IS〈インフィニット・ストラトス〉 〜G-soul〜
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鈴を一夏が砂浜までおぶって泳いで戻ると、鈴はぱぱっと一夏から離れた。

 

「あ、ありがと・・・」

 

「おう、気をつけろよ?」

 

「うん・・・・・」

 

顔を赤くする鈴。

 

「大丈夫か?他にどっか怪我したんじゃねえか?」

 

俺が聞くと、鈴は手と首をブンブン振って否定した。

 

「ぜっ、全然平気よっ!な、なんてったって前世は人魚なんだからっ!」

 

その前世が人魚の人が今さっきまで溺れてたんだが。

 

「じゃ、じゃあアタシはちょっと向こうの方で休んでるから!」

 

そう言って鈴は別館の方へ行ってしまった。やっぱり恥ずかしかったんだろうか?

 

「まあ、本人は大丈夫だって言ってるから、心配ないだろ」

 

「そうだな」

 

俺と一夏はそう考え、再び海に入ろうとした。

 

「あ、瑛斗、ここにいたんだ」

 

「?」

 

振り返ると、シャルがいた。シャルの水着は前日の買い物で俺と一緒に買ったものだ。そして手首には俺が買ったブレスレットがついている。のは良いんだが・・・。

 

「シャル」

 

「なにかな?」

 

「そのお前の横にいるバスタオルの精霊は誰だ?」

 

そう、シャルの横にはバスタオルで全身を包んだ何かが立っているのだ。頭部らしきところから、銀色の髪ようなものが見えている。

 

「あー・・・、これはね・・・」

 

「わ、私だ・・・」

 

ふと、バスタオルの精霊が声を出した。

 

「その声は、ラウラか?」

 

「う、うむ・・・」

 

「一体なんでそんな事に・・・」

 

一夏がシャルに聞いた。するとシャルは困ったように笑いながら答えた。

 

「ラウラってば、着替え始めたときは『瑛斗に私の水着姿を拝ませてやろう』って言ってたのに、水着に着替え終わって自分の姿を見た途端に赤い顔して全身にバスタオルを巻き始めて・・・」

 

「それでこんな姿に・・・」

 

「うん」

 

「・・・・・」

 

ラウラはバスタオルで包まれた体を恥ずかしそうに動かした。

 

「ほらラウラ、瑛斗に水着みせるんでしょ?」

 

「た、確かにそうだが・・・、うぅ・・・」

 

「じゃあ、僕と瑛斗と一夏で遊んできちゃおっかなぁ?」

 

シャルがラウラの耳元でそんなことを言う。するとラウラはビン!とその身を真っ直ぐに伸ばした。

 

「そっ、それは・・・!・・・・・ええい!」

 

ババッ!

 

腹を括ったラウラはバスタオルを取った。

 

「わっ、笑いたければ笑うがいい・・・」

 

「「・・・・・・・」」

 

俺と一夏は思わず息を飲んでしまった。ラウラの水着は、黒い大人の下着のようで、フリルがついている。何と言うか・・・、セクシーだ。

 

「ど、どうした・・・、何か言わんか」

 

それと対照的な恥じらうラウラの姿に、こう・・・ぐっとくるものがある。可愛いなこれは。

 

「い、いいんじゃないか?その、すごく似合ってる・・・」

 

「しゃ、社交辞令はいらん・・・」

 

「世辞じゃないさ。なあ?一夏、シャル?」

 

「ああ。とっても良い」

 

「うん。ラウラの髪は僕がセットしてあげたんだけどね、似合ってるって言っても全然信じてくれないんだ」

 

「いや、これはスゲー可愛いぞ」

 

俺がそういうと、ラウラは赤かった顔を更に赤くした。

 

「か、かわっ・・・可愛い・・・!?」

 

「ああ、可愛いぞ」

 

「・・・・・・・・・・」

 

うん?今度は動きが止まったぞ?一体どうしたんだ?

 

「おーい!二人ともー!」

 

「さっきの約束!ビーチバレーしよー!」

 

「わ〜、おりむ〜ときりりんの対戦だぁ、ばきゅんばきゅーん」

 

すると先ほどビーチバレーの約束をした女子と、その友達とのほほんさんがやって来た。のほほんさんの水着、もはや水着と言うより着ぐるみだな。首以外をすっぽり包んだ黄色い着ぐるみ、何と耳まで完備だ。

 

「おー、そういえばそんな約束したな」

 

「よし、やろうぜ。シャルとラウラもやるよな?」

 

「うん。やるやる。ねっ?ラウラ」

 

「か・・・可愛い・・・・・。へっ!?え、ああ!良いだろう!」

 

「? 変なラウラ」

 

そんなわけでビーチバレーをすることになった。チームは俺、のほほんさん、そして俺達とビーチバレーの約束をした人の友達、たしか・・・、冴木さん、だったけ?

