魔法少女イレギュラーなのは〜7〜 永次「めんどくせェ……」
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「……朝、か」

 

自分の部屋にて、俺は目を覚ました。

 

昨日は……まァ、色ンな意味で散々だッたと言うか……とにかく疲れた。

 

あのタチの悪い、洗脳し操る能力。まァ……絶対数はまだ少ねェみてェだから助かッてはいるが。

 

ッつか、やッぱ転生者は複数、それも結構多いみてェだな……やれやれ、下手したら相当めんどくせェぞ……。

 

そう考えながらも、服を着替えてリビングに行き、家族と一緒に朝飯を食う。

 

「おはよう。今日もまた眠そうだね……きちんと寝てる?また夜更かししてゲームなんてしてちゃダメよ」

 

「それしててもしてなくても朝は眠いンだよ……」

 

母さンと喋りながら、味噌汁を啜ッて、ご飯を口に詰め込む。……父さンはいないか。相変わらず家を出るのが早い事で。

 

 

 

……考えてみると、転生者には大体2つほど勢力が存在すると思われる。

 

まず、原作を知ッているにしろ知らないにしろ、何らかの理由で原作介入を積極的に行う奴。神楽とかがこれに当たるだろう。

 

そしてもう1つが、原作を尊重、もしくはめンどくさがりの為に介入しない奴等。

 

そしてそれぞれの中に、穏健派と過激派が存在するはず。

この2つは名前のまンま、他の転生者を目の敵にするかしないか、だ。

 

「ごちそォさン。行ッてくる」

 

「はーい。忘れ物してない?」

 

「問題ねェよ」

 

 

いつも通りの母さンとのやりとりを終え、通学路を歩く。

一見、本当に前世と変わらないいつもの世界だ。

だけどその裏で結構ヤバい事件起きまくってンだぜ?信じにくいよな。

 

そんな事も思ッたりしながら、学校に着く。なのははまだ来ていない、じャあ今の内に早速昼寝と洒落込みますか。

 

「来て早々に寝ようとするってのはどうなのよ」

 

……見事妨害される。おのれアリサ・バニングス。

 

「良いじャン別に……」

 

「良くないわよ」

 

「俺は夜型なンだ、マジで勘弁」

 

なンて言ッていると。

 

「おはよー!」

 

「おはよーでやんすよーアリサちゃんに永次ー!」

 

……ハァ、来ちャッたよ……。

 

「よォ、なのはにモテない王子」

 

「地味にヘコむー!」

 

俺の隣の席の魔王……じゃなくて未来のエース・オブ・エースに、騒がしい茶髪ツンツン頭。

もうこれだけで俺の昼寝時間が無くなる事が確定である。

 

「何だろ、今また失礼な事を思われた気がしたの」

 

「気のせいだ」

 

だから何でそンなに鋭いンだ。

 

 

 

……さッきのグループ分けの話だけど。

実は完全に2つに分かれる、というと嘘になる。

 

考えたくはないが、かといッて完全に居ないとは言い切れないグループ。

 

原作崩壊派だ。

要するに、原作の流れをことごとくぶち壊そうとする奴等。

原作主要キャラの殺害などをやりかねない奴等だ。

 

下手したら……というか、結構高めの確率で洗脳能力を持つ奴はこれになる。

 

こォいう等が取り得る最悪の行動パターンの1つが、原作の悪役キャラと手を結ぶ事。

 

まだ先の話になるが……どこぞのマッドサイエンティストなどと組まれた時には厄介極まりない。

 

原作の悪い意味での崩壊を望まない俺としては、こいつらの活動は阻止したい。

だが、俺1人で対抗しようとしても制限とかの問題上、無理がある。出来るだけ転生者仲間は集めておきたい。

 

神楽は……まだ交渉の余地があるか……むしろ問題は。

 

 

 

 

 

問題は、来た瞬間に原作3人組を口説き始めて微妙な表情をされた挙げ句、王磁と取ッ組み合いを始めた、十中八九転生者であろう人物、輝宮甲。

 

 

 

 

 

こいつは協調性が間違いなく無い。

無いッたら無い。

 

 

 

……やれやれ、めんどくせェ話だ。本当に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやァ、やッぱ凄ェなこれ」

 

日が変わッて土曜日。

結構な豪邸の中でメイドの軍団を見た後で、俺は思わず呟いていた。

 

只今月村邸にお邪魔している。

つゥか、インパクトデカい。前世じャこんな縁なンざこれッぽッちも無かッたからな。

 

「永次ー……今俺、めっちゃ感激してるでやんすよ……!」

 

「そォかい」

 

王磁、そんな涙を流さンばかりの表情を浮かべンな。非常にリアクションに困る。

 

お呼ばれに応えたのは、俺と王磁、後なのはとアリサだ。

 

まず、トラブルメーカーになりかねない甲は呼ばれなかッた。

それから神楽……あいつも呼ばれたらしいが、今日は用事があるとかで断ッたらしい。

 

ッつゥかよ。

 

「猫多いなオイ!?」

 

そうだッた。

忘れてたけど、月村家には大量の猫がいたンだッたな。

 

まァ、嫌いじャない。むしろ好きな方なンだが……。

 

王磁が猫に懐かれ過ぎていて、何故か負けた気分に。こいつ動物に好かれやすいのか。

 

……まァ、どうでも良いンだが。

 

 

 

 

 

 

そンなこンなでお茶会タイムである。

 

「今日は誘ってくれてありがとう」

 

「うぅん、なのはちゃん、最近少し元気なかったから……」

 

「もし、心配事があったら話してくれないかなって」

 

「1人で抱え込んでいても、あんまり意味無いでやんすよ」

 

「すずかちゃん……アリサちゃん……王磁君……」

 

……まァ、普通は言えねェよなァ。

「この世界には魔法が有って、みんなが気付いていない所で、私は戦ってます!」……誰が信じる、こンな話。

前世だッたら俺も当然信じない。

 

それにしても……やはり王磁は転生者じャねェのか……?

いや、まだ解らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

……!

この気配!

 

そのすぐ後に、フェレットモードのユーノが外に走ッていッた。

 

「ユーノ君?」

 

「何か見つけたのかも?ちょっと探してくるね。すぐに戻ってくるから待ってて!」

 

それを追いかける形で、なのはも外へ出て行く。

 

……ちョッと時間経過。

 

「……さァて、お嬢様を手伝ッて来るとするかなァ」

 

俺も立ち上がる。

 

「え?でもすぐ帰ってくるって……」

 

「あのなのはだ、トロくてこけてないとも限らねェしな……」

 

「んー、じゃあ頼むでやんすな永次ー。俺のなのはちゃんに傷ついてたら許さないよ?」

 

「別にお前のじャねェよ」

 

……ツッコんどいてあれだけど、ついてこないのか?こいつ。「なのはの為ならどこまでも行く!」なンて言いそうだが。

 

まァ、今は気にしなくて良いか。

今回のイベントは、是非とも見ておきたいしな。

 

 

 

さてさて。

どうなッてるやら……。

説明
これは転生者たちが、リリカルなのはの世界で転生生活をがんばるお話。
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