テイルズオブエクシリア〜転生者はイレギュラー
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〜レオンSIDE〜

 

 

俺は夜、皆のように寝ないで教会の椅子に座ってボォーとしている。さすがに2,3日眠り続ければ眠くなどない。

 

 

と、そんな眠れない俺の元に、

 

 

「眠れないのか?レオン」

 

 

ミラがやってきた。

 

 

「まあな。ファイザバード沼野での出来事から今日まで眠り続けていたからな」

 

 

「……そうか。でも、レオン、本当に無事でよかった」

 

 

「……サンキュ」

 

 

俺はミラの肩を抱き、ミラは俺に静かに寄りそう。

 

 

「レオン……私が今までしてきたことは……どう思う?」

 

 

「どうって……ミラが自分で決めたことを……自分の中で正義だと思ったことを実行してきたんだろ?俺はそれに今まで付いていく、一緒にやってきただろ?」

 

 

「正義か……」

 

 

俺が言ったことに反応するミラ。

 

 

「正義とは、見る者によって定義を変える。難しいものだ」

 

 

「まあ、確かにそうではあるな。俺には俺の。ミラにはミラの正義がある。見る人によって変わってくるだろうな……俺から言っておいて何だが」

 

 

ガシャン

 

 

「では、お前たちの正義とはなんだ?」

 

 

「ふ。馴れ合わないのではないのか?」

 

 

「答えろマクスウェル、レオン」

 

 

ミラの言うことに答えず、自分の質問に答えろと言わんばかりに話を進める。

 

 

「自らの胸の内にだけ秘めた、意志の力だ」

 

 

「そして、それを行うために自身がすべきことを見失わない、心だと俺は思う」

 

 

俺はミラの意志とは別に心も大事だと思う、どんなに意志が強くなろうとも心の弱いものがそれを成し得るはできない……そう思っている。心と意志は二つで一つ。それが俺独自の考えだ。

 

 

「ふっ、マクスウェル。俺も同じだ。強き者は自らその意志で、その責を果たさなければならない。それ故、俺は弱き者を守り、導いてやらなければならない。」

 

 

「ガイアス。人の弱さとは力そのものではなく、心の弱さ……レオンが言っていたことだ。心弱き者は必ず生まれる。だが、それ自体は悪ではないだろう」

 

 

「では、弱き者が強くなれる時まで支えること。それが俺たちの義務だと考えよう」

 

 

「俺たち……か」

 

 

「そうだ。俺たちだけではない。すべての強き者たちがすべての弱き者を支える。これであれば人の系譜の中でも生き続けるであろう、マクスウェル?」

 

 

うわー。ガイアスのやつ、ミラに対してすげえ、挑戦的な……これが俺の答えだって表情をしているな。これが一国を支える王のか。

 

 

「ふふ、ファイザバード沼野の続きをしようというのか?」

 

 

ミラもあの時のガイアスの言葉を思えているのか苦笑しながらガイアスに聞く。

 

 

「あの時、言ったように、俺が力を手にしたのなら、人の歴史は変わる。だが、ジランドのような力を己のためにしか使えぬ者が台頭すれば、人は同じ過ちを繰り返す」

 

 

「そうか……。だが、私が答えを出してやれるものではない。お前の正義はお前だけのもの。私やレオンなど関係ない」

 

 

「ふふ……そのとおりだな」

 

 

俺は話しあう二人を見ていてやっぱりと思っていた。

 

 

「くっくっく……やっぱ、ミラとガイアスは似ているな」

 

 

「俺がマクスウェルに似ているだと?」

 

 

「ああ。ミラの言葉は聞くと無茶だとは思えてくるんだが、それがウソじゃねえって思えてくる。ガイアスの言葉も偶に無茶だと感じることもあったが……それもウソじゃねえって思えてくるんだよ。そこが似ているなって思ってな」

 

 

ガイアスは一瞬、ポカーンとしたのを俺は見た。いやはや、珍しいもんも見た気がしたぜ。

 

 

「ククク……そうか、俺がマクスウェルみたいか……。確かにな」

 

 

珍しくガイアスが笑ったのを見たぜ!?いつもはキリって感じだが、笑えたんだな……ガイアスって。

 

 

「ではな……」

 

 

ガイアスはそう言うと教会を出て行った。

説明
第49話 レオンとミラ、そしてガイアス
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