IS<インフィニット・ストラトス>with LN<リリカルなのは>第十四話 |
第十四話 日常から非日常(魔法)へ
6月に入り、学生の休みである日曜日に俺は久々にIS学園の外___________五反田家にいた。
「喰らえ!」
「なっ!?」
俺は今、『IS/VS』<<インフィニット・ストラトス/ヴァースト・スカイ>>何て言うのやっている。
発売日だけで百万本を記録した大ヒットゲームである。
ちなみに俺はこのゲーム、かなり強いと自負しているんだが。
「うわっ!?お前そこからのコンボズルくね!?」
「へっ、回避できなかったお前が悪い」
この男、五反田弾はかなりのやり手だった。
俺は弾からのコンボ攻撃を喰らいそのままHPゲージが緑から赤になり、
「負けた..........」
「よっしゃあぁぁぁぁ!!勝ったぜ!」
弾は立ち上がって喜んでいた。
「そこまで喜ぶことかよ.......」
「はっ!お前に分かるか?リア充じゃないものの気持ちを!?分かるのかよ!?」
弾は俺の襟を掴みガクガクと揺らす。
やめてくれ..........気持ち悪くなってきた。
「俺はリア充なんかじゃないぞ」
俺がそう言うと弾は深い溜め息をついた。
「..........これだからなのはさん達がかわいそうなんだよ......」
何か言っているが声が小さくて分からない。
何だよ、もうちょっとはっきり喋ろよ。
そんなことを考えているとふと思い出す。
「そういえばスバルとティアナの調子はどうだ?弾が教えてるんだろ?」
弾はスバルとティアナに魔法を教えていたりする。弾はランクSの魔導師でかなり強い。
格闘と射撃が得意ということもあり、スバルにはストライクアーツ、ティアナには2丁拳銃を教えている。
「あぁ、スバルはいつも通り元気だし、ティアナは相変わらすツンツンしてるな、まあ二人ともかなりいい線までいってるから俺としては合格ラインだと思うんだが..........」
弾は最後の方をちょっとつまらせていた。
「だがどうしたんだよ?」
「あいつらの今の実力はどこへ行ってもやっていける位には強くなっているんだよ。それで俺がもうお前らかなり強くなったから来なくても大丈夫だぞって言ったらあいつらもっと強くなりたいとか言ってさ」
「別に良いことじゃないのか?頑張ることは」
まあ、あまり根を詰めすぎると良くないんだがな。前のなのはさんやそれこそティアナは同じ過ちをおかすことになる。
「はぁ〜....................一体二人が誰の為に頑張ってると思ってんだよ」
弾はまた溜め息をついた。
溜め息ばかりしていると幸せが逃げていくんだぞ。
「てか、お前。ぶっちゃけIS学園の方どうなんだよ?いい思い..........してるんだろうな..........」
そう言うと弾はうつ向いた。
「してねーよ。周りは女子しか居ないんだぞ。俺が一体どれほど気を使うか.........」
ほんと、変わっていいっていうなら変わってあげたいもん。
あ、でも。
「鈴が転校してくれて助かったよ。話し相手少なかったからな」
「あぁ、鈴か。鈴ねぇ..........」
弾はにやにやした顔でこちらを見てくる。
「気持ちわる」
「気持ちわるい言うな!」
おぉ、弾のツッコミも久しぶりだな。
てか、ほんと誰か一人位男子入らねーかな。
そんなことを考えていると、
「で、話しは戻るが、鈴のこと_________」
弾が話そうとするとそれは遮られた。
「お兄!お昼出来たって、さっきから言ってんじゃん!さっさと食べに__________」
バタンッ!とドアを開けて入って来たのは弾の妹の五反田蘭。
年は一個下で今は中学三年生。
有名私立女子校に通っている優等生である。
兄とは大違いだな、ほんとに。
「おっす、蘭。久しぶり、邪魔してる」
「い、い、一夏さん!?」
蘭は目を大きくして驚いていた。
つーかあれだな。
女子って家だとこんなラフな格好するんだな。
ショートパンツにタンクトップ、しかもあれだ。指摘していいのか?
