IS〈インフィニット・ストラトス〉 〜G-soul〜
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瑛斗!瑛斗何があったの!?返事して!」

 

瑛斗が向かった研究所の周辺の上空。エリナは瑛斗との通信が突如として途絶したことを不安に思い、専用機『ヴァイオレット・スパーク』を展開して研究所に向かっていた。

 

「ダメ。繋がらない・・・・・」

 

出発してから数分たつが、瑛斗との通信は一向に回復しない。

 

(瑛斗・・・無事でいて・・・・・!)

 

エリナはバーニアの出力を上げ、研究所に急行するのだった。

 

 

 

 

 

「うおおらぁっ!」

 

バチィ!

 

俺は無人ISのクローをビームソードで受け止める。戦闘を開始してから何分かたつが、四機のロボットに邪魔をされ、未だ決定打を決めれていない。

 

あはは―――――あははは―――――

 

さっきから聞こえてくる笑い声はこのISから聞こえてきているような気がする。一体何がこのISを動かしてるんだ?エリナさんとの通信も急に切れるし、もう何が何やら!

 

「ぐっ!」

 

左右から二機のロボットが剣で攻撃してきた。俺は後方へ飛び退いてそれを躱すが、待ち構えていたもう二機のロボットがビーム砲で俺の背後を狙ってきた。

 

ドォン!ドォン!

 

「ぐあっ!」

 

背中にビームを受け、シールドエネルギーが減少する。

 

「このっ!」

 

ビシュッ!ビシュッ!

 

ビームガンを後ろに撃ち、二機のロボットを狙うがロボットはまるでそれが分かっていたかのような動きでそれを躱す。

 

アソボウ―――――アソボウ―――――

 

「!」

 

後ろからISが手のひらから弾丸を連射してきた。仕込みマシンガンか!

 

「くっ!」

 

カン!キキン!

 

シールドでそれを防ぐ。俺はふとあることの気付いた。

 

(このIS、自分ではあまり動こうとしない?攻撃はロボットに任せて、確実な攻撃を当てに来てるのか?)

 

「それなら!」

 

俺はスラスターを噴かせ、空間の端まで移動する。

 

「Gメモリー!セレクトモード!セレクト!ハルトゥス!」

 

コード確認しました。ハルトゥス発動許可します。

 

ハルトゥスのフルシールドで全身を防護し、スナイパーライフル〈ガリエス〉を構える。

 

「照準固定。行けぇっ!」

 

ドン!

 

迫りくるロボットの間をかすめるようにISを狙撃する。ここが広い空間で助かった。

 

弾丸を受けたISは大きくのけぞるがすぐに体勢を立て直し、ロボットに攻撃をさせる。

 

「どわっ!」

 

四機のロボットのビーム砲の一斉射を食らい、フルシールドに被弾する。

 

すると俺には当たらず、後ろの壁に当たった一発のビームが壁に穴を空けた。そこから明かりが漏れている。別に部屋があるのか?

 

あはは―――――あははは―――――

 

「!?」

 

振り返るとISが俺に蹴りを入れようとしていた。俺は腕をクロスしてガードの体勢をとるが蹴りの勢いは強く、俺は壁を突き破って壁の向こう側に転がり込んだ

 

ガラガラガラガラ!

 

大きな音をたてて壁は崩れた。壁の内側はいかにも研究所らしい装置が大量に設置されていた。

 

「いててて・・・・・ここは?」

 

振り返ると、ロボットたちが攻撃を仕掛けてこない。活動を停止したかのようにピタリと動きを止めていた。

 

「!」

 

再び前方に目をやると俺の眼前に信じられない光景が広がっていた。緑色の液体が詰まった大きなガラスケースの中に俺やシャル達と同年代の女の子が入っていたのだ。貫頭衣を着て眠るその顔はに安らかな表情だった。

 

「なんだ・・・・・これ・・・・・?」

 

俺はガラスケースに手を触れてハッとした。どうしてあのISとロボットが攻撃してこなかったのか。その理由は―――――

 

「この子を傷つけないため、なのか?」

 

