テイルズオブエクシリア〜転生者はイレギュラー |
〜第三者SIDE〜
空から現れた船と兵士たちによってファイザバード沼野はボロボロになっていた。そんなボロボロになった沼野のあるところでジュードはただ、一人だけ倒れていた。
それを敵がいるかを捜しに来ていたアグリアとプレザが見つける。
アグリアは倒れているジュードに手を合わせたり、顔を踏んだりする。
「アハ〜。アハハハ」
「気を失っているとわかってやるなんて、バカね。そういうのは反応があるから楽しいんじゃない」
呆れながらプレザはアギリアにいう。そこへ、
「アグリア」
ガイアスとウィンガルが来た。
「は、はい」
ガイアスに呼ばれ、ジュードを踏むのをやめるアグリア。
「……ふふ」
アグリアが自分の後ろに静かに立つのを見てプレザは苦笑する。
ガイアスは倒れているジュードを見て言う。
「マクスウェルはいるか?もしくはレオンは」
ウィンガルは周りを見渡す。
「いえ、一人のようです」
話をしていると反対側から謎の兵士達が来た。
「もうここまで来たようですね」
「面倒だ。身を隠せ」
ガイアス達は兵士に見つからないように身を隠す。
「マクスウェルを見たか?ただの女にしか見えなかったな」
「あんな女が断界殻(シェル)をつくりだしたとは信じられんよ」
話をしている兵士2人は倒れているジュードを見つけ、駆け寄る。
「断界殻(シェル)……?」
ガイアスとウィンガルは目線を合わせ、ウィンガルは頷く。
そして、ガイアス・ウィンガル・プレザ・アグリアはその兵士たちへ駆けより倒す。
「断界殻(シェル)ってなんだよ、おらおら。あははは」
アグリアはジュードの時みたいに兵士を踏みつける。
そうしていると、
ガタガタガタガタ!
「う……ぅ……」
振動で目を覚ましかけるジュード。そんなジュードに近づこうとするプレザであったが。
「近づくな、巻き込まれるぞ」
ガイアスがそう言うと同時に、振動が強くなり、プレザとアグリアは素早く後ろに下がった。
そして、その振動のせいでできた穴にジュードと倒されていた兵士2人は落ちて行った。
「生きていれば、必ず俺の前に現れよう。その時、俺の役に立ってもらうだけだ」
そういい、ガイアスは離れようとするが、
ドシャアァァァァァン!
『!!』
ガイアス達は後ろの壁が崩れるのが聞こえ、そちらを見ると……
「へ……陛下……」
そこには傷だらけで片手にレオンを背負ったジャオを立っていた。
「ジャオ殿!」
ウィンガルとプレザはそんな傷ついたジャオに近づく。
「よっこらせっと」
ジャオはレオンを静かに降ろし、腰を壁にかける。
「無事だったのか」
ガイアスがジャオに聞く。
「はい。レオンに助けられましたわ」
「レオンにだと?」
「ええ。陛下達と離れた後、儂は奴らを蹴散らし、死ぬ覚悟をしておりました。ですが……」
ジャオは寝ているレオンを見る。
「奴らの砲撃が当たる瞬間にレオンに手を掴まれ、地の中に引きづり込まれました」
「ああ?地の中に引きづり込まれるだぁ?」
「そうじゃ。レオンは精霊術にも長けておるためかの?片手を地面にかざしたら地面に穴があき、そこに入ることで砲撃から身を守ることにできたのじゃ」
ガイアスは腕を組みながら言う。
「なるほどな。レオンには感謝せねばなるまい」
「そうですね。はい、治療終わりましたよ」
ジャオの傷はガイアスと話をしながらプレザが治療していた。
「では、ジャオ。レオンをこれから行くザイラの森の教会へ連れて行け」
「わかりました」
ジャオはガイアスに言われ、レオンを肩に乗せる。
「行くぞ」
ガイアス達は沼野を離れ、ザイラの森の教会へ向かった。
〜その頃、ミラは〜
「はっ!」
ある洞窟で目を覚ましていた。
「(あの夢の声……ずいぶん久々に聞いた気がするが……)」
ミラは生まれて初めて夢を見たようだ。
「痛っ!」
立ち上がったミラは体に走る痛みに声を上げた。
「(あのあと一体どうなったんだ……?みなは……レオンは無事なのか……)」
ミラはレオンから貰ったペンダントを見る。
「(レオンなら、きっと大丈夫だ。レオンは強い……)」
ミラはペンダントを仕舞い、洞窟の先に見える出口から外に出る。
外に出たミラは周りを見る。
「みんな!レオン!」
だが、その声には誰も答えない。辺りは吹雪いているだけである。
ガシャ!
