真・恋姫†無双 〜死神代行異世界救出編〜 |
尸魂界にて・・・
一護「最後の月牙天衝ってのは、俺自身が“月牙”になることだ」
黒崎一護は全てが黒に染まっていた。
一護の特徴的とも言えたオレンジ色の髪の毛は黒く染まり膝辺りまで伸びている。
体にも黒い帯のような物が巻きついている。
その姿はまさしく全ての魂を刈り取るため、この地に現れた“死神”のようだった。
其の者は焦っていた。
目の前の現実に・・・・
藍染「(馬鹿な・・・)」
まるで否定するかのように・・・
・・・藍染は今自分の目の前で起きている状況に困惑していた。
藍染「(まさか奴は・・奴は私よりも更に上の次元に立っているというのか・・・・)」
もはや人の姿では無くなった藍染の顔からも焦りの色が出ていた。
いや、焦りというよりは憤怒の表情に近いかもしれない。
元々ただの人間だった者が・・死神の力を譲り受けただけの俄か死神だったはずの人間が、
自分も到達していない次元に立っているのだから・・・・・
藍染「そんな筈があるか!!人間如きがこの私を超えるなど!!」
藍染は叫んだ。
もはやその容貌からは今までの余裕は消えていた。
今の彼の心境はただただ“否定”の二文字しか浮かび上がらない。
藍染「そんな事が_____________________________」
一護「“無月”」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
だがその叫び声ですらも虚しく空に響き渡るだけであった。
“無月”一護が放ったそれはあらゆるものを漆黒色に染めた。
蒼天の空でさえもそれを許さないように、月の光でさえも拒むように、全ての物を無に帰すように、
そしてそれは月牙自身になった一護でさえも飲み込んでしまった。
一護「(終わった、これで全部・・・・・)」
暗闇の中一護はその黒い渦の力に抵抗することなく身を預けていた。
もはや一護には筋一つ動かす事は適わないのだった。
一護「(ダメだ・・・もう動けねぇ・・・
・・ルキア・・・・恋次・・・石田・・・井上・・・・チャド・・・・
・・・皆・・・・・・・・・)」
まるで走馬灯のように仲間達と過ごしてきた日々がよみがえっては消えていく。
遠のいていく意識の中、一護は最後まで仲間の事を、そして彼が護ってきたもの達のことを
考えていたのだった。
一護「(俺は_________________________)」
そして一護はとうとう意識を手放したのだった。
ここに黒崎一護と藍染惣右介との戦いは幕を下ろした。
その後、黒崎一護の姿を見た者は誰一人としていない・・・・・
一護は周りを見渡していた。
一護「ここは・・・・?
どういうことだ・・・
俺は最後の月牙天衝を使って死んじまったんじゃぁねえのか?」
???「貴方は死んでなどいませんよ。」
一護「・・・ッ・・・」
一護は突然聞こえた声に反応し振り向いた。
一護「あんた誰だ?」
そこには1人の女性がいた。年は20〜30の間だろうか、服装は死神の着る死覇装に酷似しているがそのほかにいろいろな刺繍や飾り物がしてある。
???「目が覚めたのですね
よかった。何とか間に合ったみたいですね」
一護「質問の答えになってねぇぜ
もう一度聞くが、
あんたは誰だ・・・・」
一護は目を細めながら睨む様にして聞いた。
???「フフフ・・・・人に物を尋ねる時はまず自分から名乗るのが
礼儀ではないですか?」
一護「ッな・・・・!!」
???「フフ・・・ご冗談ですよ
“黒崎一護”さん!!」
一護「何で俺の名前を・・・」
???「よく知っていますよ・・・・
なにせ、貴方は私達の世界を二度も救ってくださったのですから・・」
一護「二度・・?」
???「はい、では自己紹介をしましょう。私は“霊王”|尸魂界《ソウル・ソサエティ》の王です。」
一護「・・・・え・・・尸魂界の王って・・・・はぁぁぁぁぁ!」
一護は困惑していた。それもそのはず、自分は確かに最後の月牙天衝を使って全ての霊力を失い
そして命を落としたはずだった。
なのに気がついたらこんなわけのわからない場所で気がつき
ただでさえ自分はどうしてここに居るのかも知れずに、
目の前に現れたこの女性は自分の事を尸魂界の王だと抜かしているからだ。
霊王「どうやら信じてもらえてないようですね。
ですが事実です。
私は尸魂界の王。
そして・・・貴方をここへ連れてきた者です」
一護「あんたが俺をここに?
でも・・いったいどうやって・・?!」
霊王「ここは私が作り出した空間です。
私には少し特殊な力がありまして、その力を使い
この空間を作り出し、貴方をここへ転送させました。」
未だに信じれない一護、しかし今の一護にそれを確かめることは出来ない。
今ここに居るのは一護と霊王と名乗った女性だけである。
一護は状況が状況なだけに今この瞬間を受け入れざるをえないのだった。
一護「そうか・・・
で、用件は何なんだ?