そうならば納得がいく。あれだけ容赦のない攻撃がピタリと止んだのだ。何か理由があるとすればそうとしか考えられない。

 

「・・・・・・・・」

 

ならばと思い、俺は研究施設を調べるためにG−soulを解除し辺りを見て回ることにした。

 

「すごい・・・・・。こんな研究を一人で・・・・・」

 

調べてみれば、一人で自立行動ロボット兵器の研究、そしてあのIS、『クライ・ローレライ』の設計、開発をしていたことが分かった。

 

「ん?」

 

奥まで進むと、小さな扉があった。興味が湧いた俺は扉を開いた。

 

「・・・・・!!」

 

扉の向こうは小部屋だった。だが、小部屋にはとんでもないものがあった。

 

「これ・・・・・死んでる、のか?」

 

白衣を身に纏った、血色からして明らかな死体が机に突っ伏していた。

 

「もしかして・・・・・日記の?」

 

俺は戦闘の際に落としてしまったあの日記を思い出した。それに、エリナさんの話から考えると十分考えられる。

 

ブゥン・・・・・

 

「?」

 

突然、机の上のパソコンが起動してある画面が表示された。

 

「三月二二日?これも日記か?」

 

俺は死体を動かさないようにマウスを操作し、画面を下にスクロールした。

 

「『エレクリットの奴らの目はなんとか誤魔化せた。だがユナの容態が悪化した。これもISに乗せたからなのだろうか?』」

 

やはりあの日記の続きのようだ。ユナと言うのはおそらくあの女の子の名前だろう。

 

「続きがある・・・・・」

 

俺は次の日記にページを進めた。

 

「『三月二四日、ユナの容態は悪くなっていく一方だ。長くは保たないだろう。だが、ユナは私に笑ってみせて、何して遊ぶ?と聞いてきた。できる事ならユナを助けたい。私があの子にできることは何かないのか?』」

 

俺はページを進める。

 

「『四月一日、久しぶりに日記を書く。ユナは私に、大丈夫。何ともないよ。と言ってきたがベッドに横たわり、力なく笑う彼女の顔を見て、私は涙を流してしまった。すぐに何でもないと取り繕った。だがすぐ嘘と見抜かれた。今日はエイプリルフールだったから』」

 

さらにページを進める。

 

「『四月二十日、ずっとユナの傍にいたから、日記を書くことを忘れていた。今日の夜、私はユナが泣いているのを偶然見てしまった。彼女も知っていたのだろう。自分の命が長くないことを・・・・・。私は神に祈ったことなんてなかった。だが、今だけは違う。神よ、ユナを助けてくれ!』」

 

次のページが最後のようだ。

 

「『四月三十日、ユナが私の手を握って、ありがとう、と言った。私は、何を縁起でもないことを、と笑って顔を逸らし、部屋を出た。そしてもう一度ユナの寝室に戻ってきた時、ユナは目を閉じていた。私が手を握るとその手は、冷たかった』」

 

その日記には続きがあり、俺は画面を下にスクロールした。

 

「『ユナは死んだんだ。私の所為だ。私があの子を実験体に使ってしまったからだ!だが、いくら悔やんでももう、ユナは笑ってはくれない。あの笑顔を見せてはくれない。分かっている。分かっているが私には彼女を消す事なんてできない。だから、私はユナの肉体を保存することを決めた。ユナ・・・私も、もうすぐ行くから、待っていてくれ』」

 

「・・・・・・・・・」

 

俺は、手をマウスから離した。すると、何かが机から落ちた。

 

「?」

 

拾ってみるとそれは薬品だった。字はかすれて読み取れないが、おそらくこの人はこの薬品を飲んでそして―――――。

 

カサ・・・・・

 

ふと、足に一枚のメモが触れた。その紙を拾い上げると手紙のようで、文章が書かれていた。

 

「・・・・・・・」

 

俺はその文面を読み、顔を上げ、そのメモをポケットにしまう。

 

「わかったよ。アンタの頼み、引き受けた」

 

俺は部屋から出て、G−soulを展開。そしてそのままG−soul第二形態《G−spirit》に姿を変え、あのISと四機のロボットに突進する。そのまま奴らの後方まで移動する。

 

ドドドドド!

