかないのだ。
そんな風に思っていると。
『それでは両者、規定の位置まで移動をして下さい』
アナウンスが鳴り、俺と鈴は空中で向かい合った。
「鈴」
「何よ」
「どうして、俺のこと避けるんだ?」
「うっ..........」
そう、あの日、つまり俺にスポーツドリンクとタオルを持ってきた日以来まったく話されなくなってしまったのである。
話しかけても顔を赤くしてどこかへ逃走するし、一体何でなんだ?
「なんか俺、鈴に悪いことでもしたか?したのなら謝るんだけどさ」
いつまでもこんな状況は嫌だからな。
謝って解決するのならさっさと謝っておかないと。
「べ、別にあんたのせいとかじゃないわよ.....」
鈴は顔を赤くして言った。
「なら、何で避けてたんだよ?」
「そ、それは..........」
押し黙る鈴。
「はぁ、まあ、いいや。それならあれだ。俺がこの勝負で勝ったらその理由を聞く。お前が勝ったら言わなくていい。これでいいか?」
「そ、それならいいわよ!返り討ちにしてやるんだから!」
鈴は声を大きくしてそう言った。
「おう、でも、簡単には負けねーよ」
俺がそう言うとアナウンスが鳴った。
『それでは両者、試合を開始して下さい』
ブーッとブザーが響く。
俺と鈴は動いた。
ガキィィィン!
俺の『雪片弐型』と鈴の青竜刀のような武器『双天牙月』が衝突する。
「なっ!?」
鈴はその衝突に耐えられなかったのか後方へ大きく吹き飛ばされる。
(やっぱり軽いな..........)
いくら代表候補生だからといってもやはりまだまだだな。
(まあ、魔法に出会う前の俺ならかなり苦戦してただろうな)
そんなことを思っていると。
「ちょっと!なんでそんな一撃が重いのよ!」
鈴は体勢を立て直して言った。
(うん、加減したからそんなダメージはないな)
今の一撃はかなり手加減したからな。
と、言うよりも管理局の方からやめろと言われているからな。
てか、それが一番の理由。
俺が本気出すと..........いや言わないでおこう。
人外とか思われたくないし。
ちなみに千冬姉も言われている。
姉弟揃ってこれだし…
あ、人外姉弟とか思った奴前へ出ろや。
「こうなったら、これならどうかしら!」
すると鈴の肩のアーマーがスライドしてその中心にある球体が光る。
そこから目に見えない謎の衝撃が飛んでくる。
「危なっ!」
そう言いつつその衝撃を避ける。
「あんた.....よく避けるわね。この衝撃砲《龍咆》は砲身も砲弾も見えないってのに」
鈴はそう言いつつも衝撃砲を撃ってくる。
しかし俺は最小限の動きで回避し続ける。
右左右右左右左上上下右左下上。
こうすることによって無駄なエネルギーを使わなくて済む。
この一年で散々学ばされたからな、これくらい出来なきゃ千冬姉や士郎さんたちに顔向け出来ないからな。
「だあーっ!何で当たんないのよ!」
当たらないのに我慢出来なくなったのか、鈴は『双天牙月』の連結を外し双剣のようにかまえ突撃してくる。
「そんな攻撃じゃ俺には届かないぜ」
俺は『瞬時加速』を使い高速で接近する。
そして俺は『雪片弐型』で左手に持っていた『双天牙月』の片割れを切り裂き破壊する。
「いくぜ」
『双天牙月』を片方破壊され隙が出来た鈴にめがけて掌打を放つ。
「ぐっ!?」
鈴は遠くに吹き飛ばされる。
ISのバリアーがあるから鈴自体にはダメージは無い。
まあ、やろうと思えば鎧通しも出きるのだが。
ちなみに鎧通しはその名の通り鎧を着ている敵に鎧の上から鎧の中の敵に攻撃を加える技で、ISにも充分通用する技である。
「鈴、大丈夫か?」
俺は心配になり鈴に問いかけた。
「イタタタタっ..........って大丈夫じゃないわよ!」
鈴はそう言って立ち上がるがその姿はボロボロでシールドエネルギーもかなり減っていた。
「なぁ、鈴。そろそろ終わりにしようと思うんだけどさ。いいか?」
「そうはいかないわ!まだ終わる訳にはいかないのよ!」
鈴は『双天牙月』(と言っても片方だけだが)を構える。
「諦めない奴は俺、好きだぜ」
「なっ///」
鈴は何故か顔を真っ赤にする。
「どうしたんだ?」
「な、何でもないわよ!」
そう言うが鈴、顔真っ赤だぞ。
「そ、それより早く再開しましょうよ!」
おぉ!そうだった。
「んじゃあ、いくぞ」
鈴の顔を真っ直ぐ見つめる。
「わ、わかってるわよ..........そんな顔で見つめないでよ.........ドキドキするじゃない.................」
鈴は顔を赤くしながら言った。
何故かISを装備しているのに最後の方の声が聞こえなかった。
俺は『雪片弐型』を構え、鈴に攻撃しようとした。
しかし
ドガァァァァァァン!
突如アリーナに大きな衝撃が全体に走った。
それはステージ中央にいた。
「IS!?」
鈴はいきなりの事態にびっくりしたのか硬直していた。
いや、このさい、このISが無人機だろうが侵入者だとかは気にしない。
俺が気になるのは___________________
「何でこいつから魔力を感じるんだよ......」
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もし、一夏が管理局最強魔導師と呼ばれていたらのifの物語。 | ||
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