ショートパンツのファスナー、ちょっと開いているし。
IS学園でも女子がこういうラフな格好しているから見慣れちゃったんだよな。
六課に居たときも女子しか居ないからってたまにそういうラフな格好している時あったんだよな。
なのはさんにフェイトさんにはやてさん、その他もろもろだ。
たまに俺にその格好で引っ付いてくるんだよな。
なのはさんやフェイトさんとかシグナムは胸があれだからな..........理性を削られるって言うかさ。
一応俺男なんだが..........エリオもだが。
そういうのは控えてほしいんだよな。
「き、来てたんですか?」
「あぁ、家の様子を見に行くついでに寄ってみたんだよ」
「そうだったんですか..........」
蘭って昔から俺に対してたどたどしいっていうか、敬語なんだろうか?
不思議だよな。
「おい、蘭。ノックぐらいしろよ。恥知らずな女だと思われ__________」
ギンッ!と目で弾に一閃する蘭。
弾はそんな妹に怯えていた。
おい、それでもランクSの魔導師なのかよ..........
「何で言わないのよ.........」
「あ、あれ?言ってなかったか?そ、そりゃあ悪かったな.......ハ、ハハハハ..........」
そう言った弾に対して射殺せそうな目で睨みつけてから、
「よかったら一夏さんもお昼食べて行ってください。お昼まだですよね?」
「あぁ、ありがとう。いただくよ」
「い、いえ」
蘭はそう言って部屋から出ていく。
「しかし、あれだよな。蘭はいつになったら俺に対して心を開いてくれるんだろうな?」
「は?」
「いや、ほらさ、だってよそよそしいだろ?今もさっさと部屋から出てったし」
「.........こいつは..........」
弾は呆れたようにそう言った。
「何だよ?」
「いや、流石一夏だと思っただけだよ」
「?」
「まあ、分からなければいいんだ。同い年の弟なんぞいらん」
弟?なんのことだ?
「まあ、とにかく昼飯食いに行こうぜ。早く行かないとまた怒られちまう」
「昼飯ゴチになりまーす」
「どうせ売れ残った定食だろけどさ」
あぁ、あのめちゃくちゃ甘いカボチャの煮付け定食か。
俺は結構好きなんだけどな。
「じゃあ、行こうぜ」
弾の部屋を出て下の食堂へと向かう。
ちなみに弾の家はさっきの定食発言から分かると思うが五反田食堂という定食屋さんである。
サラリーマンなど働く大人がよく利用し、味も良く値段もリーズナブルなので懐にも優しい。
たまにスバルの親父さんであるゲンヤさんも仕事を抜け出して来るらしい。
ゲンヤさん、弾の親父さんと仲良かったもんな..........
っと、このはなしは不味いな。
そうこう考えているうちに食堂に到着する。
「げっ」
「うん?」
露骨に弾が嫌そうな顔をしていたので何だと思いそちらの方を見ると先客がいた。
「何?何か問題でもあるの?あるならお兄一人外で食べてもいいよ」
「最近妹が冷たい..........」
あ、ちなみに弾は若干シスコンの部類に入っていたりする。
まあ、恭也さん程でもないが。
恭也さんっていうのはなのはさんの兄である。
何故かいつも斬りかかられるんだよな。
でも、いつもなのはさんや桃子さんにO☆HA☆NA☆SHIを喰らっているがな。
思い出すだけで寒気がしてきたな。
ちなみに桃子さんっていうのはなのはさんのお母さん。
見た目は二十代にしか見えない。
なのはさんと並ぶと姉妹にしか見えない。
高町家の謎の一つである。
てか、弾、ちょっとめんどくさいな。
え?何がって?キャラがだよ。
「蘭、こんな兄貴放っておいて二人で食べようぜ」
俺がそう言うと蘭は顔を赤くして、
「一夏さんと二人..........きゃっ..........///」
どうしたんだろう?
やはり俺って嫌われてるのか?
「待ってくれ!俺も一緒に食う!」
そしてそんなこんなで俺、弾、蘭は一緒のテーブルに着く。
あれ?
「なあ、蘭」
「は、はひっ?」
「着替えたのか?どっか出掛けるのか?」
「あ、いえ、これはですね.....」
さっきのラフな格好とはうってかわって髪を下ろして、薄手の白いワンピースを身に纏い、わずかにフリルのついた黒いニーソックスがなんとも言えないぜ!