 

迫り来るビーム。俺はスラスターを展開。ビームウイングを発動してビームを受け止める。

 

「まだ少し足りないか・・・・・。残存しているシールドエネルギーの五十パーセントをジェネレータに転送!」

 

ビームブラスターをビームブレードと接続し、ビームメガキャノンの砲口を向ける。その射線上にはあのIS、『クライ・ローレライ』と、四機のロボットと、ユナと、あの人がいる。

 

「チャージ完了まで三・・・・・二・・・・・一!行けぇ!」

 

俺はトリガーを引き絞り、ビームメガキャノンを最大出力で発射する。

 

ゴオォォォォォォ!!

 

放たれたビームは四機のロボットを爆発四散させ、ローレライを巻き込みながらユナとあの人が眠るスペースを飲み込んだ。

 

「ハァッ・・・・・ハァッ・・・・・!」

 

俺は驚愕した。ローレライはまだ立っていたのだ。ボロボロの装甲でもはや戦闘は不可能とは誰が見ても分かる。ローレライは右の手のひらを真っ直ぐ俺に向けてゆっくりとした動きで歩いてきた。

 

アソボウ―――――アソ―――――ボウ―――――

 

俺はビームメガキャノンからビームブラスターを分離させ、銃口をローレライに向けた。

 

「もう・・・・・、終わりにしよう」

 

ビシュッ!

 

放った一発のビームはローレライの左胸の部分に穴を空け、ローレライはそのままバラバラと崩れた。

 

「・・・・・・ふぅ」

 

戦闘が終わり、俺は床に座り込んだ。

 

『瑛斗!瑛斗無事なの!?』

 

それと同時にエリナさんから通信が入った。いきなり耳に大声が響いたから顔をしかめてしまう。

 

「あ、はい。無事です。まあ、無事、なのかな?」

 

『どういうこと?分かるように説明して!』

 

「話せば長くなりますよ。一度そっちに合流します。今、どこにいます?」

 

俺はエリナさんと合流することにした。

 

 

 

 

「・・・・・そう。やっぱりね・・・・・」

 

洋館の外へ出た俺から話を聞いたエリナさんは俺が持ってきたローレライのコアを手につぶやいた。

 

「やっぱり?」

 

「そのユナって女の子は今は封鎖されてるエレクリットの生体実験施設にいた子だったの

 

「生体実験施設?」

 

エリナさんは後ろめたそうな表情になり、説明を始めた。

 

「その生体実験施設はマッドサイエンティストがエレクリットとは別のルートで資金を手に入れてたから所属がエレクリットだっただけで、実験の内容も、被検体の調達方法も、前社長はそれを黙認してたわ」

 

おそらく会社の知られたくない裏の面なのだろう。

 

「今の社長になってから封鎖されて、そこにいた子たちの消息はそれ以降は不明。故郷に戻ったとも、また別の施設に送られたとも、いろんな説があるわ。でもユナは違った」

 

「?」

 

「エリスに調べてもらったら、ユナは一人の研究員に懐いてたみたいで、彼と一緒にこの洋館にいたらしいの。でも、彼がISのコアを一つ持ち出してこの洋館で誰にも言わない研究をしてると噂が立ち―――――」

 

「強制捜査に入った。それで後は俺の話した通りって訳ですね?」

 

「ええ」

 

エリナさんは頷いた。

 

「そう言えば、瑛斗。地下にその研究員の遺体とガラスケースに入ったユナがいたって言ってたけど、そっちはどうしたの?」

 

「ああ、跡形もなく消し飛ばしましたよ。研究施設ごと。ビームメガキャノンで」

 

「そう―――――って、消し飛ばした!?どうして!?貴重なデータが取れたのに!」

 

エリナさんは声を荒げた。

 

「頼まれたんですよ。その研究員に」

 

「え?」

 

首を捻るエリナさんに俺はあの部屋で拾ったメモを見せた。

 

「読んでみてください」

 

