いきなりパチュンした俺は傷だらけの獅子に転生した
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 第二十四話 悪いけど、それに関してはどうしようもないな

 

 

 「…というわけなの。私はもう魔導師ではないわ」

 

 プレシアとリンディさん。

 ジュエルシード事件の顛末やプレシアが俺と出会ってからのことを話し終えた。

 事件のことを聞いたアリシアは烈火のごとくキレた。俺の中でギャーギャー言っているけど、状況が状況なので今だけは黙って話を聞くように宥めるのには苦労した。

 もしかして、これの為にユニゾンさせたんじゃ…。

 あ、もちろん俺の出身やアリシアのスフィアの事は話していない。うまくぼやかした。

 ちなみに翠屋から移動して、今は人気のない空き地で話し合いをしています。

 うわー、監視魔法(シーカー)がうようよ飛んでいるよ。ガンレオンのセンサーでも軽く十は超えている。

 巡回していたアルフもそこに加わり一触即発の状況。

 あのー、もし戦闘になったら四対一。もし、リンディさんも参加すると五対一になるんですけど…。その辺考えているプレシア?

 

 「「「・・・」」」

 

 (…こいつ。どうやってプレシアとアリシアを助けやがった。…スフィアか?)

 

 クロウは俺の事をずっと睨みつけるような視線を見せているし。

 

 (…はあ、なんだってんだ、このクロウは。アサキムが出ただけでも((俺達|スフィアリアクター))には大問題だってのに)

 

 (…お兄ちゃん。この人なんかやだ。そりゃ、お兄ちゃんと違ってイケメンかもしれないけどさ)

 

 それは俺がイケメンじゃないってことですか?

 そーですね。

 ・・・泣けてきた。

 

 (…一人SMはいいから)

 

 (違うからな!)

 

 俺はアリシアと意識下の中で言い争いをしていると高町なのはの方から話しかけてきた。

 

 「…あのロボット君が沢君なんて。なんで私やクロウ君に何も言ってこなかったの?」

 

 「信じられないなら今からでも展開しようか?まあ、一度俺に襲い掛かって来た相手に仲良くなろうなんて奴はなかなかいないと思うけどな」

 

 「・・・」

 

 (…ぐ。こいつ)

 

 なのははクロウの方を一度見て俯いた。

 クロウの方は苦虫を噛み潰したかのように顔を歪める。

 俺となのは。そして、クロウの子ども?サイドの話し合いが一度幕を閉じると今度は大人サイドの話になる。

 

 「…それで?あなた達はなんでこの町にいるのかしら?」

 

 「それよりあなたの身元を抑えたいのだけれど…」

 

 「それは難しいわね。特に((魔法社会|・・・・))のミッドでは」

 

 「・・・」

 

 へ?どういうこと?

 と、俺がそういう表情を見せたのでプレシアは何か納得したかのように俺に説明した。

 

 「魔導師にはそれぞれ魔力光というのがあるの。それは人の持つDNAと同じように一見すると同じように見えても魔導師ごとにそれは異なるものなのよ」

 

 ふむふむ。それで?

 

 「半年前の事件の首謀者。魔導師のプレシア・テスタロッサと今の私プレシア・テスタロッサはミッドでは別人扱いされるの。私にはもう魔力は無いからね」

 

 おお、なるほど。

 

 「待った!だが、それでもDNA判定すれば…」

 

 その説明に待ったをかけるのはクロウだった。

 

 「((今|・))の((私|・))は((地球出身|・・・・))のプレシア・テスタロッサよ。しかも、多くの次元が存在しているのだから私に似たり寄ったりの人もいるでしょうね。何より…。私の((寿命|テロメア))はかなり若返ったわよ。恐らくそちらが持っているDNAはリニスが私を病院に連れて行ったものだと思うわ」

 

 アンチエイジング効果もあったんだ。あのレンチ。

 でも、あれ。

 何故か「もう二度とできない」と思うんだよな。

 やっぱりあれかな?プレシアのリンカーコアを破壊した代償(恩恵?)なのかな?

