黄泉路への案内人 第六話
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第六話

 

SIDEなのは

 

 今わたしはお空を飛んでいます。しかも大好きな葵君に抱えられてです。

 

 葵君の背中には白と黒の翼が広がっていて何とも言えないきれいな光景です。

 

 そして近くの公園に下りて、わたしもおろします。もう少しあの状態でもよかったのにな・・・。

 

「さて、人語を話すフェレットとは。まぁ、その辺はどうでもいい。まず君の名前を教えてくれないか?」

 

「はい。僕の名前はユーノ・スクライア。スクライアは部族名だからユーノが名前です」

 

 ユーノ君か。かわいい名前だな。

 

「ユーノ君か。わたしの名前は高町なのはなの。小学三年生。友達や家族はなのはっていうの!」

 

「私は神無月葵だ。神無月は呼びずらいと思うから葵でいい。代わりに私もユーノと呼び捨てで呼ばせてもらうが良いか?」

 

 葵君がそういうとユーノ君も、

 

「はい。あの・・それよりも・・・その巻き込んですみませんでした!」

 

 そういって頭を下げるユーノ君。

 

「別に私は構わない。好きでやっていることだ」

 

「で、ですが・・・・」

 

「なのは。君はどうなんだ?」

 

 ふぇっ!? ここでわたしにふるの!?

 

「当たり前だ。今回の一番の被害者は私ではなく君だ」

 

 心が読まれた!?

 

「・・・よくわかんない」

 

「そうか。まぁ、いきなりこうなったんだ。それも仕方ないだろう。それよりもユーノ」

 

「はい。なんでしょう?」

 

「その、抱かせてもらってもいいか?」

 

「はい?」

 

 葵君は何言ってるんだろ?

 

「良いですけど?」

 

「そうか。では!」

 

 そういって葵君は目にもとまらない速さでユーノ君に抱きついた。

 

「ん〜。なかなかいい毛並みですね。それに、イヌとも猫とも違う毛並み、そしてこの愛くるしい目。なんとも、たまりません!」

 

 そういって葵君はユーノ君に頬ずりをしている。

 

「あ、葵君?」

 

「はっ!? また悪い癖が。でもいいといったのです。許可は取りました。というわけで続行です!」

 

 そういって再び再会した。

 

――数分後

 

「満足しました。ありがとうございます」

 

 そういって葵君は礼儀正しく頭を下げお礼をした。なんかいつもと違った一面を見れて新鮮だったの。

 

「葵君って動物好き?」

 

「ん〜。というよりかはかわいい物好きですね」

 

「かわいい物好き?」

 

「成長した犬より仔犬。猫より子猫。ぬいぐるみ。そういった類のものかな」

 

「あぁ。なるほど」

 

 すると、葵君も私服の姿に戻ると、髪の色も銀色からいつもの黒色の髪に戻っていた。

 

「ねぇ、葵君。なんで髪の色変わるの?」

 

「まぁ、魔法の影響と思っていただければ幸いだな。それよりももう遅い。家の人も心配するだろう。帰るとしよう」

 

「うん。ユーノ君は・・・そうだ! 私の家に来ない? 実はお父さん達にあなたを飼っていいか聞いておいたの」

 

「それは助かるけど・・・いいの?」

 

「うん!」

 

「そうか、ではなのはとユーノを高町家まで送ろう」

 

「いいの?」

 

「言い訳を考えているならな」

 

 うぐっ、そう言えば全く考えてなかった。

 

「はぁ。とりあえず考えているから行こうか」

 

 そういって葵君と一緒に家にむかって歩き出した。

 

SIDE Out

 

 

 さて、フェレット改めユーノを連れてなのはの前に来ると、

 

「(人の気配か・・・)なのは。玄関で二人誰かいる」

 

「え!?」

 

「まあ心配するのも納得だ。二人で入ろう」

 

「うん」

 

 そういって門を開けると、玄関にいたのは恭也と、美由紀がいた。

 

「こんな時間にどこに言っていたんだ? 葵君、君もだ」

 

 そういって何気に殺気を飛ばしてくる。まぁこんな時間に男女二入りというのは世間的に悪いが相手は小学生だ。

 

「なのはがフェレットが心配だと言うので私のところの保護者と一緒に病院まで行っていたんです」

 

 そう言って葵は恭也に事情を説明すると、

 

「この子がさっき言っていたフェレットね。なのは、この子が心配だから様子を見に行ったのね」

 

「まぁ、葵君と葵君の保護者がいたのならいいものの。なのは、葵君と葵君の保護者に後でいいからちゃんとお礼を言うんだぞ」

 

「うん!」

 

「さて。では私はこの辺で失礼します」

 

 そういって葵は高町家を後にしようとすると、

 

「ちょい待ち」

 

「え?」

 

 美由紀に両肩をつかまれた。

 

「ご飯を一緒にしない? それにもう遅いし」

 

「いえ、しかし家に人を待たせてますし」

 

「それなら心配いらないわ」

 

 そういって玄関から出てきたのは桃子であった。

 

「はい?」

 

「お家の人には連絡をすでにとってあるわよ」

 

「・・・・電話番号教えましたか?」

 

「いいえ」

 

「ではなぜ知っているのでしょうか?」

 

「ふふふ」

 

「(まずい。この笑いは非常に笑い。絶対に聞いてはならない。後でリニスに聞いてみるか。)では夕飯だけ」

 

 そうして高町家にて夕飯をごちそうになり、今後のユーノについて話し合った。その後はそのまま家に帰った。

 

 

「そうですか。あの反応はジュエルシードだったんですね」

 

「知っているのか?」

 

「えぇ」

 

 リニスの説明によるとロストロギア、過去に何らかの要因で消失した世界、ないしは滅んだ古代文明で造られた遺産の総称でありジュエルシードもその一つらしい。

 

そしてジュエルシードとは全部で21個存在し、一つ一つが強大な魔力の結晶体で、周囲の生物が抱いた願望を叶える特性を持っている。

 

「はぁ、何ともややこしい物を」

 

 ルミルは溜息をしつつもっともなことをつぶやいた。

 

「ですが、これも所詮人が創りし物。仕方ない。発見次第、なのはが行った封印は、無理だから強制的に魔力を無力化するか破壊のどちらかをしよう」

 

 その言葉を聞いたリニスは、

 

「は、破壊! あれを破壊できるんですか!?」

 

「不可能ではないでしょう。もともといた世界ではあれよりも危険なものなんていくらでもありましたからね」

 

「そんなことまで」

 

「ただし、危険な仕事なので私のいた世界の国家機関またはそれに許可を得た組織そみなんですがね」

 

 葵は昔を思い出しながら紅茶を飲み、

 

(もうあんな思いをさせるのはごめんだ。なのはにもさせたくはない。傷を負うのは私だけでいい)

 

 そう新たに誓いを立てるのであった。

 

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