ハイスクールD×D〜最強の戦車と最強の兵士(予定)〜 |
第一章
第九話「一件落着のあとは祝勝会」
side静雄
ドガアアアンッ!!
「な、なにっ!?」
臭いを頼りに一番奥にあった大きな扉を蹴破ってみると、そこには祐斗と小猫、イッセーにクソ堕天使と悪魔祓い共がいた。
「「静雄君(先輩)!!」」
「よお、遅くなった。・・・・ん?」
イッセーが例のシスターを抱え込んでこちらに走って来た。
「静雄君!兵藤くんを逃がして!」
「・・・わかった」
状況がいまだに飲み込めないが、シスターは取り戻したみたいだ。
「だったら・・・・ゥオラァ!!」
ドゴォンッ!
「「「「ぎゃあああああっ!!!?」」」」
イッセーの後ろから斬りかかってくるエクソシストを腕で薙ぎ払った。
・・・・壁に突き刺さっちまったが、まあいいか。
この半解放(この)状態だとまだ加減がうまくできねぇんだが・・・どうでもいいか。
「『グレモリーの狂犬』、平和島静雄・・・!!チィッ!フリードめもう少し足止め出来なかったの!?」
「おい、堕天使さんよぉ!さっさと降りてこいよ?ビビってんのかぁ!?」
「クッ・・・・お前達!あの悪魔は我らが総督アザゼル様も一目置く男、あの悪魔を打ち取って名をあげなさい!!」
「「「「「うおおおおおおおおおっ!!!!!!」」」」」
堕天使がそう焚きつけるとエクソシスト共は一斉に俺に向かってきた。
「・・・チッ!めんどくせぇなぁ・・・」
「死ねぇ!悪魔め!」
「滅せよ、悪魔!」
エクソシスト集団の先頭を走って来た数人が斬りかかって来た。
・・・たく・・・
「ああ、ウゼェ!!」
ドゴォンッ!!!
「「「「ブギャアッ!?」」」」
斬りかかって来た奴等を思いっきり殴り飛ばし、勢いを殺がれたエクソシスト集団に俺は突っ込んでいった。
祐斗side
まさに、阿鼻叫喚地獄だ。
この光景を見た僕はまずそれを連想した。
「ウオラアアアァッ!!!」
「「「「「「「「ぎゃああああああっ!!!?」」」」」」」」
静雄君が腕で薙ぎ払うと、複数のエクソシスト達は体がまるで折れた針金の様に曲がり壁に叩きつけられ、
「ぬぅりあああああああ!!!!」
「「「「「「「「「「ぐあああああああああああああ!!?!!?!?!!」」」」」」」」」」
静雄君が回し蹴りを放つとエクソシスト達はまるでバットで打たれたボールの様に勢いよく壁に叩きつけられ、
「オラオラオラオラァ!!!!!!!」
「「「「「「「「「「ガアアアアアアアアッ!?!!!!!?!」」」」」」」」」」
静雄君が走り出すとエクソシスト達はまるで列車に轢かれたように宙を舞った。
「いや〜知ってるつもりだったけど、やっぱり静雄君はすごいね」
ボコッ!
「グギャッ!?」
「・・・祐斗先輩。よそ見してちゃダメです」
「おっと、ごめんよ小猫ちゃん」
横から斬りかかって来たエクソシストを小猫ちゃんが殴り倒してくれた。
いけないいけない。静雄君の戦いに圧倒されてつい気が弛んじゃったな、僕もまだまだって所か・・・。
静雄君が暴れてくれているおかげで、戦力のほとんどが静雄君に集中していて僕と小猫ちゃんの方にはあまり来ない。それに、
「ヒ、ヒィっ!?」
「ば、バケモノ・・・」
静雄君の出鱈目な強さにエクソシスト達の中では繊維が完全に消失している者も少なく、お陰でだいぶ楽をできてる。
(無理もない・・・)
正直、半解放状態の静雄君の身体能力は上級悪魔と同等の力だ。加えて元々あった異常な力がプラスされて完全開放は人間界では非常に危険とされ使用禁止になるほどだ。
「祐斗、小猫。どうやら無事の様ね」
突然背後から、感じ慣れた魔力が現れ振り向くと、そこには部長と朱乃さんが現れた。
「ええ、静雄君が頑張っているおかげでだいぶ楽ができてます」
「・・・そうね。万が一の為にリミッターの一つは外せるようにしたけど、ここまでだなんてね・・・」
「あらあら、シー君。大活躍ですわね」
「・・・・国士無双です」
小猫ちゃんの言うとおりまさしく、国士無双の強さだね。それはそうと、
「部長、早く兵藤くんの元に行かないと!彼一人で堕天使を相手にするのは―――」
「それについては手出し無用よ」
なっ・・・。
「・・・何故ですか?」
絶句する僕の隣で小猫ちゃんが冷静に問いかけてきた。
すると部長は自信満々な笑みを浮かべ、
「私のイッセーがあの程度の堕天使に負けるなんてありえないからよ」
・・・・何故だか、その言葉には妙な説得力があった。
自分でもわからないが何故だかそう思ってしまった。
「あらあら、それよりどうしましょう部長」
「なに、朱乃?」
「あれです」
「アレ?」
そう言って朱乃さんが指さした方を向くと、静雄君が祭壇の一番上まで登っていた。祭壇の下ではエクソシスト達が恐怖に震えながらも武器を構えていた。
「・・・不味いわね」
「不味いですわね」
「・・・不味いです」
「不味いね」
静雄君が何をするのか僕たちは一瞬で分かり、僕と部長の顔が引きつるのがわかる(朱乃さんと小猫ちゃんは困った様な笑顔と無表情だったけど・・・)
そして、
「ウラアアアアアアアアア!!!!!!!」
ドガアアアアアアアアアアァンッ!!!!!
