真恋姫†夢想 弓史に一生 第二章 第七話 運命の出会い
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〜聖side〜

 

 

 俺は今、警邏で町を歩いている。

 

 最近蓮音様と特訓をしていたこともあり、他の仕事ができていなかった。

 

 そんなこともあって「何か仕事をくれませんか」と蓮音様に言ったところ、「じゃあ警邏をしておいて頂戴。ついでにこの町について知るいい機会だぞ」と言われ警邏をしているのである。

 

 

 ここ寿春の町は広陵の町に比べると活気や商店の数、人通り、何をとっても上を行くようなそんな華やかで元気な町であった。

 

 海に近いこともあり海産物は豊富だし、中央に近い分大量に書物やら武器、服や装飾品なども取り揃えられている。

 

 これだけ大きな都市になったのは蓮音様の統治が大きいのだろう。

 

 民や商人はより安全な町を望み、叶わないなら近くの安全な町へと避難する。それが至るところで起こって、人々の行く先が一つなら、まぁこうなるのは必然だよな…。

 

 

 俺もそういう都市を築かなければならない。民たちが安心して平和に暮らせる町を…。

 

 しかし、俺でそれが出来るのだろうか…。蓮音様のように統治できるのだろうか…。そう思うと自信が無い。

 

 この世界に来て長くなるが、特に勉強をしているわけではない。今までの知識でやっていくしかないのだが、生憎大学までの勉強で、そんなことを習うことはなかった…。

 

 心理学でも専攻していれば多少は人々の心を掴むことができたかもな…。

 

 

「お頭?どうしたって言うんだよ、難しい顔して」

 

「えっ!! あぁ〜ごめん奏。ちょっとぼ〜っとしてた。」

 

「まったく、確りしてくれよ。今は仕事中だぜ。」

 

「あぁ。まったくだな。」

 

「…お頭は…あたいなんかと一緒に警邏してることがそんなにつまんないのか…。」

 

「?? 何言ってんだ奏?俺は可愛い女の子と町を巡れてるだけで幸せだよ。」

 

「…。( ///) だって、あたいは…好戦的だし、お洒落じゃないし、芽衣みたいに可愛くないし…。」

 

「そんなことないよ。芽衣には芽衣の、奏には奏の良い所があるんじゃないか。」

 

「そう…かな…。」

 

「そうだよ。 …あっ、そうだ!!今度、贈った服着てみてよ!!それで俺に見せて!!」

 

「あっあの服かい!! あれは〜…その…。」

 

「ねっ。お願いこの通り。」

 

「…分かったよ…。でも、その…あれ結構恥ずかしいんだからな…。」

 

 

 おうおう、モジモジしながらそんなことを言うなよ…。萌えるじゃないか…。

 

 俺は可愛い女の子が好きなんだよ!! そしてそんな姿見たら…苛めたくなるじゃないか…。おっとSっ気が…。

 

 

「いや〜スタイルの良い奏があの服を着てくれるのが待ち遠しいな。」

 

「そんなに期待するなよ…。」

 

「いや!!可愛いは正義だ!!」

 

「よく意味が分からないが…。」

 

「奏があの服を着てくれたら、その格好で町を練り歩いて…それから御飯を食べて、装飾品とか見たりして…。」

 

「本人がいる前での妄想はやめてくれないか…。というかお頭!! あたいはあれを着て町を歩く気はないぞ!!」

 

「頼むよ奏。この通りだ…。」

 

「えぇ〜。う〜ん…。困ったな…。」

 

「駄目…??」

 

「うっ…。そんな顔するなよ…。たかが服だろ?」

 

「たかが服、されど服だ!!」

 

「…う〜ん…。どうしようかね…。」

 

「どうしても嫌か…。」

 

「…ちにち…。」

 

「うん??」

 

「その日一日あたいの傍にいてくれるって言うなら…考えてもいいけど…。」

 

 

 ずぅっきゅゆゆううううう〜〜〜〜ん。俺の心に大きな穴が開いたぜ…。何だこれは…。俺の隣にいるのは本当に奏なのか…。

 

 

「どうなんだよ…お頭…。」

 

 

 身長の関係もあるが、奏は俺を不安げな眼差しで見上げてくる。俺はなんとも言えない衝動に駆られ奏の頭をなでていた。

 

 

「勿論!!その日は一日隣を離れる気はないからな!!」

 

「…あぁ…。必ず…だぞ…。」

 

 

 しばらく頭を撫でてたら、恥ずかしいといって奏は手を振りほどき、顔を真っ赤にさせて先に行ってしまった。ちょっとやりすぎたかね…。

 

 

 その後警邏が終わり、俺はいざ奏と二人で過ごす日のために、何か贈り物でもしようと考え、装飾品の店に行くのだった。

 

 その店は大通りからは一本はずれ、看板も宣伝もなされていない所謂隠れ家的な店。正直警邏の仕事をしてなかったら見つけられなかっただろう…。

 

 俺は何度かここに来たことがあって、店主とは顔なじみである。

 

