ハイスクールD×D×D 第1章 旧校舎のディアボロス 第10話 聖女、出会います
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第10話 聖女、出会います

 

Side龍道 総司

 

「……契約を取れたのはいいのよ、イッセー

でもね、総司の力を借りなくても取れる様に成らないと…」

 

リアス会長は微妙な顔をしている、そう微妙な顔だ

契約は取れたのはいいのだが俺のアドバイスが無かったら取れてなかっただろうからだ

 

「会長の言うとおりだよ」

 

木場がそんなことを言いながら苦笑する

 

「……イッセー」

 

低く怖い声音でイッセーに話しかけるリアス先輩

 

「はい!」

 

「……契約後、例のチラシにアンケートを書いてもらう事になってるの

依頼者に方に『悪魔との契約はいかがでしたか?』って

チラシに書かれたアンケートはこの紙に表示されるわけだけど……」

 

そう言ってイッセーに紙を向けて見せてきた

そんな物があったのは初めて知ったな

 

「へぇ、そんな物があったんだ」

 

「私も初めて知ったんだにゃん

はぐれ悪魔の討伐にばっか行かせられてたからね、依頼なんて一度も受けたことなかったにゃん」

 

「姉さま……」

 

あいつらの話を聞きながらいるとこっちは暗い雰囲気になっちゃったな

こんな時は…

 

「暗い話は止め止め、イッセーたちの様子を見ようぜ」

 

「それもそうだにゃん」

 

「……先輩の言うとおりですね」

 

それから俺たちは再びイッセーの様子を見る

アンケートの文面が記された紙を見てるな

 

「……『楽しかった。こんなに楽しかったのは初めてです

イッセー君とはまた会いたいです、それに…」

 

「それに?」

 

「『総司君ともまた会いたいです!』」

 

「は?」

 

どういう……ことだ?

 

「『彼とは気が合う!最高だ!実にすばらしい!

また会いたいよ!!イッセー君ともまた契約したいがその時には連れて来てくれ!』

これ、依頼者さんからのアンケートよ」

 

「「なんじゃそりゃああああああああああ!!」」

 

俺とイッセーは思わず叫んだしまった

なんだ!?なんなんだそれは!?

 

「こんなアンケート、初めてだわ」

 

そりゃそうだ!イッセーの人気度もさる事ながら

そのお守りである俺への評価がこんなに高いってどういうことだ!?

 

「ちょっと、私もどうしていいか分からなかったの

だから、少し反応に困ってしかめっ面になってしまっていたでしょうね」

 

「それは当たり前にゃん

何でお供の総司の方が人気になってるにゃん?おかしいにゃん」

 

「黒歌の言う通りよ、でも面白いわ。それだけは確実ね

イッセー、貴方は前代未聞尽くめだけど、とても面白い子ね

意外性ナンバー1の悪魔なのかも知れないわ

それに……」

 

どこぞの渦巻忍者かよ

それからそれにってなんだ?

 

「あなたもね、総司

イッセーもそうだけどあなたも本当に面白いわ

本当に残念よ、貴方を転生させられないのが…」

 

「そりゃ無理だろ、したくも無いし

俺のスペックを舐めるなよ、自分のスペックには自信を持ってるからな

幼少のころからこっちは修行してるんだ」

 

「そうだにゃん!私も一緒に修行してたから分かるにゃん

あれはいつ思い出しても……(ブルブル)」

 

そりゃねえ、あの修行を思い出したらね

俺も体が震えてきたぜ…

 

「大丈夫なのあなた達?」

 

「「大丈夫(にゃん)、ちょっと地獄を思い出しただけだから」」

 

「そう、大丈夫ならいいんだけど」

 

それから俺たちはしばらくして解散した

 

その翌日の夜

俺は再びスキマでイッセーは自転車で依頼者宅の前まで来ていた

イッセーがドアの前に立ち呼び鈴を鳴らす

呼び鈴を鳴らす悪魔ってダサいね

 

『あいてます。どうぞにょ』

 

「「にょ?」」

 

俺とイッセーは顔を見合せた

どういう事なんだ?野太い男性の声で「にょ」ってどういうことだ?

 

「イッセー、俺は猛烈に嫌な予感がする

具体的には漢女(おとめ)がいるような……」

 

「俺もだ総司、だが俺たちは逝かないといけない」

 

「そうだな、では逝こうか」

 

俺たちが腹を括って玄関を上がり扉を上げるとそこには…

 

「いらっしゃいにょ」

 

「「――っ!?」」

 

圧倒的巨体、圧倒的存在感、圧倒的パワー、圧倒的圧迫感

鍛え抜かれた筋骨隆々な肉体をゴスロリ服で包む、漢女がいた。しかもネコミミだ

やばい!こいつには勝てない!

そう俺の本能が叫んでくる

なんだ?なんなんだ!?これが本当に人間だと言うのか?