「「「「「「「「「「「ギャアアアアアアアアッ!!!?!!!?」」」」」」」」」」
静雄君は祭壇の上から勢いよく飛び上がり、高く振り上げた足をそのままエクソシスト達のど真ん中に向けてかかと落としを振り降ろした。
その一撃はまさに天から振り下ろされる鉄槌の様な威力で、周りにいたエクソシスト達はを吹き飛ばした。
祐斗sideend
side静雄
「フゥ、一丁上がり」
「何が一丁上がりよ!」
バコンッ!
「ん?」
「っ〜〜〜〜!!?」
エクソシスト達を片づけ一息ついた所で、突然頭を叩かれ(特に痛くもなかったが)不思議に思って振り向くと手を押さえて涙目のリアスが上目遣いで睨んでいた。
「何やってんだリアス?」
「う、うるさいわね!あなたの頭が異常に堅過ぎるのよ!!」
「そりゃあそうだろう。いまだに半解放状態なんだからよ。それより、手大丈夫か?」
「ううっ・・・いくら少ない量とはいえ魔力込めて殴ったのにこっちの手が痛むってどうなってんのよ・・・」
「ああ〜・・・まぁ、悪かったな」
頭を掻きながら素直に謝ると、リアスはコホンッと気を取り直したようで咳払いし、
「静雄!あなた、こんな密閉空間で暴れ過ぎよ!」
「あ?」
リアスに指摘され周りを見回すと、言葉にできないほど酷い有様だった。
「シー君。張り切るのはいいですけど、時と場所を考えてくださいな?」
「・・・あ〜・・・・悪いな」
頭を掻きながら謝罪する。
「ハァ、もういいわ。あなたのリミッタ―を解いたのは私だし・・・。とりあえず、イッセーの方へ向かうわよ」
額を押さえながらため息を吐いたリアスはそのまま踵を返すと出口へと向かった。
「そういやぁ、いつの間にか消えてたんな、あの堕天使」
「静雄先輩が暴れ出して一目散に逃げて行きましたから・・・」
「ああ?んだよ、腰抜けもいい所だな」
「いやいや、その状態の静雄君を目の当りにしたら流石に逃げるよ」
「まあ、今のシー君に向かって行っただけあのエクソシストさん達の方が度胸はありますわね。・・・あ!それと、シー君?」
リアスの後に続きながら俺たちはそんな会話をしていると、朱乃が何か思い出したようにこちらを向いてきた。
「?なんだよ、朱乃」
「なんだよっではありませんわ。はいこれ」
そう言って渡してきたのは手枷みたいな腕輪、俺のリミッターの片割れと代えの制服の上着だ。
「ん、サンキュ」
「いいえ、幼馴染として当然ですわ♪」
カチッ・・・。
朱乃に礼を言い、上着を羽織りリミッターを右手にはめると、同時に力が抜ける感覚が襲ってきた。
「・・・やっぱり慣れねぇな、これは」
「我慢してちょうだい。あなたの力は唯でさえ人間界では危険なのよ?」
「分かってるよ、ンな事はよ・・・・」
「分かっているならいいわ」
「それより、さっさと兵藤の奴を迎えに行こうぜ。いい加減向こうも片が付いているだろう」
「あら?静雄、あなたイッセーが勝つって信じているの?」
リアスは俺が言った事が意外だったのか、意外な顔でこちらを見てきた。
・・・どうやら朱乃達も同じだったらしく、意外そうな顔でこちらを見つめてきてる。
「まあな、お前にあれだけ啖呵きったんだ。それに、アイツの((神器|セイクリッド・ギア))、なんか秘密があんだろ?」
「・・・気付いていたの?」
「ああ、なんとなくだけどな」
「・・・そう」
そういうとリアスはそのまま黙々と階段を上っていった。
「静雄君、一体・・・」
「悪いが俺もアイツの神器についてはなんとなくしかわかんねェンだ。上に着いたらリアスの方から説明してくれんだろうから」
「わかったよ、静雄君」
聞いて来る祐斗を納得させ、俺たちは聖堂へと向かって行った。
〜原作と同じなため割愛〜
堕天使と先頭から一夜明けた放課後、俺達オカルト研究部は『露西亜寿司』にいた。
「それでは、新しい眷属として迎えたイッセーとアーシアの歓迎を祝して、カンパーイ!」
「「「「「「カンパーイ!」」」」」」
カツンッ!!
