IS〜彷徨いし剣の担い手〜暴走する欠片/現れる鷹 |
RIN:SIDE
【THIEF・ON】
「ガアァアアアアアアアアアアアア!!!」
唐突にそう響く電子音が発した言葉の意味に気がついたのと同時に一夏の絶叫が私の耳を捉えた。
「一夏!?どうしたの!一夏ッ!!?」
「今のは……まさか!?」
慌てて地面に膝をつく一夏の側に降りるが一夏は何か焦ったかのように現れた正体不明のISに視線を向けた。それに気付いたのか正体不明のISは私達に見せつけるかの様に閉じられていた左手を開いた。
「黄色と青と紫と金色と黒色のメダル?」
開かれた左手には、外側が金で彩られ、内側には動物や恐竜等の絵が掘られた青や黄色、紫色の配色されたメダルが収められていた。
だがそれを見た一夏の顔色が目で見て変わる程変わっていくのが見えた。
「…ず……い……」
途切れ途切れだが……どこか切羽詰まった一夏の声と共に白式を突如浮かび上がった光のサークルが周囲を踊るように回り……赤の色のサークルが正面に止まると同時に其の姿を『白式・鳳凰』に変わった。
「…な……れろ…」
「…え?」
一夏が何かを言ったがそれを聞き取れなかった。
「俺から……離れろ!!」
一夏の悲鳴に近い怒声と同時に私の視界は赤に染まった。
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??:SIDE
その様子を……突如現れた炎が闘技場と思われる場所を埋め尽くす様に踊る様を遥か高い上空から見ていた者がいた。
「これは……仕方無い。」
そう呟くと共にソレは上空から降下を始めた。
「今、貴方に死なれては困るんですよ。剣の担い手(ブレイド)。」
そう呟くと共に目の前に広がる不可視の防壁を貫いた。
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KANSEI:SIDE
警告を示すアラームが管制室の中に再び響いた。
「シールドが何かに突破されました!?」
「今度は何だ?」
山田先生の悲鳴に近い報告に全員が慌ててモニターに視線を向けた。モニターには未だに機能しているカメラからの映像が映っていたが……直ぐに途絶えた。
「……なんですか、今の?」
山田先生の震えるように聞こえる声に誰も答える事が出来なかった。私達の目に映ったのは……アリーナに降り立った自分達の知識には無い異形の姿だった。
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ICHIKA:SIDE
再び鳴り響いたアラームと同時にその存在は俺達と無人機との間に降り立った。
「あんた……なんで?」
「お前…は……!?…」
鈴と俺は無人機との間に突然現れた乱入者の名を叫ぶ。
「「イーグルアンデッド!!?」」
現れたのはスペードスートのカテゴリーJ……上級アンデッドと呼ばれる存在の1つがこの場に現れた。
「俺を始末しに来たのか?」
バトルファイトの参加者であるアンデッドにとってブレイド系のライダーである俺は邪魔でしかないからな。
「いえ、逆ですよ。」
「逆?」
そう考えていた俺はイーグルアンデッドの反論に驚く。逆ってどう言う事だ?まさか俺を助けに来たのか?
「貴方には生きていてもらわないと困る。」
「困る?」
どうして邪魔にしかならない俺がいないと困る?一体何が狙いだ。
「私の願いの為に貴方の力を借りたい。」
「一夏、聞いちゃ駄目よ。」
イーグルアンデッドな言葉を聞いた瞬間、鈴が直ぐ様口を挟んだ。その顔にはイーグルアンデッドに対する警戒心や不信感が顕になっていた。
「確かに……ならこうしましょう。」
鈴の言葉を聞こえたのかそう呟くと共にその姿が消えた。
「「消えた!?」」
驚く俺達はイーグルアンデッドを見つけようと視線を動かそうとしたら轟音が響く。
「なんだ?」
慌てて轟音がした先に視線を向けた。向けた先ではイーグルアンデッドが無人機の左手に載せられたコアメダルを掴み捕って無人機を殴り飛ばしていた。
「受け取りなさい、ブレイド。」
そう言って投げ渡されたコアメダルを掴み体の中に戻した俺は衝動が治まったのを確認した後、立ち上がり鳳双剣を呼び出し両手に持ち杖にして立ち上がる。
「礼を言うべきか?」
「いえ、後で時間を頂きたい。」
「出来たらな。これで決める!」
イーグルアンデッドの反応を見る限りだと彼の願いにはブレイドの力が必要って訳か?まあ、今は無人機の中にあるラウズカードの確保が最優先か……そう考えながら呼び出した赤のコアメダルをタジャスピナーに装填しスキャンする。