まさか、何も無しに俺をここまで連れてきたわけじゃねぇんだろ?」
霊王「・・はい・・・・」
そういと霊王は一護に話しかけた。
霊王「死神代行黒崎一護さん、貴方にある世界を救っていただきたいのです。」
一護「ある世界?」
一護は首をかしげた。
正直今現在一護がこの程度のリアクションで済んでいる事に驚きなのだが。
霊王「はい。私達ではその世界を“外史”と読んでいます。」
一護「・・外史・・・・」
霊王「えぇ、外史とは誰かが“こうあってほしいと”と望んだ世界、普通の世界とは
違う世界、言うなればIFの世界です。」
一護「ちょッと待てよ、IFの世界?そりゃつまり存在しない世界って事だろ、
そんな世界本当にあるのかよ」
一護は霊王に対し誰もが抱く出あろうごく自然の質問をした。
それもそのはず、今霊王が言ったIFの世界はすなわち“もし”の世界である
誰かが頭の中で創造したならいくらでもあるが、この世に“もし”なんて物で存在する世界なんてものは無い。
それこそ存在しない。あるのは現実、そうリアルだけなのだから。
霊王「・・貴方が信じないのも無理は無いでしょう・・・・
しかしその世界は確かに存在します。」
一護「存在しますっていわれてもなぁ・・」
胡散臭さマックスである。
この女性が本当に尸魂界の王かもさだかではない。確かにこの女性からは何か不思議なものが
感じられるが、だが一護の世界には人間なのに普通では考えられないような“力”を持った者だって
存在したのだから。
霊王「確かにこれだけでは信じられないでしょうね。
ですが、貴方は以前までは死神という存在を信じてはいなかたでしょう?」
一護「!?」
一護はその言葉に反応した。
霊王「貴方は幽霊は見えたから信じていた。
そして目の前に死神が現れそして、虚の存在を知った。
死神の世界も、虚の世界も貴方は想像もしなかったはずです。
でも確かにそれは存在した。
ならば、このIFの世界もどこかに存在しているとは思いませんか?」
一護「・・・・・・」
霊王が言ったこと、無茶苦茶な事ではあるが確かにそうかもしれないと思わせる説得力を
持っていた。
かつての一護なら死神に遭わなければそんなものが存在するとは思わなかったであろう。
虚も実際に見たから信じたのであって、目にするまでは想像事態できなかったに違いない。
そういわれてみると、もしかしたらこの世界で自分も知らないその“IFの世界”と言うものが
あるのかもしれない。
一護「・・仮に、もし仮にそんな世界があったとして、“救ってくれ”ってのはどういう
事なんだ?そもそもなんで俺なんだ?」
霊王「そうですね順をおって説明しますしょう。
まずは・・・・・・・
霊王は一護の疑問に答えるべく事の成り立ちを話し始めた。
〜説明中〜
一護「未だに信じられねぇけど・・・話しはだいたいわかった
ようはその外史っていう世界を俺に救ってほしいと」
霊王「では、「だけど・・・」・・?」
一護「助ける事はできねぇ・・」
霊王は驚愕した。
霊王「な、何故ですか?確かに貴方にこんなことを頼むのは筋違いかもしれませんが、
ですがそれでも「・・そういう意味じゃねぇんだよ・・・」・・?」
一護「確かに助けてぇとは思う・・・
だけど無理だ・・・・・あんたも知ってるだろ?
俺にはもう・・・・・・・・
・・・・・・・・“死神の力”は無いんだ・・・・・」
霊王「・・・・・・・」
一護「俺にはもう誰かを護る力なんて無い」
そうここで忘れてはならないこと、一護は自分の世界を護る為に代償として力を
失っているのである。
一護「(そうさ・・今の俺には何の力も無い)」
一護は拳を強く握り締めた。一護が斬月と融合するとき、斬月は言った。
『この力を使えばお前は死神の力全てを失う』と・・
わかっていたとはいえ今の一護にとっては今までに無いほどの苦痛である。
霊王「・・・一護さん、貴方は今、力を持ってない自分が
自分のその手で誰かを護れない自分がお嫌いですが・・・?」
霊王は静かに一護に質問した。
一護「!?」
一護はただじっと下を向いている。
一護「俺は・・・力が・・・・ほしい」
霊王「・・・・・」
一護「もう一度この手で、苦しんでいる奴を助けたい!!誰かをこの手で護りたい!!」
一護は自分の思いを打ち明けた。自分の気持ちを。
霊王「・・・わかりました・・・」
霊王は静かに立ち上がり懐から何かを取り出した。
そして、
ザシュ!
一護「・・・な・・・・?」
それを一護の胸に突き刺した。
フォォォォォォォンンンンンン!!!!!!!!!