 

「いらっしゃい。」

 

「邪魔するよ。」

 

「今日は何かお探しで?」

 

「あぁ、女性に贈り物をしたいんだが…。」

 

「なるほど。じゃあこんなんどうですかね。」

 

「う〜ん、指輪か…。なんか面白みがないな…。」

 

「そうですか?じゃあこれなんかはどうです。」

 

「イヤリングか…。」

 

「そのいやりんぐ??ってのは何ですかい?」

 

「あぁ、イヤリングって言うのはそういう耳飾のことだよ。俺のいた世界ではそういうんだ。」

 

「へぇ〜天の世界の言葉ってやつですね。」

 

「まぁそうなるかな。他には?」

 

「他だと、じゃあ趣向を変えてこんなんはどうでしょうか?」

 

「…別に首輪は要らないけどな…。」

 

「…まぁこれは一部の人しか買いませんからね…。」

 

「(買う人がいるのか…。)」

 

「じゃあどんなんが良いんですかい?」

 

「う〜ん。じゃあ腕輪とかはないかな?」

 

「あぁ、それならいいのがありますよ。ちょっと取ってきますね。」

 

「あぁ頼むよ。」

 

 

 そう言って店主は店の奥に入っていく。

 

 俺は店に並べられた様々な飾りを見る。色々と趣向を凝らした職人の技を感じる名品が所狭しと立ち並んでいた。

 

 俺は一つ一つじっくりと見て行く中であるものを見つける。

 

 

「こっこれは…!!!!」

 

 

 店主が店の置くから商品を持って出てくる。

 

「御使い様。これなんていかがですか。」

 

「あぁ、良いな。派手さこそないが凄く綺麗だ…。じゃあこれにしよう。」

 

「ありがとうございます。」

 

「それと、店主これなんだが…。」

 

「…流石、御使い様。良い物に目をつけましたね…。これはそこの物と一緒に荒野で拾ったんですよ。なんとも言い表せないような雰囲気を持っていたので、とりあえず店に並べようともって帰ってきたんですがね…。誰もこれの良さを分かってくれなくて、並んだままになってるんですよ。」

 

「なんと!!これの良さが分からないなんて…。店主、これももらえるか?」

 

「ありがとうございます。一緒にあそこの拾ったやつも持っていってください。」

 

「分かった。うん?これはまさか…核○」

 

「知ってるんですか?」

 

「まぁ、確証はないが…。とりあえず、店主。今日は良い買い物が出来た。またな!!」

 

「御使い様。本日もありがとうございます。またのお越しを。」

 

 

 俺は嬉々とした表情でその店を出る。

 

 まさかこんなところで蝶々マスクが手に入るなんて。そして核○。

 

 俺は一度、人通りのない路地裏に身を隠し、核○を取り出す。

 

 

「さて、本物かどうか試さないとね♪」

 

 

 そう言って○金を握り、手を前にかざす。

 

「武○錬金!!」

 

 

核○は形を変え、柄のところに布が巻かれた日本刀となる。

 

 

「すっげ〜!!!本物のKA☆KU☆GA☆NEだ!!そしてこの布…!!ということは俺の生体エネルギーで強化できるのか!!」

 

(出来るよ〜!!)

 

「ん?この声は…雅か??」

 

(そうだよ。久しぶりだね、ひーちゃん♪)

 

「あぁ。ということは、これはお前の…。」

 

(そう!! ひーちゃんに必要かなって思って送ってあげたよ。クロ○コヤマトで♪)

 

「ここにそんなのあるのか…。」

 

(まぁそこは置いておいて…。これでひーちゃんも楽になるでしょ?接近戦ではこの刀を使って、ばっさばっさと敵を薙ぎ倒しちゃえば良いんだから。 あぁ、因みに蛇弓も解除すれば核○になるようにしておいたから♪)

 

「何から何まで悪いな。」

 

(良いのよ。ひーちゃん、頑張ってね!!)

 

「あぁ。」

 

 

 俺は武○解除し、○金とマスクを持って大通りに戻るのだった。

 

 すると、大通りになにやら人だかりを発見する。覗いてみると、団子屋の看板娘が賊らしき男共に絡まれていた。

 

 

「へへっ。ねーちゃん綺麗だね〜。俺たちと楽しいことしないか?」

 

「そうだな。俺たちと楽しいことするんだな。」

 

「きゃああ〜。誰か助けて。」

 

 

 その娘の言葉にいてもたってもいられなくなり飛び出そうとするが、天の御使いを知っている人たちが多い分、騒ぎになり、賊共を刺激することになるかもしれない…。

 

 そう考えていると、手に持っているあるものを思い出す。

 

 

「よしっ!!これだ!!!」

 

 

―――――――――

 

 

「いいか〜ねーちゃん。おとなしくしてりゃ悪いようにはしないぜ。」

 

「いやっ、離しておじさん。」

 

「誰が…おじさん…だ〜!!?!! 俺はまだそこまで年いってねぇよ!!」

 