「えーと、『これを読んでいる君が、ここに何をしに来たのかは分からない。だが、一つだけ私の頼みを聞いてほしい。ここの研究材料と、私と、ユナをこの世界から処分してほしい。考えてみれば、ユナをこの世界に縛り付けてるのは私だった。あの子は何よりも自由を欲していた。なのに私は愚かなことをしたものだ。本来なら私がするべきなのだろう。だが、私にはそんな勇気はない。事実、私は最後に記した日記のあとも死ぬことはできなかった。怖かったんだ。私は臆病者だ。頼む。ユナと私を自由に・・・』」

 

そのメモは涙で濡れていて、それが乾いた痕跡があり、そこから先は読めなかった。

 

「俺はそのメモの通りにやったまでです。調査してこいって話だったのに、すいません。壊して」

 

俺はエリナさんに頭を下げる。まあ、こんなことで許してもらえるとは思ってないが。

 

「・・・・・・・はぁ」

 

エリナさんはため息をついた。

 

「今回の調査結果よ。この研究所では特に変わったことは無く、ただISのコアが一個放置されていただけ。住んでいたはずの研究員と少女はどこかへ旅に出たっきり消息不明。以上」

 

「・・・・・・・・・は?」

 

俺が聞き直そうとするとエリナさんはくるっと踵を返した。

 

「ん〜〜っ、こんな夜はお化けでもでそうね。早く帰りましょ?ああ、瑛斗はすぐに帰ってくれて構わないわ。日本が恋しいでしょう?」

 

言うだけ言ってエリナさんはヴァイオレット・スパークを展開して上昇してしまった。

 

「あ、ちょ、ちょっと!」

 

俺もG−soulを展開して後を追おうとした。

 

あはは―――――あははは―――――

 

「?」

 

ふと後ろから声がしたので振り返る。

 

その景色に、俺は息を飲んだ。

 

美しい洋館の庭で女の子が駆け回っている。そして玄関の階段には一人の眼鏡をかけた三十代くらいの男性が階段に腰掛け、微笑みながらそれを見ている。

 

『瑛斗ー?何してるの?早くいらっしゃい』

 

「あ、は、はい」

 

俺はエリナさんを追うように上昇した。そしてチラと後ろを振り返った。

 

・・・・・だがそこには女の子も男性もいなくて、ただ荒れ果てた洋館がたたずむだけだった。

 

 

 

 

 

「じゃあ、ありがとうございました」

 

「よかったんすか?わざわざ空港で降りなくても、IS学園までお送りするっすよ?」

 

そんなわけであの後すぐに日本に戻ってきた俺。エリスさんの操縦でロウディで学園に近い空港まで送ってもらったのだ。今は空港内でエリスさんと話している。

 

「いいんですよ。他の生徒たちに迷惑ですし。それに―――――」

 

「?」

 

「少し・・・・・歩きたい気分なんです」

 

窓の外を見ながらそう言うと、エリスさんはそれ以上追究してくることはなかった。

 

「はあ・・・・・分かりましたっす。じゃあ、自分はこれで」

 

「お世話になりました」

 

エリスさんと別れた俺は、急行電車に乗って駅まで向かい、駅前をぶらついた。特に何を考えるわけでもなく、ただ、ぶらぶらと。

 

「お、もう六時か・・・・・」

 

空を見れば太陽が大分傾いている。そろそろ帰るか・・・・・。

 

「ん?」

 

ふと、人だかりが目に留まった。何事だろうか?

 

「何があったんですか?」

 

近くにいた二十代くらいのOLさんらしき女の人に聞いてみる。

 

「私もよく分からないけど、強盗が立て籠もってたらしいのよ。最近は物騒よねぇ。でも、金髪の美男子の執事と綺麗な銀髪のメイドの格好したウェイトレスがその強盗を撃退して、そのままどっか行っちゃったんですって!ドラマみたいよねー」

 

「へぇ、そんなことが」

 

金髪美男子執事と銀髪美少女メイドか。そりゃ見てみたかったな。

 