「レオン?」
音の主がレオンだと思ったミラは嬉しそうにするもその表情もすぐに変わる。
「なっ!」
「定時連絡か?あっ!」
岩影から出てきたのはあの兵士だった。兵士もミラを見て声を上げる。
戦いが始まるが、戦いはすぐに終わった。
戦いが終わると辺りを見渡すミラ。
すると、奥から別の兵士がミラの方へやってくる。
「くっ!」
ミラはその場を走って逃げる。
走って逃げたミラであったが、ここがどこだかが余計にわからなくなってしまった。
「うかつ過ぎた……!」
ミラは自分の行動がうかつ過ぎるのを悔いてその場を歩いて移動する。
歩き続けているとミラはこんなことを話し始める。
「ふ……私は戸惑っていたということか……。……さっきの夢と言い、まるで人間だな……おっと、こんなことを言っていたらレオンに怒られてしまうか」
ミラは立ち止まり、周りを見渡し、言う。
「……久々の一人、か……思い起こせば今まではレオンがずっといたからな。これが……寂しいと言うやつか」
ミラはそのまま、辺りを歩き続けること数分。
「……はぁ」
ミラは何も見つからないことにため息をついていると、
「ミラー!!」
レイアとローエンの2人が駆け付けてきた。
レイアは肩で息をしている。
「ミラさん、よかった。まさか出て行かれるとは……心配いたしました」
「……すまない。うかつだった。他のみんなは?レオンはどうしている?」
ミラに聞かれ、首を振るレイア。
「……わからないの」
「何?一体あの後何があった?」
そして、レイアとローエンはミラが気絶してから何があったのかを話す。レオンは自分達を逃がすために時間を稼いだことも。
「……そうか」
「ア・ジュールの人たちが助けてくれるなんて思ってなかったよね」
「……ああ。そうだな」
「レオンさんたちもきっと無事でいてくれます」
「……うむ」
話をしていると空から音が鳴り響いた。
シュウゥゴオォォォォォン――――――
「沼野に現れた空飛ぶ船だよね」
「あれは……一体何なのでしょうか……」
ローエンが珍しくそういうとレイアは驚いてローエンにいう。
「意外。ローエンでも見当つかないことってあるんだ」
「もちろんいっぱいありますとも」
「……」
「どうかしたの、ミラ?」
レイアはあまりにも元気のないミラを見て聞いてみる。
「いや……なんでもない」
だが、なんでもないと言うミラである。
そんなミラを不思議そうに見る2人。
「それよりレオンたちを捜そう。きっと近くにいるはずだ」
「うん」
「洞窟を進んでみましょうか」
先に歩きだす2人。
そんな中、ミラは動かず胸を抑える。
「何だ……夢のせいか……?……レオン。早く無事な姿を見せてくれ……」
そういい、レイア達の方を見ると、レイアが手を振っていた。
ミラはそちらのほうへ歩き始めた。
〜その頃のジュードは〜
ジュードは目を覚ますとミラの姉と名乗る精霊……ミュゼと出会い、マナを回復させるためということで使役するようになっていた。
その後、移動し続け、洞窟内に入るとアルヴィンとエリーゼ、ティポと合流し洞窟を進んでいた。
「ホントにこっちでいいのかな、ジュード君?」
「え、どうして僕に訊くの?」
「お嬢ちゃん?」
「ジュードにお任せです」
何とも人任せに進むメンバーである。
「アルヴィンはどう思ってるの?」
「俺が決めた道で信用できんの?」
「無理〜。やだ〜」
エリーゼの代わりにティポが答えた。
「だってよ?」
ジュードは何も言わずミュゼを見る。
「どうぞ御心のままに」
「う、うん……」
結局は自分なのか……と思っていると、
「ジュード!何かいます!」
「え……!」
エリーゼに言われて湖を見るジュード。
バシャアァァァン!