母さんよりも、父さんよりも、藍姉さんよりも、紫苑よりも、幽々子さんよりも、エルシャ師匠よりも、みょん夢師匠よりも、魅魔師匠よりも、萃香よりも、霊夢よりも、魔理沙よりも、レミリアよりも、フランよりも、Hよりも、ルーミアよりも、諏訪子よりも、神奈子よりも、早苗よりも、妹紅よりも、慧音よりも、輝夜よりも、永琳よりも、そして地底の鬼たちよりも覇気が強いぞ!?

 

「あ、あの……あ、悪魔を……グレモリーの眷属を召喚しましたか……?」

 

凄いなイッセー、初めて尊敬したよ

このプレッシャーを前に口を利けるなんて……

駄目だ、こいつにだけは勝てる気が全くしねえ

赤龍神帝の籠手も白龍神皇の光翼も俺の切り札も効きそうにねえ

 

「そうだにょ。お願いがあって、悪魔さんを呼んだにょ」

 

ぐあああああああ!!こいつは効くぞ

滅びのバーストストリームより効くぞ!

何て威力だ!この化物が語尾に「にょ」と言うのは!!

 

「ミルたんを魔法少女にしてほしいにょ」

 

「異世界にでも転移してください」

 

即答だった

ありえない、そんな願いどうやって叶えろと?

性別を変えろと言うのか?

俺が突っ込もうと思ったのはそこだったがイッセーはさらに予想外の答えを出した

異世界に転移してくださいだと?

それがすでに魔法だろうが!でk…

 

「それはもう試したにょ」

 

「「試したのかよっ!」」

 

それって魔法使ってんじゃん!

うん?異世界…………

 

「でも無理だったにょ。ミルたんに魔法の力をくれるものは無かったにょ」

 

異世界……魔法の力をくれる物……

 

「そうだ!あいつがいた!!」

 

「あいつにょ?」

 

俺はスキマの中から厳重に封印してあるものを取り出す

前にとある世界に行ったときこいつには迷惑かけられたんだ

仕返しをしてやらないとなクックック…

 

「総司、顔がやばいことになってるぞ」

 

「自分でも分かってるよ

えっと……みーーつけた!ル〜ビーちゃーん!でておいーで!」

 

スキマから取り出した箱の封印を解いて中からカレイドステッキと呼ばれる下種を取り出す

 

【やっと私を解放してk……、何ですかこの化物!?】

 

「化物とは失礼にょ!」

 

「なあ総司、その如何にもな魔法少女の杖っぽいのは何だ?」

 

そう言えばイッセーには説明してなかったな

 

「こいつはカレイドステッキ

製作者さえ封印した最強最悪の魔術礼装だ

理由はこいつがすぐに魔法少女(笑)に美の付く者なら変えようとするからなんだよ

それよりルビー、この人の物に大人しくならないと

先ずはズタズタに切り裂いてニュークリア―ブレイカーを当てて

その後にオカマバーの中に放り込んでジェイルに分解させて

太陽の中に放り込むぞ?」

 

【私に選択肢はないと言うのですか!?何でそんなむごいことを!】

 

なんで?決まってるだろ

 

「てめえが前に俺を魔法少年とやらに変えたからに決まってるだろうが!

せっかくFATEの世界に行ったんだから魔術を学ぼうと思ったら変なことに巻き込まれたこっちの気持ちが分かるか!?ああ!!

あれはこっちの黒歴史なんだよ!!いいチャンスだ、仕返しさせてもらうぜ!」

 

【ひい!!】

 

「ミルたん、これを持って唱えるのです!

心に描く魔法の呪文を!(しっかり変身させろよ、お前のマスターなんだからなア!!)」

 

【そんなあああああああああああ!!】

 

「分かったんだにょ!

我、使命を受けし者なり。契約のもと、その力を解き放つにょ!

風は空に、星は天に、そして不屈の心はこの胸ににょ。カレイドステッキ、セットアップにょ!!」

 

どこぞのリリカルで戦闘民族で魔王な少女の変身の呪文と似てるな

 

【ええい!もうどうにでもなれです!】

 

「にょにょにょ!?なんか不思議なパワーが体に満ち溢れるにょ!

ありがとうなのにょ!悪魔さん!」

 

「で、そのステッキを受け取る対価として寿命1秒です

お支払いしますか?」

 

なんかイッセーがいろいろ諦めた顔で契約について質問してるんだが…

しかも1秒って、えー

 

「分かったにょ!たった1秒なら問題ないにょ!」

 

契約が成立し帰る事になったんだが心配なことがあったのであの下種をミルたんのもとから離れないように封印を施してから帰った

これで脅威は去ったぜ、カレイドステッキザマァwwww

 

Sideout

 

Side兵藤 一誠

 

あのばk……漢女と出会った次の日

はぁ。ため息が止まらない

今日も部長は微妙な表情を浮かべていた。総司が居なければまた依頼が達成できてなかったからだ

だけど!だけど!どうやってあれを解決しろって言うんだよ!

だって漢女が魔法少女にしてくれだぜ!不可能だろ!