【タカ!クジャク!コンドル!ギン!ギン!ギン!ギガスキャン!!!】
「―――――マグナブレイズ!!!」
背後に現れた不死鳥のオーラを従え無人機目掛けて急降下した。
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RIN:SIDE
「―――――マグナブレイズ!!!」
一夏が背後に現れた炎の鳥のオーラを従えながら無人機へと急降下し無人機は爆発した。爆発で発生した爆煙が収まると其処には原形を留めていない無人機の残骸とISの展開が解除され地面に倒れた一夏の姿が有った。
「一夏ッ!!」
慌てて駆け寄り様子を見るが呼吸をしている事が分かり気絶しているだけだと知ってホッとした。
「気を失っている見たいですね。」
そう言ってこっちに近づいてくるのは、人間の姿となったイーグルアンデッドだった。その姿を見て慌てて戦闘態勢をとろうとした私に戦う気は無いと言った。
「今の状況で此方から彼に危害を加える事はありません。」
「今の状況?」
ひょっとして、イーグルアンデッドは私達が知らない何かを知っている?そう考える私に1枚の封筒を渡し、其の姿をアンデッドの姿へと戻した。
「彼が起きたらコレを渡して下さい……」
そして、シールドバリアが破れている部分から外へ飛び出して行った。
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ICHIKA:SIDE
目を開けると知らない天井……じゃなく最近お世話になった保健室の天井が有った。本来ならお世話になるのは駄目なんだがそのおかげで何処に居るか分かったからいいんじゃねえ?と思う事にしよう。
「此処は……保健室か。」
「起きた?」
俺の声を聞きつけたのか部屋の窓側に居た鈴が此方に歩み寄って来た。
「ああ、それでどうなったんだ?」
「対抗戦は中止……アリーナは修復作業中。」
そりゃそうだろうな。無人機のISにアンデッド、どっちも一般常識からしてあり得ない存在だからな、まあ、俺と鈴にはあり得ないモノでは無いのが混ざってるから冷静で居られる。
「イーグルアンデッドは?」
「あの後、いなくなっちゃった。」
「そうか……ところで勝敗ってどうなるんだ?」
両方ともSEの残量は同量だったからな……けど、武装の有無やその他を入れると微妙になるんだよな。
「……引き分けで良くない?」
「それで良いか。」
だから、鈴の言葉に乗る形でこの話は終わった。辺りに沈黙が漂う中で何かを決意したのか鈴は制服のポケットから1枚のカードを取り出した。
「一夏、コレなんだけど。」
「シーフのラウズカード……」
鈴が此方に見せているのは、コモンブランクのシーフのラウズカード。今の俺には使えないカードがそこに在った。
「渡しても良いけど条件があるの。」
「条件?」
なんだ?と思いながら鈴の顔を―――――何かを決意した覚悟がはっきりと分かる表情で俺を見つめ、こう口にした。
「戦うななんて言うつもりはない。だから……」
―――――私にもアンデッドの封印を手伝わせなさい!!!―――――
余りにも予想外すぎ……いや、どこかでそう言うかもしれないと思っていたのかそれを俺は受け入れる事にした。だがその前に聞いておく事にした。
「それで良いのか?」
「言ったって止める気はないでしょう?」
やっぱり鈴には俺の考えは分かるよな
「当然よ、それに……『あの時』と違って今の私には『戦う力』が有るから大丈夫よ。」
だから大船に乗ったつもりで安心しなさいと無い胸を張って言った。
「なら、宜しく頼む。」
「任せなさい。」
現時点織斑一夏所有ラウズカード一覧
【SPADE】
A:CHANGE
2:SLASH
3:BEAT
4:TACKLE
7:METAL
8:MAGNET
10:TIME
【HEART】
4:FLOAT
7:BIO×
【DIA】
6: FIRE
9: GEMINI×
10: THIEF(NEW)×
【CLUB】
6:BLIZZARD
K:EVOLUTION
説明 | ||
異変と共に物語のカギとなる1つの欠片が晒される。 そして現れたのは・・・・・・かつて戦った1人の戦士。 |
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コメント | ||
「黄色と青と紫と金色と黒色」のメダルと書いてありますが、最初に「18個・6色」と書かれていました。赤・緑・白を入れると「24個・8色」になりませんか?(デーモン赤ペン) | ||
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