【グウオォォォォォォォォ!!!!】
いきなり現れた魔物に驚くエリーゼ。
「あら。アクアドラゴン。とても怒っているよう」
魔物……アクアドラゴンを見て優雅に笑うミュゼにアルヴィンが言う。
「なに、優雅に笑ってんの。もうやるしかないぜ!」
「うわわ〜!」
二体のアクアドラゴンがジュード達に襲いかかる。
戦闘にはミュゼも参加してジュード達を援護している。
その援護とエリーゼの精霊術でアクアドラゴンを翻弄し、止めと言わんばかりにアルヴィンが技を繰り出す。
「我流紅蓮剣!!」
アルヴィンは炎を纏った剣で斬り上げて自分もジャンプし斬る。
「目ぇかっぽじってよく見てな!」
銃を乱射する。
「おたくの最期の光景だ!エクスペンダブルプライド!!」
アルヴィンが最後に地面に大剣を空中から叩きつけ、大爆発を起こす。
【グウオォォォォォォォ!!!!】
二体のアクアドラゴンはアルヴィンの秘奥義を喰らって絶命した。
「どうしたんだよ〜、ジュード君。ぼーっとしちゃダメ〜!」
「ご、ごめん……」
「ま、いいんじゃないの?みんな無事なんだから、さ」
アルヴィンは特に気にした様子はなかった。
ジュード達はそのまま、奥へ進むのであった。出口を捜して。
〜その頃のミラ達は〜
ミラ達も洞窟の奥を目指していた。
奥へ行く途中、兵士たちを見つけ、情報を聞き出そうとするが洞窟にいた炎の魔物に殺されてしまい、情報を聞くことができなくなってしまった。
そのまま、立ち止まっている暇はないので奥へと来ていた。
「ねえ、二人とも。訊いていい?」
ミラとローエンはレイアを見る。
「わたし、看護師になる資格あると思う?」
「さっきの兵のことを気に病んでいるのか?あれはしょうがないだろう」
そう言って先に進むミラ。
「……それだけじゃないの。わたしが看護師になりたいのって、ジュードを手伝って働けたらいいなってぐらいだったから」
レイアは少し顔を紅くしながら言う。
「いけないことなのか?」
「首都でアグリアさんに言われたことを気になされていたのですね?」
ローエンに言われ、頷くレイア。
「看護師って、病気の人を助ける仕事でしょ。患者さんや、その家族から見たらわたしの動機なんてすっごく不純かもって……」
「ふむ……。動機がそれほど重要だとは、私には思えないがな」
そう、自分の思ったことをミラはレイアに言うが、
「けど……それが自分で自分の失敗を許しちゃう原因なのかなって。努力していれば、それがいいって思えちゃうんだ。結果は二の次だって」
レイアは自分のすることが二の次といった。
そんな話をしている最中に、
【ガウガウ!ガウシャアァァァァァァァン!!】
魔物の声が鳴り響く。
「さっきのやつか?」
「なんか、さっきより機嫌悪くない?」
「兵たちが我々の捜索をする際、縄張りを荒らしたのでしょう」
ミラは周りを見渡す。
「……どこから来る?」
「ミラさん、逆です!」
【グゥオオオオオオオオオン!!!】
魔物……ファイアティグルがミラ達に襲いかかる。
「ちっ……」
戦闘が始まる。
戦闘が始まってからはローエンとミラの水の精霊術で攻撃し、レイアが棍で攻撃する簡単な戦闘だった。
最後は、
「タイダルウェイブ!」
水の渦がファイアティグルを巻き込み、
「フェローチェ 荒々しく」
水流を水柱にして巻き上げ、
「グラツィオーソ 優雅に!」
凍らせ、
コツンコツン
「グランドフィナーレ!!」
ファイアティグルは凍ったまま砕き散れた。
戦闘が終わるとミラが自分の油断で危うくやられるのがわかっていた。レイアとローエンの助けがなければどうなっていたか……と。
「私は……迷惑ばかりかけているな」
「そういう時もあります。そうお気になさらずに」
ローエンにそう言われるミラであったが、胸の中でざわつく何かにイライラしている。
「……レオンがいないだけで、こうも違うのだな。いつもはレオンがいるから落ちつけていたのだが……」
「それでしたら、さら早くレオンさんと合流しましょう」
「……そうだな……」
ミラはレイアを見る。
「レイア、先ほどの答えだが……」
「あ、うん……」
「何ごとも結果は重要だ。だが、私はやろうとする意志が大切だと思っている。四大を失った時、私はそれでもレオンと共にやろうと決めただけだ」
「……そうですね。その意志をもたねば結果は伴いません」
二人に言われて元気が出てきたレイアは二人にお礼を言う。
「うん。そうだね……ありがとう。二人とも」
ミラはそんなレイアを見て、ほほ笑む。
「さぁ、行こう。出口はきっとこの先だ」
3人は奥へ進み出口を捜すのであった。
そして、ミラ組とジュード組が洞窟から出たのは同時であった。二組はそのまま、何かがあるであろうと思い、先へ進むのであった。
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第47話 ミラ組とジュード組。そして、新たな仲間? | ||
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