一護の体は光に包まれた。
光が晴れて出てきたのは・・・・・・・
死神の象徴である死覇装を纏い、
そして身の丈を超える大剣を持った、
“死神化”した一護だった。
一護「・・・これは・・・死神の力!!」
霊王「はい、今この刀で貴方を貫き死神の力を取り戻させました・・・
この刀はただ刺しただけなら何の効果も持ちません。
この刀は刺した者の想いによってその力を具現化します。」
一護「・・・想い・・・・」
霊王「・・えぇこの刀が貴方の想いにこたえてくれたのです。
貴方の本当の気持ちに。」
霊王はやわらかい笑みを浮かべて一護に微笑んだ。
一護「・・・そうか・・やっぱり俺は・・・・」
一護が何かを呟やいたがそれは、霊王にも聞こえなかった。
霊王「改めて、黒崎一護さん、どうかお願いします。
あの世界を、外史を救ってください。」
霊王は一護に向き直ると深々と頭を下げた。
一護「・・・・俺は世界全員の人を救うなんてたいそうな事は言えねぇ・・・
だけど、両手で抱えられる人だけ救ってそれで満足するような控えめな人間でもねぇ!」
一護の言葉に霊王は黙って耳を傾けていた。
一護「俺は山ほどの人を救いてぇ!!」
その瞳にはかつての一護の“想い”がやどっていた。
一護「この力、確かに俺の想いに答えてくれたのかも知れねぇ
だけどそのきっかけを作ってくれたのはあんただ。
だからやらせてもらうぜ、その世界を救うって奴を!」
一護は霊王に手を差し出した。
霊王「(一護さん貴方はやはり私の思った通りの人ですよ////)はい!」
そして霊王は一護の手を握り返した。
今ここに死神、黒崎一護が完全復活を果たしたのである。
霊王「それでは今から外史に繋がる道を開きます。」
一護「あぁ」
霊王はそう言うと空間に向けて詠唱のような物を呟いた。
ギュオォォォォオオオオンンン
そして空間に人一人入れるくらいの裂け目が出来た。
一護はゆっくりとその裂け目に歩いて行った。
一護「いろいろ世話になったな」
霊王「礼を言うのはこちらの方です。本当にありがとうございます。」
霊王は再度頭を下げた。
一護「最後に・・うちの連中を頼んでもいいか・・」
霊王「はい、お任せください」
一護「サンキュウー。
ふぅぅ〜・・・よし!!」
そして一護は裂け目に向かって飛び込んだ。
一護が裂け目に吸い込まれるとそれと同時に裂け目は消えた。
霊王「行ってしまわれましたか・・」
霊王は一護が消えた空間を見つめていた。
???「どぅふふふ何とか無事に彼を送ることが出来たみたいねぇ
霊ちゃん♪」
そこへ誰かの声が聞こえてた。
霊王「貂蝉、来ていたのですか?」
そこには全身筋肉で出来たような見事な体を持ちながら、
ピンクのビキニパンツ一丁の変態「だ〜れが、見た瞬間に吐き気を催す歩く殺人兵器ですって〜〜〜〜〜〜〜〜」ちょッま・・・・・・・・・・
あああああああぁぁぁぁぁっぁぁ!!
霊王「何をしているのですか貂蝉」
貂蝉「どぅふふ何でもないわん
それにしても・・・
なかなかいい目をした男だったわねん♪」
霊王「はい・・」
貂蝉「霊ちゃん・・・
彼に惚れたんでしょう・」
霊王「な///・・何を言っているのですか」
貂蝉「あらあら顔を赤くしちゃって♪
霊ちゃんも乙女ねぇ〜」
霊王「貂蝉!!」
貂蝉「冗談よん、じゃあ私は他の“外史”を見に行くからまたね霊ちゃん♪」
そういうと貂蝉はきえてしまった。
霊王「あ、ちょッ・・・・
全くもう〜」
霊王は一護が飛び込んで消えた空間をじっと見つめていた。
霊王「・・・・・
(貴方ならあの世界を救うと信じていますよ。
どうか彼女達を救ってください・・
一護さん////)」
そして霊王も静かに姿を消したのだった・・・
〜死神代行異世界救出編〜開幕
説明 | ||
死神の力を失った黒崎一護、彼の前に一人の女性が現れる。 彼女は一護に世界を 救ってほしいという。 果たしてその世界とは・・・・・? 死神代行異世界救出編・・・開幕 どうもにじファンでベクトルという名で書いていた小説をこちらに持ってきました。 駄文ですがどうぞよろしくお願いします。 少し設定を変えるかも知れません。 |
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コメント | ||
ZERO(ゼロ) 様感想ありがとうございます。そうなんですよね・・・自分も書いててこれおかしいよなって毎回思っています・・・でも自分の好きな作品をあわせてみた結果がこれでして正直見れたものではないです。自分以外の人が同じよな小説を書いたらもっと読みやすくなるかもしれませんが・・・・それでも始めたからには最後まで頑張りたいと思いますのでこれからもよろしくお願いします。(フルーツポンチ侍G) 正直な話、恋姫に一護は合わないような・・・いや、作品自体を否定してる訳ではないのですが。 そもそも彼は現世を放っておいて他の所で落ち着いて戦えるとも思えませんし・・・。(ZERO(ゼロ)) 一護は好きだが・・・難しいぞ・・・・深いところまで考えて行動するところとか・・・まぁ気長に更新待ってます(patishin) 駄文ですがどうぞ。(フルーツポンチ侍G) |
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