ゼロの使い魔 〜魔法世界を駆ける疾風〜 第五.五話
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コルベールSide

 

大変だ!早くこのことを学院長に伝えないと…!

 

「オールド・オスマン!」

「んあ?何じゃね。ミスタ・ツルッパゲール」

「私はコルベールです!ええい、オールド・オスマンこれを!」

 

私は『始祖ブリミルの使い魔たち』と一緒にミスタ・ナミカゼに現れたルーンのスケッチを机に叩きつける。それを見た瞬間、目が鋭くなりオールド・オスマンの表情が変わった。

 

「ミス・ロングビル。席をはずしなさい」

 

ミス・ロングビルに退出を促し、ロングビルは出て行った

 

「詳しく説明をするんじゃ。ミスタ・コルベール」

「実はですね、ミス・ヴァリエールが傭兵を召喚したことはご存知ですか?」

「無論じゃ」

「その傭兵にディテクトマジックをかけたところ、学院長。貴方よりも強大な魔力を感じました。しかも、おそらく何らかの力を隠しているでしょう」

「それも気になるが、今はコレじゃ。何故今頃始祖ブリミルの使い魔たちなどという古臭い文献を持ってきたんじゃ?」

「ああ、そうでした。このルーンを見てください」

「むう!…これは」

「そうなのです」

「始祖の使い魔。『ガンダールヴ』『ヴィンダールヴ』『ミョズニトニルン』に行き着いたと」

「ええ、そうなのです。しかももうひとつのルーンは胸に現れたことからも…」

「『記すことさえはばかられる』第四の使い魔か…」

 

コンコン

 

「誰じゃ?」

「私です。オールド・オスマン」

「なんじゃね?ミス・ロングビル」

「ヴェストリの広場で決闘をしている生徒がいるようです。止めに入った教師がいましたが、生徒たちに邪魔をされて止められないようです」

「まったく暇をもてあました貴族ほどたちの悪い生き物はおらんわい。で、誰が暴れておるんだね?」

「一人はギーシュ・ド・グラモン」

「あのグラモンとこのバカ息子か。オヤジも色の道では剛のものじゃったが、息子も輪をかけて女好きじゃ。大方女の子の取り合いじゃろう。相手は誰じゃ?」

「…それがメイジではありません。ミス・ヴァリエールに召喚された使い魔の傭兵のようです」

 

私と学院長は顔を見合わせた

 

「教師たちは決闘を止めるため『眠りの鐘』の使用許可を求めています」

「アホか。たかが喧嘩に秘宝を使ってどうするんじゃ。ほうっておきなさい」

「分かりました」

 

そういってミス・ロングビルは去っていった

 

「オールド・オスマン」

「うむ」

 

学院長は杖を振り大きな鏡に『遠見』の魔法をかけ、鏡に広場の様子が映し出された

 

 

 

 

 

 

数分後

 

 

 

 

 

「オールド・オスマン」

「うむ」

「あの傭兵勝ってしまいましたが」

「そうじゃの」

「ミスタ・グラモンはドット、ミスタ・ロレーヌはラインと言う比較的弱い部類に入りますが、それでも傭兵に後れをとるなどありえません!やはり彼は『始祖の使い魔』!!」

「うむむ…」

「オールド・オスマン。早速王宮に報告して指示を仰がないことには…」

「それには及ばん」

 

何故!?『始祖の使い魔』が現れたのなら世紀の大発見だと言うのに!

 

「何故ですか!コレは世紀の大発見ですよ!現代に蘇った『始祖の使い魔』!」

「ミスタ・コルベール。ではその『始祖の使い魔』を言ってみてくれんかの?」

「いいですよ。まずは『ガンダールヴ』!あらゆる武器を使いこなし敵を打ち倒す。二体目は『ヴィンダールヴ』!あらゆる幻獣を操るとされています。三体目は『ミョズニトニルン』!あらゆる魔道具を駆使し主を勝利へ導く。そして四体目『記すことさえはばかられる』」

「では質問じゃコルベール君。彼は武器や魔道具、幻獣を使って戦っていたかね?」

「!そ、そういえば彼は終始素手で戦っていました」

「唯一の例外は、最初のミスタ・グラモンの背後に回ったときだけじゃ。あの移動はワシにも見えんかった。しかしミセス・シュヴルーズの話では、彼は武器を持たなくとも高速で移動できるらしい」

「で、では最後のミスタ・グラモンのゴーレムに放ったあの魔法は何なのですか?あんな魔法、見たことも聞いたこともありません」

「ワシはの?彼にディテクトマジックをかけておった。それこそ最初から最後まで。しかし彼は一度も魔力を使ってはおらん」

「な!?と言うことは…」

「君が言った彼の隠している力とはおそらくアレじゃろう。しかし、アレだけとは到底思えん。まだ隠しておるじゃろうな」

「ではなおさら王宮に報告を!」

「ならんと言っておるじゃろう。あのような力を持った玩具を王宮のボンクラどもに与えてみい。またぞろ戦を引き起こすじゃろうて」

「ははぁ。学院長の深謀には恐れ入ります」

「とにかくこの件はワシが預かる。他言は無用じゃ」

「は、はい!かしこまりました!」

 

 

 

「とりあえずミスタ・ロレーヌにはある程度の罰を与えねばのう。前回のミス・ツェルプストーとミス・タバサの件といい、ちと彼はやりすぎじゃ」

「そうですね。しかも学友ごと殺そうとするなんて…」

「これはグラモンのバカとミスタ・ロレーヌの両親に報告した上で謹慎というのが妥当かのう…」

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今回は少し短かったです

感想は随時受け付けております

説明
第五.五話です
これはコルベール先生視点の決闘の様子です
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コメント
貴族社会も大変だな(あらたか)
ryouさま、それをやらせても良かったのですが、この段階でやってしまうとルイズたちとの信頼関係が危うくなりますし、なにより『貴族』のロレーヌを『平民』の疾風が殺してしまうと全ハルケギニアに手配されかねませんので…(ディアーリーズ)
俺的にははやてガロレーヌをぶち殺す!てきなのを期待した(あらたか)
>孝さま 流石に殺人未遂とは言え学園ができる処罰は退学か謹慎くらいでしょうし、貴族の息子を退学にしたらその家の没落にも繋がる恐れがあります。それに謹慎といえど面子を重視する貴族社会では大打撃となりますし、ギーシュの父親は陸軍元帥なのでこれでも結構な処分だと思います(ディアーリーズ)
殺そうとしたのに謹慎で済むって・・・日本より軽い罪だな。 殺人未遂で謹慎処分程度って・・・(孝(たか))
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