ちなみに黒のニーソ、俺は好きだぜ!
「似合ってるぞ、蘭」
「あ、ありがとうございます///」
蘭は誉められて照れているのか顔を赤くしていた。
ああ、もしかして。
「もしかしてデ_________」
「違います!」
ダンっと机を叩きすぐさま否定する蘭。
俺まだデートのデの字までしか言ってないぞ。
何か地雷踏んじゃったかもな。
「ご、ごめん」
「あ、いえ..........と、とにかく違います」
「むしろ兄としては違って欲しくないって言うか、お前がそんな気合いの入った格好するのは一夏が来た時だ__________」
弾の話しは続かなかった。
気付いた時には既に弾はアイアンクローを喰らって動けなくなっていた。
てか、俺でも見えなかったぞ。
「..........!..........!」
「(コクコク!)」
何かアイコンタクトしてるし。
弾が憐れに見えるのは気のせいじゃないと思う。
しかしそれにしても。
「仲良いよな、お前ら」
『はあ!?』
二人仲良くハモっていた。
「食わねえなら下げるぞ」
「食います、食います」
現れたのは八十を越えてなお健在、五反田食堂の大将にして五反田家の頂点、五反田厳その人だった。
筋骨隆々とはまさしくこの人のことだと思う。
ちなみに厳さんの拳骨は千冬姉とタメ張れるぐらいの威力だ。
「「いただきます」」
「..........いただきます」
弾だけテンションが低かった。
「おう、食え」
厳さんは満足すると厨房に戻っていった。
食べながら合間合間に会話をする。
「でよう一夏。鈴と、えっと誰だっけ?ファースト幼馴染み?と再会したんだって?」
「ああ、箒な」
「ほうき?誰ですか?」
「俺のファースト幼馴染み、ちなみに鈴がセカンドな」
「ああ、あの人ですか.........」
何故か蘭は鈴の話しをすると表情が固くなる。
何でなんだ?
鈴と蘭って仲悪かったっけ?
「それでさ、寮の部屋がさ、まさかの女子と一緒っていう事態になって大変だったんだよ」
ガタンッ!
「女子と一緒!?」
何故か蘭は取り乱して、立ち上がる。
後ろのイスがワンテンポ遅れて倒れる。
俺や弾がイスを倒したものなら厳さんからの拳骨が飛んでくる。
文字通りに、気を纏わせた拳の拳圧が。
「ど、どうした?落ち着け」
「そうだぞ。落ち着_________」
ギンッ!と目で弾を一閃する蘭。
「い、一夏さん?一緒の部屋っていうのは寝食を供にしたということですか..........?」
「ああ、でもそれも先月までの話しで_______」
「い、1ヶ月以上同せ_____同居していたんですか!?」
「あ、ああ、そうなるかな..........」
蘭の気迫に押され俺は声が小さくなる。
「お兄、後で話し合いましょう」
「お、俺、このあと一夏と出掛けるから..........」
「では夜に」
有無を言わせないそんな口調だった。
俺はこの空間をどうにかしようと考ていた。
その時だった。
ピピピッ
携帯が鳴った。
俺だけではない、弾の携帯も鳴っていた。
俺は携帯を開き画面を見る。
弾も見ていたが、すぐに携帯を閉じた。
「い、一夏さん?お、お兄?」
俺と弾が纏っていた雰囲気が変わったのを感じたのか蘭は困惑する。
「じいちゃん、まだ食べてる途中だけど用事ができたわ」
そう言うと厳さんは後ろ姿を見せながら、
「行ってこい。ガキ共」
そう言った。
すべてを理解している目で。
「ごちそうさまです」
俺はそう言うと蘭の方を向き、
「悪い、せっかく一緒に食べてたのに」
俺がそう言うと蘭はまだ困惑したままだった。
「行くぞ、弾」
「おう」
弾は悪いなと付け足して。
そして俺と弾は食堂を後にした。
『時空管理局クロノハラウオンから『白の剣聖』織斑一夏、『赤の銃拳士』五反田弾へ極秘緊急要請』
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もし、一夏が管理局最強魔導師と呼ばれていたらのifの物語。 | ||
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