 

対戦チームは一夏、シャル、ラウラ、そして俺達をビーチバレーに誘ったえっと・・・、ダメだ。思い出せん。三対四だが、まあ何とかなるだろ。

 

「行くわよー、七月のサマーデビルと言われた私のサーブ!受けてみなさい!」

 

その人のサーブでゲームは開始した。ふむ、なかなか回転がかかっている。

 

「おらっ!」

 

俺はそれを受け、上にあげる。

 

「八月のサマーエンジェルと言われた私の実力!思い知りなさい!」

 

そして冴木さんがスパイクを叩き込む。ってかサマーエンジェルって、明らかに向こうのを食いにいってるだろ。しかも八月って、もう少し後・・・、ま良いか!

 

「よっと!」

 

一夏がそれを打ち上げ、こちら側のコートに飛んでくる。

 

「あわあわ、えい!」

 

ぽーんとのほほんさんがそれを打ち上げる。よし、俺のスパイクだ!

 

「くらえっ!」

 

バンッ!

 

「行ったぞ!ラウラ!」

 

一夏がラウラに指示をする。

 

「か、可愛い・・・、私が可愛い・・・ぶっ!?」

 

バシッ!

 

「「「「「「あ」」」」」」

 

俺の放ったスパイクはラウラの顔面にクリーンヒット。そのままラウラは仰向けに倒れてしまう。

 

「ラウラ!大丈夫か!?」

 

慌てて俺は駆け寄る。

 

「か、かわ、かわわ・・・・・」

 

あらら、目ぇ回してる。ちっとばかし強すぎたかな?

 

「おい、ラウラ、おい」

 

「ラウラ、大丈夫?」

 

シャルが声をかけ、俺がラウラの頬をペチペチと叩く。

 

「う、うぅん・・・・・」

 

「お、気がついた。大丈夫か?」

 

俺が顔を覗き込むと、ラウラは普段なら白い顔を耳まで真っ赤にして立ち上がった。

 

「か、可愛い・・・・・、う、うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「あっ、おい、ラウラ!?」

 

引き留める間もなく、ラウラは海へ走りながら入って行った。

 

「ど、どうしたんだろう、ラウラ・・・」

 

「さ、さあ?」

 

シャルと俺は首を傾げる。

 

「まあ、後で様子を見に行こう」

 

そう決めて、俺達は再びビーチバレーを再開しようとした。

 

「あ、そういえば結局おりむ〜ときりりんの部屋ってどこなの〜?」

 

「あっ!それ私も気になる!」

 

「私も私も!」

 

おーおー、女子がどやどやと集まってきた。そんなに気になるのか。

 

「あー、一夏が織斑先生と同じ部屋で、俺はその隣の部屋だ」

 

ピシッ

 

うん?女子たちが凍りついた。

 

「そ、そっかー!織斑君、織斑先生と同じ部屋なんだー!」

 

「あ、ああ。だから夜中に忍び込むなら瑛斗の部屋だぞ?」

 

「ちょっ、おまっ・・・!?」

 

いきなり俺を売りやがった。おのれ一夏!

 

「そうだねっ!織斑君とは昼に会えるしねっ!」

 

「そーよねっ!何も鬼の寝床にわざわざ入り込まなくても―――――」

 

「誰が鬼だ。誰が」

 

カチーン。あ、いよいよ女子たちが凍った。振り返ると、織斑先生が立っていた。

 

「あ、先生。どうも。先生方も海水浴ですか?」

 

「おう。我々も少ない自由時間を満喫させてもらうさ」

 

織斑先生の水着は、俺が前日見せてもらったものだ。ラウラのとはまた違う大人っぽさがある。それにしても先生のプロポーションは凄いな。そこらのモデルなんかよりはるかに良い。

 

「・・・・・・・・」

 

おや?一夏が顔を赤くしてそっぽを向いている?・・・・・!ははあ・・・。

 

「一夏、お前の好みって織斑先生みたいな人?」

 

「なっ・・・!?」

 

耳元でささやくとおもいっきりたじろいだ一夏。おもいっきり図星のようだ。いい気味。

 

「ふーん。そうかー。先生みたいなのがタイプかー。よぉし、箒に言おうっと」

 

「だあぁ!待て待て!」

 

慌てる一夏。ケケ、ざまぁ。

 

「さて、お前たちも昼食をとってこい。体調管理をしろよ?。明日の運用試験に響くからな」

 

「「「「「はーい」」」」

 

俺達は昼食を取りに別館の方に歩き出した。

 

 

そして、俺達は昼食を食べ終わった後も、時間が許す限り海で遊んだ。そう言えば、結局箒を見なかったな。どこ行ってたんだろう?

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