IS ラウラが夫!俺が嫁!? 〜2人で、いる意味。〜 |
「夜の海って言うのも、綺麗だよね」
「…ああ」
? ?昼まではあんなに賑やかだった砂浜も、夜になると誰も居らず、若干寂しい印象を受けた。
? ?一人であれば、心細くなるだろう雰囲気だ。……が、今は一人じゃない。隣に、ラウラがいる。
「でも、良かったな」
「何がだ?」
「よっと」
? ?弱い波に向かって、砂を蹴飛ばす。
? ?ぴしゃりと小さな波を立てて、それらは少しずつ沈んで行った。
? ?俺はラウラに向き直して答える。
「こうやって、ラウラと海を見に来れる……ってことがさ。」
「そうか? ? 別段珍しいことでも…」
「だって、初めてお前を見たときとか。あんまり印象好くなかったから。」
? ?転向して来た直後、一夏の頬を引っ叩いた…あの時をふと思い出す。呆けた一夏の表情が一番に出てきて吹き出してしまった。
??
「あ、あまり昔のことは言うな……あの時は、私も若かったんだ」
「はは、今も十分若いだろ。まだまだ子どもさ」
? ?そう言って、頭を撫でてやる。
? ?だが、それはすぐに小さな手に振り払われた。
「ば、ばかもの! ? 子ども扱いするな!」
「ははっ、かーわいい」
? ?反対側の手でくしゃくしゃと髪の毛を撫でると、見事に髪型が乱れてしまう。
「なんてことをするんだ! ? 髪が」
「あ、ごめんごめん。つい可愛くって」
「うぅ……!」
? ?ぷい、と顔をそらされた。
? ?回り込んで見るが、逸らされて目を合わせてもらえない。
『あー、またやっちまったな…。なんか最近、言うこと言うこと全部怒らせる方向に繋がってる気がするなぁ』
「なー、悪かったからこっち向いてくれよ」
「……夫を子ども扱いするような奴の顔なんて見たくもないっ」
? ?見るからに子供な行動をとってるのは明白なんだけど…。
? ?じゃあ、ここは一つ大人扱いしてあげますか。
「後悔するなよ、ラウラ」
「なにがーーーんっ!?」
? ?素早くラウラの肩に手を乗せて押さえつけ、無理やり…
? ?唇を、重ねた。
「ん……」
? ?最初は暴れていたラウラも次第におとなしくなって、俺に身を預けてくる。
「……ふはぁ。ごちそうさま」
「な…な…な…」
? ?ぺたんとその場に座り込んでしまうラウラ。口はわなわなと震えている。
「『子ども扱いが嫌だ』って言うからだぜ?後悔すんなとも言った」
「り…竜也」
「どした?」
? ?座り込んだまま、動かない。
? ?調子に乗って言ったはいいものの、少し心配気味に顔を覗く。
「こ、腰が……抜けた」
「…はは、まだラウラには早かったか?」
「う、うるさいっ!」
? ?さらにサービスでもしてやるか、と考えつき、姫抱っこで旅館へ向かった。
? ?ラウラは静かに頬を染めるだけだったが…
『こんなに、一緒にいられるだけで嬉しいものなんだな……。』
この後、ロビーで鉢合わせた千冬さんに説教されたのは…また別の話。
説明 | ||
第五話の続き。 | ||
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タグ | ||
ラウラ・ボーデヴィッヒ インフィニット・ストラトス IS | ||
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