リアスの音頭にグラスが打ち鳴らす音が店の中に響き渡った。
あの後の事を簡単に簡単に説明すると、イッセーは((神器|セイクリッド・ギア))の中で『((神滅具|ロンギヌス))』に分類する『((赤龍帝の籠手|ブーステッド・ギア))』を発動させ、堕天使を撃破、その堕天使はリアスの手によって消滅させられた。
そして、イッセーの目的にだったシスター、アーシアだが堕天使に彼女の((神器|セイクリッド・ギア))『((聖母の微笑|トワイライト・ヒーリング))』抜き取られ死亡したが、リアスが彼女を僧侶として眷属に迎え入れ転生悪魔として生き返った。
そんで、リアスが二人の歓迎会をしようとして選んだ場所がここ『露西亜寿司』だ。
・・・絶対アイツが食べたかっただけだろうがな。
「そ、それよりいんすか?こんな堂々と悪魔だって言っちゃって・・・」
「ああ、その事?大丈夫よ、ここの((主人|マスター))とサイモンは私と朱乃、それに静雄と旧知の仲だもの。パクッ・・・ン〜〜〜〜〜美味しい♪」
イッセーが不安そうにリアスに尋ねるがリアスは問題無いといい、大トロを口にした。
「そうですわ。それにデニスさんとサイモンさんは私とリアス、それにシー君のことを悪魔だって知っていますから」
「デニスもサイモンも悪魔だとか人間だとかそんなモンにこだわる奴らじゃねぇからな。安心しろ」
「ソウダヨ!アケノトシズオ、リアスモワタシノマブダチ!トモダチノトモダチハトモダチダヨ!」
「は、はあ、そうッスか・・・」
そう言ってサイモンは俺と朱乃の方にウニとアジの皿を置きながらニッコリほほ笑むがイッセーは気のない返事で返した。
「イッセーくん早くしないと、小猫ちゃんに全部食べられちゃうよ?」
「・・・・そんなに食べません」
「ほう、そういうが小猫。お前今何皿目だ?」
「・・・十皿目です。パクッ・・・」
「ああ、確かに十皿だな。ただ、十皿の前に四人前のがつくが・・・」
俺の言った通り、小猫は四人前の皿を九皿も平らげていた。
「ほう、アーシアの嬢ちゃんは日本に来て間もないのかい?」
「は、はい・・・。ですので、私お寿司って食べた事がなくて・・・」
「そうなのかい?だったら、ワサビは少なめの方がいいか・・・・。はい、お任せ一丁お待ち!」
「わあ!これがお寿司なんですね?とっても美味しそう」
そういってデニスは一人前の寿司をアーシアの前に置くと彼女は感動したように顔の前で手を合わせ目を輝かせた。
「あらあら、シー君?アーシアさんの方ばかり見ないで私にも構ってくださいな?」
「ああ?っと、悪いな」
「いいえ♪」
朱乃がグラスにジュースを注いでくれてた。
「それより、楽しめてる?シー君」
「ん?まあ、偶にはいいんじゃねぇか?こういうのもって、だからシー君て呼ぶな」
「うふふ、いいじゃない。こういう時は羽目を外さないと」
「そういうもんかよ?」
「そういうものよ♪」
朱乃の言うとおり周りを見渡すとリアスと小猫は寿司にご満悦の様子でイッセーはワサビ入りの寿司(少量)を食べて悶えているアーシアを心配し、祐斗はサイモンとデニスと楽しく談笑していた。
「ま、悪くないな」
「うふふっ」
俺の言葉に朱乃は俺の肩に頭を載せ寄り添ってきた。
(ま、今日ぐらいは勘弁してやるか・・・)
そして俺は、グラスに入った飲み物に口をつけた。
この後、俺達の様子をリアスにからかわれたのは割愛しておくとしよう。
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