俺と総司で話したら木場には…

 

「あはは、兵藤君はそういう感じの人に選ばれる魔力があるんだろうね」

 

爽やかスマイルでそんなこと言ってきやがった。

思わず総司と2人で殴っちまった。マジで死ねよイケメン!

総司も総司だがあいつは黒歌さんがいるから周りは手を出そうとしないから未だマシだけどよ、なんでこう俺の周りはモテる奴ばっかなんだよ!

しかも木場の野郎、美人のお姉さんに呼ばれる率が相当高いそうじゃないか

ちくしょう!何で俺ばっか!木場めぇええええ!総司めぇええええ!!

 

「はわう!」

 

ん?突然の声

後方から可愛らしい悲鳴が聞こえると同時にボスンと路面に何かが転がる音がする

振り向くと、そこにはシスターが転がっていた

手を大きく広げ、顔面から地面に突っ伏している

総司だったら「なんでそんな転び方を?」とか「どうやったらそんな風に転ぶんだ?」とか言いながら手を差し伸べそうだな

 

「……だ、大丈夫ッスか?」

 

俺はシスターに近寄ると、立ち上がれるように手を差し伸べた

それにしても何もないのにどうして転んだんだ?

 

「あうぅ・なんで転んでしまうんでしょうか……ああ、すみません

ありがとうございますぅぅ」

 

自分でも分からないのね

それに声からして俺と同じくらいの年齢かな?

俺が手を引いて立ち上がらせると風邪でシスターのヴェールが飛んで行った

―――っ

俺は一瞬心を奪われていた

目の前の金髪美少女がものすごくきれいでそのグリーン色の双眸があまりにも綺麗で引き込まれそうだった

今までいろんな美少女を見てきたけどこんなことは初めてだ

そう、悪魔になった後リアス部長を見た時とはまた別の引き込まれるような感覚

何ていうか心から惹かれるような感じがした

 

「あ、あの……どうしたんですか……?」

 

「あっ。ご、ごめん。えっと……」

 

言葉が続かない

見惚れていたなんてとてもじゃないけど言えるわけないじゃないですか

だってこの子、俺の理想の女の子像(金髪美少女版)そのまんまなんですよ!

部長もいいけど俺はこういう子も大好きなんですよ!これがフラグだったら!?

思わずそんなことを考えてしまった『俺は悪くない!』

いけね、思わずネタをやっちまった、総司のが少しうつったかも

ふいに彼女が肩にかけている旅行鞄が視界に映る

そういや、この町でシスターなんて見たことないな

ちょーレアな体験なんじゃないのか?これ!

とりあえず、飛ばされたヴェールを拾ってあげる。運よく近くに落ちてた

 

「りょ、旅行?」

 

「いえ、違うんです

実はこの町の教会に今日赴任する事になりまして……あなたもこの町の方なのですね。これからよろしくお願いします」

 

はぁ。この町の教会に赴任ねぇ。

うん?教会に赴任?ちょっと待てよ、この町の教会って確か……

 

―――イッセー、悪魔は教会に言ってはダメなんだ―――

 

―――とは言ってもこの町の教会はとっくに潰れてんだけどな―――

 

そうだ!思い出した!総司が言ってたんだ、この町の教会は潰れてるって

だったらどういう事なんだ?とても嘘を吐いてるようには見えないんだけど……

 

「聞きたい事が有るんだけど……この町の教会潰れているはずだよ?

どういう事かな?」

 

「え!そうなんですか!

私はこの町の教会に行けと言われただけなので……」

 

本当に知らない?なんか嫌な予感がするけど……

 

「とりあえず教会の場所は知ってるからさ

近くまで送るよ、待ち合わせかもしれないしさ」

 

「ほ、本当ですか!あ、ありがとうございますぅぅ!

これも主のお導きのおかげですね!」

 

本当に可愛いな、この子

でも、胸のロザリオを見ていると気持ち悪くなって体が最大級の拒否反応を覚えてしまう

そりゃ、悪魔だもんな、俺

あの総司が出した剣を見た時ほどじゃないけど気持ちが悪くなる

 

「ところで名前を言ってなかったからさ、自己紹介位しとこうよ

俺は兵藤一誠。周りからはイッセーって呼ばれてるから、イッセーでいいよ

で、キミは?」

 

「私はアーシア・アルジェントと言います!アーシアと呼んでください!」

 

「じゃあアーシア、近くまで送って行くよ」

 

それから俺はアーシアを教会の近くまで送って行った

その時教会に近づくとまずいって言うのは体で感じたよ

本能が近づくことを拒否してた。あれはヤバい

アーシアの誘いに乗って教会に入ってたらどんなことになっていたか…

 

Sideout

 

説明
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コメント
皆様の声次第ではまた登場させようと思ってます(グランド)
1巻でしか出ていないと言うのに、原作においても強烈な個性を放つ高位生命体“ミルたん”。ある意味人類の最終兵器なんじゃ……。(モノクマ)
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