「「「「えっ。そうなの?」」」」

 

「見ているてめぇらも吃驚してんじゃねぇ!!! この女、俺に恥をかかせたがったな。もう我慢ならん。」

 

「いや〜!!!」

 

「叫んだところで誰も助けになんて『待て!!!』…なんだ!?」

 

「「「おいっ!!! 屋根の上に人がいるぞ。」」」

 

 

 俺は仮面をつけ、屋根の上で仁王立ちで構える。

 

 

「片手にピストル、心に花束、口に火の酒、背中に人生を!!!! (ビシッ!!!)」

 

 

 俺はその場で思いついたカッコいいポーズを決める。

 

 

 あれっ!?おかしいな、ここで盛り上がるはずなんだが…あぁそうか、町民の皆さんも俺のポーズに見とれてるのか。

 

 

「だ…誰だ貴様!!」

 

「我が名は蝶々マスク、パ○ヨン!!この世に舞い降りた正義の使者!!」

 

「ぱっ、ぱ○よん??」

 

「ちっちっち、違うな。パ○♪ヨン♪。もっと愛をこめて。」

 

「何をわけのわからねぇことを言ってやがる。」

 

「まぁ、もうそこはいいのでは。さて、貴様ら!! その娘を放せ!!」

 

「誰が放すか!!お前も手を出すなよ!!手を出したらどうなるか、分かるだろう?」

 

 

 男は刀を取り出して少女の首筋に当てる。

 

 

「下郎が!!! 仕方あるまい。これは使いたくなかったが…とう!!!!」

 

 

 俺は空高く飛び上がる。俺の体は太陽と丁度重なり、賊達からは眩しくて見えない形となる。

 

 

「食らえ、必殺!! 流星・ブ○ボー脚!!!」

 

「ぐぼふぁ!!!」

 

 

 俺はその勢いのままとび蹴りを男に浴びせ、少女を救い出す。

 

 

「大丈夫かい?おじょうさん。」

 

「…ぽ〜〜〜。( ///)」

 

「てってめぇ、手を出すなといったはずなんだな!!」

 

「だから足を出したんだが??」

 

「減らず口を吐くな、なんだな…。よくも仲間をやってくれたんだな。お仕置きしてやるんだな。」

 

「それはこっちのセリフだ!!! てめぇらのその下衆な行動。その身をもって償え!!! 武○錬金!!!」

 

 

 俺は核○を握り、武器を取り出す。男は俺に向かってくるが…。

 

 

「悪いが、この刀の錆となってもらうぞ!! 飛○御剣流奥義、○巣閃!!!」

 

「ぐっ…がっ…ごふっ、ぐぶぅ…。」

 

「殺しはしない。全て峰打ちだ…。」

 

「「「おお〜〜〜!!!!」」」

 

「すげ〜よ、あんた。」

 

「この娘を守ってくれてありがとう!!」

 

「お前はこの町の英雄だ!!」

 

 

 至る所から起こる歓声に浸っていると、

 

 

「おいっ!!警備兵が着たぞ!!」

 

「どけ!!現場に通せ!!」

 

 騒ぎを聞きつけた警備兵が群集を書き分けながら進んでくる。

 

 

「不味いな…。」

 

 

 そう言って俺は再び屋根に飛び乗る。

 

 

「諸君、私はこれにてさらばだ。また誰かが私の助けを求めるとき、この仮面と共に馳せ参じる!!」

 

 

 俺は屋根から路地裏に飛び降り、マスクと核○を隠した。

 

 程なくして祭さん率いる警備隊がその現場に到着する。俺もそこに普段どおりの格好で加わる。

 

 

「おやっ?祭さん。何かあったの?」

 

「ん?あぁ、徳種か。どうやら賊共が暴れてたらしいんだが、何者かにやられていてな…。民たちからは何でも蝶々ますく、ぱ○よんなるものが現れて、救ってくれたと聞いているが…。」

 

「もっと愛…。おとと…ふっ、ふ〜ん。不思議なこともあるもんだね…。」

 

「あぁ、もしそやつが孫呉に仇なすものなら捕らえなければな。」

 

「…そうだね…。」

 

「くそう…。もう少し早く来れていれば正体が分かったかもしれんのに…。」

 

 

そう言って祭さんは警備兵と共に帰っていった。

 

これはこれは…いいものが手に入ったじゃないか!! これでこの町の平和は俺が守る!!! …俺がいる間は…。

 

説明
修行が無茶苦茶!!って思う方もいますよね…。書いてる作者もそう思います…。

ただ、これぐらい出来ないようじゃ主人公として駄目ですし、主人公最強には為りえませんよね…。


書いていて、どんな状況になっているのか分かりにくいかなって思いました。しかし、細かい状況を書くのも難しい・・・。とりあえず雪蓮を合気道を用いて空中に投げ上げた・・・と理解してくれれば良いです。


本日は第二章 第七話の投稿となりますが…話がとある方向に偏ってます…。元ネタが分からない人には少しつまらないかも…。

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