 ((大魔導師|プレシア))だったから起きた効果なのかもしれない。

 

 「だが、それはそちらが持つ((デバイス|ガンレオン))があれば…」

 

 「残念だけどこの子の持つデバイス。ガンレオンはそちらの物と違って別技術で出来ているわ。しかもかなりのブラックボックスでね。説明できないものを物証としてあげるのは流石に出来ないでしょ?」

 

 「それでも、それはロストロギア扱いすれば…」

 

 「そちらのブラスタもそうよね?それにこの子にとってはこの子の世界の唯一の形見の品とも言っていいわ。それを取り上げてもいいのかしら?さすがに世間体や心情は悪くなるわよ」

 

 「それでも管理局が保護しなければいけません。その子も。そのガンレオンも」

 

 リンディさんが険しい顔をしながら話しかけてくる。

 その言葉にプレシアは目を閉じて、しばらく考える素振りをしてから目を開ける。

 

 「…それに対する答えはノーよ。私は管理局を信用できないからジュエルシードを求めた。だけど、罪は罪。それを償う意識はあるから今、私はここにいるわ」

 

 「ちょ!?プレシア!?」

 

 「では…」

 

 プレシアの発言に驚く俺と理解してくれたのかと表情を和らげるリンディさん。

 あと、クロウ。お前微妙に笑ってんじゃねえ。なんかムカつく。

 

 「でも。それでも捕まえるのは私だけにしてほしいわね。この子とアリシア。そしてガンレオンには手を出さないで欲しい。そして、フェイトにかかっている容疑・罪状を晴らしてくれれば、私はすぐにでも管理局に掴まるわ」

 

 (お母さん!?)

 

 「っ」

 

 「…何を今さら」

 

 俺の中でアリシアは驚き、ずっと黙って話を聞いていたフェイトも驚いたような顔を見せ、アルフはプレシアを睨んだ。

 

 「その理由をお聞きしてもいいかしら?」

 

 「…黒の放浪者。と言えばいいのかしら?あれはこの子を狙っている」

 

 あ、ここでアサキムの事を出すのね。

 クロウもその言葉に反応して真顔になる。

 

 「今、この子とガンレオンを離すわけにはいかない。理由は黒の放浪者からの自衛の手段がなくなるから。アリシアにはこの子とガンレオンの補助をしてもらう役目があるの」

 

 「あ、あのアサキムという人の事ですか?」

 

 なのはが手を挙げてプレシアに質問する。

 

 「ええ、貴方たちも見たでしょう?私はガンレオンのデータを見させてもらったけど、正直化物ね。あれに対抗するには今の所ガンレオンのマグナモードが必要なわけよ」

 

 「あんな奴はSPIGOTがあれば…」

 

 「無理ね。あなたの切り札も見せてもらったけど、あれは貫通性の高いレーザーを放つ技だったらしいけどタイムラグがありすぎる。それに一度射線軸を整える為にも自分自身がその空間に留まらないといけない。そんなことをしていたらあっという間に切り刻まれるわよ」

 

 あらら、ばっさり。

 

 「それにあのレーザー。あなたは((何段階|・・・))まで強化できるの?」

 

 「っ」

 

 「ガンレオンのデータを見せてもらったわ。恐らくアレが最大出力なのでしょう?こちらは力がありすぎて自分の武器を壊してしまうパワー馬鹿。だけど、あなただとパワーが無さすぎる」

 

 パワー馬鹿でごめんなさい!

 でもマグナモードはめっちゃ痛い上にアリシア(スフィアも含めて)の事があるから早々に使えないんだよ…。

 まあ、プレシアもその辺は理解してくれると思うけど…。

 

 「分かっているとは思うけどガンレオンはこの子にしか今は使えない。他の人に扱わせようとしてもこの子ほど扱える人間はいない。と、私は思うわ」

 

 どう?といった顔でリンディさんに話しかけるプレシア。

 アリシア。総じては俺の為でもあるが。なんというか…。

 

 「目的は何ですか?((地球出身|・・・・))のプレシア・テスタロッサ」

 

 「さっきも言ったわ。この子とアリシアとフェイト。そしてガンレオンを管理局に関与させないで欲しいの。元々は私一人の暴走が招いたことだから。出来るなら私の罪も軽減してほしいわ。そして、出来るならフェイトを家に招いて家族の時間を過ごしたいとも思っている」

 

 (スフィア関係もあるからな…。本当に口が上手いよ)

 

 (あら?あなただけを管理局に渡してもいいのよ?それに今、管理局はあなたの力を欲している。タダで働くよりはいいでしょ?)

 

 (そこで減刑の為に俺が管理局で働くのね。まあ、俺もプレシアには世話になっているからやるけどさ…)

 

 と、目で会話する俺とプレシア。

 

 (アリシアは俺の中で滅茶苦茶怒っているぞ。妹(フェイト)になんて酷い事するの!てな)

 

 (それが((ニ番目|・・・))の悩みよ)

 

 (…二番目?一番は?)

 

 (決まっているじゃない。フェイトにこれまでの事をどう謝るか。よ)

 

 (それもそうか)

 

 悪いけど、それに関してはどうしようもないな。

 俺はそんなことを考えながら、リンディさんの答えを待つことにした。

 

 

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第二十四話 悪いけど、それに関してはどうしようもないな
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魔法少女リリカルなのは傷だらけの獅子 スパロボZ コメディー 

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