IS〈インフィニット・ストラトス〉 〜G-soul〜
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「そうですね。やっぱり危険ですね」

 

『うーん。良いアイデアだと思ったんだけどなぁ・・・』

 

この日の夜、俺はエリナさんにボルケーノクラッシャーの使用した感想を電話で聞かれた。

 

「あ、いや別に、ボルケーノクラッシャーを否定したわけじゃないんですが」

 

『しょうがない!また新しいアイデアを考えるわ!』

 

「へ?」

 

『うん、そうしよう!よーしこうなったら早速取り掛からなきゃ!』

 

「え?ちょ、あの、エリナさん?」

 

『じゃ、瑛斗そう言うことだから。あ、そうそう。ボルケーノクラッシャーは瑛斗にあげるわ。大事に使ってちょうだいね』

 

「本当ですか!?・・・ってそうじゃなくって――――――」

 

『じゃ!また運用テスト頼むかもしれないから!』

 

プツッ

 

「エリナさん?もしもし?もしもーし!・・・・・切りやがったよ・・・」

 

それは技術開発者の性なのか、エリナさんは一方的に電話を切った。

 

「ま、文句言える立場じゃないか。俺も何回かしたし」

 

そうつぶやいて食堂に入ると、いきなりうずくまって腹を押さえている一夏に遭遇した。

 

「何やってんの?お前・・・・・」

 

「う・・・・・あぅ・・・・・」

 

ダメだ。返事になってない。仕方ないから横のシャルルに聞こう。

 

「シャルル、これは?」

 

「まあ、ちょっとした一夏の自業自得だよ」

 

なんのこっちゃ。そう言おうとすると、後ろから山田先生がやって来た。

 

「あ、三人ともここにいたんですね。さっきはお疲れ様でした」

 

「山田先生こそ、手記ばっかりで大変でしたね」

 

実を言うと、俺と一夏とシャルルはつい数分前まで教師たちから取り調べを受けていた。俺は研究者としての話もあったので、一夏やシャルルより時間を取ってしまった。

 

「いえ、私はああいう地味な作業が得意ですから」

 

えへん、と胸を張る山田先生。そ、そう胸を張られるとこっちは目のやり場に困るんだけどな・・・。

 

「・・・瑛斗、今変なこと考えてるでしょ?」

 

「そ、そんなことねえよ?」

 

「そう?」

 

何やらシャルルがジト目でこっちを見てきた。俺は目のやり場に困ってるだけだっつーの。

 

「あ、そんなことよりも皆さんに大ニュースです!」

 

「「「?」」」

 

一夏も立ち上がって話を聞く。

 

「なんと今日から男子の大浴場使用を解禁です!」

 

「マジですか!?」

 

一夏が急に元気を取り戻す。スゲー変わり身だな、おい。

 

「今日はボイラー点検で大浴場は使えない日だったんですけどね。点検は終わってるのでそれなら男子に使ってもらおうってことになりました!」

 

「風呂かぁ・・・。ツクヨミの時はシャワーしかなかったから、そうだな、ざっと八年ぶりの風呂ってことになるな」

 

「へぇ、宇宙には風呂ないのか。意外だな」

 

「そうか?俺はそれが普通だと思ってたぞ?」

 

俺達が話していると山田先生が話を続けた。

 

「とにかく三人はお風呂にどうぞ。今日の疲れも肩までつかって百数えたら疲労もスッキリ!ですよ」

 

ピタ、と俺達は動きが止まる。三人・・・。三人ってのは俺、一夏、そしてシャルルのことだろう。と言うか百パーセントそうだ。それ以外に誰がいるんだよ。

 

マズい。非常にマズい・・・!

 

俺と一夏はともかく、シャルルは女子だ。それがどういう事か俺は理解している。

 

「? どうしました?」

 

山田先生が不思議そうにシャルルを見る。

 

「あ、ああいや、別に。あ!そうだ瑛斗、まだ夕ご飯食べて無かったよね!?」

 

「あ、ああ!そう言えばそうだったぜ!あーお腹すいたなー!(棒読み)」

 

「そ、そうですか?じゃ、じゃあ食べ終わったら言ってくださいね。・・・・・あんまり時間かけちゃダメですよ?」

 

そんなわけで俺は夕飯を食べることにした。

 

「ど、どうする?とりあえず三人で向かうだろ?」

 

「そ、そうだね。でも問題はそこからだよ」

 

「この現状をどう切り抜けるか、だな」

 