「あ、それでこのお店の店長さんが事件に巻き込まれた人にお詫びの品って言って配ってたんだけど、私も間違えられちゃってクッキー貰っちゃったの。でも私これから大事な用事があるからコレどうしようか困ってたのよ。君、コレいる?」

 

そう言って女の人は俺に紙袋を渡してきた。『いる?』と聞いた割には無理矢理押し付けてきたような気がする。

 

「あっ!いけない、こんな時間!じゃあね!」

 

「あ・・・・・」

 

言う間もなくその女の人は行ってしまった。きっと、合コンとやらに向かうのだろう。ドラマで見た。

 

「まあ、タダで貰えたから良いか」

 

寮に戻ったらシャルとラウラにでも上げよう。うん、それがいい。俺は『カフェ@クルーズ』のロゴが入った紙袋を片手に、そう決めるのだった。

 

 

 

 

というわけで夜、俺はシャルとラウラの部屋に向かっている。あの二人も、仲良くなったもんだよな。やっぱシャルは人と仲良くなる才能があるな。うん。

 

そんなことを考えていたら二人の部屋に着いた。さて、ノックして―――――

 

『ラウラ可愛いぃ〜!そうだ!写真撮ろっ!?ねっ!?』

 

『き、記録に残すだと!?だ、ダメだっ!断固拒否するっ!』

 

何やらシャルの楽しそうな声が聞こえる。声の弾みっぷりが半端ない。

 

コンコン

 

『あ、どうぞー。開いてるよー』

 

「おう、邪魔するぜ」

 

部屋に入ると、二人がビクゥッ!と二センチほど飛び上がった。すごいな。脚のどこの筋肉使ったら座ってるのに飛び上がれるんだ?

 

「え、瑛斗!?」

 

「お、お前・・・・・!」

 

驚き、顔を真っ赤にする二人。今の二人の格好はパジャマなのだが、そのパジャマがすごい。白ネコと黒ネコスタイルなのだ。肉球付き手袋を装備し、パーカーのフードにはネコ耳までついている。

 

「な、なんで!?い、一夏からエレクリットの本社にいるって・・・・・」

 

なぜかテンパるシャル。なぜだ?

 

「ああ。今日の夕方くらいに帰ってきた。そんで顔見せといたほうがいいかと思ってな」

 

「そ、そうか。嫁としては殊勝な態度だな。褒めてやる」

 

いや、ラウラさん。そんな黒ネコな格好で偉そうにされても微笑ましいだけなんですが?

 

「・・・・・ぷっ」

 

いかん、笑ってしまった。二人とも顔をさっきより赤くしてる。

 

「え、瑛斗。そっ、その、この格好、やっぱり変かな?」

 

シャルが顔を下に向けて聞いてきた。

 

「そんなことない。二人ともよく似合ってるし、可愛いぞ?」

 

率直な感想を述べてみた。すると二人ともほっとしたように息を吐いた。なぜだ?

 

「あっと、そうそう。すっかり忘れてた。ほら、コレ」

 

「「?」」

 

二人にクッキーの入ったあの紙袋を見せた。

 

「なんかこの店で配ってたクッキーらしいんだけどよ。押しかけてきた強盗を金髪美男子執事と銀髪美少女メイドが撃退してそのままどっかに行っちまったんだってよ。スゲーよな。映画みたいだ」

 

「う、うん・・・・・そう、だね」

 

「あ、ああ・・・・・そう、だな」

 

二人とも今度は顔を白くし始めたぞ?

 

「あ、もしかして二人ともクッキー嫌いだったか?」

 

「う、ううん!そんなことないよ!ねっ!?ラウラ!?」

 

「あ、ああ!クッキー!いいじゃないか!早速食べよう!」

 

おお、今度はがっついてきたな。せわしないな、二人とも。

 

「そ、そうか。お、このクッキー、ココアクッキーだな。じゃあホットミルクか?二人はどうする?」

 

「ぼ、僕もそれで」

 

「私もだ」

 

「あいよ。ちょっと待っててくれ」

 

そんなわけで、俺達三人は結構遅くまで語り合い、俺は夏休みの暇つぶしって名目の忙しい日を終えたのだった。

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