俺達三人はひそひそと会話をする。

 

「こうなったら、瑛斗が飯食ってる間と部屋に戻って着替えを取りに行く時までに名案が思いつくことを天に委ねよう・・・・・」

 

そう話がまとまって、天に委ねることにした。そして―――――

 

 

 

「それでは、ごゆっくり〜」

 

ガラガラガラ、ピシャ。

 

「「「・・・・・・・」」」

 

背中合わせ TN 脱衣所

 

名案、思いつきませんでした・・・・・。

 

ダメだ、これはダメだ。確かに風呂は入ってみたい。だがシャルルも一緒というわけにはいかない。一度は、その・・・なんだ。は、裸を見ちまったがアレは不可抗力、神様の悪戯であって、そう何回も女子が男に肌をさらすのは良くない。

 

「あー、シャルル?」

 

「はっ、はい!?」

 

一夏に話しかけられたシャルルはなぜか敬語で返事をした。

 

「シャルルも今日は疲れたろ?風呂入ってこいよ。俺と瑛斗は脱衣所で時間をつぶして頃合いを見て部屋に戻る」

 

「そうだな。そうしよう」

 

「え?二人はどうするの?」

 

「一緒に入るわけにもいかないだろ?まあ、そういうことだから、シャルルはゆっくりしてきてくれ。俺と一夏はシャワーで我慢するさ」

 

うん。土壇場で良い案が思いつけた。ファインプレーだぞ一夏。

 

「い、いいよ。それなら僕が脱衣所で待ってる。その・・・・・お風呂はそんなに好きじゃないし。瑛斗と一夏は好きなんでしょ?」

 

「もちろん!」

 

「好きってわけじゃないが、入ってみたくはあるな」

 

「そ、そうでしょ?だから二人は入ってきなよ。僕のことは気にしなくていいから」

 

「「・・・・いいのか?」」

 

「う、うん」

 

「じゃあ入る!ありがとなシャルル!この恩はいつか返す!」

 

「じゃあお言葉に甘えるかな。どれ、日本の風呂と言うのを見せてもらおう!」

 

俺と一夏はスポーンと服を脱いで置いてあった籠に入れた。

 

「じゃあ、行ってくる」

 

「なるべく早く上がるから」

 

「う、うん。ごゆっくり・・・・・」

 

シャルルは顔を真っ赤にして俯かせながら答えた。ま、無理もないか。

 

「うお!」

 

「おおー」

 

広かった。とにかく広かった。

 

でっかい湯船や、全方位シャワー、サウナなどがあった。ほかにもたくさんあるんだが、どういった名前なのかさっぱりわからない。

 

「すげー。早速入ろうぜ」

 

歩き出した俺の肩を一夏が掴んだ。

 

「まあ待て。あわてる何とかは儲けが少ないってな。まずは体を洗ってからだ」

 

「・・・・・さむっ」

 

「え・・・・・、あ。ね、狙って言ったわけじゃねえぞ!?」

 

「はいはい。わかったわかった」

 

そんなわけで体を洗った俺達は準備万端だ。

 

「わはははは!」

 

テンションが上がったのか、一夏は大声で笑っていた。よい子は真似しちゃダメな気がする。そして、俺達は湯船に浸かった。

 

「「ふぅぅぅ〜〜〜〜・・・・・」」

 

やべ、気持ちいい。これが風呂か。長いことシャワーだったからなぁ。ああ・・・気持ちいい〜。

 

「生き返る〜〜〜〜・・・・・」

 

る〜・・・・・る〜・・・・・る〜・・・・・。

 

「ホントだな〜〜〜〜・・・・・」

 

な〜・・・・・な〜・・・・・な〜・・・・・。

 

流石は大浴場。エコーが素晴らしい。そして、それから何分浸かっていただろう。俺は急に睡魔に襲われた。

 

(あー、このまま眠りたい。・・・・・死ぬか)

 

カラカラカラ・・・・・。

 

「ん?一夏〜、今、脱衣所から誰か出てきたような・・・・・」

 

「そうか〜?まあ、良いんじゃないか〜?」

 

一夏も俺と同じように睡魔に襲われていたようだ。そして俺はまた睡魔に襲われる。あー、眠いー。

 

「お、お邪魔します・・・・・」

 

「「!?」」

 

半ば湯船に沈みかけた顔を飛びあがらせる。湯気の向こうから出てきたのは、シャルルだった。

説明
その日の夜は・・・・・
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